デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 スマホ投稿です。Simeji使ってて、誤字多いと思われます。

 タイトルどうりの回。過去編は何話にするかなぁ。



遭遇

 その人と士道が出会ったのは、いつもの如く、五河士道がネットサーフィンをしている時のことだった。

 

 あの天宮市を襲った大火災からもう二年になる。あの火災の後から、士道はよくPCを使うようになっていた。

 

 そうして、時間つぶしがてら目新しいものはないかと探し回っていた時に、士道はあるものを見つけた。

 

 それは、スレッドなどではなく、ただのチャットルームだった。どうやら新しく作られたもののようで、登録者の数は一桁しかいない。それも、ただのチャットルームではなく、有名なあの〇kypeのように通話機能付きの。

 そのチャットルームの一番上にあった、ラタトスクというユーザーネーム。士道はその名前に興味をしるした。

 

 確かそれは、北欧神話に出てくるリスの名前…だったと士道は記憶している。ネットに入り浸っていれば、そういうことは自然に目に付くし、気がつけばなんとなくわかるようになっている。

 まあ、士道がその名前に興味をしるしたのは、北欧神話に存在するものだから、という訳では無い。なぜリスの名前にしたのか、という所だ。どうせ神話から名を借りるなら、フレイヤ、などと、もっとわかりやすい名前もあっただろう。まあ、神の名前は恐れ多いということかもしれないが、ともかく聞いてみればいい、そう思い、士道はヘッドセットを取り出し、カタタタタタッとキーの音を響かせながら高速で会員登録をすませる。

 士道は、こういったチャットをすることはそう多くないが、それでも見知らぬ人とチャットした経験はいくらかあるので、迷わずラタトスクというユーザーにチャットの申請をしてみれば、即座に返答が帰ってきて通話が開始される。

 

 「どうも、はじめまして。」

 『はじめまして。シロとお呼びすればよろしいでしょうか?』

 

 シロというのは、士道のユーザーネームだ。オンラインゲームなどにもこのユーザーネームを使っており、自慢できるほどでもないが、オンラインではそこそこの成績を上げている。

 

 「ああ、構わない。シロで頼む。そっちはラタトスクさんと呼べばいいのか?」

 

 まだまだ子供な士道だが、オンラインの時はこうした、少し強めな口調になる。多少の虚勢というか、まあキャラ付けのようなものだ。声が高くこのような口調ということで、男っぽいだけの大人の女性と間違えられたこともある。そのときは、中学生と大人を間違えるのかと苦笑した。

 

 『そうですね、少しお待ちください。』

 

 その数秒後に、画面に表示されていた文字列がぶれ、或守 鞠亜というユーザーネームに変更される。鞠亜、マリア…。なにかのキャラネームを使っているのだろうか? 少なくとも、士道は聞いたことのない名前だ。

 

 「ユーザーネームを変えたのか。マリアと呼べばいいのか?」

 『はい。ラタトスクというままではわかりにくいかと思いましたから。では、シロ、質問をよろしいでしょうか?』

 「構わないが、なんだ?」

 『恋、とは一体どのようなものなのでしょうか?』

 

 「恋か…」と、呟き、士道はすこしばかり考え込む。

 自らにとって、恋というのはどういうものだろうか。考えてはみれども、これといった経験もなく、参考になるのはネットで得た知識くらいだろう。

 ネットで知った知識などから、士道の受け取った恋というものの印象を述べるとするなら…

 

 「相手を思うことってやつだよな。好きだって言うのは、相手に自分のことをもっと見て欲しい、一緒に居たい。そう伝えるものだ。まあ、こういうのは全部聞いた話なんだけどな。つまり、恋っていうのはそういう気持ちを抱くことだろ。」

 

 いろんな恋物語なんかを見てきてそこで自分自身が共感できたものを彼女に伝えてみる。初対面のはずなのにもう口調が崩れかかっていることに自分自身驚いている。他人と話していた時はこんなことは無かったのだが、彼女は、恋というものを他者の観点からはどう見えるか知りたいというよりは、恋そのものが理解出来ない。そんな真っ白なものを感じたのだが、それが原因だろうか。

 

 彼女は、『なるほど…』と、自らの内で考え込むような声をもらす。

 

 『では、シロ、お願いがあります』

 「お願い?」

 『はい。私に恋を教えて下さい。』

 「おう、わかっ……えぇぇぇぇぇ!?」

 

 いきなり何を言い出すのだろうか。つい了承しかけてしまった。

 

 『ふふっ、冗談です。ではシロ。またお話できますか?』

 

 お、初めて笑ったな。ずいぶんと可愛らしいものだと思う。

 会話をはじめてそう経っていないが、用事でもあるのだろうか?

 

 「おう、大丈夫だ。また明日、この時間にどうだ?」

 『はい、宜しくお願いします』

 

 俺はその声に、真っ白な少女の姿を幻視した。

 そうして、チャットは終了する。

 

 「そういえば、なんでラタトスクなのか聞いてなかったな…」

 

 まあ、次話す時に聞けばいいか、なんて思い、次に話すことをすこしばかり楽しみにして。

 士道はまた、ネットに没頭するのだった。




 ゲーム版やって数ヶ月してるから口調がすっごい不安です。
 あと、士道の一人称で書くつもりが、士道のところを俺じゃなくて士道って表記してたら変な感じになっちゃいました。次から気をつけます。

 凛祢も好きだし、そのうち凛祢の作品も書いてみたいなぁ。なんて思いつつの執筆でした。

 士道の口調も最初おかしかったのでオンライン限定ということに。士道じゃない感とお前絶対中学生じゃないだろって気分がすごいのは作者だけなのか。しかし気にしない方向で。

 このとうり、原作開始三年前でもう鞠亜が出てきました。士道にはわからないところですが、フラクシナスのAIが、運営に支障の出ない程度に情報を集めようとしているという裏設定。情報というか、AIとしての情報であって、世界情勢とかを気にしてるわけじゃないですよ?
 そして、ゲーム版と同じく恋を知りたがる鞠亜。ネット会話だけで恋ってむずくね?
 まあ、手段は考えてありますが。無茶ですけど。
 次は一気に時系列が飛ぶ予定。鞠奈もちょこっと出れるかも。


 てか、狂三どうしよう。第三ヒロイン…。

 そういえば、作者はチャットルームとかしたことないので妄想です←調べろよ
 ええと、調べたら文字会話するやつだそうですね、文字会話。ええそうです、声なんて届きません。お前どんだけ無知なんだよ。

 あれです、Skypeみたいに文字も話すことも出来るやつなんです(後付け設定。ちゃんと本文に足しておきました。

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