具体的に言うと模試やら試験やらで休日つぶれまくって絶望して、とりあえず一週間だけ休ませてもらおうと思ったらまさかの翌週はインフルエンザ(A型)にかかって頭回らずなんにもできないと言った次第。暇だし、時間はあったんだけどインフルエンザのせいか頭が回らない。なんというか、体は元気だし、話にも答えられるんだけど何も考えずに話してるような感じでした。ああいうのを頭が回らないって言うんでしょうね。実感したよ。
あと、そのうち話をまとめて行きたいと思います。一話五千文字程度に、今の二話を一つにまとめていく感じで。70話もあって、自分で見てビックリしましたよ。まあ、いつになるかは知りませんが。シリーズ終わってからの方がいいんだろうけど、流石に70は多いなぁというのが私の個人的な感覚です。作業ミスってデータ飛んでも良いようにバックアップもきっちりしましょう。てか、やったことないしミスったら出来ませんでしたと報告しますね。
ではでは久しぶりの本編、どうぞ。出る予定無かったけど久々だし鞠亜達も出番作ろうかしら。
聞こえてきた機械音に振り返った士道の視界に飛び込んできた、一〇体ほどの人影。CR-ユニットに似たパーツを有する人型のそれは、金属の装甲で出来ていた。
「な、なんなんだ……?」
じりじりと距離を詰めてくるそれらにどうしたものかと戸惑っていると、真横から飛び出した漆黒の銃弾がそれを掠めた。外したのではなく、回避されたのだ。
「〈ナイトメア〉との接触を確認しました。殺しても死なないのでしょうが、ついでに処理しましょうか」
「……ああ、そういうことか」
「待ちなさい、五河士道。どうして私が出てきた途端にそう緊張感を無くした顔をするのですか。私は世界最強の
だって、変装からしてバレバレだったし。
何かしてくるのは予想できてたわけだし。
以前のポンコツなイメージは抜けてないし。
というか、自分で世界最強と言うのはなぁ……?
「何であれ、敵であることは明らかですわね。とっとと倒してしまいますわよ」
「ああ、了解」
確かに、機械の正体なんて二の次だ。エレンが持ち込んだ兵器なのだろう。つまりは――敵。狂三に合わせて、霊力によって形作るのは細緻な装飾の施された古式の歩兵銃と短銃。さらに、天使〈
精霊の持つ唯一にして絶対の力を誇るそれが二つ。それだけでも世界を殺しうる力だ。
「「〈
二体の天使から染み出した影が銃に吸い込まれる。そして二人同時に、その銃口を自らに向け――発砲。
〈
「きひひひひ、行きますわよぉ!」
「おうっ!」
加速された時の中で、弾けるように動き出す。他の物が全て止まって見える程に加速された状態で、エレンに向けて一直線に走る。そのすれ違いざまに影を固めて作ったかのような銃弾を連続で撃つ。
たったそれだけの事で、機械の群れは一掃された。
「な、バンダースナッチがこうもあっさりと……? その力はやはり危険すぎますね」
二人から銃を突きつけられているというのに、余裕の表情を崩さずにいるエレン――のその上。
「士道! こちらにバンダースナッチの反応が!」
「キミ、大丈夫!?」
「――っ!!?」
ああ、鞠亜の膝が後頭部に直撃して……気絶したのか?
「と、障害物で少し位置がズレたようですが……?」
「って、足元にいるのはエレン・M・メイザース……気絶してるわね」
全力出す前にやられるとか、やっぱりポンコツなのでは?
「ククク、士道! そなたの顔は大丈うわぁっ!?」
心配したのか疾走してきた耶倶矢が後頭部を見事に踏みつけてバランスを崩す。追い討ち入ったね。
偶然なんだろうけどね? 偶然だとしても、頭を踏んづけるのは流石に可哀想じゃないかな?
