この小説はにじファンに投稿していたものですが、にじファンの閉鎖に伴い、こちらに移転させて頂く事にしました。
では、本編をどうぞ。
―■、あなたは外で幸せに生きなさい―
―■■■は、貴方にとっては優しくない―
―けど、もしも■■■■■、■■■に戻りたいと思ってくれるなら―
―強くなりなさい。貴方に害を為すものに、■■■■■―
―その時は、もう一度―
プロローグ 迷子ひとり生まれ落ちて
い、今起こったことをありのままに話しますねっ!!
「普通に寝て起きたら、赤ん坊になっていた」
いきなり何言ってるんだと思うでしょうけど、私にも何が起きたかサッパリなのです。
転生トラックとか神様とか、そんなチャチな物では断じて無い、テンプレの恐ろしさを味わいました……。
へ? 何が起きたか分からないとか言ってるくせにテンプレとか口走ってるじゃねーか、ですって?
……確かに言ってますね。自分で答え出してるのに無理にネタに走ったせいで、無茶苦茶言ってますね私。
自覚症状無いけど相当テンパってるみたいです。おーけー。落ち着くんでちょっと待っててください。
幼女状況整理中……
はい、落ち着きました。もうアレですね、さっきまでの自分を殴ってやりたい気分です。
冷静になって考えると相当馬鹿なこと言ってましたね私。大体、テンプレとか転生とか、そんなファンタジーが実際に起こる訳無いですよね。ついさっきまで寝てたんだから、最初に夢の可能性を疑うべきでした。
そう、これは夢。覚めればまたいつもの日常が始まるっていうだけの話。だからこんな訳分からない夢、さっさとおさらばするのですよ。
というわけで、お休みなさいです。ぐぅ……。
―覚めない夢は現実と変わらない―
どこかで聞いたことのある言葉を思い出しました。全く、縁起でもないですよね。
目も覚めたことですしさっさと朝食を作ろうと思い、立ち上がり―
あれ? おかしいです、体が少しも動きません。マサカマサカマサカ―
さっきまで一笑に付していた転生説が浮上してきたのを考えないようにし、辛うじて動く首を90度傾けます。
そこにあったのは、触っただけでも壊れそうな、ぷにっぷにの自分の手でした。
まぢですか……。
そうこうしているうちにも、周りでは時間が経過していきます。
今気付いたのですが。私はどうやら抱かれながらどこかに移動しているようです。
まだ満足に開かない目で周りを見てみると、いくつかのテントと、民族衣装のようなローブを羽織った人が何人かいるのがうっすらと見えます。
話し声もぽつぽつ聞こえてきますね。何か英語っぽい言葉で話してます。詳しい内容までは分かりませんが、単語の拾い読みくらいならできます。
……「竜」とか「魔法」とか気になる単語があったけどとりあえずスルーで。
ここはアメリカ大陸の辺境で、ゲームや小説の話で盛り上がってる可能性だってあるのですから。まだファンタジーな世界だと決まったわけではないのですよ。
そうこうしている内に私を抱いていた人がテントの1つに入っていきます。
中には大人が数人と、「村長」とか「族長」といった言葉がすごく似合いそうなお爺さんが待っていました。
私を抱いてきた人と、お爺さんが何か話しています。
そういえば今まで気にしなかったけど、抱いてくれてる人って私のお母さんなのかな? とか考えつつも2人の会話に耳を傾けます。
幼女聞取中(Now listening)……
流石に細かい所は分かりませんでしたが。どうやらこの村長(仮)が、私の名前を付けてくれるそうです。
まだこの世界で生きていく決心とか全然ないけど、どうせなら格好よくて厨二っぽくない名前にしてくださいよと願いながら、名前の告げられる瞬間を待ちます。
「Her name is……(この子の名前は……)」
ドキドキドキ……。
「Caro(キャロだ)」
ナンデスト?
あーうん、今のナシ。多分聞き間違え
「Caro,your name is Caro,Caro Ru Lushe.(キャロ、貴方の名前はキャロ、キャロ・ル・ルシエですよ)」
現実逃避中に連呼して追い討ち掛けないでくださいお母さん(仮)!!
しかもご丁寧にファミリーネームまで付け加えて!! ここまで聞いたら、リリなの世界で確定じゃないですか!! ああ、さっきまで英語だと思っていたのはミッド語ですかそんな所から伏線ありましたか!!
こうして私はキャロの名前を貰い、リリなの世界で生きていくことになりました。
あ、最後にコレだけは言わせて下さい
追放フラグは要らないですーーーーーーーーーーーー!!