城の中の吸血姫   作:ノスタルジー

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四話目。ノスタルジーが考えるこの主人公。名前はまだない。

大人で子ども。
思慮深い馬鹿。
石橋は築年数を確認。専用の装置で調べようとしたりはするが、結局走って渡る。


吸血鬼と吸血鬼

 ヨーロッパに向かう。決定。だがここはどこだ。ヨーロッパ。可能性はある。それならいいが。飛行機などないこの時代。ヨーロッパでなかったら。どうする。魔法世界なら。どうする。魔法か。飛行魔法。転移魔法。使えないが。だが原作では転移魔法をエヴァンジェリンが使っていたはず。影の扉だか闇の扉だかを。名前はいい。何でも。何にせよ真祖が使えるのだ。始祖が使えないという道理はない。記述が真実であるならこの身は真祖より優れた始祖。使えるさ。なら練習するか。今から。時間はあるのか。いや。待て。そもそも吸血鬼化に遭遇しなくても、真祖化したエヴァンジェリンに遭遇すればいいのではないのか。なら急がなくてもいいのか。保留。

 

 まぁここがどこかを確認する必要があるのだ。どちらにせよ。外に出るか。出来るだけ上に上がって外を見るか。ふむ。外は危険かもしれない。もしかしたら魔法世界かもしれないのだ。どんな生き物が城の周りにいるかわからない。生まれてこの方、そんな危険な場所に飛び込ませる体など持ってはいない。なら上に上がるのが適当。書庫、製作者が何と言おうとも、の入り口。身長の二倍は超えるであろう巨大な扉に、手を。押す。軽い。そうか。この身は、吸血鬼だったか。

 

 書庫を出て階段へ。上に。上に。階段が終わった。しかし目の前には冷たそうな螺旋階段。それ以外は右手に扉が一つ。ルーチンワークのように、開ける。簡素なベッドと机。何の部屋だ。使用人用といった感じがするが。置いておく。どうせ使わないだろう。お嬢様だ。螺旋階段を上る。カン、カン、カンと白く細い足の動きに合わせて音が鳴る。どうも塔のようなところのようだ。階段の終わり。フラットなスペースに着き、ガラス越しの景色を見る。

 目に入ったのは、樹。正確にはその幹。なるほど。

 

 世界樹。自然と頭がここが「ネギま」の世界である可能性を上げる。やはりここは「ネギま」か。疑問が確信へ向かって走る。しかし一歩前で、立ち止まる。まだ確定ではない。冷静に。謎が残る。「始祖」。これがただ世界に挟まっただけの存在か。それとも混合世界の結晶か。前者を。心の底から前者を所望す。後者は「ネギま」以外の不確定要素が多い。全くわからない未来より、少しでもわかる未来がいい。前者、そう望んで、見上げる。大きな樹が、小さな体を見下ろした。

 

 廊下を歩く。これだけ情報あればここは少なくとも「ネギま」ベースの世界であると判断してもいい。と思う。であれば、ここが日本の麻帆良である可能性は高い。となると、最後にその確認のため。証拠。いや証人の捜索。ならこれから考えるべきはどうやってヨーロッパに行くか。これだ。今ヨーロッパまでの飛行機などないだろう。なら魔法を学ぶしかない。ヨーロッパに行ってからのエヴァンジェリンの捜索、自衛。魔法はこの両方にも役立つだろう。書庫の扉の前で足を止める。

 体に電流。罠か。先代たちが仕掛けた。否。なら攻撃を受けた。いや違う。これは情報。本能の流す、血の流す。

 

 生まれた。その因子を持つもの。

 

 集中すれば遠くにその存在を本能的に感じる。捜索用の魔法を習得する手間が省けたと嬉しがる心を認識。確かに派手さなどないだろうなそんなものにはと論理的に分析。

 扉。開ける。体がおかしいことは、しかと認識していた。

 

 考える。真祖の吸血鬼の反応。始祖の能力か。書いておけ。先代(暫定)。名前は知っているが顔は知らない優秀なパイオニアを批判。会いに行く。いや。待て。そもそも会ってどうする。「ネギま」と思わしきこの世界。そしてこの時代に真祖の吸血鬼が生まれたのだ。エヴァンジェリンだろう。どう考えても。ならばこの体が感じる繋がりこそ、ここが「ネギま」であると裏付けるものになるのでは。と楽な道をちらと見る。行く必要があるのか。無いだろう。踏み出す一歩は怠惰。それに考えてもみろ。自分は始祖。向こうは真祖。いうなれば親と子。兄、いや姉か今は。何でもいい。姉と妹のようなものだ。この関係性は。なら向こうが来るべきではないか。挨拶に。そうだ。待つか。向こうがこちらの存在をわかるのかは知らんが。まぁそれまでゆっくり魔法を学ぼうか。向こうが来なかったら、しかたない。その時は、その時。深く沈みかけている意識の頭を押さえつけ、溺死させる。まぁその場合は、こちらから出向くとしようか。アーメン。

 

 そういえば。エヴァンジェリンは10歳くらいだったな。自分は、生後半日くらいか。姉。ふむ。エヴァンジェリンは自分がいつから生きているかなどわかるまい。300。いや。400にするか。




短いです。2500字前後を目安に書いていたんですが。
次こそは。

進展遅し。

名前未定。

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