デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 はいはいタイトルどうりでございます。
 宿題終わってない(´・ω・`)どうしようかしらん

 行き先こそ決まってはいたもののなかなかに悩みましたが(構想)楽しんで欲しいです。


鞠奈

 

 

 

 「じゃあ明日はあたしの番ね」

 

 鞠亜とのデートを終えたその日の夜、鞠奈は――本人は気づいていないようだが――誰が見てもわかるほどにうきうきとしていた。

 

 「そんなに楽しそうにしている鞠奈は珍しいですね」

 

 鞠奈は思っていることが表情に出やすい性格ではあるものの、それが行動にまで現れるというのは確かに珍しいことではあった。が、それをまっすぐに指摘されてなんの反応も返さずにいられるほど鞠奈は素直ではない。

 

 「べ、別に、私は士道とのデートを楽しみになんてしてないわよ」

 「では、楽しみでは無いのでしょうか?」

 「うっ、いや、そんなこともないけど…」

 

 尻すぼみになる言葉。ツンデレゆえの弊害とても言うべきか、素直に認められない鞠奈。

 

 「すみません、からかいすぎましたね。全く、鞠奈はテンプレすぎるツンデレですね」

 「そういうキミだって手作り弁当を持っていったり、あざといんじゃないの」

 

 もしここに士道がいたならば、二人の間にバチバチと音を立てる雷がせめぎ合うような幻視をしただろう。だが、この――本当の姉妹ではないにしろ、そこらの姉妹よりもよっぽど通じあっているこの2人にとってはこれも単なる日常の会話に過ぎない。

 

 「では、鞠奈。頑張ってきてください」

 「あたりまえよ」

 

 ふっ、と笑いあった二人は、仲良さげに――否、本当に仲良く笑いあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして翌日。鞠亜とのデート同様に、一時間も前から家を出て待ち合わせ場所の駅前へと向かう士道。

 そして到着した駅前では、既に鞠奈が待っていた。

 フリルの多くついた黒のワンピースに、同色のフード付きケープを身にまとった鞠奈。足元は黒いニーソックスと、真っ黒なコーディネートだが、それがとても彼女に似合っていた。数瞬目を奪われるが、すぐさま持ち直して鞠奈の元へ向かう。

 

 「待ったか?」

 定番なそのセリフに鞠奈はふっと笑い

 

 「今来たところよ」

 

 そう返したのだった。

 

 

 

 12時というお昼時に集まり、すぐに食事、そしてどこかへ、というつもりであった二人は、早くついてしまったがために余った時間を駅周辺の店を見回って過ごし、昼食時。

 鞠亜と同じく手作り弁当――ではなく、ふたりが向かったのは喫茶店だった。「私に任せておいて」そう言って、鞠奈は士道の分の注文も済ませてしまう。

 

 「なあ、何頼んだんだ?」

 「秘密よ秘密。くればわかるんだから、少しぐらい待ちなさいよねこの馬鹿」

 

 さらりと馬鹿だなんて言われるが、そこは彼女のことをよく知る士道だ。本音でそう言っている訳では無いと即座に看破し、おとなしく待つことにした。

 しかし、この店にはカップルが多くないだろうかと士道は思った。もちろん、普通の客もいるのだが、男女ペアとの比率にすれば2:8といったところ。もちろん、多い方がカップルの割合である。

 

 そして運ばれてきたのは、フレンチトーストにホットケーキ。それにハート型で、両側から飲めるようにされたストローのささったジュースである。ホットケーキやフレンチトーストは既に一口サイズに切り分けられていて、二つ合わせて一つのフォークしかない。つまりそういうことなのか。

 

 「な、なあ、これ本当に飲むのか?」

 「え、ええ。べ、別にあたしがキミとこれを飲みたかったからじゃなくて、これが人気だから頼んでみただけなんだからね!?」

 

 少し慌てた様子でいろいろ暴露しちゃう鞠奈。士道は、こうして回りくどく否定するときの鞠奈の言うことは大抵本来思っていることと逆であると分かっているため、鞠奈がやりたがっているのならと覚悟を決める。

