剣姫と白兎の物語   作:兎魂

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神ロキに恩恵を刻んでもらったベル。彼のスキルと魔法とは...


14 ベルのスキルと魔法

ロキはベルのスキルと魔法を見て目を細めた。

 

(ベル。お前の家族を想う気持ちが伝わってくるで...)

 

スキル

 

家族の絆(ファミリアボウンズ)

 

家族(ファミリア)との絆が深まるほど効果は向上。

 

家族(ファミリア)全体のステイタス+補正。

 

家族(ファミリア)の為己の限界を超える。

 

 

(これは...アイズの英雄になるって強い想が発現のきっかけか。アイズたん愛されとるなー。これが恋愛なのか家族愛なのかはウチにはわからんけどなー)

 

 

誓い(ルフテ)

 

・早熟する

 

・想いの丈で効果は向上

 

・想いが続く限り効果は持続する

 

(魔法はアイズの魔法と似とるな。体に雷を纏わせるっちゅうことはどの程度のもんかいな。んで同調か...もしかしたら...)

 

ロキは豊穣の女主人でベルとアイズの魔力交換のようなものを目にしていたのでピンときた。

 

(後でアイズのステータス更新して確認してみよか)

 

魔法

 

(ドゥンデル)

 

目覚めよ(テンペスト)(ドゥンデル)

 

・雷の力を己の体に付与することにより身体能力向上

 

 

・雷を体に纏う。又は放出するv

 

同調(ユニゾン)することにより効果は倍増 

 

 

(さて、ベルにはこのスキルを伝えてもいいのか迷うとこやわ。【家族の絆】はまだいい。この己の限界を超えるってのが気になるけどそこまで害はないやろ。ただこの【誓い】はもしかしたら成長速度に関係しているスキルかもしれん。仮にそうだとしたらこんな激レアスキルを周りの神にまだ知られるわけにはいかんな。へたにちょっかい出されてもウチがなんとかすればいいけどダンジョン内で何かあった場合ウチにはどうすることもできん。とりあえずベルには【誓い】のことはまだ黙っとくか。魔法は実際使わんとわからんからな。リヴェリアにでも頼んで中庭で見てもらおか。さて、しばらくの間誰にベルの面倒をみてもらうかなー。んーあの調子だとアイズが見るっていいそうやけど以外にベートもベルの事気にしとるしな...)

 

勘のいいロキだがベルのスキル【家族の絆】の効果を過小評価していた。後に後悔することになる...

 

「あ...あのロキ様?どうかなさいましたか?」

 

あまりに長く考え込んでいるロキを不審に思いベルがおずおずと尋ねる。ロキはいったん考えることを止めてベルと正面から向き合った。

 

「いや、大丈夫や!ベルの方こそ大丈夫か?なんとなく具合悪そうやで?」

 

(具合がよくないというより生命力が弱まっているような...?フィンと戦っていた時。正確に言うとあの双剣を使った時爆発的に力が増した。もしかしたらそれに関係しているかもしれんな。なんや調べることだらけやな...)

 

双剣のことも調べなくてはならなくなったロキであるがベルの方が心配でなようでベルに双剣を使った時の事を聞いた。

 

「無我夢中だったんですが、頭に声が響いて...それで双剣を抜きました。そしたら体の力が一気に吸い取られる感じがしました」

 

ふむふむとロキがうなずく。

 

「なるほどな。ウチの神友にヘファイストスがおる。ヘファイストスのロゴが刻まれているようやし今度一緒にいこか」

 

神ヘファイストス

 

迷宮都市オラリオで武具を扱うファミリアは多々あるがヘファイストスファミリアはその中でもトップの位置にいるファミリアである。神ヘファイストスは己自身も神匠と呼ばれ、神界では様々な武具を造った。

しかしなぜか下界に降りてきてからは一度武器を造って以来今まで一度も自分で造ってはいないという噂である。

 

 

ベルはロキにお礼をいい紙に写してもらった自分のステイタスを確認した。

 

「ロキ様!僕スキルと魔法が発現してます!」

 

ベルは具合の悪さも吹き飛ぶような笑顔でロキの方に顔を向ける。そんなベルを見つめるロキは慈愛に満ちていた。ベルの境遇をしっているロキは自分の子供になったベルに精一杯の愛情を注ごうと心に誓う

