機動新世紀ガンダムX アムロの遺産   作:K-15

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第9話

出港するフリーデンは逃げたバルチャーの後を追う。

ブリッジのシートに座るジャミルはモニターに映るキャンプ地をジッと見ていた。

 

「爆破された後か……何者かに襲われた、もしくは仲間割れか」

 

「それよりキャプテン、良いんですか? アイツまで入れて?」

 

そう言うトニヤが指差すのは、以前に雇った事があるウィッツの姿。

そして彼の隣にはバルチャーサインで呼び出したロアビィも居る。

ウィッツは自身の事をアイツ呼ばわりするトニヤに不機嫌な視線を向けた。

 

「こっちにも事情があるんだよ!! 良いじゃねぇか、戦力が増えるんだからよ!!」

 

「呼んでもないのに来るのも困り様よ。それにこっちの懐事情もあるからね。アンタのお陰で私の報酬にしわ寄せが来たらタダじゃ置かないからね!!」

 

「安心しろ、俺が来たからにはそんじょそこらのバルチャーなんざ楽勝だ。むしろ報酬を増やしてやる」

 

「そんな事言って。そこまで言うならアムロに勝ってみなさいよ?」

 

「うっ……ん~」

 

ウィッツの言葉が詰まる。

まだ初めて戦った時の記憶は鮮明に残っており、圧倒的優位な状況から追い込まれた事は忘れようもない。

助け舟を出そうとアムロは2人の間に割って入る。

 

「話はそこまでだ。GXがここにないとなると、どこかへ持って行かれたんだろ。襲撃の痕からみてもそこまで時間は経ってない。ウィッツ、フリーデンに先行してガンダムで索敵するんだ。敵部隊の規模がわかれば攻め込みやすくなる」

 

「お……オウッ!! エアマスターで出るぞ!!」

 

言うとウィッツはブリッジから走り出しモビルスーツデッキの自身の機体へ向かう。

ことの成り行きを見守っていたロアビィはニヒルに笑う。

 

「人を煽てるのがお上手で」

 

「茶化すなよ。だがレーダー外の探索は必要だ。早くガロードを見付ける」

 

「GXじゃなくてあのボウズが先なのか?」

 

「機体だけあってもパイロットが居なければ意味がないだろ? それに、ガロードはもう俺達の仲間だ」

 

「へぇ、そう言う風に言う」

 

「不服か? ティファの為でもある」

 

「ティファの? なるほど、ボーイフレンドは居て欲しいか」

 

「そう言う事だ。キャプテン、状況は?」

 

シートに座るジャミルの隣へ移動するアムロはスクリーンに映る映像を読み取る。

破壊されたキャンプ地から少し離れた場所に町があり、そこに居る可能性も捨て切れない。

探索域を広げて情報を集めてからでないと、自分達と同じようにガンダムを探すバルチャーと出くわす事もある。

 

「GXの手掛かりすら掴めん。こうなると迂闊に動けなくなる」

 

「だがゆっくりしていられる時間もない。探索は長くて3日だ。それ以上は――」

 

アムロの言葉を遮るように、外から爆発の音が聞こえる。

スクリーンに表示される情報にも変化が現れ、町から5キロ地点が爆発現であり更に見慣れた形式番号も浮かび上がる。

前回フリーデンに襲撃を仕掛けて来たドートレスの1機と、ガロードのGX-9900。

 

「ガロードなのか? このタイミングで」

 

「ウィッツを向かわせろ。確認でき次第、私もモビルスーツで出る」

 

「艦の防御はどうする? 俺とロアビィでも行けるが、その間は艦長がいない」

 

「そうだな……サラ、頼めるか?」

 

ジャミルに指示を受ける彼女だが、オペレーターから一時的とは言え艦長など到底請け負えるモノではなかった。

 

「私ですか!? そんな……艦長だなんて……」

 

「ジャミル、ここは俺達に任せた方が良い。帰る場所が失くなっては元も子もない。俺はロアビィと――」

 

艦長としてフリーデンに残るように言うアムロ。

不慣れなサラに任せて襲撃を受けて艦が破損すれば取り返しが付かない。

長である自分が責任を取るべきだと考えるジャミルだが、無理だと判断して作戦を変えようとしたその時。

 

