悪魔城ドラキュラ Dimension of 1999   作:41

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31話「悪魔城調査報告書」の続きです。
錬金術研究棟~迎賓館の設定をまとめました。
読み飛ばして頂いても本編に支障はありません。


間話7
悪魔城調査報告書2


引き続き城内の施設、仕掛け、怪物について記す。

 

 

 

◆施設

 

 

錬金術研究棟

 

中央ダンスホールからやや北西の位置にあるレンガ造りの建造物。構造自体はオーソドックスな作りであり、三階+ドーム状の屋根裏部屋で構成されている。

 

研究棟の名前通り城内のクリーチャーは主にここで研究、生産されているらしい。いわゆる所の「怪物工場」である。トラップこそ少ないが敵の数や隠し部屋が多く、攻略には相応の労力が必要。ただし敵戦力の生産場所という事を踏まえ、出来る限り早期に制圧したい。

 

 

空中庭園

 

その名の通り空に浮かんでいる庭園。ヨーロッパの宮殿などに見られる庭園がそのまま空にあると考えてよい。

実際には庭園群といった方がふさわしく、大小様々な庭園が悪魔城の上空500~1000メートルに乱雑に分布している。大きい物はフットボールのフィールド並み、小さな物は学校の教室程度と庭園によって面積の差が激しい。

 

後述するが問題は庭園自体よりも、それらを結ぶ通路にある。また敵の数自体は少ない。

 

城に詳しい者の話によると、この空中庭園が城の動力(発電所の様な物か?)を担っているらしい。ただし詳しい原理などは一切不明。

 

 

迎賓館

 

来客用の宿泊、及び歓待施設。シックな高級ホテルを思わせる内装と、アンティークの家具や調度品が目を引く。

構造自体は単純だが、各所に置かれた人形や家具、食器などが突然襲い掛かってくるため常に警戒を怠らない事。即座に対応さえ出来れば撃破はさほど難しくはない。

 

 

 

◆トラップ

 

 

賢者の石

 

トラップと呼んでいいか解らないがここに記述しておく。

 

ドラキュラの力を封じ込めた石を特殊な機械に設置する事で、周囲の大気や生物から

”マナ”(魔術を使うのに必要なエネルギー源の事らしい)を奪うための装置。

 

マナを急激に失うと、一種のショック状態に陥り、体が虚脱して動けなくなる。回復するには近くにある装置を破壊する事。効果範囲はせいぜい30メートル程度なので探せば見つかるはず。

 

吸い取ったマナは受信機の役割を持つ模造石を介して所有者に生命力として還元される。もし異常にタフな敵と遭遇した場合はこの罠を疑う事。

 

ちなみに元々魔力を持たない一般人には何の意味も無いトラップでもある。

 

 

空中庭園の連絡路

 

こちらも厳密にはトラップではないが記述しておく。

 

幅1メートル、奥行き40~50センチ、厚さ2~3センチの薄い石板が等間隔に浮かび、列をなしている。

 

問題は複数あり

 

・高所に存在するため常に強風に晒される事。

・足を踏み外せばほぼ助からない事。

・上述の問題があるのにガードレール、転落防止ネットなどの安全装置が無い事。

・道幅が狭いため一人ずつしか進めず、行軍にリスクが伴う事。

 

などである。

 

ただ石板自体は非常に頑丈で、報告書1で記述した崩落床のように長時間乗っていると崩れてしまう、といった事は無い。

 

 

混沌の門

 

空中庭園最深部に存在する巨大、かつ重厚な門。ロダン作「地獄の門」を巨大化させた物がイメージに近い。

 

未知の部分が多いため詳しい事は解らないが、不意に門が開いて周囲にいる物を有機物、無機物問わず吸い込もうとする。その吸引力は凄まじく、体感で大型のハリケーン以上の風速を感じた。

 

目的の物を吸い込むと門は閉じ、吸引もやむが、吸い込まれた者が何処へ行くのか、どうなるかは解らない。

 

 

