BLEACHの世界でkou・kin・dou・ziィィンと叫びたい   作:白白明け

22 / 55


早く尸魂界編を始めたい。(´・ω・`)


彼が出会いを好む訳

 

 

 

 

ある日の正午。俺は商店街の片隅で御座を広げて商品を並べていた。俺としては店一押しの商品である手作りの風鈴を吊るし移動骨董品店『風鈴』の看板を立てる。

今日もまた労働だと意気込んで胡坐を掻いて座る俺に掛かる声はなく、今日はどうやら客が来ないようだなと欠伸をしながら夢現に船を漕ぐ。

 

「おい」

 

うつらうつらと流れる時間を堪能しながら時折吹く風が頬を撫でる感触に浸る。

 

「おい」

 

なるほど極楽は此処にあったのかと半ば惚けた頭では残念ながら掛かる声が全く聞こえていなかった。

 

「…おいと言っておるじゃろ‼」

 

ガツンと鈍い音を立てて頭に拳骨が落とされた。痛みと共に覚醒する意識。眼を開け顔を上げれば青筋を立てながら何故か微笑む四楓院夜一の端整な顔があった。

 

「…おおっ。四楓院か」

 

「ようやく目を覚ましたか。目の前であれだけ呼ばれても目を覚まさんとは、おぬしはどれだけ呑気なのじゃ。それに仮にも仕事中に居眠りとは随分と良いご身分じゃのぅ」

 

「よせよせ。そう褒めるなよ。照れるだろう」

 

「褒めとらんわ!」

 

二度目の拳骨が降ってくる。俺は避けようともせずただ拳骨を喰らう。

四楓院夜一はそんな俺の反応に口元を歪めながら苛立だしげに言う。

 

「相変わらずじゃのう。風守。まったく、砕蜂はこの男の何処が良いのかのぅ。儂にはまったく理解できん」

 

そう言って呆れたように首を振る四楓院夜一は続けざまに立てという。

 

「風守、着いてこい。喜助の奴が呼んでおる」

 

「そうか。わかった」

 

どうせ客も居なかったからなと四楓院夜一に伝えながら店を畳む。

浦原喜助が呼んでいる。おそらく要件は一週間ほど前になる『空座第一高等学校』での井上織姫の戦いの件か。

それとも数日前に尸魂界に帰還した朽木ルキアの件かのどちらかだろうと辺りを付ける。

 

数日前、この町の中で穿界門(せんかいもん)が開いた。

穿界門を通りやってきた死神は二人。内の一人の霊圧には覚えがあった。

護廷十三隊六番隊隊長、朽木白夜。

四大貴族の一つ朽木家の現当主にして朽木ルキアの義兄にあたる死神だ。

名門の出である死神。掟を重んじる実直な性格から山本元柳斎重國からの信頼も厚く、端整な顔立ちと威厳ある佇まいから隊員達から支持も厚いと聞く。

人見知りで口下手で引っ込み思案で元引きこもりな俺とは対極に位置する所謂エリートという奴だ。

そんな本来なら関わりの薄いだろう朽木白哉とは朽木ルキアを通じて一度だけあったことがある。

初めて朽木ルキアに用立てた時、度合が濃すぎたのだろう卒倒した朽木ルキアを四番隊隊舎に運びこん際に病室で一言二言の言葉を交わした。

 

その時に何故だか殺気をぶつけられたことがある。おそらく初対面である俺に対して緊張していたのだろう。

エリートとはいえ朽木白哉も一人の死神。無駄に長い経歴を持つ最古参である俺に対して、あるいはエリートだからこそ気を使わねばならないと緊張していたに違いない。

その少々内気と言える人格は俺にとっては好ましいもので、柄にもなくこれからよろしく頼むと握手を迫ったものだ。

以降は残念ながら交流は無かったが、しかし、あの一件だけでも朽木白哉の人となりは多少理解できた。

 

他人に厳しく自分にはより厳しい男。そんな男が死神のチカラを人間に渡すという禁止事項を行った義妹を連れ帰った。朽木ルキアに待っているのは身内間での折檻なんていう生易しい罸ではない筈だ。

