ヨルコのホーム
シュミットを連れてヨルコのホームに連れていき、話を聞くためにユウキとキリトは後ろで立って話を聞いていた。
シュミットとヨルコは椅子に座り、シュミットは落ち着けないのだろうか、貧乏揺すりをしている。
「カインズが死んだってのは、本当か?」
ヨルコは答えずに頷いた。
「な!なんで!《グリセルダ》は、おれ達を殺す気なのか!?《指輪売却》に反対したおれ達を!!お前はいいのか!?ヨルコ!!」
《指輪売却》その言葉がおれとユウキに疑問を持たせた。
恐らく、ヨルコさんが言ってた、あの事件の事だろう。
「私あの後、考えてみたの。」
ヨルコさんは椅子から立ち上がり、こちらを見たまま、開いている窓に近寄った。
「あの指輪が無ければ!!グリセルダさんは死ぬことはなかった!!今回の件も、グリセルダさんはが死ななければ起きなかった!!私達がグリセルダさんを殺したのも同然よ!!」
ヨルコが叫び始め、キリト等は呆気に取られた。
次の瞬間あることが起きた。
タン!
いきなりおかしな音が聞こえた、ヨルコは信じられないように、こちらに背を向けた。
背中にはギルティーソーンが刺さっていた。だが、槍はシュミットが持っている。今回のは、短剣だ。
ヨルコは窓から落ちた。
「ヨルコさん!!」
キリトは急いで窓に寄り、下に落ちた彼女を見た。
彼女はポリゴンが四散する前に口が動いた。そして彼女はポリゴンになり四散した。
キリトは正面を見た。屋根にローブを被ったプレイヤーが走り出そうとしていた。
「ユウキ!!シュミットを頼む!!」
「え!?」
ユウキが何かを言う前にキリトは窓から向こうの屋根に飛び移った。
「待て!!」
キリトがそう叫ぶと、ローブを被ったプレイヤーは、ローブの中に手を入れていた。
(おれも殺す気か!?)
キリトは背中にかけている剣の柄を握った。
だが、出てきたのは武器ではなく、転移結晶だった。
「くそ!!」
キリトは毒づきながら、腰のポーチからピックを取り出し、ローブを被ったプレイヤー目掛けて投げた。ピックは全て圏内の障壁に塞がれた。
(転移コマンドだけは聞いてやる!!)
キリトが転移コマンドを聞くために耳を澄ました瞬間、鐘がなった。
鐘がなっている間に、転移結晶が反応する、極少量の声で転移した。
「逃げられたか。」
キリトは走る足を止め、ユウキとシュミットを置いてきた宿屋に向かった。
宿屋
「キリト!!無茶しすぎ!!」
「す、すまん。」
キリトはユウキに謝ってる最中にシュミットを見た。頭を抱えて震えている。
「今のは誰なんだ?まさか例の《レッドギルド》な」
キリトが喋ってる最中シュミットが大きな声で遮った。
「違う!!あれはグリセルダがいつも着ていたローブだ!!グリセルダはおれも殺す気なんだ!!幽霊だったら、誰にも見つかることなんてないからな、もう幽霊がゲームをクリアした方がいいんじゃないか。」
後半は、恐怖に耐えきれなくなったのか、笑いながら言っていた。
「シュミット、とりあえずもう帰って休んでくれ。」
「言われなくてもそうするよ。」
シュミットはそう言い、キリトが転移結晶をシュミットに手渡し、シュミットは聖竜連合本部があるフロアに転移した。
「どうする?」
「アスナと合流して、グリムロックが見つかったか聞いてみよう、今回の事も報告する。」
「わかった。メッセージ送っとくね。」
ユウキがメッセージを送っている最中キリトは気になった事を頭の中で考えていた。
(さっき、おれが投げたピックは障壁によって弾かれた、でも、ヨルコさんとカインズは槍と短剣が刺さっていた。二人の共通点は、同じ黄金林檎の元ギルドメンバー、四散する直前に口が動いていた、ことだけだ、でも、何か引っ掛かる。見落としている部分があるのか?)
「キリト、メッセージ帰ってきたよ。」
「おう、わかった。」
おれが考えている間にアスナからの返信が来たようだ。
「で、内容は?」
「え~と、内容は《解ったわ、ならアルケードの転移門広場に落ち合いましょう》って、書いてある。」
「じゃあ、行くか。」
キリトはユウキを連れてアルケードに向かった。
久しぶりにマザーズ・ロザリオ編を見ていたら、最後のユウキが、木の前でアスナに抱えられた所から最後まで号泣しました。ユウキには長生きして欲しかったです。