アイアンメイデン

 

後述するモンスター”パペットマスター”の項を参照。

 

 

 

 

◆モンスター

 

 

危険度は

 

低 C<C+<B<B+<A<A+<S<S+<S++<EX 高

 

の順。

 

 

No.21 レッドスケルトン  危険度A

 

近隣住民が城の科学者によって改造された血塗れのスケルトン。能力自体は通常のスケルトンと変わらないが、前述した賢者の石の効果により驚異的な再生力を持つ。

撲殺しようが、爆破しようが、一分もたてば元通りに回復し、再び人間を襲う。唯一凍結させる事で動きを封じる事が可能で、凍っているうちに破壊すれば再生することは無い。

 

しかし現実的に考えて常時液体窒素などを持ち歩くわけにもいかない為、結局確実な対処方法は無い。幸い特殊な環境下でのみあらわれるクリーチャーなので、遭遇する事はまれと思われる。もし出会ってしまったら交戦せずにすぐ逃げる事。

 

 

 

No.22 フレッシュゴーレム  危険度A+

 

近隣住民が城の科学者によって改造されたクリーチャー。体長はおよそ3~4メートル。

 

数十人分の人間をかき混ぜて、無理矢理人の形にしたような怪物。そのため常に凄まじい腐臭を放ち、体表には顔や臓器が蠢いている。

 

元の素材が人間であるため耐久力はそれほどでもないが、やはり賢者の石の力により傷つけてもすぐに再生してしまう。さらに元になった人間の意識が残っているのか、攻撃するたびに泣き叫ぶ。そのため精神的負担が凄まじい。兵士のPTSDに注意されたし。

 

力は強いが動きは遅く、出会った個体は核に子供を使っていたためか知能も低かった。石の効果さえ無ければ通常兵器でも撃破は充分可能と思われる。だがもし傷が再生する個体と遭遇した場合無理に戦おうとせず、すぐに逃げる事。

 

 

 

No.23 ハーピー  危険度A(銃火器があればB)

 

女性の顔と胴体に、大鷲の様な猛禽類の翼と下半身を持つ半人半鳥のクリーチャー。

 

鳥の姿をしているだけあって、空中をふわふわと飛び、羽根をナイフの様に飛ばしたり、急降下して足の鉤爪で引き裂こうとしてくる。

 

しかし空を飛べるとはいっても人間大の体では無理があるのか、滑空してくる時を除けばその動きは緩慢で、銃火器のいい的である。本来ならば危険度の高いクリーチャーであるが、オカルト的な力も持たず、現代兵器との相性がすこぶるいいため危険度はBとした。

 

一応女性の姿をしているが非常に凶悪、かつ動物的な顔立ちであるため、前述した魔族のメイドなどに比べると攻撃するのに罪悪感は湧かない。その点も攻略を容易にしている。

 

 

 

No.24 のみ男  危険度B

 

城内では珍しい完全な人型のクリーチャーで、身長1メートルほど(ひどい猫背なので実際はさらに小さく見える)の醜男。ただし他のクリーチャーと同様に意思疎通は出来ない。

 

”のみ”の名が示す通り俊敏で、その跳躍力は一飛び3~4メートル程と非常に高い。その身軽さを生かし標的の周囲をピョンピョンと飛び回り、引っ掻きや殴りつけで攻撃してくる。

 

人型なので腕力、耐久力ともに大したことはないのだが、とにかくすばしっこいため狙いがつけづらい。また基本的に複数人で襲い掛かってくるため纏わりつかれると非常にうっとおしい。

 

いっそ無視したい所だが、対象は素早い上にそれなりに執念深いため逃げ切る事は難しい。散弾や爆弾など攻撃範囲の広い武器でまとめて吹き飛ばすのが最善と思われる。

 

 

 

No.25 スケルトンキッカー  危険度A?

