機動新世紀ガンダムX アムロの遺産   作:K-15

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サン・アンジェロ編
第7話


ペダルを踏み込むガロードはGXを飛ばす。

背部リフレクターからエネルギーを放出して加速するGXは、逃げるバルチャーのモビルスーツにビームライフルを向けた。

 

「当たれ!!」

 

引かれるトリガー。

ビームは右脚部に直撃し、オクトエイプは姿勢を維持できずに倒れ込む。

更にそこへビームを撃ち込み、エンジンに直撃してオクトエイプは爆散した。

 

「よっしゃ!! GXの使い方にも慣れて来た」

 

目の前の敵を倒した事で肩の力を抜くガロード。

ふと視線を移す先では、アムロが乗るドートレスが最後の1機と戦っていた。

右手にはビームサーベルを握らせ、もう片方の手にはビームライフル。

横一閃。

相手に斬り付ける瞬間にだけグリップからビームを発生。

赤のオクトエイプはマシンガンを握る右腕を切断され、それが地面に落ちるよりも早くにビームライフルの銃口をコクピットに密着させられる。

中のパイロットは声を上げる暇もなく、灼熱のビームがコクピット部を破壊し機体は力を失い倒れ込む。

 

「これで最後だな。ガロード、そっちはどうなった?」

 

「ガンダムの性能ならこれくらい余裕だぜ」

 

「そうか。敵のモビルスーツを鹵獲した。何かパーツに使えるだろ」

 

「運ぶのを手伝えば良いんだろ?」

 

「そうだ。フリーデンに戻るぞ」

 

ドートレスに合流するGXは、さっきアムロが倒したオクトエイプの片腕を持ち上げた。

アムロも同様にもう片腕を持ち上げて、レーダーに反応するフリーデンに帰還する。

けれどもその影で2人が戦闘を行う様子を遠くから観察する女が1人。

名をエニル・エルと言う。

赤い短髪を風になびかせながら、双眼鏡を覗く彼女が見るのはGXの姿。

危険な仕事をこなす彼女は、ガンダムにどれだけの価値があるのかがわかっている。

 

「フフフッ、掘り出し物が見つかったね。ガンダムか――」

 

 

 

第7話 私が手に入れる

 

 

 

唇の赤いルージュを思わず舌で舐める。

フリーデンへ帰還した2機はそのまま整備に入る。

メカニックチーフであるキッドの指示の元、推進剤と弾薬の補給を最優先にして作業を進め、他のクルーは回収したオクトエイプの状態を確認した。

GXのコクピットから出るガロードは、体を休める事もせず一目散にある場所を目指す。

治療の終えたティファに与えられた個室。

その扉の前に立つガロードは緊張した様子で手汗を拭い、小窓からこっそり中を覗いた。

見えるのはベッドに腰掛けるティファと、彼女の隣に座るジャミルの姿。

 

(ジャミル? 何してんだ?)

 

「体の調子は戻ったようだな。だが、心の方はどうなんだ?」

 

「ざわざわする感覚……死んで行く人の最後の言葉……」

 

「ティファのニュータイプとしての能力が感じ過ぎているんだ。辛いとは思うが耐えるしかない。私にもわかる」

 

ティファはギュッと白いシーツを握る。

人が死ぬ時に放つ最後の光。

ジャミルやティファにはソレを感じ取る事ができるが、ガロードには何も感じられない。

 

(ティファ……俺に何ができる……)

 

「無理はするな。また何かあればテクスの所に行くんだ」

 

「はい……」

 

「それと、ニュータイプの存在を感じる事があればキャンパスに書いてくれ。言葉だけでは説明できない、イメージのようなモノで構わない」

 

「わかりました」

 

言い終わるジャミルは立ち上がり、扉の所にまで歩いて来る。

急いで通路脇に隠れるガロードは部屋から出て行くジャミルの背中をジッと睨んだ。

反対方向に進むジャミルはその足でブリッジに向かい、周囲に誰も居ない事を確認したガロードは今度こそティファの部屋に入る。

音が立たないように扉を閉じ、彼女の元に歩み寄った。

 