 

「ロキ様。この家族の絆っていうスキルはどんな感じのスキルなんですか?」

 

「このスキルは多分やけどベルの家族を大切にしたい。何があっても家族を護りたい。っていう強い想いから発言したスキルだと思うで。効果やけどウチのファミリアの子らと仲良くなればなるほどベルとファミリアの仲間のステータスが上がるってやつやな。それがどの程度なのか。具体なものはわからんけど徐々に効果をみてくしかないな」

 

そうなんですかっとうなずくベル。いまいちわかっていない様子のベルにロキは苦笑する。

 

「この限界を超えるというのはなんでしょうか?」

 

「これは簡単やな!仲間のピンチにステータスが上がるってやつや。これもどの程度なのかは試さないとわからん。でも仲間の為に力が増すなんて英雄みたいやろ?」

 

ベルは英雄という言葉に目を輝かせる。

 

(ホントにベルはアイズの英雄になりたいんやなー...)

 

スキルの事を聞き満足したベルは次に魔法について尋ねた。

 

「ロキ様!僕昔から魔法に憧れてたんです!なのですごくうれしいです」

 

ベルにしっぽが生えていたらぶんぶん振っているんだろうなぁとロキは内心思う。

 

(さてここでもう一個爆弾おとしたろかな...ベルどんな反応するんやろ)

 

ロキはいつものいたずらする気満々な顔をした。

 

「ベル。いいこと教えたるわ。この魔法はなんと...アイズと同系統の魔法やで!多分やけど...」

 

ガタガタガタっドアの方で音がした。

 

「アイズたん...なにしとるんや...」

 

どうやらアイズは部屋に帰ったがロキがベルに恩恵を刻んでいるところで声をかけようかかけまいかしている時にベルに自分と同系統の魔法が発現したと聞き動揺したようだ。それを察したロキは...

 

(アイズたん萌えーーーー)

 

心の中で叫んだ。

 

 

 

 

アイズ視点

 

(どうしよう...ロキに変なところ見られて恥ずかしくて出てきたけどベルの様子みるっていったのに...よし。ベルのところに戻ろう)

 

アイズは羞恥のあまり走り去ってしまったが徐々に落ち着きを取戻しベルのいる医務室まで戻ってきた。

 

(あれ...ロキがまだいる。ああ、ベルに恩恵刻み終わったところ...かな。これでベルも同じ家族(ファミリア)だね。おめでとう...ベル)

 

そんなことを想いながら待っているとベルのステイタスをロキが説明していた。

 

(すごい...最初からスキルと魔法が発現しているなんて。あ...そういえば私も発現していたっけ...)

 

アイズは幼い頃...ロキファミリアにきた事をおぼろげながら思い出していた。すると

 

「ベル。いいこと教えたるわ。この魔法はなんと...アイズと同系統の魔法やで!多分やけど...」

 

(ええ!?私と同系統の魔法!?)

 

アイズは不意打ちをくらい扉に足をぶつけてしまった...

 

 

 

 

「あ...アイズさん!僕正式にロキファミリアの一員になれました!ええと...大丈夫ですか?」

 

(うぅー恥ずかしい...ベルにも変なところ見られちゃった...)

 

アイズは顔を真っ赤にしている。

 

「なんやアイズたん。そんなとこにいなくても入ってきたらいいやん。恥ずかしがらんでもいいに。むふふ...さっきだってベルに、むぐっ」

 

アイズが瞬時にロキの口をふさぐ。

 

小声

 

「ロキ。一つ貸しにするから...黙ってて」

 

小声

 

「別に寝ているベルに顔近づけて何かしようとしてた...なんていってもいいやん..痛い痛い」

 

アイズがロキの体を絞める。

 

小声

 

「わかったから放してや。全くアイズたんはかわええなー。ぐふふ、アイズたんに何してもらお...」

 

小声

 

「変なことしたら切ります」

 

アイズの声色に本気を感じロキは諦めた。

 

「さあ、アイズたんも来たしウチは部屋に戻るわ。ベルもまだ疲れてるみたいやし今日一日ゆっくりやすみや。これからの事は明日話そうや。魔法の事、スキルの事、まだまだ話したいことあると思うけど今日は我慢しいや。明日からスキルと魔法の効果確かめるさかい」

 

そういうとほななーと手をふって部屋を出て行った。

 