「だったらアタシがやる!!」

 

一斉に視線が集中する。

その先に居るのは、意気揚々と右手を上げるオペレーターのトニヤだった。

 

///

 

走るガロードはGXを預けた整備工場に向かう。

もう後ろから銃声は聞こえて来ない。

振り返ってもエニルの姿は見る事ができず、一抹の寂しさを覚える。

それでも今は止まる事などできず、到着した工場に駆け込むガロードは店主に向かって叫んだ。

 

「オヤジ!! ガンダムは?」

 

「ん、お客さん気が早いよ。ちょっと前に預かったばかりだろ?」

 

「整備はもう良い。ガンダム持ってくからな!!」

 

「えぇッ!? でも、まだ何にも手付けてないよ?」

 

「それでも良い!! GX、出すぞ!!」

 

「お、おい!!」

 

ガロードは仰向けに寝かせられたGXに近づき、白い装甲の隙間を足場にしてよじ登る。

ハッチを開放してコクピットシートに座り、慣れた手付きでコンソールパネルを叩いた。

接続されたままのGコンを握り、ガンダムのエンジンに火を入れる。

 

「俺はもう1度だけ確かめたいだけなんだ。直接会って確かめたい!! だから!!」

 

頭部ツインアイが輝く。

エンジンから動力を得たGXは地面に足を付けゆっくりと動き始める。

立ち上がるGXは焼け焦げだ装甲のまま歩き出した。

 

「座標位置は……ここか。レーダーに反応なし、どこに居るかはわかんないけど、取り敢えず最後の場所に行くしかないか」

 

「おいボウズ、金塊――」

 

外から聞こえて来る店主の声も聞かずに、ガロードはペダルを踏み込んだ。

メインスラスターから青白い炎が噴射されGXはアスファルトを蹴る。

強力な風圧が店主に襲い掛かり、同時に推進力でGXは飛び立った。

 

「ごめん、ティファ。エニルと一緒に居てわかったよ。俺、焦り過ぎてた。だから今度はちゃんと、ちゃんと話したいんだ。みんなともそうだ。だから――」

 

整備工場を飛び出してまだ数分、GXに狙いを定めて攻撃を仕掛けて来た。

反応するガロードは操縦桿を倒してコレを避ける。

地面に直撃する弾丸は衝撃と爆発を生み、爆音が周囲に轟く。

 

「どこから来た?」

 

「逃がさないって言ってんだよ!!」

 

「エニルかッ!? 待て、エニル!!」

 

「うるさい!!」

 

ガロードの声も聞かずにエニルは操縦桿のトリガーを引く。

ホバーユニットを装備した青いドートレスは高速で接近しながら、GXに弾丸を浴びせる。

ビームライフルをシールドに変形させ攻撃を防ぐガロードは、それでも懸命に彼女へ呼び掛けた。

 

「エニル、俺はまだなんにも知らないんだ。お前の事を」

 

「だからどうした!! そんなモノの為にアタシを裏切ったのか!!」

 

「違う、違うんだよエニル!! そんな一方的な言葉じゃ伝わらないんだ!! 俺もお前も焦り過ぎてただけだ!!」

 

「焦るだって? このアタシが? 黙れッ!!」

 

「このッ!? わからずやァァァッ!!」

 

シールドで防ぎながらブレストバルカンで牽制。

ドートレスを一旦は退けさせ態勢を立て直し、リフレクターからエネルギーを放出して移動する。

ビームライフルを向けるガロードは照準を合わせてトリガーを引くが、ドートレスの動きは早く簡単に避けられた。

 

「やっぱり早い、でも……」

 

一連の出来事でガロードの考えは以前とは変わっている。

エニルの操縦技術は高く、同じタイプの機体に乗っていた事でアムロの姿が重なって見えていた。

けれども今は違う。

相手の動きを良く視れば、その違いは随所に現れる。

回避行動のタイミング、攻撃の精度、何よりも反応速度が違う。

 

「アムロとは違う!!」

 

「沈めぇぇぇッ!!」

 