「ごめん。今の話、聞いてたんだ」

 

「そうなの?」

 

「うん……アイツにやられた薬が抜けて、体も元に戻ったって聞いてさ。それで来たんだ。なぁ、ティファ……」

 

何も言わずにティファはガロードの事を見る。

彼女が何を考え、何を思ってるのかはわからない。

それでも懸命に悩むガロードは、1つの答えを提示した。

 

「俺と一緒に来ないか? ここに居たら、また苦しむ事になる。ティファはこんな戦艦なんかに居たらダメだよ。大丈夫!! 金は俺がなんとかする。そうだ!! ガンダムを売ろう!! 上手くやれば何億って額が入って来る。そしたらさ――」

 

ガロードが差し出す手。

けれどもティファがその手を受け取る事はなかった。

すぐには答えを出せずに迷う彼女に、ガロードの手も次第に引かれて行く。

 

「ごめん……俺、行くよ」

 

「あっ……」

 

咄嗟に立ち上がり引き止めようとするも、ガロードは背中を向けて走って出て行く。

大きな音を立てて閉じられる扉。

ティファはゆっくりベッドの上に戻り、また白いシーツを握り締めた。

ブリッジでは艦長シートに座るジャミルがスクリーンに映る映像を見ていた。

以前の戦闘から10分程度しか経過してないにも関わらず、フリーデンを標的としてバルチャーのモビルスーツが集まっている。

その数は10を超え、立て続けの起こる戦闘にサラは眉間にシワを寄せた。

 

「こんな連続して襲って来るなんて。キャプテン、もしかしてまた、彼女が狙われているのでは?」

 

「いや、見た所は野良の集団だろ。ニュータイプの情報は、そんな誰でも持ってるモノではない。それに掴んだとしても、普通の人間なら信じない」

 

「だとすれば、狙われてるのはGX?」

 

「そうかもしれん。近頃は派手に動きすぎたか。ガンダムの情報が出回れば、これだけのバルチャーが集まるのも頷ける。連戦にはなるが、アムロとガロードをすぐに出撃させてくれ」

 

「了解です」

 

指示を受けて、サラはパネルをタッチし館内放送を繋げる。

設置されたマイクに声を吹き掛けた。

 

「アムロ、ガロード、聞こえて? またバルチャーのモビルスーツが接近してます。至急、GXとドートレスで出撃を」

 

艦内に響き渡る放送。

ブリッジで同じくオペレートをしているトニヤは、不意に振り返りポツリと声を零す。

 

「ガロード、大丈夫かな?」

 

「どうしてです? GXの操縦にも、最近は慣れてきているようですが」

 

「でも、慣れ始めた頃が1番危ないって言うじゃん。任せ過ぎるのもどうなの?」

 

「GXには充分な性能があります。それに、危なくなったら逃げる事くらい、あの子でもできるでしょ。ですよね、キャプテン?」

 

「ガロードはもう、フリーデンの貴重な戦力だ。何かあれば私が責任を取る」

 

責任を取る、その言葉の意味は重い。

けれどもこれ以上話をしている余裕はなく、敵からの砲撃が艦内を揺らす。

モビルスーツデッキでは準備の出来た2人がモビルスーツに乗り込み、開放されたハッチから出撃する所だ。

アムロはコンソールパネルを叩きガロードに通信を繋げる。

 

「俺が先行する。5秒後に出るんだ」

 

「さっき倒したばっかだって言うのによ」

 

「そればかりは敵に言うしかないな。俺はフリーデンの右舷から来る敵を叩く」

 

「俺は左だな。さっさと終わらせてやる!!」

 

「急ぎ過ぎるなよ」

 

メインスラスターから青白い炎を噴射して、アムロのドートレスは出撃した。

モニターから見えるのは、機種もモディーカラーも武器もバラバラなモビルスーツ群。

ビームライフルを構え、トリガーを引く。

 

「数は多いが……そこ!!」

 

