目標は今日明日でにじファンに投稿してた分を全て上げる事。
半年近く放置してましたが、あとちょっとなのでもうひと頑張りさせてもらいます。
第38話 機動六課
―機動六課―
「ま、長い挨拶は嫌われるんで、以上、ここまで。機動六課課長及び部隊長、八神はやてでした」
そう締めくくって、はやての挨拶は終了した。ロビーには隊長陣、フォワード、バックヤードスタッフが全員集合しており、機動六課の発足式が行われていた。
次に隊長陣の挨拶、フォワードメンバーとバックヤードスタッフの紹介と続き、式はつつがなく終了した。
その後、スバル、ティアナ、エリオ、アギトのフォワードメンバーはなのは主導の元、早速訓練を開始した。
それを少し離れた所で見つめる人影が一人。そこに、もう一人近付いてきた。
「ヴィータ、ここにいたか」
「ん? シグナムか」
「新人達は早速やってるようだな」
「ああ」
「お前は参加しないのか?」
「四人ともまだヨチヨチ歩きのヒヨっ子だ。私が教導を手伝うのはもうちょっと先だな」
眼下に見えるフォワード陣は、互いに己のスキルを確認し合いながら準備を進めていく。その様子から、頼もしさよりも初々しさを感じるヴィータだった。
「そうか」
「それに自分の訓練もしたいしさ。……同じ分隊だからな。私が空でなのはを守ってやらなきゃいけねー」
「……そうか」
その言葉に込められた意味に当然気付いているシグナムであったが、あえてほじくり返すようなことはしなかった。
これはヴィータが自分で解決すべき問題だ。自分が何かするまでもなく、ヴィータなら大丈夫だと信じているからこその放任だった。
「うん」
「お、間に合ったみたいですねー」
「「!?」」
そんな二人に、いきなり背後から声をかけられた。何かと振り向くと、そこには自分達の知り合いが立っていた。
「「!?」」
いつの間にか背後にいた私に驚いたのか、二人揃って同じ反応を返してくれました。
「きゃ、キャロ!? 何でテメーが?」
「いや、お姉ちゃん達の雄姿を拝んでおこうかと。」
「そうじゃなくて……、お前六課メンバーじゃないだろ」
あれ、聞いてませんか?
「捜査協力って名目で、出入りの許可は貰ってあるんですよ。嘘だと思うのなら、はやてさん辺りに聞いてください」
協力って言っても、基本的には勝手に動きますけどね。
にしても、ヴィータさんが知らなかったということは、他のメンバーも知らなかったりするんでしょうか?
それは困……らないですね。むしろ利用できますし。
「あ、悪夢だ……」
さっきまでのシリアスは何処に行ったのか、どこか疲れたような顔をしているヴィータさん。失礼ですね。私が何をしたって言うんでしょうか?
「そこまでにしておけ。そろそろ始まるみたいだぞ」
ヴィータさんがヒートアップしたせいか、シグナムさんはわりと落ち着いています。シグナムさんの言った通り、フォワード陣は準備完了。今から開始みたいですね。
そして訓練が始まったのですが……。
訓練内容は、逃走するガジェットの撃墜。全部で8体、全て撃破するのが条件です。
最初にスバルお姉ちゃんとエリオ君で攻撃を仕掛けたけど、ガジェットはアッサリ回避。続いてティアナさんが射撃するも、全てAMFで無効化されました。その後、スバルお姉ちゃんがウィングロードでガジェットを追っていったのですけど―
「へ? うわああああああ!!」
案の上AMFでウイングロードを消されて転落。ビルの側面にガラスを突き破りながら突っ込んでいきました。シミュレーターだから。ガラスが刺さるとかは無いはずです。
「訓練で良かった、のかなこの場合は?」
「対処法くらい自分で考えねーとな。そのためにやってるんだし」
そんな事を言ってる間にも、訓練は進んでいきます。
なのはさんからAMFの説明を聞いた4人はそれぞれ打開策を模索。
「ストラーダ!」
≪Explosion.≫
先行して回り込んでいたエリオ君がストラーダにカートリッジをロード。ガジェットの進路上の橋を破壊し、ガジェットのうち三体がそれに巻き込まれ、辛うじて免れた残りの機体は瓦礫の迂回するように移動しました。
「建造物壊すのはアリなんですかねえ?」
「お前がいうな」
「ちょっと何言ってるか分かりませんね」
次に、進路を限定された所にスバルお姉ちゃんが突進。
「うおおおおおおおりゃああああああ!!」
ガジェットのマウントを取り、ゼロ距離からのリボルバーナックルで仕留めました。
……お姉ちゃん、それ一歩間違えればゼロ距離からレーザー撃たれてますよ。
「ヴィータさん、後でちゃんと言っておいてくださいね?」
「貸しひとつな」
「じゃあ今度の模擬戦私の負けで」
「それ本当にやったらマジで許さねえからな」
「ゴメンナサイ」
続いてティアナさんがヴァリアブルシュートを発動。多重弾殻のそれはAMFを貫通し、二体のガジェットを打ち抜きました。
でも、一発撃っただけなのに肩で息をしており、今にも倒れそうです。クロスミラージュじゃないので、消費が激しいんでしょうね。
これで残り二体となったわけですが―
「ブレネン・クリューガー!!」
アギトの叫びとともに炎弾が撃ち込まれ、残りのガジェットが炎上しました。AMFでは魔法によって発生した現象までは無効化できませんからね。ちゃんと役に立ててるみたいで何よりです。
にしても、最初からアギトがやれば簡単だったと思うのは私だけでしょうか? それだと訓練にならないので、なのはさんかはやてさん辺りに指示されていた可能性もありそうですけど。
とにかくこれで初訓練は終了。フォワードメンバーは隊舎へ戻っていきました。
「最初はこんなものですかねえ?」
「まだまだヒヨっ子だからな」
「これからに期待、といった感じか」
今のままだと厳しいですけど、猶予はまだまだあります。
焦って進めても、ろくな事にならないですしね。
「それじゃ、私はそろそろ帰りますね」
「スバル達には会っていかねーのか?」
「私がいるっていうのは知りませんからね。ヴィータさん達も言ったら駄目ですよ」
「どうしてだ?」
「だって、その方が面白いじゃないですか」
「「……はあ」」
「なんですか二人揃って。じゃあ、さようならです」
何故か黙ってしまった二人を置いて、私は隊舎へと戻ります。そして人目の付かない場所を探してスキマ移動し、我が家へと帰りました。実は行きの時もスキマを使ってるので、あの二人以外は私の訪問を知らなかったりします。
「ただいまー。っと、誰もいないですね」
『まだ昼前ですからね。ギンガさんとゲンヤさんはまだ仕事です』
「そう言えばそうでしたね」
民間協力者として六課に潜り込むことになったので、陸士108部隊で書類仕事を手伝うことも無くなりました。ぶっちゃけ暇です。
「まあいいか。藍、モード「境」」
『了解』
やること無いから修行でも……って暇つぶしの手段が修行とか突っ込み所満載ですけど、時間があるならやっておきたいですからね。
皆も動き初めてますし、私も頑張っていなかいとね。
「キュクルー……。(もうずっと構ってもらってない……)」