 ぱくり、とストローをくわえるが、鞠奈が動こうとしない。ピクリとも動かず、停止してしまっている。

 

 「どうした? 飲まないのか?」

 「っ、え、ええそうね。飲むわよ」

 

 そして二人してストローをくわえれば、目の前に鞠奈の顔がある。至近距離で見つめ合うのが恥ずかしくなって視線をそらしつつ、ジュースを飲む。

 

 そして顔を離して鞠奈のことを見れば、真っ赤に赤面してしまっていた。それを見て、士道もだんだんと顔が赤くなるのを感じ、それをごまかそうとストローを咥えて、相手の鞠奈がいないことでジュースを飲むことも出来ず、しばらくうつむく。

 顔の火照りがおさまったなら次はと、鞠奈がフォークを手に取り、ホットケーキを差し出してくる。

 

 「あ、あーん」

 

 恥ずかしそうに視線までそらしながらも、横目ではちらちらとこちらを見る鞠奈。とても可愛らしい。ぱくりとホットケーキを食べ、美味しいよと笑いかければ、鞠奈は赤面して俯いてしまう。そんなところに、

 

 「鞠奈、あーん」

 

 士道ももちろん恥ずかしいわけで、顔を赤くしながらもホットケーキを差し出せば、ゆっくりと顔をこちらへ向けて、おそるおそるといった様子でぱくりと食べる。

 

 そんな様子でスローペースに、赤面しながら食事をする二人は初々しい、なりたてカップルであった。

 

 

 

 

 

 予想以上に長くの時間を費やした食事のあと、ふたりが向かったのは水族館だ。鞠奈曰くデートスポットとして有名だからだそうだが、これも鞠奈が行きたいからだと士道は察する。店を出た直後に鞠奈の手を取り、恋人つなぎに。

 びくっ、と体を震えさせた後、赤面して下を向きながらに手を離そうとしない鞠奈は、普段とのギャップがすごいものであった。

 

 「じゃあ水族館に入るわよ」

 

 水族館につく頃には落ち着いていた鞠奈が、その中に入った途端視界に飛び込んできた巨大な水槽と魚達に、わぁと声を上げる。

 そうして、士道は鞠奈に手を引かれながら館内を歩き回ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 「ねぇ、士道。今日のデートは楽しかったかな?」

 

 水族館を出て、昼ごはんのこともあってそれなりに良い時間となっていたため、家へと帰る道の途中。鞠奈はそんなことを訪ねてきた。

 

 「ああ、もちろん。鞠奈と一緒にいられて、俺は幸せだ」

 

 ストレートな愛の告白にも聞こえる――いや、多少そんな意味も含んでいたのだろうその言葉に、鞠奈は赤面する。

 

 「士道、いじわるな質問だけど、あたしと鞠亜のデートのどっちが楽しかった?」

 「どっちが、なんて選べるわけないじゃないか。二人とも違ってて、両方楽しかった。それじゃあダメかな?」

 「ううん、すっごい士道らしいとあたしは思うよ」

 

 一呼吸置いて

 

 「士道! あたしも鞠亜も、絶対に離したら許さないんだからね!」

 

 大きな声で、鞠奈はそう言い放った。




 構図こそ決まっていたものの鞠亜とは違うものにしようと服装はやたら悩みました。イメージ的にはPso2のバニスレプカ影に黒パーカー着た感じ。ファッションセンスのない私にはよくわからんが私はこういう服装好きです。あとはニーソックスも履いてもらわなきゃな。

 あと、最初の方は士道のいない二人の様子を書いてみたかっただけだったり。

 鞠奈のキャラというか口調が崩れっぱなしだけどそれはつまりずっと士道にどきどきさせられてたってことです。ツンデレのデレばっか状態ですね。今後も2人きりだとそんな感じになることが多いかも。今回は初デートだったし仕方ない感じもある…かな?
 学校だったりほかの所ではちゃんとしてますからね!

 水族館とか思いつかなかった。正直構想では喫茶店しか決まってなかった。そんな感じの今回、楽しんでいただけたのなら幸いです。次回、どうしようかなぁ。

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