正確に撃ち抜かれるコクピット。

一撃で相手を戦闘不能にするアムロは瞬時に状況を見極めて次の敵を狙う。

ビームライフルを構えながら、ドートレスを走らせる。

敵から放たれる無数の弾丸。

シールドを使わずとも走り続ける事で弾を避け、その間にも照準を定める。

発射されるビーム。

GXなどのビームライフルと比べれば威力は落ちるが、量産機の装甲を撃ち抜くくらいならできる。

 

「機体の反応が鈍い。俺の方が合わせるしかないか」

 

「本当にアレがドートレスなのかよ!?」

 

「少し武器の性能が良いからってな!!」

 

同タイプのドートレスが構えるシールドにビームが直撃。

一撃で使い物にならなくなり、衝撃に一瞬動きが止まる。

次の瞬間には胸部にまたもビームが直撃し、機体は仰向けに倒れた。

アムロの戦闘能力に恐れるモノも居れば、仲間がやられた事に激昂するモノも居る。

 

「やりやがったな!! テメェなんざ!!」

 

「単調な攻撃だ。そんな事では!!」

 

腰部からヒートホークを抜くジェニスはメインスラスターを全開にしてドートレスに正面から突っ込む。

機体を通して気迫だけは伺えるが、動きの読みやすい相手にアムロが苦戦する事もない。

敵が近づくよりも早くにトリガーを引く。

左脚部を撃ち抜き姿勢を崩し、次に振り上げた右腕を破壊した。

 

「こ、コイツは――」

 

最後の1発はコクピットに座るパイロットを消し去る。

瞬く間に3機を撃破するアムロはフリーデンへの被害を抑えるべく前に出た。

 

「これだけの数、どこかに指令塔が居る筈だ。ガロード、聞こえてるな?」

 

「1機だけ見た目の違う奴が居る。アイツだ!!」

 

「GXの性能を過信し過ぎるなよ。サテライトキャノンも条件が揃わなければ撃てない。無理はするな」

 

「わかってる!!」

 

ガロードの乗るGXはそのモビルスーツに目掛けて加速する。

脚部にホバーリングユニットを装備した青いドートレス。

ビームライフルの銃口を向けてトリガーを引くが、敵は後方に大きくジャンプすると直撃を避けた。

 

「コイツ!!」

 

「フフッ、その程度か。ガンダム!!」

 

「やってやる!! わかってるけど、やるしかないんだ!!」

 

青いドートレスへ更にトリガーを引く。

何発も発射されるビーム攻撃を、ホバーリング移動する事で簡単に避けて行くドートレス。

地面には直撃により無数の穴と砂煙が飛ぶ。

コクピットに座るエニル・エルは、ガロードの戦闘能力に思わず笑みが溢れた。

 

「アタシの見立て通り、パイロットは素人同然か。オイ、お前ら!! 作戦通り、アタシがガンダムを引き寄せる。戦艦ともう1機を近付けさせるなよ」

 

ビームサーベルを抜くエニルは、GXを正面に捉えながら後ろへと距離を取る。

ガロードは照準を合わせてトリガーを引くが、素早い動きにビームはかすりもしない。

 

「さぁ、付いて来な」

 

「逃がすかよぉ!!」

 

ビームライフルをバックパックにマウントさせ、マニピュレーターがビームサーベルのグリップを掴む。

ペダルを踏み込みリフレクターからエネルギーを放出するGXは、逃げるドートレスを追い掛ける。

GXの機動力はチューニングされたドートレスに数秒で追い付く。

 

「落ちろ!!」

 

「流石、ガンダムって所か。でもね、スラスターを全開にする事くらい、馬鹿でもできるんだよ!!」

 

GXが振り下ろしたビームサーベルを、エニルは事もなく受け止めた。

ビームとビームが交わり、閃光が両者を照らす。

 

(わからない、わからない!! 俺はどうしたら良いんだ!!)