中央四十六室の裁定によっては数百年間の投獄と言った所だろう。

 

その裁定に対して異を唱える気は俺には無い。

 

朽木ルキアは黒崎一護に自分の意思で死神のチカラを渡した。どんな状況であれそれが禁止事項の重罪だとわかっていながら行ったことであるなら、罪は償うべきだろう。

好きで痴れやったこと。仕方ないと言いながらやったこと。

どちらも己自身でやったのなら、己の内で閉じるべきだとそう思う。

それに死神からすれば数百年なんて直ぐに過ぎる時間でしかない。朽木ルキアは数百年の後にもう一度一から死神として研鑚を積めばいい。

無論、一度は罪を犯した身として周りからの雑音は五月蠅いだろうが、俺が守ってやろう。

浦原喜助に言った。朽木ルキアに期待をしているという言葉は決して嘘ではないのだから。

 

 

 

やり直せばいい。数百年後に。善哉善哉。

---浦原喜助の言葉を聞くまでは、そう思っていた。

 

 

「朽木サンは処刑されるでしょう。言うまでもなくソレは重罪を犯したとはいえ、重すぎる刑罰っス。けど、アタシらの敵の手は中央四十六室にまで伸びている。………敵サンの狙いがアタシの読み通りなら、きっとこの予想は間違っていません」

 

処刑?死する?朽木ルキアが?

 

『敵うか、敵わないかの問題ではない。私は、朽木(・・)ルキア。護廷十三隊の死神なのだ!』

 

思い出す光景は忘れよう筈のない刹那の輝き。俺を前に臆することなく刃を携え立った少女はとても弱くこれまで俺の戦ってきた強敵たちと並び立て語ることなんて出来はしない。

山本元柳斎重國の最強とは尺度が違う。長次郎の様に脅威はなかった。卯ノ花の様に恐怖もしなかった。

だが、しかし

 

『ま、待ってください!風守殿!』

 

俺を追う姿はかつて、俺の隣に立とうと必死に刀を振るっていた小さな副官と重なって見えた。

 

『風守隊長‼』

 

天真爛漫に笑う顔が、あるいは呆れたように惚ける顔が、朽木ルキアと天貝繡助と顔が重なった。

 

「風守サン。朽木サンを救うために黒崎サン達は尸魂界に乗り込む積りです。アタシらはそのサポートをします。風守サンは、どうしますか?」

 

浦原喜助の試す様な視線が俺を射抜く。同じくこの場に招かれていた俺の隣に座る砕蜂の気遣うような視線を感じる。四楓院夜一は壁に背を預け目を瞑ったままだった。

そして俺は、口元を歪めた。

 

「言うまでもなくこれは瀞霊廷への、護廷十三隊への反逆行為っス。瀞霊廷において中央四十六室の決定は絶対。それを覆そうとするなんてことは、元来、絶対にやっちゃいけないこと。幾ら敵に操られている可能性があるとしても、司法の最高決定権を持つ中央四十六室の裁定を覆そうとすれば、それは確実に瀞霊廷内に混乱を齎します」

 

「…それでもなお、浦原。お前は黒崎一護達に手を貸すのだろう?お前が、その手段を取らざる得ない状況なのだろう?」

 

「…正直、もっと別の手段もあります」

 

ならばと声を上げる砕蜂を制しながら、俺は浦原喜助の言葉を待つ。

浦原喜助の言葉は正しく。幾ら朽木ルキアを助けたいからと言って、瀞霊廷に乗り込み朽木ルキアを奪還するという策はあまりに無謀で無駄な混乱を招きかねない。

それでもなお、浦原喜助は黒崎一護に手を貸すという。

 

その理由を聞いて正直俺は拍子抜けした。

返ってきたのは余りに素直な答えだった。

 

「…けれど、アタシは黒崎サンに賭けることにしました。黒崎サンは、なんというか、いえ、黒崎サンなら何とかしてくれるんじゃないかって思っちゃいましたから」

 

