黒と紫のソードアートオンライン   作:壺井 遼太郎

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奇妙なスキル

サクラの月二十二日、50層のキリトとユウキの家

 

先日、ロザリア率いるオレンジギルド、タイタンズ・ハンドを牢獄に送った時のお礼で、シルバーフラグスのリーダーがギルドホームとして使っていた家をくれた。

 

「ほんとにもらって良いの!?」

 

ユウキがそう言ったら、シルバーフラグスのリーダーが、

 

「良いんです。仲間の為とはいえ、自分で手を出すのが怖くて、人に頼んだんです。誰かに、ましてや自分の敵を取ってくれた人にあげるんなら笑って許してくれるでしょう。」

 

こう言われると、断るに断りきれなくなり、譲り受けた。だが、一人で暮らすには広すぎてどうしたものか?と悩んでいたら「ぼくと一緒に住もうよ♪」と言われ、断るとユウキが泣き出す事が何ヵ月も一緒にいれば、当然のように解る。その上好きな相手の頼みであれば断れない。

 

「良いぞ、一緒に住もう。」

 

と返事をし今に至った、ユウキはいつの間にか修得していた、《料理》スキルと《裁縫》スキルによって、服と食事は問題なかった。

 

「おれも何か手伝える物はないのか?」

 

溜め息混じりにスキル表を見ていた。

 

「ん?なんだこれ?《二刀流》?」

 

まさかと思い、新聞のスキル一覧を覗いてみた。新聞に載っているのは、エクストラスキルの出現と出し方が書いてあるが、二刀流の名前はなかった。

 

「まさか、《ユニークスキル》か!?」

 

ユニークスキル、SAOの現在の生き残りの6000人の中でたった一人の男が持っている、(まさかおれもユニークスキル持ちの二人目になるのか?)キリトはユウキと相談しようと、ドアノブに手をつけようとしたが、勢いよくドアノブが回ったので急いで後ろに飛んだ。

 

「キリトー!ぼくのスキル表の中に変なスキルが入ってた!!」

 

「落ち着けユウキ!!おれも丁度その事でお前の所へ行こうとしてた所だ。」

 

「え!?キリトもなの?ぼくのスキルは《空絶剣》って名前なんだ。」

 

「おれのは、《二刀流》って言うスキルだ。二刀流は名前通りに剣を2つ使うスキルだな、片手剣のソードスキルも使える、ユウキの空絶剣は何なんだ?」

 

「ぼくのスキルは武器の攻撃力を+10、ぼくの敏捷度を+20してくれるスキルだね。同じく、片手剣のソードスキルを使用出来るよ。」

 

「どう聞いても、両方共ユニークスキルだな。しかもユウキに至っては能力チート過ぎるだろ。」

 

「そうだよね♪」

 

(可愛さもチート級だけどな)

 

キリトは考えた内容を書き換えようと、話を続けた。

 

「さて、このスキルは誰も居ないダンジョンで熟練度上げをするとして、今日はどうする?」

 

「そうだね~?今日のアインクラッドの天気は最高の設定だから、攻略休んでお散歩しようよ♪」

 

「そうだな、今は4月だし、サクラも咲いてるだろうからな。」

 

キリトとユウキはどこを散歩しようか悩んだ所、紙に字を書き十の位と一の位に指を指し行くところが決まった、場所は59層。




今回はユニークスキルの紹介と次回の伏線だけなのでいつもより短めです。
今回、投稿が遅れたのはユウキのユニークスキルを考えていたからです。
気付いてるかも知れませんが、ユウキの《空絶剣》は《空前絶後の剣》を短くしたものです。

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