それでは本編へどうぞ
今日は3月14日ホワイトデーだ。
そして戸部が海老名さんに告白しようとしている日だ。
由比ヶ浜の調査の結果、海老名さんには好きな人がいないことが分かり、今日告白することにしたようだ。
それに対して俺は海老名さんの依頼である「戸部の告白を未然に防ぐ」方法はまだ考え付いていない。
そして俺は来期のアニメの確認をまだしてねーな、などと逃避的な考えをしつつ学校へ向かっていた。
時間はあっという間に過ぎ放課後になった。
俺たち奉仕部は戸部に許可をもらい、物陰から海老名さんを待っている戸部を見ている。そうこうしていると海老名さんがやって来た。
海老名 「話って何かな?」
戸部 「あの・・・」
このままだと戸部はまちがいなく振られる。そしてこのままだと俺は海老名さんの依頼を達成できない。2つの依頼を達成するためにはどうすればいいのか。
八幡 「こーするしかねーだろ」
雪ノ下・由比ヶ浜 「「え」」
そして俺は今まさに告白しようとしている戸部の横に立ち、
八幡 「ずっと前から好きでした 俺と付き合ってください」
海老名 「・・・ごめんなさい 今は誰とも付き合う気はないの
誰に告白されても付き合う気はないの
話終わりなら私もう行くね」
海老名さんはそう言って去っていった。
八幡 「だとよ」
戸部 「ヒキタニ君振られる前にわかってよかったけどそれはないでしょ」
葉山 「まだ時期じゃないってことだろ。今はまだこの関係を楽しんでおくのもいいんじゃないのか」
八幡・戸部 「!?」
俺たち奉仕部しか見ていないと思っていたのにこいつもいたのか。
八幡 「お前いたのかよ」
葉山 「たまたま通りかかっただけだよ」
なにこいつ、リア充のくせにステルスもできるとかまじなんなん。これじゃあ俺のアイデンティティが失われるじゃん
戸部 「そうだね ゆーても「今は」ってたし
ヒキタニ君、俺負けねーよ」
葉山 「よしっ、じゃあ部活行くぞ」
戸部 「りょーかい ヒキタニ君じゃーね」
八幡 「ああ」
そういって戸部と葉山はいなくなった。
戻ろうと回れ右をするとそこには限界まで顔を膨らませた由比ヶ浜と絶対零度のオーラをまとう雪ノ下がいた。やばいと思いさらに回れ右をして逃げようとしたが、走りだそうとしたところで襟首をつかまれた。そして俺は引きずられたまま部室に連れていかれた。
雪ノ下 「さっきのことについて説明してもらいましょうか」
怖い 怖いよ なんでそんな笑顔なのにそんな冷たい声がだせんの
八幡 「俺は戸部の依頼を受けた後に海老名さんと会ったんだ。そしたら海老名さんに「戸部の告白を未然に防いでほしい」っていう依頼を受けたんだよ。」
雪ノ下 「何で海老名さんは戸部君の依頼のことを知っているのかしら」
八幡 「偶然聞いてしまったらしい」
雪ノ下 「事情はわかったけどそれならなぜあなたは海老名さんに告白なんてしたのかしら告り谷君」
由比ヶ浜 「そうだよ ヒッキーは姫菜のことすきなの?」
八幡 「んなわけねーだろ 俺が海老名さんに告白して海老名さんが今は誰とも付き合う気がないそう言って断れば、戸部は振られずにそして戸部の告白も防げる。2つの依頼を達成するためにはこれが一番効率的だったんだよ」
由比ヶ浜 「それでもほかに方法はなかったの?」
八幡 「思いついていたならそれをやってる。」
雪ノ下 「あなたの自分を犠牲にしてでも依頼を達成しようとするやり方、嫌いだわ
悪いけど先に帰らせてもらいます。」
そう言って雪ノ下は出て行った。
由比ヶ浜 「私も事情はわかったけど でも、でも・・・
もっと人の気持ち考えてよ!」
八幡 「けどああしなければ戸部が振られて傷ついてさらにグループが壊れて海老名さんも傷つくことになる。お前もいまのグループが壊れたら傷つくだろ」
由比ヶ浜 「どうしてグループが壊れるの?」
八幡 「海老名さんが言ってたんだよ。「いま誰かに告白されても付き合う気はない。だから振ることになる。そしたらいずれ私か相手が居づらくなってグループからいなくなるだろう」って。だからあそこで俺が傷つけば誰もグループからいなくならなくて済むとおもったからそうしたんだ」
由比ヶ浜 「けどヒッキーが傷つくじゃん!」
八幡 「俺はいいんだよ。傷つくことには慣れてる。」
由比ヶ浜 「ヒッキーは慣れててもヒッキーが傷つくのを見て傷つく人もいるんだよ!
だからもっと人の気持ちを考えてよ。」
そう言って由比ヶ浜は雪ノ下を追いかけるようにして出て行った。
一人残された俺は
八幡 「鍵返して帰るか・・・」
次の日部活に行ったが気まずかったのですぐに帰ってしまった。
そして次の日から俺は部活に行くのをやめた。
そしてそのまま総武高は春休みを迎えたのだった。