バトルロワイアル ~Dream and Phantasm~   作:歩く激戦区
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プロローグ

「夢」とは、一体どういうものであろうか。という問いは、古代から現代まで絶えず問われてきたものの一つである。深層心理学においても無意識の働きを意識的に把握するための技法として「夢分析」というものが存在し、また生理学や哲学に於いても様々な「夢」の定義が存在する。

夢という言葉の意味の一つとして「儚いもの」というものもある。これが生じたのは夢という現象そのものの私達が感じている性質からしてほとんど自明であろう。夢は一般に目覚めてしまうと文字通り「夢のように」消えてしまい、また夢の中も自らの意思の届かないものであるからだ。

しかし、反対に夢が何か具体的で明確な世界を形成するという考え方もある。古代ギリシャでは「夢は神託であり、その意味するものはそのままの形で現れるため解釈を必要としない」とアルテミドロスが言い、またネイティヴアメリカンの一部の部族には夢を霊的なお告げと捉え、朝起きると家族で見た夢の解釈をし合う習慣がある。このように夢は何か超自然的存在からのお告げであるといった考え方は世界中に見られるのである。これらは全て外界からの影響があって夢を見るというものだが、別の考え方として興味深いものには、これは古代人や未開人の間での考え方だったが、睡眠中に肉体から抜け出した魂が実際に体験した事柄が夢として現れるのだ、というものもある。


このように夢というものは、「現実から程遠いもの」と「現実そのもの」と2つの真逆の意味を併せ持つ矛盾を孕んだものであるのだ。



さて、古代人や未開人の間での一般的な認識である「睡眠中に肉体から抜け出した魂が実際に体験した事柄が夢として現れる」という夢の解釈に焦点を当ててみよう。

もしそうだとしたら、私達の生きているこの世界も実は只の夢に過ぎないのではないだろうか、という問いが生まれることは至極当然のことである。クトゥルフ神話---これは小説の為の架空の神話体系なのだが---に於いても、我々の世界は最高神であるアザトースの見る夢に過ぎないといった解釈も生まれている。

つまり我々は現実世界を生きていると思っているが、もしかすると決して覚めることのない夢を見ているのかもしれない。夢から覚めた瞬間、この世から去ってしまうのかもしれない。言葉を変えれば、夢から覚めるには死ななければならないのかもしれない。



本当のところはどうなのだろうか?



それは死ぬまでわからないのである。









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生徒紹介

グループ名

夜桜組:夜桜水鏡を中心とするグループの名称。クラス外にもメンバーがいる。このクラスで所属しているのは「栗原アキト」「七光やよい」「平本響一」「真壁亮介」「夜桜水鏡」「霊松院鏡花」の6人。


ゆきほたきょんじゅ:生徒の間でアイドルグループのように扱われている人気者女子4人組の名称。「雪野聖夜」「吉田蛍」「坂本京子」「如月珠莉」の4人の名前を取って命名された。



 1番 男子 蒼杉 芳樹   
体格は少し大柄で、非常に無口な生徒。誰かと喋っている姿を見たものはクラス内にも殆どおらず、交友関係も皆無に等しい。とある理由から学校の不良グループは彼と距離を置いている。


 2番 女子 浅見 響     
マーチングバンド部に所属し、トランペットを担当している。その技術はかなりのものでソリストを任されている。性格は大人しい方であり、同じ大人しめの性格である住井麗奈らと仲が良い。


 3番 男子 天戸 清春
長身で青白い顔色とボサボサの長髪が特徴の男子生徒。学校での殆どの時間を睡眠に充てており、「怠惰王」の異名を持つ。そのため交友関係はあまり広くないが、篠田このみとは幼馴染である。剣道部員であるが幽霊部員のため町田擬古は彼のことをあまり快く思っていない。


 4番 男子 安藤 隆史 
茶髪と整った顔立ちが特徴で、クラスの2大チャラ男の1人。周りには常に女性との噂が絶えず、教室が修羅場になった事もある。女性関係でのトラブルを除けばクラスメートのほとんどと良好な関係を築いており、中でも佐川吉鷹や久良明藍作、坂本京子、佐藤俊夫と仲が良い。


 5番 女子 英利 おたる
天然系の女子生徒で、久良明と同じ科学部に所属している。ただその性格の為か、部で行う実験では致命的な失敗をする事がよくある。同じ部の久良明藍作をして「あいつの隣で実験してたら命がいくつあっても足りん」と言わしめるほどである。


