昼休み。十香には少し申し訳ないが、鞠亜、鞠奈と話をする。十香じゃ少しついてこれないところがあるんだよな。
「それで、時崎の事はどうする?」
「精霊、という話でしたね。本当なのでしょうか?」
「ああ、それは間違いない。少しだけど感知できるほどには霊力が出ていた」
「じゃあ精霊で確定ね。それで、あのASTの折紙って子の前でも話しちゃってた訳だけど、一体どうするつもりなのかしら」
本当にその通りである。
「自ら精霊と明かすことになにか意味や目論見があるのかもしれませんから、不用意にこちらのことを明かすのは良くないかも知れません」
「まあ、そうね。わざわざ学校に来ておいて、そこに居られなくなるような事をするんだから目的があってもおかしくないわ」
そういった考え方もできるのか。てっきり、天然なのかと思っていたけどそういう可能性も考慮するべきなんだろう。
「ひとまず、琴里にも相談しておくか?」
「そうですね」
「そうしておけば、琴里の方が何か対応するかもしれないわね」
正直、ああいった精霊と出会うのは初めてなのでどうにかして欲しいところなのだ。自らの意思でこちらに留まっている彼女の目的とは……?
「ああ、それと――――」
士道は、抱えていたもう一つの疑問を二人に伝えた。
そしてやってきた放課後。
「よろしくお願いしますわ」
「ああ、よろしく」
こうしてる分には普通に女の子なんだけどな。
「あの、そちらの方々は……?」
「或守鞠亜です。よろしくお願いします」
「或守鞠奈よ。よろしくね」
「は、はあ。よろしくお願いしますわ」
「それじゃ、まずは何かと必要だろうし食堂と購買部から見ておくか」
「それで、士道さんと鞠亜さん、鞠奈さんの関係はどういうものですの?」
「私たちの関係、ですか?」
「ええ、随分と仲がよろしいようでしたから」
一応これでも学校では抑えてる方なんだけどな。
「別に何でもないわよ。それより、ここが食堂よ」
「……ふふふ、そうですか」
学校案内は、まだまだ続く。
そうして士道が開放されたのは午後の六時だった。夕日に照らされた道を、待っていてくれた十香を含めた五人で歩く。
「施設はだいたいあんなところだ。わかったか?」
「ええ、感謝致しますわ」
その帰り道に近所のスーパーによったところ、ちょうど始まったタイムセールで安く大量の肉を手に入れることに成功した。
「今日の料理はどうするか」
「シドー!今日の夕飯はなんだ? ハンバーグか?」
「それもありかもしれないな」
「私たちも手伝いましょうか?」
「ああ、今日は頼もうかな。人手があった方が手早く終わるだろうし」
なんて、よくあるような会話を交わしていた時だった。
士道の目の前で、驚愕に目を見開くようにして立っていたのは、琴里と同年代くらいの女の子。ポニーテールに泣きぼくろが特徴的で、パーカーにキュロットスカートというラフな格好をしている。白いスニーカーには、ついて間もないような赤い汚れが目立っていた。
見知らぬ顔であるはずなのに、妙な既視感が士道を襲う。
そして、パッとその場から駆け出し、士道の胸に飛び込んでくる。
「――兄様……ッ!!」
「……へ?」
感極まったようにこちらにぎゅぅぅと抱きついてきた少女の言葉に、士道は困惑することしか出来なかった。
キュロットスカートって……何?←調べろよって話
そしていろいろ思うように行かない時崎さん。魅力というかそういう感じにしようとしても士道は動じない、その上鞠亜に鞠奈がガードしてくる。そしてさらに言うと驚かせようと精霊って言ったのに呆れて頭抱えられたし二人きりで意識させようと思ったのに士道がふたりを連れてきて普通に潰してしまうというね。
書くのが遅かったので(←お前が悪い)今回は短め。最近短いって? でもね、原作読んでくれたらわかるの。ここでまた章がかわってるの。
サブタイは安直に案内ということで。ではではまた来週かね