エニルのドートレスが握る銃口がGXを捕らえる。

だがマシンガンのトリガーが引かれるよりも早く、上空からのビームがドートレスを襲う。

ペダルを踏み操縦桿を動かすエニルは反射的に攻撃して来る方向を見た。

 

「なんだ? 新手のガンダムか!!」

 

「こちらウィッツ、GXを見付けたぜ。ガロード、生きてるな?」

 

両手に握るビームライフルでドートレスを狙うウィッツは、通信でGXに呼び掛けた。

コクピットでその声を聞くガロードは、去った筈の男がここに来た事に驚きを隠せない。

 

「ウィッツなのか!? どうしてこんな所に?」

 

「俺にも事情ってモンがある。取り敢えず下がってろ、報酬の分はキッチリ働く」

 

「待ってくれ!! あの機体のパイロットは――」

 

呼び止めるよりも早く、エアマスターのビームライフルのトリガーが引かれた。

けれどもビームは当たらない。

ホバーリングユニットを装備したドートレスは砂煙を上げてエアマスターからの攻撃を避ける。

 

「チッ!! すばしっこい奴だな!!」

 

「ガンダムが2機……さすがに不利か」

 

「落ちろって言ってんだよ!!」

 

2丁のビームライフルのトリガーを引き続けるウィッツ。

連射されるビームを掻い潜るエニルだが、ガンダムと量産機の性能差は歴然としており、そういつまでも続けられない。

マシンガンを上空のエアマスターに向けてトリガーを引くが、高速で空を移動する相手に弾は明後日の方向へ飛ぶ。

様子を見ていたガロードだったが、ビームライフルをマウントしビームサーベルを引き抜くと2人の戦闘に割って入った。

 

「うおおおぁぁぁッ!!」

 

「おまえ!? 何やってる、引っ込んでろ!!」

 

「エニルは俺が止める!! 俺がやらないとダメなんだ!!」

 

加速するGXに気付くエニルもマシンガンを腰部にマウントさせてビームサーベルを引き抜き、横一閃すると同時に閃光が走る。

 

「今からでも遅くない、アタシと一緒に来い!!」

 

「エニル、もうこんな事はやめるんだ!! こんな事をしても、俺はお前とは一緒にならない!!」

 

「だったら死ねェェェ!!」

 

「違うだろッ!!」

 

振り下ろすビームサーベルが再び交わる。

 

「15年だぞ!! あの戦争が終わってももまだ、コロニーの放射能で死ぬ奴がいる!! 生き残ってしまったアタシには誰も居ないんだ!!」

 

「だからって……」

 

「ガロードにだってわかるだろ? 1人は寂しいモノだって」

 

「わかるけど……寂しさを埋める場所が帰る所じゃダメなんだ!! 俺はそんなエニルの傍には居られない!!」

 

ガロードがティファにやろうとした事と、エニルがガロードにしようとした事は同じだ。

相手の気持ちも確かめずに行動を起こそうとした。

けれども違いがあるとすれば、ガロードはその事にもう気が付いている。

エニルは自らの心の穴を相手で補おうとするが、ガロードはそれを拒む。

 

「うるさい!! 何も知らないくせに、偉そうに言うな!!」

 

「確かに俺は何も知らない。だから――」

 

「アタシから離れてく奴なんか、もう必要ない!!」

 

ガロードの言葉は届かず、エニルはビームサーベルを振り下ろした。

反応するガロードは斬撃を受け止めドートレスを押し返す。

機体剛性もパワーもGXの方が上であり、感情的になっているエニルは操作にミスが出て姿勢を崩してしまう。

 

「まだ!! まだ行ける!!」

 

「遅い!!」

 

隙を突くガロードはドートレスの頭部に右腕を伸ばした。

センサーを増設した特徴的な頭部はビームサーベルの切っ先に貫かれる。

コクピットのモニターは一瞬の内にブラックアウトするが、素早くコンソールパネルを叩くエニルはサブカメラに切り替えた。

どうにか視界が回復した時には既にGXが目前に迫る。

 

「うおおおぁぁぁッ!!」

 

「コイツ!? ぐあああァァァッ!!」

 

