蒼の彼方のボッチズム   作:サラリーマン

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ぐらしゅ?

朝9時半 昨日まで合宿だったことや今日の部活が午後からなこともありいつもより少し遅い時間に俺は起きた。

小町 「おはよ お兄ちゃん」

八幡 「おう、おはよう小町」

いつもだったら聞こえてくるはずのない声が聞こえた。

雪ノ下 「おはよう 比企谷君」

由比ヶ浜 「おはよ ヒッキー」

一色 「おはよーございます せ~んぱい」

八幡 「!?何でお前らがここに?」

これから遊びに行くにしたってそこまで観光するところなんてないからもう少し遅く集まってもいいはずだ。まさか・・・

小町 「あれ言ってなかったっけ?雪乃さんたち今日というか昨日かうちに泊まったんだよ」

八幡 「はぁ!?聞いてねーよそんなこと」

何でそんな大事なこと言わないんだよ!と心の中で毒づいていると

由比ヶ浜 「ヒッキー帰ってきてからすぐに寝ちゃったし」

雪ノ下 「まあ私としては比企谷君と同じ家に泊まるのは心配だったのだけれど」

八幡 「あーはいそれはよかったですねー(棒」

雪ノ下の言葉に適当に返していると

小町 「とりあえずお兄ちゃんは早くご飯食べて出かける準備して」

八幡 「なんでだ?」

一色 「なんでってせんぱいも一緒に行くんですよ!」

八幡 「やだよ めんどくさい」

由比ヶ浜 「えぇ~いいじゃんいこ~よ~ ヒッキーがこっちに来てからの話も聞きたいし」

八幡 「こっちの学校に転校した。はい終わり」

小町 「お兄ちゃん!これ以上文句言うなら小町もう一生口きかないよ?」

八幡 「すぐにメシ食って準備するから少し待っててくれ」

俺は奉仕部の三人の変な視線を受けながら急いで飯を食った。

 

なんやかんやで準備をしていると10時になった。

小町 「お兄ちゃんの準備も終わったことだし行きますか」

八幡 「俺午後から部活あるから準備のために12時くらいになったら帰るぞ」

小町 「りょーかい それじゃあ行きましょう FLY」

八幡 「FLY」

雪ノ下たちがなかなか飛び上がってこないので下を見てみると、雪ノ下たちはポカンとした表情で飛んでいる俺たちを見ていた。雪ノ下のポカンとした表情なんて初めて見たな。なんか新鮮だな

八幡 「おい小町、下降りるぞ」

小町 「ふぇ?なんで?」

八幡 「下見ろ。たぶんあいつら飛べないぞ。」

小町が下を見る。すると納得したようで下に降りていく。俺もそれに倣い下に降りる。俺と小町が地面に着地すると同時に雪ノ下たち3人は再起動したようで

由比ヶ浜・一色 「「ヒッキー(せんぱい)たちなんで飛べるの(んですか)?」」

八幡 「グラシュだよ」

由比ヶ浜・一色 「「ぐらしゅ?」」

あれなんだろう。デジャヴかな。俺も同じ反応した気がするな。

雪ノ下 「グラシュ・・・正式名称はアンチグラビトンシューズ・・・だったかしら。たしか重力に反発する不思議な粒子の発見によって生まれたものでその粒子を体に纏うことで空を飛ぶことができる・・・そんな感じじゃなかったかしら?」

由比ヶ浜 「あしがぐらにゅーとう?」

一色 「結衣先輩はしゃべらない方がいいです」

しばらく会ってなかったが由比ヶ浜はアホのまま、そしてユキペディアは健在のようだった

八幡 「さすがユキペディア。何でも知ってるな」

雪ノ下 「その呼び方やめなさい。それに何でもは知らないわ。知ってることだけよ」

どっかで聞いたことのあるようなセリフだな。

小町 「そんなことより歩きながら話しませんか?お兄ちゃんは午前中しか空いてませんし」

由比ヶ浜 「そうだね。歩きながら話そう!」

 

俺たちは今福留島行のフェリーの甲板にいる。フェリーに乗るのはこっちに来た時以来だったので風に当たりたくてきたのだ。しばらく海を見ながらボーっとしていると一色が来た。

八幡 「フェリーに酔ったか?」

一色 「そうですね。少し風に当たりたくて」

ちょっと気になることを聞いてみることにした。

八幡 「一色はなんで奉仕部にはいったんだ?」

一色 「平塚先生に無理やり入れられたんですよ。平塚先生曰く「お前があざとさ全開で男を手玉に取っているのが気に入らない」だそうです。私はそんなことしてないのに。っていうかこれって自分が結婚できない逆恨みですよね」

あの人まだ結婚できてねーのかよ。誰か早くもらってあげて!

