黒と紫のソードアートオンライン   作:壺井 遼太郎

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鍛冶屋の男性プレイヤー

体術スキルを習得した翌日

 

ある村に騒ぎを見つけて見ていた。

 

「おい!ふざけるな+4に直せよ!!」

 

騒ぎの元は鍛冶屋についてだった、いつもなら、

(NPC相手に言ってもしょうがないだろ。)

と、内心で呟いていたが、今回は違った。

 

鍛冶屋はNPCではなく、プレイヤーだった。

 

「すいません。」

 

頭を下げて謝罪をした鍛冶屋がいた、

 

「いや、おれも悪かったよ、悪いな怒鳴ったりしてな。」

 

「まあまあ、シヴァ、おれたちも《アニールブレード》のクエスト手伝ってやるから、また一週間やって戻そうぜ。」

 

今は一週間もかかるのか早めに手に入れてよかった、と安堵のため息をつくユウキとキリトだったが、鍛冶屋が衝撃の一言を言った。

 

「あの、その《アニールブレード》を1000コルで、売ってくれませんか?」

 

どよめきが他のプレイヤーに走った。アニールブレードの未強化定価は1500コルだが、あのアニールブレードには500コルも価値はない。

 

「ねぇ、キリト?なんであの人強化し直さないの?」

 

「ユウキ知らないのか?武器には強化回数があって、それが0になるともう強化は出来ないんだ。アニールブレードの強化回数は8回、あの人の様子だと、アニールブレード+4から0になったんだろうな。」

 

「そっか、もう8回やって強化回数使いきっちゃったんだ。」

 

「そ、だからあれはエンド品だ、売ろうとしても、500コルも満たない。」

 

説明している最中に、「いいのか!?」と武器を買い取ってもらっていた。

 

「ええ、ぼくのせいでエンド品にしちゃったので、少しの償いです。あのお詫びにこの《アイアンソード》をどうぞ。」

 

そう言って、アイアンソードを受け取り、シヴァという、プレイヤーが転移門広場に歩いていった。アニールブレードのクエストを受けに言ったんだろう。

 

「ねぇ、キリトレベルいくつ?」

 

突然聞かれ戸惑ったが答えた。

 

「えっと、15だけど。」

 

「ならキリト勝負しようよ♪」

 

「え?」

 

「このアニールブレード+6だから、+8にしようと思ってね。なら今から森に行って素材を取りながら、狩ったモンスターの数で勝負しようと思ってね♪」

 

おれはデュエルだと思って驚いたが、違ったようで落ち着いた。

 

「良いぞ、近くにちょうど素材をドロップするモンスターが湧くそこでどっちが多く狩ったか、一時間で勝負だ。」

 

「負けた方が今日のごはん奢りだよ!!」

 

「乗った!!」

 

森の前に行き、時間を見た、16時59分。

 

「「ready」」

 

17時になった。

 

「「GO!!」」

 

キリトとユウキは同時に森に入り、モンスターを倒していた。

 

18時

 

「キリトは、何匹狩れた?」

 

「おれは、106匹」

 

「ぼくの勝ちだね、ぼくは110匹だよ♪」

 

「なに!」

 

「キリト今日のごはん奢りだよ~♪」

 

ユウキはキリトを起こしアルゴから聞いた店に向かった。

 

「げ!?この店は!!」

 

キリトはどうやら来たことがあるらしく、焦った反応をした。

店に入りぼくは美味しそうな名前の料理を頼み、最後にキリトに聞こえないように、デザートを頼んだ。

 

ぼくたちが食べ終えると頼んだデザートが来た。

 

「どうぞ《トレンブリング・ショートケーキ》でございます。」

 

NPCが名前を言ったときに、キリトは魂が抜けたように口を開けていた。

 

「な、なんで!!このケーキを知ってるんだ!?」

 

「ぼくがアルゴから聞いたんだ、体術スキルを取ったあと、疲れたから甘いものが欲しい、て言ったら教えてくれたんだ♪」

 

「アルゴの野郎ぉぉぉぉぉ!!」

 

キリトが頭を下げて絶叫した。

 

「まぁまぁ、ほら速く食べよ♪」

 

キリトは自暴自棄になったのか、やけ食いを始めた。

 

キリトの財布の中身は死んだ《トレンブリング・ショートケーキ》はものすごく高いらしく、キリトのお金は一気に初期金額近くまで落ちた。

 

「あぁ~、食った食った。」

 

「だね♪」

 

「あのケーキ、βの時より旨かったし、こんなバフも無かったしな。」

 

キリトが言うバフは四つ葉のアイコンだった。これは幸運のバフとわかったけど、フィールドについて素材集めをしようにも、

 

「時間が足りないな。」

 

キリトも同じことを考えてたらしい、なら今からあれをやりにいこうと、キリトを引っ張って、昼間の鍛冶屋さんの前に向かった。

 

「すいません、これ強化お願いします。」

 

「あ!は、はい!」

 

驚いたようにぼくの剣を持ち、ハンマーをウインドウから取り出して、ぼくの剣を叩いた、10回くらい叩き、ぼくの剣が光った。「強化成功か!?」とキリトは驚いたけど、成功でも失敗でもなかった。

 

光りが収まったと同時に、

 

ぼくのアニールブレードが、バサァ、と音をたてて砕け散った。

 




今回もプログレッシブの話です。
因みにユウキのレベルはキリトと同じ15です。
多分この流れだと、SAO編終わるのが150話まで行きそうです。
それでも良いぞ、といのなら暖かい目で見ていってください。
好評なら、SAO編の次回作も作ります。
逆に、あまり好評でなければ、SAO編で打ち切りにします。

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