久しぶりすぎて昔の自分が何を書こうとしていたのかって思いつかない迄ある。なんとなくでやって行きます。
しかし、どう書き出したものかねぇ。
「た」と打てば「――」が出てくるほどには使ってたんだけど流石にリセットされてた。
さぁて、久しぶりだがどんなものになるか……
えと、この作品の折紙は過去が違うために
と、あら、翌日見たらここ切れてたね。えと、過去が違うために性格が大きく違うので原作どうりの元の世界の自分に振り回される純情な感じの折紙が見たい、なんて人には勧められませんって書いてたのよ。確か。
「――鳶一折紙です。皆さん、よろしくお願いします」
時間遡行の影響もあってズル休みをしたその翌日、髪の長さこそ違うものの席の近さもあって「見慣れた」といえる記憶のままの姿で彼女はやってきた。転入生として。
深々とお辞儀をしてみせ、クラスを視界に収めたところで、 「――あ」と声を上げ、折紙の動きが止まる。
心なしか――いや、確実にこちらを、具体的には鞠亜、俺、鞠奈の順で座る三人を次々に視線を移しては見ている。ええっと……?
「鳶一さんの席はぁ……五河くんの後ろが空いてますね。あそこに座ってくれますかぁ?」
「――ぇ、わ、わかりました」
びくり、と体を震わせた後、折紙は席についた。
それからは特に変わった様子もなく授業が進んだ。その昼休み、
「あの、五河くんに鞠亜さんと鞠奈さん、ちょっと屋上で話をしてもいいかな……?」
転入生に話しかけられた自分をみて色めき立ちかけたクラスメイトは、三人ともが呼ばれたことに首を傾げるのだった。
「えっとね、その、お話があるんだけど……」
ところ変わって屋上。戸惑いを持ちながらも、折紙は話をきりだした。
「五年前の大火災の時に私達を守ってくれた人、なんだよね……?」
「……ああ、鞠亜と鞠奈がな」
「ふふ、私は五河くんがこっちに走ってきてくれてたこと、知ってるんだからね?」
見られてたのか、と少し恥ずかしい気分になる。
しかし、その時から姿の変わらない俺たちを見て普通の人間だとは思うはずもない。そこで、小さな疑問を得た。
「その、折紙は精霊のこと、どう思ってるんだ……?」
「呼び捨てにしてくれて構わないけど、せめて一言は欲しかったかな?」
「う、すまん」
折紙の表情は真剣なものへと変わり、
「やっぱり、気になるよね。これは私の本心だから、疑っちゃうのも仕方ないと思うんだけど、やっぱり信じてほしいの」
俺、鞠亜、鞠奈の順に頷き、それをみて少し明るい表情になる折紙。
「私ね、三人にお礼を言いたかったの。両親と私を助けてくれてありがとうって。でも、三人はいなくなっちゃって、昔は精霊のことなんて知らなくて、どうしていいか分からなくてね。それでASTのことを知った時、もしかしたら会えんじゃないかって期待して入ったんだ。会うことは出来なかったんだけどね」
そう言って、小さく笑う。続けて、
「精霊のことが憎いって人たちがいて、もしかしたら五河くんたちだけが変わっていたのかな? なんて思ったんだけど、実戦に出てみたら精霊の誰にも殺意、なんてものは向けられなかったの。それで、やっぱり精霊を殺そうとするのは間違ってるんじゃないかなって思ってて、それでついにはASTまで辞めちゃったんだけどね
だから、信じてほしいの。私は精霊を憎んでなんていないし、全ての精霊が悪い人たちだなんて思わないって」
堂々と伝えられたその言葉を疑うつもりなど、彼らにはなかった。
「……うん、俺は折紙のことを信じるよ」
「私もです」「私も信じてあげるわよ」
「…………ありが、と……う……!」
嬉しさゆえか、涙をこぼす折紙。その瞳のものをハンカチで拭おうとして――
「い、いや、大丈夫だよ、そんな五河くんに拭ってもらうなんて恐れ多いこと出来ないよ」
「「恐れ多い!?」」
士道と鞠奈の声が見事に重なった。
「えっと……その、恐れ多いっていうのは……」
ちょっと戸惑いながらに尋ねてみる。
「だって五河くんや鞠亜さん、鞠奈さんは命の恩人だし、それに夜刀神さんや〈ハーミット〉のことを助けてるヒーローなんだよ?」
さも当然のように言い返された。
「鳶一折紙、キミってば私たちのことをどう思ってるのよ……」
「私にとってのヒーローです!」
これまたさも当然のように。
「えっと……」
「これは……」
「あれ、ですね……」
三人ともがぶんぶん振られる尻尾と耳を幻視しかねる程に子犬らしかった。あと、元の世界の彼女の、冷静なイメージと程遠すぎる。まるで別人みたいだ。
素早く左右へアイコンタクトをとり、結果的に士道が代表して話しかけることに。
「……えー、折紙?」
「はい! 何でしょうか!」
ぶんぶん。ピコピコ。
「そんなに畏まらなくていいぞ……?」
「い、いえ、そういう理由にはいきません!」
「キミ、鞠亜に変わりなさい」
「わ、私ですか!?」
だんだん混乱してきたな。
「え、えっと、折紙」
「はい、なんでしょうか?」
「私達と友達になりましょう」
「……へ? はっ、はい、是非よろしくお願いします!」
反射的に答えを返す折紙。本当に犬っぽいと言うか……。
「言質は取ったわ」
「はい?」
「友達に敬語を使うのは禁止です。対等な関係なんですから」
「え……」
「これからよろしく、折紙」
「よろしくね」 「よろしくお願いしますね」
「は、はいよろしくお願い……よろしく!」
打ち解けた口調になる日も案外近そうだと感じた士道であった。
「なあ、ところでなんだけど」
「はい、何でしょう……何ですか?」
「昨日に会ったときなんだけど、何か言いたそうにしてなかったか?」
狂三を見てからそんな表情をしていたように思うんだけど、過去で関わった俺たちならともかく狂三に関して心当たりはない。
「そ、そうでした、あの精霊は危険です。これまで人を殺していますし、五河くんといえど気をつけないと――」
「ああ、それなら大丈夫だよ」
もう彼女は後悔を終え、前を向いたのだから。
「大丈夫だ。だから、折紙もアイツと話してやってくれないか? まだ俺たち以外に友達がいなくてな」
大丈夫なのだと繰り返し、頷いてみせる。
「わかりました、ではまた紹介して下さいね?」
「おう、わかった。ああ、それと……」
「なんですか?」
「名前。呼び捨てで構わないぞ」
「し、しど……む、無理ですっ、五河くんでいいですぅ」
その後メールアドレスを交換し、俺たちは教室へと戻ったのだった。
「そういや、両親はいまどうしてるんだ?」
「えっと、それなんですけど…………」
「四年前に死んだのか……。折紙はさ、そのことを後悔してるか?」
「いえ、そんなことはありませんけど?」
「そっか、それなら良かった」
「……? 五河くんが嬉しそうだし、まあ構いませんけど……」
こんな会話が後にあったんだけど挟むタイミング見失ったのでのちのちにでも話してたってことで補完しといて下さい。いや、挟めるんだけどそれだと文字数増えて分かりにくくなったんだよね。
タイトルは三人と折紙の関係性について、ってところで。
では皆様、寒くなってきましたが体調には気をつけてー(それっぽいこと言ってみる)
久々なので(言い訳)誤字が多いかも(てか多分ある)
自分で見直しても脳内で自動補完されて気づかないとか良くあるのよね。
ではまた明日の更新でー