八幡 「一色そう思うのは勝手だが最後の方のことは絶対先生には言うなよ。殺されるぞ」

一色 「わかってますよ。私そこまでバカじゃないですよ。それよりせんぱいが私を助けてくれた日のこと、覚えてますか?」

八幡 「ああ」

一色 「あの時はありがとうございました!」

八幡 「なんだよいきなり」

一色 「改めてお礼を言っとこうと思いまして。あの時の先輩かっこよかったですよ。私先に戻ってますね!」

一色はそう言って戻り、俺はもう少し風に当たっていた。

 

八幡 「そろっと時間だから俺は帰るぞ」

時刻はもうすぐ12時になろうとしていた。

小町 「あっ、もうそんな時間か」

由比ヶ浜 「ヒッキー部活頑張ってね」

一色 「頑張ってください」

八幡 「おう。お前たちも車とかに気をつけろよ」

そう言って小町たちと別れ、一度家に帰り、部活の準備をしてから部活に行く。練習場に着くと俺が最後だった。

昌也 「遅いぞハチ」

八幡 「悪い。けど遅刻しなかったんだからいいだろ」

昌也 「昨日のことについて話してもらおうと思ったのに」

八幡 「ああそれか。どうせ今日もみんなでうどん食いに行くんだろ。そんときに話すよ」

 

部活が終わり、俺たちはましろうどんに向けて空を飛んでいる。

みさき 「じゃあハチ君昨日の事について話してもらいましょうか」

八幡 「その前に昌也には話したと思うけどほかのメンツには奉仕部のことを話したことってあったけか?」

みさき 「私は少しだけ小町ちゃんから聞いたよ」

明日香 「私は聞いたことないです」

ましろ 「私もないです」

窓果 「私もないかな。なんなのその奉仕部って?」

八幡 「俺が前の学校で入ってた部活だ。部長曰く魚を取ってあげるんじゃなく、取り方を教える部だ」

明日香・ましろ・窓果 「「「?」」」

やっぱみんな同じ反応するよな。俺も最初はそうだったし

八幡 「まあ簡単に言えば、やってあげるんじゃなくやり方を教えて自分でできるようにするってことだ」

窓果 「で、その奉仕部が何の関係があんの?」

八幡 「そのほうがの奴らがうちにいたんだよ」

ましろ 「なんで私たちを帰らせたんですか?」

八幡 「いやなんかめんどくさそうだった」

みさき 「ハチ君なんか面白そうだから紹介して!」

八幡 「やだよめんどくせぇ」

お前らが面白そうでも俺にはめんどくさくなる未来しか見えない。俺のサイドエフェクトがそう言ってる。俺サイドエフェクト持ってないけど

明日香 「私も前の学校でのハチさんのこと知りたいので紹介してほしいです。

みさき 「ハチ君マッ缶おごるから!昌也が」

昌也 「俺かよ!まあ確かに紹介してほしいけどな」

昌・み・明・ま・窓 「「「「「ハ(ッ)チ(君)(先輩) お願いしまーす」」」」」

八幡 「わかったよ じゃあエンカウントしたらな」

ましろ 「ハッチ先輩たぶんそれフラグですよ」

八幡 「言ってから俺もそう思った」

 

俺たちはましろを先頭にましろうどんの中へ入っていく

ましろ母 「いらっしゃ~い ってなんだましろか」

ましろ 「なんだってひどくない。それに今日もみんなもいるよ」

中を見渡してみると知っている顔が4つあった。

小町 「あれお兄ちゃんじゃん!部活お疲れ!」

八幡 「なんでお前らはここにいる」

雪ノ下 「小町さんがおいしいうどん屋さんがあるって言ってここに連れてきてくれたのよ」

みさき 「ハチ君、この人たちって」

八幡 「ああ、さっき話してた奉仕部の奴らだ」

ましろ 「ハッチ先輩、フラグ回収早かったですね・・・」

 