神算鬼謀の浦原喜助から返ってきた答えには根拠も何も無い。到底信じるには足りない言葉。けれど、信じてみたいと思える言葉だった。

 

「そうか。なら、良い。わかった。浦原、俺はお前の案に乗ろう。そろそろ里帰りがしたいと思っていたんだ」

 

「わかりました。風守サン、ありがとうございます」

 

出発は黒崎一護達の準備が整う数日後。四畳半の畳の上で雲を見上げるだけの至福の日々は終わりを告げ、止まっていた時間が動き出す。

 

敵は俺の夢。護廷十三隊。敵対など考えもしなかった者達。

 

しかし、俺は苦渋と共に漏れ出す嫌悪を越えて(なお)も朽木ルキアを救いたいと思っていた。

 

 

 

 

 

「まて、風守」

 

瀞霊廷へと連行された朽木ルキア奪還の為の話し合いを浦原商店で終えた後、家路へと向かう俺と砕蜂の背に四楓院夜一の声が掛けられた。

 

「どうなさいました。夜一様。私達に何か御用でしょうか」

 

水を得た魚とこの事か、あるいはマタタビを与えられた猫か。喜びを隠そうともせず眼を輝かせながら砕蜂は四楓院夜一の言葉に反応した。

しかし、四楓院夜一は申し訳なさそうに顔を歪めながら砕蜂に首を振る。

 

「すまぬ。砕蜂、少し席を外してくれんか。風守と話したいことがあるんじゃ」

 

「…この男とですか…私の同席は…」

 

「すまぬ」

 

頭を下げる四楓院夜一に対して砕蜂はすぐさま頭を上げてくださいと慌てふためきながら、次いで分かりましたと了承し、俺を置いて先に家に向かって行った。

四楓院夜一に気付かれぬよう恨みがましい目線を向けながら「今日の貴様のおかずは一品抜いておく」と言葉を残して去っていく砕蜂の背に、さて帰ったらご機嫌取りをしなければと頬を掻く。

 

砕蜂を見送った後、俺は四楓院夜一に連れられるまま夜の公園へと向かいベンチへと腰を掛けた。

 

ふぅと一息つく。そしてふと隣を見れば何時の間にか四楓院夜一の姿が消えていた。

周りを見渡してもどこにもいない。置いてきぼり。これが巷で噂の虐めという奴かと戦々恐々としていると、どこからか音もなく四楓院夜一が現れる。気配の欠片も感じさせない瞬歩での登場。流石は”瞬神夜一”と呼ばれただけはあると感心していると、缶コーヒーを投げ渡される。

どうやらコレを買いに行ってくれていたらしい。

 

「悪いな」

 

「良い。儂の用事でおぬしを引き留めたのじゃ。二缶やるから、あとで砕蜂の奴にも渡しておけ」

 

「わかった」

 

そうして受け取った二缶の内の一缶を開け、コーヒーを喉に流し込む。苦い。

一息つけた所で、隣のベンチに腰掛けることもせずに俺の前に立つ四楓院夜一に要件は何だと視線を送る。

四楓院夜一は一瞬、目を瞑った後、凛々しいその眼で俺を見据えながら言う。

 

「儂らは近く瀞霊廷へと踏み込む。今の儂らにとって瀞霊廷は残念ながら敵地。つまり儂らは敵地に共に赴く戦友ということになるじゃろ」

 

「そうだな」

 

「ならば儂は敵地へと向かう前に戦友との(わだかま)りを解消しておこうと思っての」

 

(わだかま)り?」

 

首を傾げる俺に四楓院夜一は知らぬフリは良いと意味の分からないことを言いながら言葉を続けた。

 

「おぬしも気づいているじゃろうが、儂はおぬしが嫌いじゃ。砕蜂がおるから今まで何度か付き合いもあったが、そうでなければおぬしとは会いたくもない。じゃが、今回の件はそうも言ってられぬ。此処はお互いに大人の対応を………って、おい。風守。なぜおぬしはそんな驚いたような顔をしておる」