 

首に赤いマフラー、腰に金属製のベルト、足に黒いブーツを履いたスケルトン。

 

服装以外は通常のスケルトンと変わらないように見えるが、行動や仕草が妙に芝居がかっており、こちらを敵と判断するやいなや強力な飛び蹴りを放ってくる。しかし、

 

・攻撃前の予備動作が仰々しい上に長い。

・ジャンプの高度が高すぎて蹴りを放つまで時間がかかる。

・耐久力は素のスケルトンと全く変わらない。

 

以上の事からどうとでも対処が出来る敵だと言える。いっそ相手にせず逃げた方が無難か。

ただし蹴り自体の威力、精度は高いので油断はしない事。

 

 

 

No.26 生き人形、ぬいぐるみ  危険度B

 

動く人形。見た目はアンティークのフランス人形や、ブリキのロボットなど様々。問題は動かない普通の人形と見た目が全く変わらず、攻撃してくるまで区別がつかない事である。もし城内で人形やぬいぐるみを見かけたら細心の注意を払う事。出来るならば見つけ次第破壊するのが望ましいが、数が多すぎるため現実的ではない。

 

人形の素材自体は本物の人形と変わらないのか、大抵の武器、特に炎が効く。しかしまれに異常に動きの早い個体や、砂鉄の詰まった頑丈なぬいぐるみなどがいるため注意する事。

特に黄色いクマのぬいぐるみと出くわしたらその可能性が高い。最優先で攻撃すべし。

 

 

 

No.27 ポルターガイスト  危険度B+

 

部屋の中の家具や食器が勝手に動き出すという、ドイツなどで有名な心霊現象。トラップの項目に入れるか迷ったが、明らかにこちらの攻撃に対処してくるためモンスターの項目に入れた。

 

不気味ではあるが所詮普通の家財道具であるため、はっきり言ってもろい。ただしナイフやフォークなどの食器は充分殺傷力がある上に、的が小さく迎撃しにくいので注意が必要。銃床や手近な鈍器などで振り払うのが最も効率がいいと思われる。

 

何者かの手によって食器が動かされているのか、それとも食器自体が自我を持って動いているのかは不明。

 

 

 

No.28 呪いの人形  危険度A+

 

前述の生き人形と基本的に変わらないが、触ると前述した賢者の石のように魔力を吸い取られる。

すぐに振り払えば被害は少ないが、大抵は複数で群がってくるため振りほどくのは困難。対処に手間取るうちに体力も奪われ、気付いた時には動けなくなってしまう。

 

明確な対処法は無いが、出来る限り複数人で行動し、相互に警戒、サポート、見つけ次第殲滅するしかないと思われる。人形の置いてある場所ではくれぐれも単独行動はとらない事。

 

賢者の石の項でも記したが、魔力を持たない一般人にはただの動く人形でしかない。

 

 

 

◆特に危険なクリーチャー

 

 

 

No.29 カリオストロ  危険度S

 

錬金術研究棟を根城にする科学者。本人曰く至高の錬金術師。歴史上の同名人物と同一人物かは不明。城内の怪物を作っているのはこの人物らしい。

 

城内の敵としては珍しい完全な人間型のクリーチャーで、会話が可能。ただし前述のデスと同じく人間に対し強い敵意を持っているため友好的な関係は築けない。

 

通常時は小柄な老人だが、賢者の石の力によって様々な生物の特性を備えたクリーチャーに変態する。主な攻撃は伸縮する腕による斬撃、電気ウナギの様な発電攻撃、酸を含んだ毒霧、体毛を硬化させた針による射撃。その上賢者の石による再生力も持つ。

 

もっとも教会関係者との戦闘によって完全に倒されたため、この敵と遭遇する可能性はほぼ無い。もし似たような敵と遭遇した場合は体内の何処かにある石を抜き取れば、再生能力を無くす事ができる。

 

 

 

No.30 ドミナス  危険度S++

 

魔王ドラキュラの魂が人間に憑依し実体化した物。ドミナスとはラテン語で支配者という意味。

 