 6番 女子 遠望 怜悧 
やや小柄の女子生徒。ゲーム全般をこよなく愛しており、特にストラテジーゲームにおいては彼女の右に出る者はいないと言われるほどである。御影石銀将とはゲーム仲間であり、よく対戦をしている。


 7番 男子 大蛇 龍牙 
顔の右部分に走る3本の傷が特徴の不良である。余り騒ぎ立てるような性格では無く、グループを作って行動するという事も無い。そのため学校の他の不良とも関わりは無いに等しい。自分から喧嘩を仕掛けることはしないが器物破損で補導される事が多い。


 8番 男子 鏡 聊爾
学年が変わると同時に転校生としてこの学校へ転入した男子生徒。特に誰かと仲良くなるわけでもなく、一人で本を読んでいる事が多い。金田金太郎、矢島港と同じ空手の道場へ通い始めたが、お互いに会話したことはない。性格はかなり静かで他人と仲良くなろうという気さえ無いほどである。


 9番 女子 風見 楓夏
陸上部で短距離走のエースを勤める女子生徒。町田擬古とは小学校からずっと同級生であり、お互い「剣道馬鹿」「陸上馬鹿」と言い合うような仲である。とても明るく、細かい事は気にしない性格である。そのためか成績は余り良いとは言えない。


10番 男子 金田 金太郎
長身で短髪の男子生徒。学区内の空手の道場へ通っており、腕前は大会で常に上位にいるほどである。転校してきてから道場に入った鏡聊爾に興味を持っているが会話をしたことはない。矢島港から師のように尊敬されているが、本人は気付いていない


11番 女子 如月 珠莉 
「ゆきほたきょんじゅ」の一員で、所謂癒し系の女子生徒。そして山寺らのセクハラ発言の被害者の1人である。腕力は意外にも強く、教室で山寺らを拳の一撃でノックアウトしている姿がしばしば見られる。「ゆきほたきょんじゅ」の他では白崎玲と仲が良く、二人で遊びに出かけることもしばしばである。


12番 男子 岸間 浩平 
学年トップクラスの秀才。特に情報収集力と分析能力が抜きん出ており、偶に運動部から対戦相手のデータを纏めてくれと頼まれることもある。


13番 男子 桐生 雅人
バスケ部に所属している男子生徒。多くのチームメイトが葉山まりあの恋愛相談によって彼女を作ったことから、葉山まりあのその技術に憧れ自らも第二の愛の伝道師となろうと勉強を重ねている。本人は彼女はいない。


14番 女子 桐生 レイア 
町田擬古と同じく剣道部に所属している。一部の男子の中では密かに白崎玲と並ぶ武道系美女と言われているが当の本人は全く気付いていない。剣道の腕前もかなり高く、大会でも良い成績を残している。吉田蛍とは親友である。


15番 男子 久良明 藍作
科学部に所属しているが大柄で髪は丸刈りのため柔道部に見間違われることが多い。佐川吉鷹や安藤隆史と特に仲が良く、3人で何かしらの悪巧みを企てる事もしばしばである。同じ部の英利おたるのことは危険人物と認識しており、実験室では絶対に近くに寄らないと決めている。


16番 男子 栗原 アキト 
「夜桜組」の一員である。性格は良く言えば怖いもの知らずで悪く言えば無鉄砲である。物事を余り考えずに取り組むこともしばしばで、「夜桜組」のメンバーからは「鉄砲玉」のような存在だと思われており本人もそれを自覚している。部活動は文芸部であり、「夜桜組」以外だと矢島港や山田太郎らと仲が良い。


17番 男子 黒野 焔
長身と眼鏡、整った顔立ちが特徴の、岸間浩平と常に成績学年一位を争う秀才。家は塾を経営しており、本人も人に物事を教えることが飛び抜けて上手である。その為か定期テスト直前の放課後には彼の机の周りに列が出来る。黒城雅也や坂本京子、星野琢磨はその常連である。


18番 男子 黒城 雅也
強面と顔の傷が特徴の男子生徒。根は真面目で優しく成績も良い普通の男子生徒だが、外見の所為で誤解され様々な噂がある。そのためか中々後輩や女子生徒に友達が出来ず頭を悩ませている。黒野焔や坂本京子、星野琢磨は内面を知っている数少ないクラスメートであり、彼らの事を非常に大切な存在だと思っている。