 

「遅いよ!!」

 

迫り来る斬撃。

ガロードはギリギリの所で反応して返す刀で受け止める。

それでも、パイロットの技量に差があるせいでこちらから攻撃を仕掛ける事ができない。

必死に操縦桿を動かすガロードの目には、目の前のドートレスにアムロの面影を重ねる。

 

「俺は勝てないのか? コイツに!!」

 

「だからさ、アタシが上手に使ってやるよ!!」

 

「うるさい!!」

 

ブレストバルカンを発射して装甲を狙うが、ドートレスは地面を蹴るとまたも後方に距離を離してしまう。

そしてそのままGXに背中を向けホバーリング移動で走る。

 

「逃がすもんか!!」

 

「良い子だ、付いて来な」

 

リフレクターからエネルギーを放出するGX。

再び逃げようとするエニルの機体を追い掛けるが、そのせいでフリーデンから距離が離れすぎてしまう。

その様子はブリッジでも確認でき、ジャミルはシートに座りながら肘掛けの受話器を手に取った。

 

「ガロード、前に出過ぎだ。アムロと合わせろ」

 

「でもコイツに逃げられたら、また数を増やして襲って来る。そうしたらまた、ティファが苦しむ。そんなのもう嫌なんだ!!」

 

「やめろ、ガロード!! 罠の可能性だってある。それに――」

 

話の途中にも関わらず、ガロードは通信を一方的に切った。

そして逃げるドートレスを追い掛ける。

エニルは腰部にマウントさせたマシンガンを手に取り、機体を反転させGXにトリガーを引く。

脚部のホバーリングユニットのお陰で、背を向けながらでも高速で移動できる。

 

「っ!?」

 

「ホラホラ、どうした? その程度かい?」

 

「クソッ!? アムロなら……アムロならどうする?」

 

考えながらもビームサーベルを収め、バックパックからビームライフルを引き抜く。

地上を縦横無尽に動き回る相手に向かって照準を合わせようとするが、そう簡単には行かない。

相手が動く先に向かって憶測でトリガーを引くが、ビームはドートレスの位置から何メートルも離れている。

 

「何だい、その攻撃は?」

 

「逃げられる前に当てる!! 無理でもなんでもやるしかないんだ!!」

 

「フフフッ、やってみな」

 

再び引かれるトリガー。

発射されるビームは動かなくても見当違いの所へ飛んで行く。

エニルはそのままマシンガンでジワジワとGXにダメージを与える。

強固に作られた装甲だが、無敵ではない。

回避行動を取るが左肩に数発当たり、振動がコクピットに伝わる。

 

「クソ、クソッ!! 逃げるな!!」

 

「恨むなら自分の腕の無さを恨みな!!」

 

「当たれッ!!」

 

「無駄だよ!!」

 

動きながらも無数に発射される弾丸。

遂には避けきれずGXの白い装甲に直撃してしまう。

それでも性能に物を言わせ強引に突き進むガロードは操縦桿を強く握る。

何度目かに発射されたビーム。

それは動き回るドートレスの握るマシンガンに当たった。

 

「チッ、アイツ……まぁ、良い。こっちの思惑通り誘いに乗って来た。後は……」

 

投げ捨てられるマシンガン。

エニルは機体の向きを変え、目的地に向かって加速する。

砂煙を上げながら、ビルの残骸が立ち並ぶ旧市街地へ入って行く。

その後姿を見失わないように、ガロードもペダルを踏み込んだ。

反撃をする様子もないドートレスは見る見る内に近づいて行き、マニピュレーターにビームサーベルを握らせたガロードは一気に詰め寄る。

そして右腕を大きく振り上げて、目の前のドートレスに斬り掛かった。

 

「うおおおォォォッ!!」

 

「掛かった!!」

 

無数のビルに挟まれたアスファルトの通路。

青いドートレスが通過し、その数秒後にGXが来た瞬間にビームのバリアーが発動した。

ビルに設置された6つの発生装置はGXの機体反応を察知し、ビームの網が機体の動きを完全に封じる。

もう少しの所にまで迫ったガロードだったが、どれだけ操縦桿を押しても機体は身動きを取れない。

 

「機体が動かない!? どうなってんだ!!」

 