沈黙...二人きりになった瞬間会話がなくなってしまった。ベルはアイズの英雄になるなんて大それたことをいってしまった手前恥ずかしくてアイズの顔をまともにみれず。アイズもまた、ベルの寝ている間にいろいろしてしまった手前はずかしくてベルの顔を見れずにいた。

 

 

沈黙が二人を包む中なんとかベルがアイズに話しかける。

 

「あ、あのアイズさん。すみません。突然あんなこといってしまって。どうしても気持ちを抑えることができなくて...」

 

ベルは心底申し訳なさそうに頭を下げる。

 

「いいの。ベル。私はうれしかったから。でも無理はしないでね。一緒に強くなろう」

 

 

「はい。アイズさん」

 

「ベルの面倒は私がみるから。安心してね」

 

アイズが照れくさそうに微笑み、そんなアイズを見てベルは顔を赤くする。

 

そのまま二人はお互いにお互いの事を聞きながらベルが眠るまで時間を過ごした。

 

 

 

 

「緊急幹部会を開くでぇー!今日の夜8時にウチの部屋まで集まるように幹部連中に伝えてや!」

 

執務室に入ってくるなり大声でフィンに話しかけるロキ。フィンは書類仕事をしている手を止めてロキを見つめた。

 

「随分と機嫌がよさそうだねロキ。そんなにベルのステイタスはすごかったのかい?僕の予想ではスキルくらい発現してるとふんでるんだけどね」

 

ロキは更に上機嫌になって続ける。

 

「そんなもんやないで...フィン。スキル2つ!それに魔法まで発現しとる。こんなにテンション上がるのも久しぶりや...まあそのスキルが問題ありなんやけどな」

 

(スキルに魔法まで。ベル...君は本当にすごいな。これからが楽しみだよ)

 

「なるほど。そのスキルについて僕たちに話があるってことかな?」

 

「その通りや。いやーしかしホンマにベルは強くなるで」

 

「わかるのかい?」

 

「ベルと手合せしたフィンが一番よくわかっているやろ?」

 

「まあね。だけど危うくもある。僕たちが支えていかないとね」

 

そやなとロキも同意しお互い頷いた。

 

(当面の問題としてそもそもベルはこのオラリオの町にあまり詳しくない。そのあたりも教育していかなければならないな。他にはダンジョンについての知識か。これはリヴェリアが教えると言い出すだろう。戦闘訓練はまあきっと...いや間違いなくアイズが自分でみるというだろう。遠征もあるしいろいろと考えなくてはならないな。ベルの入団試験を団員皆が見てくれたことによって周りの団員達もベルを認めただろう。何よりあんな気合の入った戦いをみたんだ。うずうずしてほとんどのものがダンジョンに行ったと思うし。中庭でベルの入団試験を行ったのは正解だったかな)

 

ベルを入団させることはほとんど決まっていた為、ベルが入団した後のことも考えて皆に認めてもらう為にわざと中庭で戦い、ベルの気合を見せたのだ。フィンもあそこまでベルが根性をみせるとは思っていなかったが皆にはいい刺激になったと思っていた。これで多少なりとも僕たちがベルを気遣っても誰も不満には思わないだろうと思っていた...

 

 

「アイズ様。我々はまだあの少年を認めてはいません。我らは...アイズ様親衛隊!」

 

 

 

 

神ヘファイストスの執務室

 

(!!この気配はまさか私の作品(こども)...私は下界に来てからあの双剣しか造っていない。あの子を扱える者などもうこの世にはいないだろう。下手にあの双剣を使ったら死んでしまう...この気配の出所は黄昏の館!ロキのところに急がなくちゃ)

 

ヘファイストスはファミリアの団長である椿・コルブランドの元へ向かい、椿を連れてロキファミリアの元へ向かった。

 

 

 




いつも読んでくださっている皆様ありがとうございます。

ベル君のスキル、と魔法を今回は書きました。プラスして双剣の謎も次回以降書いていきます。

相変わらずベル君とアイズさんは仲良しです。

13話に挿絵追加しました!

次回は 1.双剣の秘密  2 緊急会議 3まで行けるかわかりませんが魔法の使い方

こんな感じで書ければと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

PS コメントにあった「」[]は見直しました<m(__)m>申し訳ありません<m(__)m>

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