19番 女子 坂本 京子   
「ゆきほたきょんじゅ」の一員であり、クラスメートからは「きょんこさん」と呼ばれることが多い。うさぎをこよなく愛しうさぎ系女子を自称しているが、時々腹黒い一面を見せる。保健委員を担当しており、面倒見は良い方である。黒野焔に好意を持っている。


20番 男子 佐川 吉鷹 
ボサボサの髪と眼鏡が特徴の男子生徒。成績は芳しく無いが、安藤隆史や久良明藍作と共に悪巧みをする時の頭の回転の速さは岸間浩平や黒野焔といった秀才を遥かに越えるとも言われている。トーク力も下ネタ中心であるがかなりハイレベルであるため、クラスの人気者の一人となっている。


21番 女子 細波 涼音
料理研究部に所属しており、料理の腕はかなり高い。他クラスに交際中の男子生徒がおり、そのきっかけとなったのは葉山の恋愛相談のおかげであったため葉山には強い恩を感じている。


22番 女子 篠田 このみ 
やや長めの髪にメロンパンの形をしたアクセサリーを付けているのが特徴の女子生徒。生物園芸部に所属しており部では向日葵を育てている。性格は非常に温厚であるが、極稀に毒を吐いて周りを驚かせる。平本響一をしょっちゅう弄りの対象としている。


23番 女子 白崎 怜   
弓道部に所属している。高い身長と長めの髪が特徴で、かなりの美人であるため男子生徒の間での人気は非常に高い。クラスでは男女関係無く良好な交友関係を築いており、「ゆきほたきょんじゅ」や星野琢磨らとは特に仲が良い。


24番 男子 須田 拓哉
野球部のキャプテンを務めている男子生徒。運動神経はクラスでトップレベルであるが最近怪我に悩まされており、このままキャプテンを務めていいのかを悩んでいる。


25番 女子 住井 麗奈 
クラスの中で最も大人しい女子生徒の一人で、争い事を特に嫌っている。また献身的な性格をしており、クラスの行事やグループ活動では率先してサポートにまわる。そのためクラスメートからの評判は非常に良く、尊敬されている。篠田このみ、深月琥珀と特に仲が良い。


26番 女子 弾間 梨緒奈 
茶々乃ゆのみに次いで背の低い女子生徒。演劇部に所属しており、歌唱力もあるためオペラや劇中の歌でのソロもこなしている。町田擬古や春城ショウと仲が良い。


27番 女子 茶々乃 ゆのみ
茶道部に所属している、クラスで最も小柄な女子生徒。しかし行動に所々男らしさが表れており、一部の生徒からは兄貴と呼ばれている。加えて流行にとても疎く、歴史の成績がずば抜けて高いためおばあちゃんと呼ばれることも。


28番 女子 九十九坂 妖乃
ポニーテールが特徴の比較的背の高い女子生徒。完璧主義者であり、何か行動する時には細かいところまで念を入れて調べて失敗の可能性を消してから行動する傾向がある。よく星野琢磨に絡まれている。


29番 男子 徳河 瑠々家 
独特の口調と思考回路を持つ、眼鏡と女子のような長髪が特徴の男子生徒。その思考と言動のためクラス全員が彼を避けているが、全く気に留めていない。「人の嫌がることに率先して取り組む」が彼の座右の銘であるとも言われている。


30番 女子 七光 やよい
「夜桜組」の一員である女子生徒。徳河からの嫌がらせに悩まされており、そのことをよく夜桜水鏡や霊松院鏡花に相談している。


31番 女子 初音 えりか 
マーチングバンド部に所属し、浅見響と同じくトランペットを担当している。時々ヒステリックになることがあり、その為かクラスメートからは若干避けられている。徳河瑠々家の嫌がらせの被害者の1人であり、その際に感情的な暴言を吐くこともしばしばである。


32番 女子 葉山 まりあ 
「愛の伝道師」という異名を持つ女子生徒。恋愛相談を得意としており、数多くのカップルを誕生させてきたことが由来である。性格は明るく見た目も可愛らしいが、本人には交際している人はいない。


