と、こんな思考があったので四糸乃編は割と駆け足でいくかも。四糸乃好きな方、すみません。
冒頭のクッキーイベント→鞠亜、鞠奈がいるので折紙さん関われない→あっさり終わる
女の子に慣れる訓練→既に鞠亜達からやりにくい上琴里さんネガティブなう。ラタトスクの話も鞠亜いるわネガティブで消える
十香が絡んでこない→あっさり話つく(四糸乃の好感度は知らんが。あと鞠奈の嫉妬もあるだろうけどね)
潜入→霊力使えば楽勝(テレポート。まあ安易に霊力使うかわからんが)
あれこれほんとどうすんだ。
あと琴里の精神状態は不安定だろうし、そこをどうするか。
「琴里。そろそろ休んだ方がいい」
琴里にそう声をかけたのは〈フラクシナス〉の解析官、令音だ。
「大丈夫よ、しばらくしたら終わるから」
今は夕方にさしかかろうとしている頃。琴里は朝から働き詰めであった。
別に、仕事を貯めていただとか、十香の封印によって仕事が増えたとか、そういう訳では無い。ただ、家に帰りたくないだけなのだ。琴里はここ数日、食事の時以外は常に〈フラクシナス〉にいる。
あのとき、鞠奈に指摘されたことが頭から離れない。
確かに自分は士道のことを考えもしなかった。優しく、深い絶望を知る彼女の兄ならば精霊のことを知れば助けに――それこそ、なんの下心もなく、自らを犠牲にしてでもそうするだろうという確信があった。さらに、士道が傷つくことを、そして自らの精霊の力により再生の力を発揮することを計算し、それらを前提として――前提というよりも、その選択肢もある、という程度ではあったが――精霊に接触することを想定していた。
そもそも、精霊などという規格外のものに近づくことすら困難であるのだから、それは仕方ないことではないのか――
思考がそこまで行き着いた琴里は、頭をふってそれを止める。仕方がない、というのは妥協だ。もっと安全性を求め、最大限のフォローをすれば、時間こそかかったかもしれないが兄が傷つかずに助かる――そんな未来もあったかもしれないのだから。
もちろん、これは
そして、琴里本人は気づいていないのだが、この思考の間に琴里の手足から時々炎がちろりと漏れ出ていた。不安定になった精神状態によって起こる霊力の逆流現象である。
そんな琴里の様子を見て、どうにかしなければ、と令音は動いた。
「はあ? あたし達に琴里をどうにかして欲しい、ですって?」
「ああ。この間のことが堪えてしまった様でね。霊力が逆流しつつあるし、率直にいえばこのままでは危険だ」
「だからってどうしてあたし達なのよ…。というか、霊力ってつまり…」
「シンに任せたところで、むしろ罪悪感をおぼえるのではないかと思ってね。霊力に関しては、そちらの想像どうりだろう」
言われてみればそうである。士道を利用したことを悔いている…と思われるので、士道が優しい言葉をかけたところで優しさに甘えてしまっていると自己険悪になる…と思われる。
士道の持つカマエルの力。精霊でもない士道がなぜその力を持っていたのか疑問に思っていた。そして、〈ラタトスク〉などという組織に、一見一般人でしかない琴里がなぜ関わっていたのか。それらの理由が一気に理解出来た。
「全く、鞠奈が余計なことを言うからですよ」
「あたしのせいだって言うのかしら?」
「実際そうでしょう。まあ、鞠奈が言わなければ私が言っていましたが」
「結局変わらないじゃない!」
「当たり前です。士道に無理をさせることは私にも許せませんから」
この二人は――もちろん誰もがわかることだろうが――士道のことが大好きなのであった。
「その…琴里のことを頼めるかい?」
「ああ、もう、仕方ないわね!」
「全く、鞠奈が最初からオーケーを出していればもっと早く終わっていたでしょうに」
「うるさいわね! ほら、とっとと行くわよ! キミ、案内しなさいよ」
二人はいつもどうりであった。
「ほら、うじうじしてるって言うから来てやったわよ」
「なっ、鞠奈に鞠亜!?」
「で、この間の事を考え込んでるって聞いたけど?」
「うるさい。出ていってちょうだい」
その琴里の反応を見て、鞠奈は令音がわざわざ自分達に頼んできた理由を悟る。どっぷりと思考の海に溺れてしまっているのである。そういうのには、令音のように促したりするのではなく、鞠奈のような強引さが必要だと判断したのだろう。