夕弦に折紙、十香までやってきてさらに混沌とした様子になってゆく。
一旦現状を整理するためにも落ち着いてくれ、と言おうとしたら、空からバンダースナッチの追加が降ってきて――墜落した。着地も出来ずに、重量があったのか頭から真っ直ぐに。
「え、ええと……?」
「私、もうめんどうですわ。士道さん、空中艦に攻撃しておきましたわよ」
どうやら、小出しにされるバンダースナッチに面倒くささを感じた狂三がバンダースナッチに指令を出す機構を破壊したらしい。随意領域によって作られたステルスにも異常がでたのか、その姿が露になる。よく考えてみれば〈フラクシナス〉を外から見たこともないし、比較の仕様がないな。まあ、空中戦艦が突如として空に現れたのだった。
「とりあえずあれ、そのまま落ちても迷惑だし墜すか。中の人になるべく危害は加えたくないんだけど……」
「それなら私に任せてくださいまし。一分ほど待っていただければ、乗組員全て外に放り出しますわ」
「狂三。私も力を貸します」
「じゃ、私もね。全員ほっぽり出すから、準備してなさい」
そう言って転移していった。
「じゃあ、私達も準備していようか十香ちゃん」
「む? うむっ! まかせろ!」
「〈フラクシナス〉が見えないと巻き込みそうで怖いんだけど……あそこか。皆、アソコだけは避けるように」
霊力で適当に探査すれば、ステルスそのものを感知できる。霊力の探知から逃れるのはそれだけ難しいことなのだ。
〈フラクシナス〉の存在するだいたいのポイントを、円を描く様に指さす。
「任せて五河くん! 〈
「うむ、あの辺だな! 〈
「力を貸してくれ、〈
三体の天使が顕現する。
「へ? ええっ? 士道達、その力って……!?」
「驚愕。士道達は精霊だったのですね」
「俺は一応人間なんだけどな」
「提案。耶倶矢、私達もやりましょうか」
「う、うん。わかった……」
「
「
ここまで霊力を扱っておいて信ぴょう性無いよな、なんて自分でも思うけどさ。
「士道、いけます」
「キミ、もう大丈夫よ」
「きひひ、終わりましたわ」
三人から同時に報告が行われる。どうやら、乗組員達を全てどこかへと転移させたらしい。まあ、わざわざ外に放り出すよりもその方が早いか。
「
どこからともなく現れた玉座が砕け、細分化されて鏖殺公にまとわりつき、巨大な大剣の形をなし、振るわれた軌道上の全てを消し飛ばした。
絶滅天使が王冠状に配置されてその力を一点に収束させた砲撃が放たれ、圧倒的な火力がそこにあった全てを消し去る。
灼爛殲鬼の炎が砲台の形をなし、その力を解き放つ。辺り一帯を焦土にすら変えうる力が、莫大な熱量と炎の持つ破壊の力で壊し尽くす。
二人の颶風騎士が組み合わさって巨大な弓となり、疾風を纏った弓矢が放たれ、そのそれが纏う暴風が一切合切を吹き飛ばした。
そうして、精霊達の一斉攻撃によってあっさりと決着は付けられたのだった。
しかしまあ、士道達にとってはまだ終わっていない。
「耶倶矢、夕弦。話がある」
空気を読み、または連れていかれるようにして俺たち以外がそこを離れる。
「……なによ」「疑問。なんでしょうか?」
「俺は、二人ともに生きていてほしい」
狂三と話して、心は決まった。真正面から、二人にぶつかる。
「アンタそれ、本気で言ってるの……?」
「同調。こればかりは耶倶矢と同じ意見です」
「ああ。分かってるんだ。それでも、俺は諦めたくない」
諦めるわけにはいかない。お互いを思い合う二人に救いがないなんて、そんなのは嘘だ。認めたくない、認められない。
しかし、彼女らは自らの死すら覚悟している。その場の圧が、プレッシャーによって高まっていく。
「ま、アンタならそうだろうと思ったわよ」
それは、急に霧散した。
「肯定。士道のこと、少しは分かったつもりですから」
「ええと……?」
急に二人の雰囲気が変わって話についていけないんだけど……?
「士道が、私達の身勝手な死を許容できる人じゃないってわかったの」
「首肯。私もです」
「それにね、士道のそばにいる精霊達が幸せそうだったから」
「実感。やはり、士道は私達を救おうとしました。ですから、士道を――信じます」
「……っ、ありがとう!」
「期待。二人で共に生きてみませんか、耶倶矢?」
「うんっ!」
感極まったのか、二人がお互いを抱きしめる。すると不意に、二人が耳にその手を当てる。頷きを作った二人は、顔を赤くして士道に近づいて――
――二人同時にキスをした。
こんな感じで八舞編はおしまい。次回は後始末というかそういうことと、覚醒的ないつものやつの予定です。ま、なんとなく察しはつくよね。
本来よりもひと足早い襲撃からの解決となりました。〈フラクシナス〉は急に自分たちしか保有してないと思っていたインビジブルをもつ空中艦が出てきたかと思ったら一瞬で消しさられるところを目にして困惑でしょうなぁ。
〈
昔に話しただろうけど狂三のストックしてる時間は実質無限です。士道は霊力を使って分体を作り出せて、それは霊力が尽きるまで動く。つまり含む霊力=時間となり、〈時喰みの城〉によってそれを吸うことで霊力を時間に変換できるわけです。逆は無理ですが、まあ例外的は時間経過で回復しますし、元が多いですからね。よって実質的な無限となるわけです。
サブタイは夕弦と耶倶矢の関係性に焦点当てた感じで。でも前話見返したら同タイトルあったから変えました。