「ビームの出力を上げな!! ただし、パイロットは殺すんじゃないよ!!」

 

待機して居た班がエニルの指示に従い発生装置の出力を上げた。

高出力になるビームは機体だけでなく、搭乗するパイロットにもダメージを与える。

高圧電流が体を流れ、ガロードは痛みに声を上げた。

 

「うあ゛あ゛あ゛ァァァッ!?」

 

暗くなる視界。

耐え切れないガロードはそのまま気を失ってしまい、GXは完全に動きを止めてしまう。

様子を見るエニルは作戦が上手く行った事にほくそ笑んだ。

 

「これでガンダムはアタシのモノ。ザコット、ガンダムは捕獲した。このまま引き上げる。追手を近付けさせるなよ」

 

「流石はエニルだ。だが向こうのパイロットがなかなかやり手だ。増援をこっちにも向かわせろ」

 

「たかが1機に、わかったよ。アタシはガンダムを連れて先に行くからね。合流ポイントで落ち合う」

 

「わかった」

 

ビームバリアーの発生が停止し、装甲の焼かれたGXは力なく倒れ込む。

 

///

 

フリーデンではアムロのドートレスが合流するが、バルチャーは更にモビルスーツを展開させてGXの追跡を許さない。

歴戦の兵士であるアムロであっても、たった1人ではどうする事もできなかった。

 

「ジャミル、離脱するぞ。これ以上は無理だ」

 

「アムロ……わかった。シンゴ、フリーデンを後退させてくれ。左舷に弾幕を集中」

 

増え続ける敵の数に撤退を決意するジャミル。

だがその瞳では、捕獲されて行くGXの姿を最後まで見ていた。

距離を離すフリーデンに敵も深追いをしようとはせず、安全圏まで離れたのを確認してからアムロも現領域から離脱を始める。

 

「フリーデンは行ったな。良し」

 

「ただのドートレスに、ここまでされて要られるか!!」

 

「まだ来るのか?」

 

向かって来る3機のジェニス。

マシンガンの銃口を向けて手当たり次第に撃ちまくる。

けれどもそんな攻撃に当たる筈もなく、シールドを構えながらビームライフルで撃つ。

横並びに位置する3機のジェニス。

左に位置する機体のコクピット部にビームは命中し、ジェニスは崩れ落ちる。

 

「やったなぁ!! 俺が前に出る。援護しろ!!」

 

ヒートホークを構える1機が前に出る。

アムロは少しずつ後退しながらも、シールドを相手の足元に向けた。

 

「ここまでだな。撤退に時間が掛かり過ぎる」

 

シールド裏に設置された4発のミサイルが一斉に発射された。

高速で接近するミサイルは地面へと激突し、爆発が煙幕となり視界を遮る。

前衛のジェニスは思わず足を止めてしまうが、その一瞬が命取りになった。

煙のせいで前が見えない状態で、アムロのドートレスが放つビームが腹部を貫く。

戦闘不能になる機体はエンジンが爆発を起こし更に巨大な爆発が生まれる。

けれどもアムロの攻撃はそれだけでは終わらず、後衛のジェニスにも銃口を向けた。

爆発が起こる前の位置をイメージに焼き付けて、敵意を感じ取りながらトリガーを引く。

 

「こんな所から!? うわっ!!」

 

装備したマシンガンが撃ち抜かれ爆発で右腕が吹き飛ぶ。

間髪を入れず頭部もビームで撃たれてしまい、黒煙を上げながら仰向けに倒れてしまう。

アムロはメインスラスターを全開にして、フリーデンに追い付くべく機体を加速させた。

背を向けるドートレス目掛けて遠くから弾丸が飛翔するが、装甲にはただの1発も当たらない。

数秒後には追手を振り切り離脱に成功する。

 

「上手く逃げられたな。だがGXを囚えられた。ジャミル、どうするつもりだ?」

 

狭いコクピットで呟く声は誰の耳にも届かない。




アニメとは違う展開で進めて行きます。
ご意見、ご感想お待ちしております。

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