 

「………四楓院。お前、俺のことが嫌いだったのか?」

 

「そりゃそうじゃろう。儂は日頃から、おぬしへの嫌悪を隠していなかったじゃろう。…まさか、気がついていなかったのか」

 

「気が付くも何も、お前は俺と一緒に甘味処で食事をしたことがあっただろう」

 

楽しかっただろうと問いかける俺に四楓院夜一は白眼視で答える

 

「砕蜂がいたからの」

 

「浦原商店で酒を飲んだこともあっただろう」

 

「喜助の奴がいたからの」

 

「………」

 

「おぬし本気で儂との仲が良好じゃと思っておったのか」

 

「………」

 

「………なんか、儂がものすごく悪い奴みたいに思えてくるから、無言は止めろ」

 

何故儂が罪悪感に苛まれねばならんと引き攣った顔をする四楓院夜一に済まないと言いながら空を見上げる。

 

「そうか。俺はお前に嫌われていたのか。知らなかったぞ」

 

「おぬしは本気で他人の心が分からぬ奴なのじゃな」

 

四楓院夜一は呆れたようにそういうと静かに俺の隣のベンチに腰を掛けた。

 

「何故、儂がおぬしを嫌いなのか聞くか?」

 

「そうだな。見知りで口下手で引っ込み思案で元引きこもりな俺は人間関係が希薄だ。故に今まで人に嫌われるということに馴れていないと今わかった。まあ、嫌われて居た所で、そうかそうかと流すだけなのだが、全く持って気にもしないのだが、まあ、まあ、良い良い。聞かせてくれよ。直せるところは直すことも吝かではないぞ」

 

「…おぬし結構気にしておるじゃろ。まあ、良いがの」

 

そう言って四楓院夜一は語りだした。彼女が俺との出会いを嫌った理由を。

 

 

四楓院夜一の口から語られたのは心を壊した一人の死神の話だった。

珍しくもない話だ。

詰まらない諍いから勢い余って同僚を殺した死神は、それを咎めた新婚の妻すら殺したらしい。

その男は阿片窟(とうげんきょう)に出入りしていた。痴れた夢が男を凶行に走らせたのか、あるいは元から凶暴な性を持っていたのか、それは誰にも分らない。

分かっている事実は二つ。男が犯した罪の大きさとその男を斬ったのが四楓院夜一だという事だけ。

 

 

「隠密機動は瀞霊廷の暗部じゃ。その活動内容には同部隊への粛清も含まれる。償えぬ罪を犯した死神はわしら隠密機動が内々の内に()()をする。護廷十三隊に入隊した者の中から不適合者など出してはならないという理屈があるからじゃ。言っておくが、儂はそのことに対して不満がある訳じゃないぞ。一組織の長として、飲み込まねばならぬ闇があることは理解しておる」

 

---しかし、と続ける四楓院夜一の横顔は語られる虚しさを感じさせない綺麗なものだった。

 

「風守風穴。阿片窟の番人。儂はおぬしが嫌いじゃ。嫌いじゃが、頭ごなしに否定する気はない。おぬしの齎す阿片(モノ)がある一定階層の者達にとって必要なものであることは理解している。あるいはおぬしの御蔭で救われた者もいるじゃろう。じゃが、おぬしが齎した阿片(モノ)で心を壊した者がいるのも事実。そして、儂ら隠密機動がそのものたちを()()してきた。同胞であり、仲間であった、者たちをのぅ」

 

---それはあまり良い気分ではないのぅ、とそう続けた四楓院夜一は俺に対して責めるような視線は一切向けずただ夜空の星を見つめていた。

 

俺は返す言葉を模索する。

 

(これ)は良いものだ気軽に吸えよ。苦しさも悲しみも痛みを忘れさせてくれる仙丹。

外圧から逃れ内に籠ること、己の中で閉じることを幸せだと考える俺からすれば四楓院夜一の話は到底理解できない荒唐無稽は話だ。---などと、逃げるつもりは毛頭ない。

 