「へえ、そんなに堪えてたのね。どう? 改めて士道を傷つけていたって理解した気持ちは?」
なら、こういう相手には一度全てを吐き出させるに限るだろう。
「うるさいって言ってるのよ!」
ただでさえ不安定だった琴里に、更なるストレスが与えられ、炎の形を持った霊力の放出という形で感情が溢れ出した。
その炎は――少しばかりではあるが――鞠奈にも降りかかる。
「ほら、やりたいならやりなさいよ。士道にだって、死なないなら何をさせても――それこそ、一般人なら死ぬようなことをさせたんでしょ?」
「黙りなさいよっ!」
琴里の感情が暴れだす。
「私だって分かってるわよ! 士道を傷つけてるってことぐらい! だからどうしろって言うのよ! 謝ればいいの!? 優しい士道なら許してくれるに決まってる。それくらい貴女にもわかってるんでしょ!? なら、どうすればいいのよ!」
それが、琴里の悩み。ここ数日悩み続けていたことだ。士道を傷つけたとわかって。でも、どうすればいいのかわからなくて。いくら幼いながらに〈ラタトスク〉の司令になった琴里とはいえ、そこは子供のようであった、ということだろうか。
「はあ? キミ、馬鹿じゃないの? それとも何? 頭悪い?」
「鞠奈、もう…」
「ええ、わかってるわよ。じゃ、さっさと結論を言わせてもらうわ」
一泊挟んで。
「キミは人――ああいや、精霊だったわね。ま、どっちでも変わりないわ。間違えたってわかるんでしょ? なら、反省して次に生かしなさいよ。間違えて、それを正してく。それが人ってもんでしょ? それとも、後悔も何もなく生きられるとでも思ってたの?」
最後の言葉は少し罵倒気味であったが、鞠奈の言葉は琴里に届いた。
ああ、という声と共に涙が溢れ出る。
「どうした!?」
その言葉と共に飛んできた――文字通り飛んできたのはのは、士道だ。おそらく、溢れ出している霊力を感知してテレポートしてきたのだろうが、上空1万5千メートルまでテレポートしてくるとは。霊力を感知されたらどうするのかと問いたいところだが、鞠奈達とは精霊と比べ物にならないほどの
「聞きたいことはあとで話すから、今は琴里を抱きしめて慰めておきなさい、士道」
「おう…?」
「お兄ちゃん」
黒モードの琴里は、告げる。
「ごめんなさい。これからは、頑張るから」
「おう、許す。がんばりすぎるなよ、琴里」
よく分からないままに、しかし心からの謝罪を受け取り、士道はそう返した。
〈フラクシナス〉と〈ラタトスク〉がたまにあってるか不安になる。間違ってたら指摘してね。
タイトルの意味は過失・失態・非行などを強く戒めること。二字熟語思いつかんかったからわざわざ調べた。別に縛ってるわけじゃないんだけどね。ついやってしまう。
改悛(意味、犯した悪事や過ちを悔い改め、心を入れ替えること。)とかもあってる。二字熟語調べたらそれっぽいの沢山あるや。まあ、最初に思いついたやつにしてく予定。戒告の戒ってなんかそれっぽいしね。
このあと灼爛殲鬼が琴里だって説明とか感謝の意味で鞠奈を抱きしめたりとかあった。
書きたくなったので抱きしめたとこ(セリフのみ)
「ちょっ、どうしてあたしを抱きしめるのよ」
「琴里がすっきりした顔だったからな。鞠奈が何かしてくれたんだろ?」
「まあ、そうだけど」
「だから、ありがとうってことだ」
「何がだからなの…ん…」
「っ! 急にキスしないでちょうだい」
「…嫌か?」
「い、嫌じゃないわよ」
「そっか」
「わ、笑わないでちょうだい。うぅ」
「どうした? 鞠奈」
「わ、私からも…その…」
「??」
「士道、鞠奈は士道に自分からキスしたいそうですよ」
「なっ、ま、鞠亜!?」
「? そうなのか?」
「そ、そうだけど…」
「別に構わないぞ?」
「わかったわよ、やればいいんでしょ!?」
「鞠奈がやりたいのではないでしょうか?」
「う、うるさいわね! 士道……ん…」
あれ、抱きしめるだけのはずがキスまでしてら。まあいいか。
今回は鞠奈回でしたね。鞠亜回もそのうちやってみたいところ。恋愛アドバイスという観点で八舞姉妹の時とかどうだろうか。また、今のとこ未定です。