黒と紫のソードアートオンライン   作:壺井 遼太郎

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竜使いの少女

三十五層「迷いの森」

 

「ユウキ~!どこいった~?」

 

迷いの森は一分で隣接するエリアが変わる、その上転移結晶を使用しても、迷いの森のどこかに転移するマップだ。村の武器屋に高い地図があり、その地図を頼りにしないと抜けられない、ユウキがはしゃいで飛び込んで行ってしまった為、ユウキは現在迷子中だ。

そうこう考えていると、「キリト~?どこ~?」と声が聞こえた声が聞こえた方へキリトは向かった。

 

「やっと見つけたぞ、ユウキ。」

 

「ごめんね、ぼくが森に飛び込んで迷子になっちゃって。」

 

ごっ、と重たい音が聞こえ、ポリゴンが四散した音が聞こえた。

 

「ユウキ!!」

 

「うん!!」

 

音がなる方へ向かってキリトとユウキは走った。

 

時は少し逆上り

 

迷いの森で一つのパーティーが口論をしていた。

口論した内容は、槍使いの女性プレイヤーが「そのトカゲちゃんがいるから、回復結晶は要らないでしょ。」と言われたことが頭にきて口論をし、《シリカ》はパーティーを抜けた。

 

だが、マップを持っていない彼女には迷いの森で迷子になるのは、そう時間がかからなかった。

 

「どうしよう!?」

 

シリカは怯えながらでも、モンスターと戦っていった、彼女はビーストテイマーと言う所に属しているプレイヤーだ。通常、モンスターをテイムしようとしても、殆ど仲間にならない、その上、テイムするには、モンスターを殺し過ぎては行けない。

例えば、スライムをテイムしようと思えば、スライムを殺し過ぎてはいけない。

そんなシリカはある日、お金を稼ごう、と森に入っていた時に、《フェザーリドラ》が近寄ってきた、シリカはナッツを渡したら、偶然にも好物だったらしく、フェザーリドラこと《ピナ》が仲間になった。

フェザーリドラはレアモンスターの上にシリカの容姿もあり、竜使いのシリカと呼ばれるアイドルになった。

 

「転移!!」

 

シリカは一か八か出口付近に出てくれると願い転移結晶を使用した。

結果、何も変わらなかった。

その時ピナが敵を関知した。フェザーリドラは索敵、主の少しだけだがHPを回復することが出来る。

 

現れたモンスターは《ドランクエイプ》3匹。迷いの森では最強クラスのモンスターだ、だがシリカは安全マージンはしっかり取っていたので、驚異の相手ではなかった。

一匹だけだったら。

 

「てやぁ!!」

 

シリカはソードスキルを使いドランクエイプの体力をレッドまで落とした、短剣スキルは7割方マスターしている、だからこれぐらいのモンスターはたいしたことなかった。

だが、ドランクエイプは一匹とスイッチして、レッドまで落としたはずのドランクエイプの体力がグリーンまで回復している。ドランクエイプがもつ壺が問題だった。

前まではパーティーで倒していたから、この行動は知らなかった。

シリカは呆気に取られてドランクエイプの攻撃に気がつかなかった。

 

「きゃっ!!」

 

そう叫びシリカは吹き飛ばされた。

シリカは死を覚悟した、ドランクエイプは止めを刺そうと、棍棒を掲げた。だが、次の瞬間予想がしなかったことが起きた。ピナが庇ったのだ、シリカは何が起きたのかわからずにピナを抱き上げた、ピナのHPは無くなっていた。最後にピナはキュルと、鳴いた。ピナはこの時、シリカの腕の中で、消えた。

 

「ピナーー!!」

 

シリカは後ろのドランクエイプ達を見た、ドランクエイプが此方に棍棒を降ろそうとした、その瞬間、ズバッ、と音がなり、モンスターは倒れた。

 

シリカはピナが落とした羽を拾った。

 

「私を一人にしないでピナ。」

 

「待って、その羽、名前が付いてない?」

 

シリカは恐る恐る確認した。通常死んでしまった場合何も残らない、ピナの羽をタッチしたら、ポップアップメニューに名前が書いてあった。

 

《ピナの心》

 

シリカは泣きそうになった。

 

「待って、キリトたしか使い魔の蘇生アイテムの噂ってなかった?」

 

「あぁ、対象のモンスターの心が残っていれば、3日以内に蘇生出来るアイテムが47層にある。」

 

蘇生と聞いた時は希望が出たが、3日以内、47層、その二つの言葉に絶望した。

今のレベルではでは47層に行っても、モンスターには勝てない。

 

「ねぇ、ぼく達が手伝ってあげようか?」

 

「良いんですか!?」

 

「別に良いよ、おれ達が来た理由と被るし。」

 

シリカは意味がわからなかった、キリトと呼ばれた男性はアイテムを無料でくれた上にマップを取りだし、出口まで先導してくれた。

 

シリカはキリトとユウキをつれてホームにしている村に戻った。

 

シリカがパーティーを抜けたと聞いてスカウトしに来たパーティーは幾つもいた。

 

《風見鶏亭》の扉前

 

「あらぁ、シリカじゃない出られたんだ。」

 

槍使いの《ロザリア》が話しかけてきた、今回の事件と口論の原因となったプレイヤーだった。シリカはピナが死んだことを言われ、唇をかんだ、キリトとユウキも見たところ強そうじゃないと言われた。

 

無視して、店に入ろうとする直前にユウキがロザリアに言った。

 

「おばさんも、フレンジーボアよりも弱そうだけどね!!」

 

ユウキは笑いながら叫んだ、おばさんを強調したのはわざとだ。

 

風見鶏亭内

 

「なんであんなことするのかな?」

 

「君はもしかしてMMOはSAOが初めて?」

 

シリカは頷いた、

 

「ネットゲームではよくあることなんだ、現実とゲームの中で性格が変わるなんて事は」

 

「うん、正義をかたどって、制裁するプレイヤー、中には平気で殺しをするプレイヤーも要るしね。」

 

「あ、あの!」

 

「何!?」

 

「ユウキさんとキリトさんは今日の宿どうするんですか?」

 

そのことを考えてなかった。明日は47層に行くため、ホームの50層に戻るのは面倒だし。

 

「ここで泊まるよ。明日のこともあるし。」

 

そう言い、宿屋に泊まり、47層の事を話してもらっていた。

 

「それで、ここか」

 

キリトがいきなり顔をしかめた

 

「どうしたのキリト!?」

 

「しっ!」

 

キリトはドアを開けた。

 

「誰だ!!」

 

誰も居なかったが、階段を急いでかけ降りている音は聞こえた。

 

「聞かれてたな。」

 

「え、でも部屋の中の声は聞こえないはずじゃ。」

 

「聞き耳スキルが高いと別だ。そんなのあげてるやつ滅多に居ないけど。」

 

キリトはホロウ・キーボードを出し、後はメッセージだけの会話になった。

 

「じゃあ、これで47層の説明は終わりって、なんでユウキは寝てるんだ。」

 

「ふふふ♪」

 

シリカはユウキとキリトを見ていると笑っていた。

 

「おーい、ユウキ、寝るんだったらベッドで寝ろ。」

 

「う~ん」

 

(ユウキさんとキリトさん、お似合いのカップルですね。)

 

シリカは考えている内に自分も寝てしまった。




前回で言うことを忘れていました。

《ヴォーパルストライク》と《ノヴァ・アセンション》に関しては何も言わないで下さい、ビーターと明かすために上位スキルを書き込んじゃいました。

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