デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 春休みに入りブレスオブザ・ワイルドやら千年の黄昏してたらついつい更新忘れてましたネ。いやほんと、申し訳ない。休みが続くと曜日感覚無くなりません……? と言い訳。
 16が発売されて既に乗っていなかった能力なんかも出てきて大興奮な感じで。ええ。狂三のところ手直ししとかないとなーと思ったけど下手に事情を想像せず分からないままにしておいたのが功を奏したかあまり変えることがない。原初の精霊殺すっていう願いを諦められてるのがおかしいかなーって思ったけどそれ変えたら展開めっさ変わるしなぁ。なのでまあ、自らの事情に踏み入らず、ただ手を差し伸べてくれたから心を許した的な美しい終わり方で許してください。いやまじで。
 宿題に学習合宿とやることは山積みです……。本能寺もサボってるからノッブだけでも取らなきゃなぁ。看板娘すら引けなかったさ……!

 なんていろいろ雑談かましつつ美九編。今作はこの辺りで(キリ悪いかもだけど)終わるつもりなんだよね。アニメで出たキャラで終わらせるとかそういう。ごめんね七罪……。むくなんかも出しては見たいんだけどねー。とりあえず、進めましょう。ところでデレる前の美九ってどんな口調だっけ……?


大祭

 夏休みが明け、九月八日。暑さ残る日の午後。来禅高校の体育館は異様な雰囲気に包まれていた。

 それもそのはず。これから、天央祭の演説が始まろうとしていたからだ。

 天央祭とは何か――と問われれば、簡単に言ってしまえばとても大きな文化祭。天宮市内の一〇校が合同で行うそれは、テレビ局の取材が入り、市外からの観光客も多いうえそれを見てこちらの学校を志願する生徒もいるらしく、高校の文化祭に収まりきらない経済効果を生み出すでっかいお祭りなのだ。

 ただの大きな祭りならばそうはならなかったのであろうが、幾つもの学校が参加するということはつまり、そこで優劣がついてしまうということ。模擬店部門、展示部門、ステージ部門などの優秀校を投票により決し、最優秀賞に選ばれた学校は一年間王者として君臨することになるのである。

 

 ――という説明を、どこぞの英雄かはたまた自己啓発セミナーの講師のように演説をするクラスメート山吹亜衣を横目に精霊たちにしておいた。今年からの初参加である彼女達は、体育館を包む異様な雰囲気にびくびくしつつも納得したようだ。

 

 

 文化祭の食べ物に興味を持った十香がその情報を持つ殿町宏人に釣られてゆく。手持ち無沙汰な折紙が狂三に声をかけ、耶倶矢と夕弦はカップルのように甘々な空気を発しつつどこかへと歩いていった。

 

 日常に触れてゆく精霊達をどこか微笑ましく思いながら鞠亜、鞠奈と予定を立てているときに、裏切りは起きた。

 

 「議長!」

 「どうしましたか、十香ちゃん?」

 

 十香が手を挙げながら大声を発する。

 

 「天央祭の実行委員というものにシドーを推薦するぞ!」

 「なっ」

 

 十香の方をよく見てみれば、あくどい顔でこちらを見つめる殿町が。やりやがったな、アイツ! と、急な友人の裏切りに憤慨している間にも話は進む。

 

 「賛成! 頼んだよ、五河くん!」

 「賛成! 俺たちの意思を託せるのは五河しかいない!」

 「賛成! せいぜいこき使われて病院送りになってくれドチクショウ!」

 「最後のやつ本音出しやがったな!?」

 

 反対の声を上げるも、まあ数の力には叶わず。

 

 『諸君らの声、しかと受け取ったぁッ! 二年四組五河士道くんを、他薦・推薦多数により、天央祭実行委員に――』

 

 亜衣の声が響く中、それを遮るように声が上がる。

 

 「では、私も立候補、ということでお願いします」

 「はーい、あたしもね」

 「それじゃあ私もやろっかな?」

 「あら、折紙さんもですの? では私もお願いしますわ」

 

 鞠亜、鞠奈、折紙に狂三が一気に参戦。

 

 『よぉし、それではさらに四人! 二年四組から四人、或守鞠亜ちゃんに或守鞠奈ちゃん、鳶一折紙さんに時崎狂三さんを自薦により天央祭実行委員に追加で任命しまッす!』

 

 美少女と共に仕事が出来る。そう察した男達の目の色が変わる。それが死の確定した行進(デスマーチ)であろうとも、進まねばならない時があると言うように、次々と手が上がる。

 

 「うおおー! 俺も立候補しまーす!」

 「うおおー! 俺に任せろー!」

 「うおおー! 五河ばかりに美少女は譲らないぜぇッ!」

 「だから最後のやつは何なんだよ!?」

 

 立候補が多すぎたためそこで打ち切りとなり、嫌な役目を押し付けられた筈なのにどこか恨めしそうな顔で多くの男子に睨まれることとなった士道であった。

 

 

 

 

 すっかり日も落ちた十九時三〇分。士道達は五人並んで家へと帰っていた。

 各種伝達事項その他諸々の情報を詰め込まれることにはなったが、全員大した問題にはならなかった。それもそのはず、初めに使いこなした力が電子のものであったが故に何より頭を鍛えられた士道は本人の思う以上に高スペックだし、鞠亜と鞠奈は元AIなので言わずもがな。ホワイトリコリスという規格外のCR-ユニットすら使いこなして見せた折紙もまた高スペックで、特に実績こそ無いものの数々の分身体を各地に放ち、その情報を統合処理する狂三もまた同じく。妬みやそのオマケ的に任命されることとなった実行委員であったが、何気に最優の人選なのであった。

 そうして、家の前へとたどり着いたその瞬間。

 

 ウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――――

 

 休む間もなく、街中に警報音が鳴り響いた。




 ちょっと短いけどこんな感じで。原作の士道に実行委員押し付けるあたりのやり取り、結構好きです。ノリが良くて、つい笑ってしまいます。

 次回には美九が出てきますねぇ。鞠亜と鞠奈がいるからガチ女装させられそうな士道くんって、これ前も言ったような。
 サブタイは天央祭にちなんで「大祭」。天央祭だと三文字だから大きな祭りってことでこのチョイス。では、また次回です。

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