デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 えー、昨日更新出来なくてすみません。月曜日休日だしー、という考えもあったんですが、学校が終わり家に帰ってから体調が悪くなりまして。幸い熱はありませんでしたが頭痛と吐き気のために早めに寝たのでかけませんでした。おかげで昨日はゲームも出来てねぇ……。
 しかし思いつかなくて考え込んでたらまた深夜だよ。もう一昨日の話してた感じだよ!


鳶一

 

 「っ!?」

 

 どこからか飛んできた黒の閃光を、咄嗟に霊力を解放、特定の属性をつけずに放射――いわゆる、指向性の空間震のようなもの――として放ち、相殺する。

 

 「今のは!?」

 「士道!」

 

 鞠亜が名前を呼ぶその意味を察し、霊力を探知するが、高まった霊力の反応などどこにもない。

 

 「霊力の反応がない! 理由は分からないが――」

 

 言って、パスを通して霊力を意識的に逆流させ、精霊たちそれぞれに回す。霊力の総量の都合もあり、〈フラクシナス〉にいるであろう琴里には回さず、鞠亜達には顕現装置を電脳空間から呼び出して手渡す。これが現状できる最大限の対策だろう。

 そして、士道は見た。

 

 凝縮された闇そのものとすら言えるソレのやってくる方。

 それを放つ者の存在を――

 

 「折紙……なのか……?」

 

 霊力によって強化されたその視界に捉えたのは、無数の細長い羽状のパーツで構成される光の王冠の形をした天使と、同色の礼装で、それらは漆黒に染まっている。その周囲に舞うのは羽根。それらからも、破壊をもたらすレーザーが放たれ続ける。

 そしてなにより、彼女には霊力の反応が無かった。――否、反応がないのではない。まるでそこだけ霊力を吸い込んでいるかのごとく、周囲にまで何も無いのだ。

 

 彼女は、無表情にこちらを見つめるなり、そのレーザーをこちらへとうち放ってくる。

 

 「っ、〈灼爛殲鬼(カマエル)〉!」

 

 呼び出すのは再生と破壊の炎の力。炎と闇がぶつかり合い、闇が弾けた。

 威力はなかなかに強力だが、凌ぐ事はできる。しかし、根本的な解決には――

 

 「士道さん! こちらへ!」

 

 唐突に響く狂三の声。彼女の足場には、彼女自身の体積以上に広い影が広がる。

 士道は、一瞬の躊躇いさえなく狂三を信じ、狂三が作り出す影に飛び込んだ。

 

 

 

 

 影の中にいるのは、先程まで一緒にいた狂三、鞠亜、鞠奈、真那と俺の五人。ここにいない十香と四糸乃のことが不安ではあるが、パスが繋がっている以上無事であるはずだ。

 

 「士道さん。私、考えがありますの」

 「あの鳶一折紙を止める方法が、ですか?」

 「ええ。賭けになることは重々承知ではありますが、少なくとも今よりは……」

 

 確率は高いはず。確かにそうだろう。このままでは街が破壊され、人々が死にゆくのみ。こちらでさえ手こずるような相手を前にASTがどうにか出来るものだとも思わない。

 

 「で、その考えってのはなんなのかしら?」

 「どんなものでいやがりますか?」

 

 鞠奈と真那の声がハモる。お互い微妙な顔で向き合う姿はなんというか、珍しい光景だ。

 

 「折紙さんが何らかの原因によって反転したのは明確ですわね。そして、士道さんは折紙さんを殺すつもりは無い。なら、私のように助けるしかありませんわ。そして、あの折紙さんには説得は無駄。ならば、原因に遡ればいいんですの」

 「原因……ですか?」

 「ええ。折紙さんがあのような姿になってしまうその前に戻り、なんとかそれを止める。きっと――それしかありませんわ」

 

 【十二の弾(ユッド・ベート)】による時間遡行にて、あのような状態になる前の折紙に会い、止める。それが俺に出来ることなのだろう。

 

 「あのー、すみません。反転って何でいやがりますか?」

 

 ああ、そこからか。でも確かに、普通は知らないことか。

 

 「俺も鞠奈から聞いたことなんだが、精霊の気持ちを負に傾ける――つまり、絶望させることによって起こる現象らしい。その効果は……」

 

 免疫システムの如き、他者の排除。それまでの記憶など無かったかのようにただただ暴れまわり、視界に入った者をひたすらに排除する。話など通じない。そんな状態になる。

 

 「待ってください、士道。私達もついていきます」

 「過去に何があるのか分からないんだし、そんな危なそうな場所にキミ一人で行かせるわけには行かないわよ」

 「それは出来るのなら構わないのですが……その、士道さんから霊力を貰いましても、お二人の分までは厳しいのですわ」

 

 今は、十香と四糸乃、狂三に霊力を返していて、実質琴里を封印した一人分の霊力しかない。ぎりぎりまで狂三から霊力を返してもらっても、確かに足りないだろう。しかし、二人には取れる手段がある。元電子精霊であるが故の、一つの手が。

 

 『ほら、これなら大丈夫でしょ?』

 『この状態であれば大丈夫でしょう、狂三』

 

 二人は、俺の手持ちの携帯の中に入ってしまった。は……? と、呆然とした表情で固まる狂三と真那。本来、霊力を持たない二人はこうなるものなのだ。なぜだか出てこれてしまったけれど。

 

 このあと、【九の弾(テット)】による、異なる時間にいる者に対して使うことの出来る感覚共有の弾を使い、俺達は過去へと飛んだ。




 眠気に負けてちょっと短め執筆。真那を入れるところは思いつかんかった。
 丸くなって協力的な狂三は可愛いし強いしですごいなぁ、つて感じだね。

 それにしても――なんだか、ピンチ感が足りないきがする。でも眠たいのでおやすみなさいのアップロードだ!

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