俺たちは席をつけて座り、うどんを頼んだ。

由比ヶ浜 「とりあえず自己紹介しない?」

雪ノ下 「そうね まずは私から。私は雪ノ下 雪乃。比企谷君とは誠に遺憾ながら知り合いです。」

八幡 「知り合いで遺憾なら同級生でいいだろ」

雪ノ下 「そうね 比企谷君とは遺憾ながら同級生です」

八幡 「それでも遺憾なのかよ」

俺たちのやり取りに昌也たちはポカンとしていた。

由比ヶ浜 「ハイハイ!次私ね!私は由比ヶ浜結衣。ヒッキーとはクラスメートだったんだ。」

昌也・みさき・ましろ・窓果 「「「「プっ!」」」」

由比ヶ浜が自己紹介すると4人のふきだした音が聞こえた。

昌也 「お前ヒッキーって呼ばれてたのか」

みさき 「私たちもこれからはそう呼ぼっか」

ましろ・窓果 「「そうしましょう(だね)」」

八幡 「よし 昌也と窓果はこれからうちに来い。ゲームでぼこぼこにしてやる。みさきとましろは明日試合するぞ。こっちはfcでぼこぼこにしてやる」

みさき 「ほう ハチ君にできるかな」

八幡 「やってやるよ。ということで昌也、明日の練習に試合を入れてくれ。」

昌也 「それはいいけど、高藤合宿での反省点を生かした試合にしろよ」

八幡 「ああ」

一色 「そろっと私の自己紹介してもいいですか?私は一色いろはです。せんぱいとは・・・せんぱい、私とせんぱいの関係ってなんですか?」

八幡 「俺聞くなよ・・・まあただの先輩と後輩だろ」

一色 「そうですね 私とせんぱいは将来を寄り添い続ける仲・・・ですかね」

 

雪ノ下 「一色さん?」

由比ヶ浜 「いろはちゃん?」

 

一色 「ヒッ!」

怖っ!なぜか知らんが気温が10度くらい下がった気がする。昌也の顔を見るとすごい青ざめている。女性陣の顔を見てみるとすごいにやにやしてる。

一色 「すいませんでした。冗談です。せんぱいは私を助けてくれた恩人です」

窓果 「ハチ君 恩人って何があったの?」

八幡 「こいつがタチの悪そうな不良に絡まれててな。そん時ちょうどイラついてたから不良に八つ当たりみたいな感じでこいつを助けたんだよ」

みさき 「へぇ~ハチ君が。どうやって助けたの?」

八幡 「その不良が沸点の低そうなやつだったから挑発して怒らせて殴りかかってきたところを躱して、後ろが川だったから足かけて落として逃げた」

小町 「詳しく聞いたことがなかったけどそんなことがあったんだね」

みさき 「次は私たちかな。私は鳶沢みさき。ハチ君と小町ちゃんとは親戚なの」

昌也 「俺は日向昌也。ハチとは友達でfc部ではコーチをしている」

明日香 「私は倉科明日香です。ハチさんとは同じ部活の友達です。」

ましろ 「私は有坂ましろです。ハッチ先輩とは同じ部活のゲーマー仲間ですかね」

窓果 「私は青柳窓果。ハチ君とは友達でfc部ではマネージャーをしているよ」

ましろ母 「私は有坂牡丹。ましろの母です。」

ましろ 「ちょっとお母さん!何でお母さんもしてんの!」

ましろ母 「ノリと勢い?」

ましろ 「なぜ疑問形・・・」

約一名関係ない人もいたが全員の自己紹介が終わった。

一色 「みなさんってせんぱいと同じfc部というところに入ってるんですよね?そのfcってなんなんですか?結局せんぱいからはまだ説明されてませんし」

由比ヶ浜 「それ私も気になってた!」

八幡 「まだ説明してなかったか?・・・昌也説明よろしく」

俺より詳しい昌也に任せる。決して面倒だからではない。面倒だからではない。大事なことだから2回言いましたまる

昌也 「俺かよ!まあいいけどさ。えーと・・・まずはグラシュってわかるかな?」

雪ノ下 「一応比企谷君から聞いたわ。反重力によって空を飛べるようになる靴・・・という解釈で合っているかしら」

昌也 「大体は合ってるよ。fc、フライングサーカスは競技用のグラシュを使ったスポーツなんだ。」

それから昌也のfcについての説明が始まった。

 

昌也 「・・・とまあこういう感じなんだけど・・・」

雪ノ下は分かったようだが一色と由比ヶ浜はあまりわかってないような顔をしていた。ここで何を思ったのかみさきが雪ノ下たちに質問する。

みさき 「少し話は変わるけど、雪ノ下さんたちはいつまでこっちにいるの?」

雪ノ下 「明日の午後には帰るつもりよ」

みさきはその答えを聞き昌也を見る。昌也はみさきの言いたいことがわかったのかうなずく。

昌也 「そうなんだ。もしよかったら明日の午前中は俺たちの練習を見に来ないか?

