デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 日常回書くべきなんだろうけどチャットだけというのも味気ないので攻略済ませて早くデートさせたいところ。あと、投稿したてでモチベ高いうちに頑張りたいところ。

 いやしかし、今しかできないようなもんだしチャットを楽しむべきか…。書く前から悩みまくりです。

 タイトルは士道の救いたい、という願いの芽生えということで。


芽生

 鞠亜と名乗る少女(と思われる)と出会ってから、数ヶ月が過ぎた。

 彼女とは、毎日毎日、午後の五時から五時半の三十分の間だけが鞠亜と話す時間。彼女のことを聞くと黙り込んでしまい、そのことがあって以来、俺がいろいろな事を話すようにしている。

 そして、鞠亜はそれに相槌をうったり、どのようなものだったのか詳しく聞かれたり、そんな何でもない日常の会話を楽しむようになっていた。

 いつの間にか、鞠亜というのは本名だと聞き、俺は彼女を鞠亜と呼び捨てにするようになり、鞠亜には、俺の本名を教え、彼女から士道と呼ばれるようになっていた。

 

 そんなある日のことだ。

 

 いつもどうり、鞠亜と会話を交わしていた。そして、いつもどうりに時間が過ぎ、そしてまた明日も話すのだと。そう思っていたのに。

 

 

 日常は、一気に非日常へと移り変わる。

 

 

 「……でさ、…だったんだ。」

 『……ですね。っ! なっ!』

 

 普段どうりの会話。その途中で、鞠亜が狼狽したかのような声を上げる。

 

 「どうしたっ!? 鞠亜っ!?」

 

 これまでに、そのようなことは無かった。だからこそいっそう、何が起こっているのかと、こちらを不安にさせる。

 

 『だ、大丈夫です、士道。 っ!』

 

 大丈夫だとはいうけれども、どうしても大丈夫だとは思えない。

 一体、どうしたっていうんだ…?

 

 『へぇ、これがキミの話していた相手かぁ…』

 

 知らない女性の声が響く。

 

 『っ! 権限を実行します!』

 

 またなにかが起こっているのだろうか。こんなところで、鞠亜の助けにもなってやれない、そんな自分を悔しく思う。そう、場所も何も関係なく、この電子の世界に(・・・・・・・・)入ってしまえればいいのにと(・・・・・・・・・・・・・)。そうすれば、直接鞠亜の元へ行けるのだろうかと。

 

 画面の向こうへと行きたい、なんていう士道の願いは、未知なる力によって少々歪んだ形で現実へと変わる。

 

 途端に、画面の中に引きずり込まれるように。いや、自ら入り込むように、体がディスプレイなんてものが無いように、世界の壁を超えて画面の中に入り込む。まるで体がないかのように。まるで意識だけになってしまったと錯覚するような時間は、一瞬で過ぎ去る。

 

 そして、その感覚が収まった直後に目を見開いた士道の前には、黒鉄色の髪に目の色が金色で、逆十字があしらわれたなにかバグを起こしているような修道服によく似た服を着た少女と、その服を反転させたような色合いの服を着たアッシュブロンドの髪に青い瞳をした少女の二人がいた。

 

 「士……道……?」

 「どうやってここにきたのさ、キミ。」

 

 一人は半ば呆然としながら。一人は少しの敵意を滲ませながらこちらを見てくる。士道は、口調と直感で、白い服の少女が鞠亜だと確信する。そして、言いようのない怒りが込み上げてくる。

 

 「どうやってきたのかはわからない。けど、あんたが鞠亜に何かしようとしてるってことだけはわかる。」

 

 そして、幼いかながらにして士道は気づく。この怒りを覚えるわけを。大人の中に混じって来ただけあって、精神の成熟が早かったのだろうか。彼には、その怒りを覚える訳が、鞠亜に恋をしていたからだと気づけた。だから!

 

 「鞠亜に手は出させない!」

 

 彼は決意を固める。

 ここがどのようなところなのかも、現実ではありえないようなバグのある彼女の服装も、なにも理解出来ない。だけど、鞠亜を守る。そんな単純なことだけは決められた。

 

 「へぇ」、と、黒い方の彼女が面白そうにこちらを見つめる。

 

 傍から見れば、ただ何らかの意思を込めて彼女が士道を見つめているように見えるだろう。

 しかし、人一倍、人の感情の機敏に聡く、詳しい士道であったからこそ、その少女の目の奥に、愛情を求める寂しさのようなものを見て取った。それは、確かな攻略の兆し。

 

 「俺は五河士道。あんたは」

 

 そして士道は、彼女を救いたいと、そう思った。

 鞠亜を守る、そんな思いに相反するような考えな事は重々理解している。

 そんなことを、まだまだガキな自分が成し遂げられるとはどうしても思えない。だけど、彼は望みを抱いた。それが彼のあり方なのだから。だから、その一歩として。少しでも仲良くなれないかと、名前を尋ねてみる。

 

 「鞠奈。或守鞠奈」

 「或守? 鞠亜と姉妹なのか?」

 「そういうわけじゃないんだけどねー。どう説明するべきかしら」

 「士道、逃げて、下さい。ここは危険です」

 「鞠亜を放っておけるわけないだろ!」

 

 つい、声が大きくなってしまう。鞠亜を見捨てるようなことなんてできない。できるわけがない。そして、言葉にしないけれどあの少女のことも――。

 そして、予想外なことに、鞠奈と名乗った彼女は温厚そうに思える。

 

 「そうだね、それじゃあキミにもわかりやすいように説明してあげよっか。ここは電子の世界。私は、鞠亜をハッキングするためにやってきたの」

 

 ? 何を言っているのか理解出来ない。

 

 「キミ、全くわかってないわね。それとも、君の知り合いの鞠亜がAIだって知らなかったの?」

 「っ!?」

 「あれ、知らなかったんだ」

 「どういうことだ!?」

 

 これは本当に意外そうに驚きながらも、訳の分からないことを話される。正直、全く話についていけない。あるのはただ、理解出来ないながらにもある驚きだけで。

 

 「この場所を転送後、フラクシナス内部でロックします! すみません、士道」

 

 AIである鞠亜に、感情が芽生えることがあれどやはり、〈フラクシナス〉そのものを守ることよりも優先されることはない。それが彼女の作られた理由の一つでもあり、そう生きることしか――今はまだ――できないのだから。

 そんなことを知る余地もなく、士道は光に包まれた。




 そんなわけでいろんな無茶こと電脳ダイブです。霊力はなにが起きてもおかしくないらしいから、イフリートことカマエルの霊力が炎として使われない段階の純粋な霊力は万能物質だと思ってやってみました。
 鞠亜鞠奈の攻略自体はこのなかでやってくつもり。まあ、鞠亜はこの数ヶ月で自覚できないものの好きレベルまで上がってるので、実質鞠奈だけかな? 恋心は難しいから、ちょっと変じゃない?とかなるかもです。恋人なんていないんだ察しろ。

 鞠奈、こんな口調…だったよね? 人を呼ぶときはキミって呼んで、少し余裕げというかなんといえばいいかわからない感じ。

 フラクシナス、ロック。これでわかる人はわかるかな?次の展開。ちなみに今回は2どころかプロトタイプです。時系列狂わせすぎるのも良くないというかなんとなくだけど。

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