33番 男子 春城 ショウ 
山岳部に所属している男子生徒。季節による植物などの自然の変化を観察することが趣味で、山についての知識は相当なものである。町田擬古、弾間莉緒奈と仲が良い。密かに雪野聖夜に好意を持っている。


34番 男子 平本 響一  
「夜桜組」の一員である。冴えないヲタクだが部長を務めるマーチングバンド部の活動になると眼の色が変わる。クラス内のグループには広く所属してるがコミュニケーション能力の低さが災いし、行動が空回りする事が多い。


35番 男子 星野 琢磨 
須田と同じ野球部に所属している。よく山寺らと共に女子生徒にセクハラ紛いの発言をしているが、女子生徒から嫌われているというわけではなく寧ろ比較的良好な関係である。特に九十九坂妖乃に猛アタックしているが、大抵軽くあしらわれている。


36番 男子 真壁 亮介
「夜桜組」の一員である。学校一の情報通であり、クラスの人間関係を含む色々な情報を握っている。「夜桜組」の仲でも特に夜桜水鏡と霊松院鏡花と仲が良い。


37番 男子 町田 擬古 
剣道部の主将を務めており、剣への愛は半端では無い。性格は温厚でクラスのいじられキャラの一人である。風見楓夏、弾間梨緒奈、春城ショウと仲が良い。


38番 男子 御影石 銀将 
やや長めの髪を後ろで束ねているのが特徴の男子生徒。遠望とはゲーム仲間であり、よく一緒に対戦している。特にオセロや将棋等の卓上ゲームが得意である。


39番 女子 深月 琥珀
僅かに茶色く染めた髪が特徴の女子生徒。住井麗奈と同様争い事が嫌いな性格だが、住井麗奈とは違い積極的に行動を起こす。たとえ不良同士であったとしても躊躇無く止めに入るため、クラス内での仲裁役的ポジションにいる。


40番 男子 山寺 呼人 
クラスの2大チャラ男の1人。女子生徒に対して冗談なのか本気なのか分からないようなセクハラ紛いの発言を繰り返しており、それを如月珠莉の拳がストップをかけるのがクラスの日常風景と化している。


41番 女子 雪野 聖夜
「ゆきほたきょんじゅ」のリーダー的存在で、可愛らしさとカリスマ性を併せ持ち周りからは「帝王」とも呼ばれている。そのカリスマ性からか、星野琢磨や佐藤俊夫らのセクハラ発言を受けることは無い。


42番 男子 夜桜 水鏡 
「夜桜組」と呼ばれているグループのリーダーで、グループのメンバーからの信頼は厚い。グループ内の結束は固く、特に夜桜水鏡、霊松院鏡花、真壁亮介の3人が一緒に行動しているところが良く見られる。


43番 女子 吉田 蛍
「ゆきほたきょんじゅ」の一員であり、クール系の女子生徒。手芸部に所属しており、裁縫はかなりの腕前。ちょくちょく運動部のユニフォームや応援旗、演劇部やマーチングバンド部の衣装の補修を手伝っているため大抵の部の部員は彼女に頭が上がらない。


44番 男子 矢島 港 
小柄な男子生徒である。金田と同じ空手の道場へ通っており、金田の強さに密かに憧れている。道場へ通う前はディベート部に所属していたため、言葉で物事に対処する能力は高い。栗原アキト、平本響一、山田太郎とは仲が良い。


45番 男子 山田 太郎
時々高校生とも間違われるほど老けた顔をしており、大柄で兄貴肌の持ち主。その性格からかクラスでの信頼はとても厚い。意外にも女子力は高く料理もかなりの腕前である。本人曰く得意料理はコロッケらしい。栗原アキト、矢島港、平本響一とは仲が良い。


46番 女子 竜崎 星子
のんびりした掴み所のない喋り方が特徴の女子生徒。栗原アキトと同じく文芸部に所属しており、校内には彼女の書く独特の文体の作品に惹かれた密かなファンもいる。星野琢磨とは小学校からの知り合いであり、彼の暴走を強烈なビンタで止めることもしばしばである


47番 女子 霊松院 鏡花
「夜桜組」の若頭的存在な女子生徒。夜桜とは腐れ縁的な関係で、よく喧嘩をしているが仲が悪いわけではない。家は由緒ある家であるが、本人はその事を気にも留めておらず、口調と行動は若干乱暴である。クラスの学級委員を務めている。