タックルを仕掛けるGXは強固な装甲を力任せにぶつけた。

鈍重な金属音が響き青い装甲がへこむ。

追撃を緩めないガロードはマニピュレーターで更に胸部を殴る。

 

「爆発させずに動けなくしてやれば」

 

響く金属音。

コクピットに伝わる振動。

歯を食い縛るエニルは鋭い眼光でGXを睨む。

体を保持しながら力強く両手で操縦桿を握り締め反撃のチャンスを窺うが、ガロードの動きの方が早い。

背後に回り込んだGXはドートレスの脚部を蹴り飛ばし、機体は為す術もなく地面に倒れた。

 

「これで少しは動けないだろ。強引なやり方だったけどこうするしか……」

 

動きを止めたドートレスに歩み寄るGX。

うつ伏せに倒れる機体からは幾つもの箇所からジリジリと煙が上がる。

これ以上戦闘を行うのはもう無理だ。

倒れた機体を抱きかかえようとGXはマニピュレーターを伸ばすが、寸前の所でドートレスは息を吹き返す。

 

「エニル、まだ戦うのか?」

 

「うるさい!! 死んでしまえ!!」

 

「エニル!!」

 

ガロードの声は届かない。

立ち上がるドートレスはまだ動く腕を振り上げ、ビームサーベルを振り下ろそうとする。

眼前に迫る切っ先。

瞬間、ビームの閃光が走る。

 

「ぐぅっ!? 腕をやられた。どこから来る?」

 

「あの機体、アムロか?」

 

レーダーに映る反応、ビームライフルを構えるドートレスが2機の元にまで迫る。

流石のエニルもこの状況で楯突こうとは思わない。

 

「奥にはもう1機のガンダム、3対1か。推進剤はまだあるんだ、振り切る!」

 

「待て、エニル!! 俺達が戦う必要なんてない!!」

 

「ガロード、アタシは必ずアンタを殺す。必ずだ!!」

 

捨て台詞を吐くエニルはメインスラスターとホバーリングユニットの出力を全開にしてこの場から立ち去る。

砂煙を上げて移動する青い機体に、合流したドートレスはビームライフルの銃口を向けた。

 

「待て、アムロ!! 撃つな!!」

 

「っ!!」

 

寸前の所で人差し指の力を弱める。

そうした間に逃げるドートレスの姿はどんどん遠く、小さくなって行く。

 

「無事だったな、ガロード。だがな、私の名前はアムロではない」

 

「ジャミル!? なんで? モビルスーツには乗れないんじゃ!?」

 

「前の戦闘でお前が負けたのは私のミスでもある。フリーデンの艦長として、責任を取る必要はあるだろ」

 

「だから出撃したのか? 俺の為に……」

 

「そうだな……帰るぞ、ガロード」

 

「あぁ、わかった!!」

 

帰還するジャミルとガロード。

ウィッツのエアマスターもその後ろから続く。

一方で、フリーデンのブリッジはてんやわんやとなっていた。

艦長シートに座るトニヤは肘置きに設置された受話器に向かって叫び声を上げる。

 

「えぇ!? 洗濯機の水が出ない? そんなのアタシに言わないでよ!! 自分で直しなさい、艦長命令!!」

 

「ところで艦長代理、進路はどうします?」

 

「そんなの想像しなさい!!」

 

「無茶苦茶だ!!」

 

シンゴに対しても声を荒げるトニヤ。

彼女では艦長としての役割を到底真っ当できてるとは言えず、フリーデンのクルーは各々の考えで動くしかなかった。

戦闘にまで発展しなかった事でロアビィとアムロは帰還しており、ロアビィは以前に割り当てられた部屋に向かう。

アムロはメカニックのキッドとガロードが乗るGXに付いて話していた。

 

「GXの強化プランを考えてみたんだけど、アムロから見てどう思う?」

 

「そうだな、サテライトキャノンは強力だが条件が限られる。そうなればGXは標準的な武装をしてるだけだ。状況に合わせて柔軟にレスポンスを発揮できる性能があれば、ガロードも戦いやすくなるだろ」

 