実際に見た方が分かりやすいと思うし」

雪ノ下 「それはありがたいのだけれどお邪魔ではないかしら」

みさき 「大丈夫だよ」

雪ノ下 「それなら見学させてもらうわね」

ましろ 「話も終わったことですしハッチ先輩の家でゲーム大会でもしましょう」

窓果 「お!いいね!」

由比ヶ浜 「やりた~い」

そう言って3人はお店から出て行った

昌也 「俺たちも行こうか」

そして俺たちも店を出る。店を出て停留所に向かう。停留所に着くと先に行ったと思っていた3人がいた。

八幡 「なんでお前たちまだここにいるんだ」

窓果 「鍵がないことに気付いて待ってたの」

八幡 「そうか。・・・そういえば雪ノ下たちはまだ飛んだことなかったよな」

雪ノ下 「ええ」

せっかくこっちにきたのに飛んでないってのはあれだからな

八幡 「なら、みさきは雪ノ下と、窓果は由比ヶ浜と、ましろは一色とペアリングして飛んで帰ろうぜ。そっちの方が早いし」

みさき 「そうだね。雪ノ下さん手かしてもらえる?」

雪ノ下 「?これでいいのかしら」

そう言って雪ノ下は手を差し出す。みさきはその手をつかみ、

みさき 「最初は怖いと思うけど、手を離さなければ落ちることはないから安心してね。それじゃあいくよ。とぶにゃ~」

みさきと雪ノ下は飛び上がっていった。

窓果 「私たちも行くよ。由比ヶ浜さん手を」

由比ヶ浜 「うん」

窓果 「いくよ FLY」

窓果と由比ヶ浜が飛び上がる。向こうではましろと一色も飛び上がっていた。

八幡 「俺たちも行こう FLY」

みんなで雑談をしながら俺たちは家に向かった

 

時刻は深夜1時過ぎ

今起きているには俺と昌也だけだ。11時過ぎに雪ノ下と明日香が寝落ちし、12時過ぎに由比ヶ浜とみさきと窓果が寝落ちし、最後に残ったましろと一色と小町も1時を越える前に寝た。

昌也 「ハチ俺たちも寝ようぜ。明日も部活あるし」

八幡 「そうだな っと昌也これ寝てる奴らにかけてくれ。俺は軽く片付けしてるから」

俺は昌也にタオルケットを渡し、飲み食いしてたお菓子やジュース類を片付け始めた。

片付けが終わると俺たちは俺の部屋で寝た。

 

窓果 「試合終了!この試合は5-5で引き分け!」

 

八幡 「で、どうだった?」

試合が終え雪ノ下たちに感想を聞いた。

雪ノ下 「すごかったわ。それにあなたがあんなに全力でいるところを初めて見たわ」

由比ヶ浜 「確かにヒッキーの全力って初めて見たかも」

一色 「確かにそうですね」

八幡 「まあ、な それよりそろっと時間じゃないのか?」

雪ノ下 「そうね 由比ヶ浜さん、一色さんそろそろ行きましょうか」

昌也 「ハチ フェリーのとこまで送ってってやれよ」

八幡 「なんで俺が やだよ」

みさき 「あ~あそんなこと言っていいのかな小町ちゃんに報告してもいいんだよ」

八幡 「よし行くぞ すぐに行くぞ」

 

八幡 「それじゃあ気を付けて帰れよ。じゃあな」

雪ノ下 「ちょっとまって比企谷君。」

俺は雪ノ下たちをフェリーまで送りすぐに戻ろうとしたが雪ノ下に呼び止められた。

雪ノ下 「あの時は悪かったわ。あなたのやり方をただ否定してしまって」

由比ヶ浜 「ごめんねヒッキー」

雪ノ下 「あれから比企谷君が来なくなって私たちはすごい後悔したの」

由比ヶ浜 「新学期になったらヒッキーに謝ってまたみんなで奉仕部やろうと思ってたのにヒッキーは転校して謝ることができなかった。ヒッキーほんとにごめん」

八幡 「いいよもう気にしてねーしな。それにあんときはおれも海老名さんの依頼を勝手にやって悪かったし」

一色 「いいところで悪いんですが時間がないです」

八幡 「そうかじゃあほんとに気を付けて帰れよ」

由比ヶ浜 「ヒッキーまた遊びに来てもいい?」

八幡 「まあいんじゃねーの。あいつらもまた遊びたいと思ってると思うし」

由比ヶ浜 「ほんと!また遊びに来るね」

雪ノ下 「じゃあ夏の大会、がんばって」

一色 「頑張ってください」

八幡 「おう じゃあな」

そうして雪ノ下たちは帰っていった。それから俺は学校に戻り、練習を再開したのだった。

 




次回最終回です
最終回は明日投稿します

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