理解できる。理解している。阿片(ユメ)に生き阿片(ユメ)に狂い阿片(ユメ)に死ぬ様を誰より見てきたのは俺だ。その終わりが凄惨と呼ぶべきものであることも、惨劇を呼ぶことも理解している。

しかし、それでもなお、俺はそれが幸せだと説いたのだ。

 

「四楓院」

 

呼びかけながら俺もまた四楓院夜一の顔を見ない。たとえ視線を交えたとしても、おそらく四楓院夜一と風守風穴は交わらない存在だと理解したからだ。

俺は四楓院夜一と同じように夜空に浮かぶ星を見ながら言う。

 

「お前は正しい。確かに阿片(ユメ)に溺れた末、惨たらしく死ぬ者はいる。阿片(ユメ)に生きるが故、現実に生きられなくなる者がいる」

 

俺が説く幸せの理屈。『お前がそう思うのなら、お前の中ではそうなのだろう』。その一文が間違っているとは俺には思えない。苦しみ嘆く位なら閉じてしまえとそう思う。

 

「だが、言うまでもなくソレは俺の理屈。本来、押し付けるものじゃ無い。だというのに阿片(ユメ)を進んで振く行いは、最低だろう。罵倒されて然るべきだ。だがな、俺の眼には焼き付いている光景がある。生まれ故郷の阿片窟(とうげんきょう)。そこで暮らす者は皆、穏やかで優しかった。母の(かいな)は暖かかった」

 

弱者達の阿片窟(とうげんきょう)。外界を捨てる代わりに内に籠ることでの安寧を選んだ痴れ者達の世界。

そこでは蠅に対して弁舌を振るい、糞尿を不老不死の薬と思い込み食するような中毒者が数多いた。

しかし、それでよかった。皆が皆、己の思い描いた世界の中で思い思いに幸せだった。

 

「引き籠らなければ生き辛い者たちがいる。痛みに苦しみ嘆く者がいる。俺は、皆が幸せになればいいと願っている。()()()、あの世界こそが俺にとってまさしく()()()であったんだ」

 

---世の正しさを説きたいと熱弁を振るう青年がいた。

   けれど、彼が語る理想は、どこまでも理想でしなく、誰も彼の言葉を聞こうともしなかった。

 

---妻を愛した夫がいた。

   けれど、妻は夫を捨て逃げた。愛し合っていた筈だった。しかし、妻は夫を愛し続けることは出来なかった。

 

---子宝に恵まれたことを心から喜んだ母親がいた。

   けれど、その子の誕生を母親以外に喜ぶ者はいなくて父親となる筈だった男に子は殺され母となったはずの女は狂った。

 

---美しい女がいた。

   けれど、その美は永劫のものではなく。年月とともに美しさは衰えていく。女はそのことに嘆き苦しんだ。

 

「彼らの嘆きを。苦しみを。なぜ理解しようとしない」

 

伝えたい感情は怒りだ。しかし、声を荒げることは決してしない。そんなことせずとも俺の思いは四楓院夜一に届くだろう。

そして、届いたとしても感情を揺さぶらないことはわかっている。

俺が四楓院夜一の話を聞いても考えを改めないのと同じように、俺の訴えは決して四楓院夜一を変えはしない。

それで、良い。

 

「苦難を逃れるのことの何が悪い。夢を見ることの何が悪い。何故苦痛を求めようとする。何故犠牲を尊ぼうとする。誰が、苦しみながら進むことで幸せになれると言う。嗜虐趣味の変態だ。俺からすれば、狂っているのはお前達の方だ」

 

俺の横に座るのは異なる思考回路を備えた他者。

交わらない事もある。

 

「おぬしは結果が齎す惨劇を無視するのじゃな」

 

「お前は過程で救われた者達から眼を背けるのか」

 

「儂はやはりおぬしが嫌いじゃ」

 

「俺はそれでもお前が嫌いじゃないよ」

 

 

 

 

 






夜一さんは攻略対象外キャラです(; ・`д・´)



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。