見た目や特性などは依り代にした人間に多少影響されるが、基本的な部分は本物のドラキュラと変わらないという。おおむね”巨大な翼”と”鋭い爪”、”大木のように大きい腕”を持ち、様々な魔術を使う。

 

異常な耐久力、破壊力を持つが行動の前に必ず予備動作があり、

 

火柱=腕を構えて赤い紋章が出る

電撃=赤い紋章に稲光が走る

防御結界=体が青く光る

放射状のレーザー=腕を構えて青い紋章が出る

波動砲=距離を取った後白い紋章が出る

 

以上の事を事前に知っておけばある程度は余裕が出来る。ただしそれでも威力自体が桁外れであるため、人間がまともに太刀打ちできる相手ではない。

 

非常に限定的な状況でのみ現れるクリーチャーらしいので、遭遇する機会自体がまれと思われる。強さだけならEXレベルだが、出会う可能性が限りなく低いため危険度は”S++”とした。

 

 

 

No.31 パペットマスター  危険度S+

 

巨大な頭部から直接4本の手が生えたマリオネットの魔物。体長は目測で4~5メートル程。トラップであるアイアンメイデンの説明も並行して書く。

 

その名の通り人形達の主であり、前述した生き人形などはこのクリーチャーによって動いているらしい。木偶人形の様な外見に反しその外殻は硬く、異常なタフさを誇る。そのため生半可な攻撃は通じないが、炎による攻撃は効果が高い。

 

名前に主とついているが性格は粗暴で感情の起伏が激しく、どちらかと言えば我儘な子供に近い。配下であるはずの人形を盾にする、不利になると壁をすり抜けて逃げる。特定の者に異常な執着を見せる。などの行動にその性格が垣間見える。

 

主な攻撃は4本の腕による打撃と、大量に湧く呪いの人形との連携。壁をすり抜けての移動など。だが真に恐ろしいのは周囲に設置された特殊な器具を使ったトラップである。

 

 

アイアンメイデン

 

中世の時代に拷問器具として使われたという立像。中は空洞で、観音開きになっている胴体の部分を開くと中には無数の突起物が張り巡らされている。

 

原理は不明だがパペットマスターが何処からか取り出す等身大の人形をこの中に収めると、対象の人間が入れ替わりに中へと飛ばされ、即死レベルの重症を負う。選ばれる対象はトラップから最も近い者と思われるが、ある程度はパペットマスターが任意に選べるようだ。

 

対処法はアイアンメイデンに入れられる前に人形を破壊する事。人形の耐久力自体はそれほどでも無いため、集中攻撃をかければ壊す事は可能。ただロケットランチャーなどの威力は高いが発射速度の低い武器よりも、マシンガンなどの武器の方が効果は高いようだ。

 

自分達は少人数で戦ったため苦戦したが、大部隊で戦えばさほど苦戦はしない敵と思われる。ただし追い詰めると前述したように壁をすり抜けて逃走するため、追撃は困難。完全に撃破する事は難しいと思われる。

 

余談だがこのクリーチャーに倒されると魂を奪われ、物言わぬ人形にされるというが詳細は不明。

 

 

 

No.32 シャフト  危険度S

 

城主であるドラキュラ伯爵に仕える邪教の教祖。どんな宗派かは不明。

 

見た目は紫の法衣を纏った老僧といった風体で、普通の人間と変わらない。ただし既に肉体は失っているらしく、恐らく通常の火器、兵器は通用しない。教会関係者や神官の持つ道具ならば多少の効果はある。

 

もともと人間であるため、相応の知能はあり、会話もできるが人間を深く憎んでいるらしくやはり友好的な関係は築けない。

 

主な攻撃は手に持つ水晶玉を利用した火、電撃の魔法。威力はかなり高く、普通の人間ならば一撃で死んでしまうだろう。

 

報告書1で記述した死神やベヒモスに比べればまだ現実味のある敵ではあるが、いかんせん現代兵器とは相性が悪い。教会と協力し、対クリーチャー用の武器開発をする事を強く推奨する。

 

 

 


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