前の話書き終えてからね、気づいたのよ。美九を原作どうりに動かすとすると、鞠亜達を洗脳できてしまったら激おこになった士道が情け容赦なくジェノサイドしかねないじゃん? でも洗脳できなかったら今度は鞠奈達の大規模な戦力を相手にしなくちゃならないやん? どっち選んでも戦力差がヤバイでしょ?
さらに言うと原作と違ってこちらの士道は霊力や天使を完全に掌握してる訳だから、故意にパスを狭めて能力使えなくするとか実は出来るわけよ。
……気づいたら美九さんハードモードだったぜ。
というわけでなるべく原作を無視したオリジナルな展開で行こうと思います。前々から言ってる通り美九編で話を終えてしまうつもりだし、その辺のキリが良くなるようにもしようかなと。番外編や小話は後々気が向いたらやる形になるだろうけどね。
なるべく士道(士織)に敵対せず、洗脳するとかそんな命捨てるような真似もせずにしかし何かのキッカケで士道を見直してデレてくれるといいよ!(美九が)
友人の依頼でクトゥルフ神話TRPGのストーリーとか書かされてて深夜3時に執筆開始。これ寝落ちして翌昼投稿だな……と察しつつも執筆開始した莢那でした。
刻一刻と迫っていた時。ついに終業のチャイムが鳴り響く。
これから一般生徒たちは各校で天央祭の準備に入り、実行委員は会場である天宮スクエアに赴いてエリアの確認に赴くのだ。
『さ、時間ね。早速準備してちょうだい』
「はぁ、分かったよ……」
「やはり、慣れませんか?」
「まあ、そうだな。変装している間の記憶が無いってのがどうも不安で……変なことしてないよな?」
そう、女装している間の士織としての記憶は士道の状態では思い出せないのである。士道自身は何故かと首を傾げているが、ストレスから体を守るための防衛反応だ。
「大丈夫よ大丈夫。なにかしてたら流石に言ってるわよ」
「そう、だよな。よし、行ってくる」
士道はふう、と息を吐いて立ち上がる。
「士道、私たちがお手伝いしましょうか。一人だけでして、見落としがあっても困りますからね」
「それはいい案ね、鞠亜。あたしも手伝ってあげるわよ」
「ひ、一人で出来るから、な?」
割と必死の説得も虚しく、人気の無かった女子トイレへ二人に連れ込まれ、ノリノリな二人に着替えさせられたのだった。来禅学園の女子制服に、少しでも体のラインを隠せるようにカーディガン装備である。〈フラクシナス〉製のウィッグをつけ、衣装の準備は万端である。
次いで鏡を取り出し、二人に訂正されつつもメイクを進める中、徐々に士道の意識は薄れていった。
「あのー、すみませーん」
「ん?」
「え?」
「ほ?」
クラスメイトの亜衣、麻衣、美衣を発見した士織は早速彼女らに声をかける。
「どーしたの?何か用?」
「背ぇ高っ、モデルさんみたーい」
「カーディガンとか暑くない?冷え症?」
三人はもちろん、士織が士道であるなど夢にも思っていないだろう。なにせキャラから何から違いすぎる。
「山吹さん、葉桜さん、藤袴さんですよね?」
「なぬ、おぬし、どこでその情報を!?」
「まさか敵国の間者か!?」
「何が狙いだ!」
そう言い3人は変なポーズを取ってくる。
「士織、任せてください。実行委員の士道は、今日休ませて欲しいそうです」
「なんだとぅ!」
「あの野郎逃げやがったぞ!」
「火を持て!魔女が出たぞ!」
「落ち着きなさいよ。それで、この子が代わりに入るのよ」
「え?」
士道の言葉に亜衣がキョトンとさせた。
「んー、そりゃ私たちは構わない……って言うかむしろ助かるくらいだけど……」
「そもそもあなたどちら様? 五河君とどーいうご関係?」
「或守さん達とも親しいんだねぇ? そっちとはどんな関係?」
「士織は士道の従妹ですよ、亜衣、麻衣、美衣」
「そういうことなので、よろしくおねがいしますね」
士織がそう言ってニコリと微笑むと、三人がまた変なポーズをとる。
「五河士道っ! まだ美少女を引き連れているというのかっ!」
「めちゃくちゃ可愛いね、……士織ちゃん、だっけ? とにかく、よろしく!」
「こんな従妹を隠していた五河士道は重罪。許されないね」
「はいはい、余計なこと考えてないでさっさと話すすめるわよ」
ぱんぱんと手を叩いて、場の妙な空気を終わらせる鞠奈。
「まあ、とりあえずそれはそれでいいとして、あなた何組?お名前は?」
「えっと、実はまだ転校の手続きが終わっていないんです。一応、一組ということにしておいてもらえますか? 名前は、五河士織です」
そう名乗ると3人はスクラムを組むように会議を始める。
そして数秒後に素早く円陣を組むとポンポンと馴れ馴れしく肩を叩いてくる。
「まかせて! 士織ちゃん!」
「士織ちゃんの秘密は私たちが守るよ!」
「でも、いっぱい働いてもらうよー」
「はい! よろしくおねがいします!」
そうして、無事士織は実行委員のチームに加わることになったのだった。
「あ、士織さーん! こんにちはー!」
「折紙ちゃんに狂三ちゃん、こんにちは」
「あらあら、もう来てましたのね?」
二人はもちろんながら事情を知っているし、何度かこの状態の士道……士織と会話も交わしているので慣れた対応だ。まあ、彼女らも多少の違和感こそ感じているが、まあそこは割り切りだろう。
「実行委員は私たちで全員ですか?」
「そーだよ?」
「いえ、純粋に気になっただけなので、大したことじゃないんです」
そう言って士織が苦笑すれば、三人がまた円陣を組む。士織の可愛らしさは精霊と比較しても劣らないレベルで完成されていて、さらにその上可愛らしい仕草や表情がついてまわるのだ。士道だと知っていても精霊達ですら見惚れるほど、とまで言ってしまえば、その程が分かるだろう。
「それじゃあ、天宮スクエアへ向かいましょうか!」
士織の声に、誰もが「はい!」と元気よく返事を返したのだった。
士織の美しさが天元突破。元々男である分そういうことをよく分かっているからこそのちょっとあざとい+めちゃくちゃ可愛い。その上本人の性質として天然っぽいし、元気がいい。完璧な美少女でしょう? そういうキャラに固まってるので完全に無双状態です。〈破軍歌姫〉なしでも洗脳してない……? 美人の言うことを聞きたくなる的なアレだから多分セーフ。
前書きの予想どうり寝落ちしたのでお昼に投稿です。遅れてごめんね!
サブタイは顔合わせ的なものにしたかったけど二文字ってことと今回の話的に「代理」で。