「だよな!! これまでにいろんなパーツを集めてたんだ。GXの強化パーツにドォーンと使ってやる!! 腕が鳴るぜ!!」

 

「GXディバイダーか。ビームマシンガンに、プロペラントタンクで稼働時間を増やす。良いじゃないか」

 

「アムロのアイディアを参考にして、シールドにブースターと武器を内蔵したんだ。加速にも使えて、内蔵されたハモニカ砲はモビルアーマーだって破壊できる威力がある!!」

 

「わかったよ。外したサテライトキャノンは、またいつでも使えるようにしておいてくれ。ジャミルとガロードには俺から言っておく。無理はし過ぎるなよ」

 

「おうよ!!」

 

走り去るキッドを微笑ましく見守るアムロ。

そうしているとジャミルのドートレスとガロードのGXもフリーデンに帰還した。

ハンガーに固定される機体。

コクピットから出て来るジャミルは外から見ても疲弊してるようだ。

 

「久しぶりのモビルスーツはどうだった?」

 

「最悪の……気分だよ。思い出したくもない事が……嫌でも頭の中に蘇って来る」

 

「少しはその気持ちもわかるつもりだ。それより、辛いとは思うが早く代わってやった方が良い。振り回される他の連中の為にもな」

 

ジャミルの傍に立つアムロは放送で響き渡るトニヤの声に耳を傾けた。

それはとても指示と呼べるモノではなく、ブリッジも他のクルーも彼女の無理難題に付き合わされている。

 

『そんな事アタシに言わないでよ!! あぁ、もうッ!!』

 

「どうやらそのようだな」

 

「肩を貸そうか?」

 

「いいや、1人で行ける。今日は助かった」

 

「責任を感じて、それを償うのは確かにやるべき事だ。でも、もう少し俺達も信用して貰いたいな」

 

「そうだな。次からはそうするよ」

 

額に汗を滲ませ辛い表情を浮かべるジャミルはゆっくりと歩きブリッジに向かった。

その頃、フリーデンに戻ったガロードは一目散にティファの元に走る。

言いたい事があった、確かめたい事があった、謝りたい事があった。

彼女の部屋の前まで来ると足を止め、息を整えながら扉をノックする。

数秒が経過し、中から小さな声で返事が返って来るのを確認してガロードは部屋の中に入った。

見るとティファはキャンパスにパステルで絵を書いている。

 

「あのさ……話があるんだ。この前の事なんだけど、いきなりあんな無理な事言ってゴメン!! 俺、ちょっと焦っててさ。ティファの事も考えずにあんな事言っっちまって」

 

「いいえ、私も返事を返す事ができませんでした。そのせいでガロードに辛い思いをさせてしまった」

 

「そんな事ないよ。俺さ、少しの間だけどフリーデンを離れてわかった事があるんだ。仲間ってのは、同じ方向を向いて歩いてくれる人達なんだって。だから目指す場所が同じでも、やり方や考え方が違ったら離れて行っちまう。俺、ずっと1人だったからそんな事もわからないようになってた」

 

「ガロード……アナタは優しい人。だからあの人の事も受け入れてあげて」

 

「あの人……ち、違うんだよ!? アレは向こうからいきなり!!」

 

「え? ジャミルの事……」

 

深読みしてしまったガロードは慌てふためいてしまう。

そんな彼の行動の意味がわからないティファはキョトンとしてしまうが、何とか場を見繕うとするガロードはキャンパスに書かれている絵を見た。

黒単色しか使われてないが、その絵は正確に風景の一部を模写している。

 

「それ!! その絵さ!! なんの絵なんだ?」

 

「この絵……この場所に私と同じ人が居ます」

 

「同じって、ニュータイプって事か?」

 

「はい……感じます」

 

雪と山脈に囲まれた土地。

ガロード達の次なる目的地はここになる。

ティファは書いた絵を見ながら、小さな口でボソリと呟いた。

 

 

 

第9話 フォートセバーン

 

 

 




アムロの活躍が少なくて申し訳ありません。
次回からはアムロの戦闘シーンももっと入れていきます。
ご意見、ご感想お待ちしております。


気が付けばGレコを題材とした作品が増えている!?
これは自分もうかうかしてられませんね!!

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