デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 昨日より一時間早いけど手元に何も無いし状況は変わりません。明日学校ですし短くして早く寝るかも?
 途中で消えた(´・ω・`)。safariが落ちるってiPhone6さんそれはないぜ……


攻略

 

 翌日。修学旅行二日目。士道は或美島北端に位置する赤流海岸にやってきていた。

 30年前の空間震で削り取られてできたこの海岸は上空から見ると三日月状になっているらしく、三日月海岸とも呼ばれている。

 その中でも士道がいるのはなんとプライベートビーチ。一般の生徒がいると、不確定要素が増すことになる――つまり端的に言ってしまえば邪魔になりかねないということで令音さんが用意してくれたらしい。だけど、〈フラクシナス〉との通信は途絶えているわけだし一体どんな手を使ったのやら……? 本当に謎である。

 

 まあ、そんなことはどうでもいいと目の前の光景に目をやる。青い海。晴れた空。まさしく海水浴日和である。透明度の高い海面が太陽光をきらきらと跳ね返してきて、思わず目を細めてしまう。

 今すぐに飛び込んで泳ぎたい、なんて滅多にない衝動に駆られるがしかし、耶倶矢達を待っている現状、勝手にどこかへ行くわけにもいかない。これから自分が挑戦する難関なミッションを思い浮かべて思わずため息を吐く。

 

 士道はこれから、耶倶矢と夕弦の二人の精霊に攻略され、攻略しなければならないのだ。インカムで耶倶矢と夕弦に指示を与え、ドキドキするような行動を取らせる。そして、こちらも向こうが脈アリ判断できるような行動をとる。それによって信頼を得てから少し煽って二人同時にキスをさせる。鞠亜のシミュレーションによれば、二人同時に霊力を封印することに成功すれば元の真なる八舞とやらに戻ろうとする力そのものが封印され、今の状態で安定して今後霊力を戻しても平気な状態にまで持っていけるらしい。あくまでシミュレーションであるし、確証のないことではあるが、これこそが一縷の希望であり、彼女達を助ける唯一の手段なのだ。ならば、いくら難題であろうとも投げ出すわけには行かない。

 

 

 『シン、聞こえるかい?』

 「ええ、大丈夫です」

 『もうすぐ耶倶矢と夕弦が着替えを終えるようだから、心の準備をしておきたまえ。今回の作戦では、耶倶矢に鞠奈が、夕弦に鞠亜がついてそれぞれ指示を与える。その指示はこちらで管理しておくので、リアクションを取るべきところなどある程度細かく指示することも可能だろう。とは言え、基本的にはシン、キミが自分でやってくれた方がやはり自然でいい。…?行けるね?』

 「了解。任せてください」

 『……ん。鞠亜達はインカムの連絡に徹するそうだが、私は引率者代わりにそちらに向かう。くれぐれも、水着を褒めることを忘れないように』

 

 そう言って、令音さんからの通信が途絶える。

 そして待つこと数十秒程度。

 

 「くく……こんな所におったか」

 「発見。見つけました、士道」

 

 声のする方へと振り向くとそこには、二人の美少女――耶倶矢と夕弦が立っていた。

 耶倶矢は白のレースに飾られた黒のビキニ、夕弦は夕弦は対照的に白地に黒いレースのついたビキニを身にまとっている。

 双方嫌味なほどに似合っているが、体格もまた対照的だ。大きいとか小さいとか言わないが、対照的なのだ。

 その耳には、士道が渡されているものと同種の機械(インカム)がつけられている。

 お世辞とかなんでもなく、似合っている。元がいいというのもあるが、この水着を選んだ人間はよく分かっている…………って、もしかして鞠亜と鞠奈なんだろうか? あの2人なら納得出来る気がする。

 

 「おお! 似合ってるじゃないか、二人共!」

 「く、くく……そうであろう? 森羅万象の目を奪う程の色気を有する我の前ではこの程度の衣服、霞んでしまうであろう?」

 「感謝。嬉しいです、士道」

 

 そう言う二人は、そっくりな仕草で恥ずかしげに話す。流石は元が一人であっただけはあるということか?

 

 「ええと、それでこれからはどうするんだ?」

 「我が道を照らす闇夜の中の一筋の光がもうじき道を見せようというもの。暫し待つがいい」

 「翻訳。少し待ってくださいと耶倶矢は言っています」

 

 そう言うと、二人は耳元に手を当てる。「なるほど、承知した」とか「把握、了解しました」と完全に聞こえてしまっているあたり、インカムに慣れないんだろうなぁと微笑ましい気持ちで二人を見つめる。

 ほどなくして耶倶矢と夕弦がインカムから手を離し、こちらに向き直る。耶倶矢のその手には、いつの間に握られていたのか日焼け止めローションが。夕弦の手にはレジャーシートが握られている。慌てて周囲を見渡せば、令音さんらしき(ほぼ確実)人影がパラソルを設置しているのが見えた。いつの間に……っ!?

 なんて、心の中でツッコミながらも軽く戦慄している間にシートが敷かれ、パラソルも置かれ二人は寝そべり、準備万端と言った様子に。

 

 「早くせよ、士道よ。常闇に身を置く我には。この天よりの光(ゾンネンシャイン)は少々堪える。我が身に、聖光を阻む瘴気の加護を施すことを許すぞ」

 「請願。日焼け止めというのを塗ってください」

 「なるほどな。しかし日焼け止めローションが瘴気ってむしろ良くないんじゃないか?」

 「う、うっさいし!」

 

 まあ、いいけどさ。

 どちらが先、となると面倒な予感がしたので二人同時にやることに。ローションを手に垂らし、体をそってすすすと滑らせるように動かせば――

 

 「っ、ふぁ……」

 「痙、攣。う……あ、っ」

 「これ、敏感肌とかそういうことなのか、俺が悪いのか。判断に苦しむな」

 

 嬌声に近い悲鳴になんとも言えない気分になり、意識をそらそうととりあえず考え込む士道であった。

 そして終わってみれば、全力疾走を終えた後みたいに倒れ込む二人の姿が。

 

 「これで……無自覚とか……」

 「戦、慄。とんだケダモノです……」

 「人聞き悪く言わないでくれませんかねぇ!?」

 

 思わず叫んだその時、何か士道を呼ぶ声が聞こえたような――

 

 「シドー!」

 「と、十香ちゃん!? 一体どこへ……五河くん!?」

 

 ダークカラーのパレオのついた水着――この前のプールのものと同じである――を着た十香が白いワンピースタイプの水着を着た折紙を引っ張りながら泳いできた。どんな力で泳いだら捕まってる折紙が水につかないのさ、それ。




 ああ、もう無理、寝ます……。
 最後のシーンは折紙が十香の腰に捕まった状態でなんとも豪快なクロールで十香が泳いできてる感じ。で、話しても全く問題ないくらい折紙は浮いてる迄あると。折紙の水着に関してはこっちの世界の折紙の要素が多いこの折紙ですので控えめ感出そうと思ったけど水着の種類わかんねぇ。ビキニ、パレオ、タンキニくらいしかそれっぽい単語が浮かばないぜ。

 では、また次回。サブタイは「攻略」される。そして「攻略」するということで攻略です。昔にこんなの使ってないよね……?

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