黒と紫のソードアートオンライン   作:壺井 遼太郎

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圏内事件

サクラの月、二十二日

 

キリトはユウキとの散歩で59層の圏内を歩いていた、59層は他のフロアの圏内と違い、主街区から出ても、15m以内は圏内なので、散歩していて疲れたから、草原で休んでいた。

 

「疲れたね~♪」

 

「あぁ、おれも何だか眠くなってきた。」

 

そう言いながらキリトは欠伸をした、

 

「圏内PKされないように索敵スキルに警戒モードつけてから寝るわ、護衛よろしく。」

 

ユウキは何を言われたかわからなず頭の上に?マークが出た。

ユウキは目の前で眠ったキリトを見て、先程言われた意味を察した。

 

「ちょ!?キリト!?」

 

キリトに呼び掛けても起きる気配がない。

 

「寝ちゃった。」

 

ユウキは呆れながらキリトを見ていた。

 

「ふあぁぁ。」

 

(寝てるキリト見てたら眠くなっちゃった。)

 

そう考えてる内にユウキの目の前は暗くなった。

 

キリトは疲れていたからか、起きた時は3時だった。

 

「寝すぎたか。」

 

横を見ると、ユウキが眠っていた。

 

(おれの護衛している間に寝ちゃったのか。)

 

キリトはユウキが護衛していたと思い、お礼を言った。

だが、実際ユウキが眠っている時間はキリトと変わらない。

 

(ここで寝てたら、睡眠PKされそうだな。可哀想だけど起こすか。)

 

「ユウキー、起きろー!!」

 

「ん?」

 

「起きたか、護衛どうも。」

 

「あ、ぼく寝ちゃったんだ、起こしてくれてありがと。」

 

「消費アイテム買いに行こうぜ。結晶アイテムはたくさん持っていないとな。」

 

「うん♪」

 

ユウキを起こしたキリトは、ユウキと一緒に59層の主街区に買い物に出かけた。

 

遅くなってきたので、「今日は食べていこう」、とキリトはユウキに言って、ユウキは笑いながら「今日はキリトの護衛をしたから、キリトの奢りね♪」そう言われ、食事を取るために、キリトは行きつけの店に向かった。

 

57層、《マーテン》時刻16時半

 

最前線から2層下なだけなのか、人が賑わっていた。

 

おれはユウキに店の前まで案内した。

 

「ここ?」

 

「うん、お薦めは肉より魚。」

 

キリトはそう言い店のドアを開けた。

 

キリトがドアを開けてユウキが先に入ったら、ユウキは驚きの声をあげた。

 

「あ!アスナ!!」

 

「あら、ユウキにキリト君じゃない?二人もここにごはん食べに来たの?美味しいわよここ。」

 

「じゃあ、一緒に座って良いか?」

 

「ええ、良いわよ、どうぞ。」

 

キリトはユウキと自分の分のメニューとボトルを頼んで、アスナと話をした。

 

「なんでアスナはここにいるんだ?」

 

「別に私がどこにいようと私の勝手でしょ。それにここは食事を取るお店でしょ。だからごはん食べてるの。」

 

「そうでした。」

 

キリトはアスナにそこまで言われて降参した。

 

「それにしてもあなた達、随分仲良いのね。」

 

「え?」

 

「キリト君とユウキ、二人共別行動してるときなんて、私は見たことないし、今日59層で一緒に寝てたし。」

 

「「え?見てたの「か」!?」」

 

「当たり前でしょ、最前線で寝てる上に、私だって攻略組なんだからダンジョンに行くわよ。通り道で見かけるなんてないと思った?」

 

はい、また降参です。二人揃ってそう言った時にアスナは笑ったが、丁度そのタイミングで頼んでた料理とボトルが来た。

 

店の外でキリトが支払いを終わらせて、店から出てきた。

 

「ご馳走様、キリト。」

 

「ああ。」

 

「にしても、この世界って、現実世界の調味料が無いわよね。」

 

「そうそう、マヨネーズとかソースとか、あと、」

 

「「「醤油」」」

 

3人同時に言ったため、笑った二人だが、

 

「きゃああああああ!」

 

叫び声が聞こえた。

 

「広場の方からだ!!」

 

キリト達は急いで広場に向かった。

 

「な!」

 

キリトが見たのは、教会からロープに吊るされ、胸に刺している、正しくは刺されている槍を抜こうとしている鎧姿のプレイヤーがいた。

 

「ぼくがロープを切る!!二人は下で受け止めて!!」

 

「「わかった。」」

 

「ぐ、うわぁぁぁぁ。」

 

プレイヤーが声をあげた、顔が少しだけ見えた。見えたのは目が何かを見つめていた。恐らくHPがレッドゾーンに突入したのだ。

 

「ああああ、………」

 

声をあげた時、プレイヤーは四散し、刺さっていた槍が落ちた。

彼は何か最期に言っていた。

 

「皆ウィナー表示を探せ!!」

 

ユウキが教会の上から顔を出し叫んだ。

 

「中には誰も居ない!!」

 

「駄目だ、30秒たった。」

 

彼がもし死んでいた場合の為におれは時間を見た。

 

十八時二十七分、死因貫通継続ダメージ




圏内事件なので分ける必要があるので短めです。圏内事件が終わるまで我慢してください。

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