機動新世紀ガンダムX アムロの遺産   作:K-15
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第26話

 サテリコンが拠点として構えている資源小惑星、ジャミル達一向はパーラの案内の元シャトルでここに到着した。使い古された小惑星にはあちこちにガタが来ている。
 汚れやキズ所どころか空気漏れや錆びた鉄骨の修復が追い付かずそのままになっている所も多くあり、サテリコンの組織力が反映されている様だ。
 まず優先されたのが先の戦闘により消耗したモビルスーツの整備。特にダブルエックスのジェネレーターは深刻で、ツインサテライトキャノンのエネルギーを強引に賄ったせいで通常使用にも影響が出ている。
 次にエアマスターとレオパルド、ラズヴェートの推進剤や弾薬の補給。GXも宇宙空間でいつでも戦闘できるように準備をしておく必要がある。
 サテリコンのクルーと強力して作業に当たるキッド達メカニックマン。
 一方でパイロットのガロードは水分補給をしようと食堂に足を運んだ。

「水1つ飲むだけでも地球とは違うんだな」

 機械のボタンを押し込むと排出口からチューブに入れられた水が出てくる。ガロードはチューブを手に取り口へ運ぶと中の水を吸い出した。
 コップに注がれた水とは違いひと口で飲める量は少なく、数秒は吸い続け体内に水分を浸透させる。
 そして口を離すとチューブから漏れた小さな水滴が1つ2つと宙に浮く。

「下手くそだな」

「え? お前は……」

 ガロードの所にやって来たのは私服に着替えたパーラ。無重力空間で体を動かすのも慣れたモノで、ふわりと通路から飛び出すと踵を押し付けるようにして床に足を付ける。

「お前もガンダムのパイロットなんだろ? アタシはパーラ・シス。Gファルコンの専属パイロットさ」

「俺はガロード。ガロード・ラン。Gファルコンってあのモビルアーマーか?」

「そうさ。15年前の戦時中に開発された機体。なんでもあんたらのガンダムとドッキングして運用する事を前提にしてたみたいだ。今ごろメカニックが必死で作業してるよ」

「へぇ、俺は生き残る事に必死でガンダムにそんな機能があるだなんて知りもしなかった」

「だろうな、だって15年前だぜ? アタシもまだまだ子供だったし、生き残った人間だって少なかったんだ。当時の連邦軍の兵士でもないと知らないよ」

 フランクに話し掛けてくるパーラにガロードは緊張感を解いて話をしていた。慣れない宇宙に何をするにしても神経を使わなければならないが、この瞬間だけはそんな事を忘れられる。

「ジャミル、そんな事教えてくれなかったな」

「ジャミルってサングラスを掛けた奴か? あのシャトルの艦長の」

「そうさ。15年前はGXのパイロットだったんだ。今はバルチャーの親玉、人手が足りない時は時々モビルスーツにも乗るけどな」

「にしても、良くガンダムを4機も揃えたな! これだけの機体があれば革命軍も新連邦もぶっ飛ばせる!」

 右の拳を左手に打ち付けるパーラは起死回生する為の戦力が手元に揃った事にこれからの戦闘に意欲を示す。けれどもガロードの心境はそれとは少し違った。

「パーラ、新連邦や宇宙革命軍が許せないのはわかるよ。でも俺が優先すべきなのは他にあるんだ」

「他に優先する事?」

「俺は革命軍に拐われたティファって子を助けたいだけなんだ。アイツラが何を企んでるかも気になるけど、やっとの思いで宇宙まで来たんだ。ティファを助けられなかったらここまで来た意味がなくなっちまう」

 ガロードの言葉を聞いてパーラは目を丸くする。自分と年齢がほとんど変わらない目の前の少年は、ティファと言う少女の為だけにはるばる宇宙までやって来た。
 その話を聞いただけでガロードが本気なのだと理解できる。根本にある戦う理由は違うが、思う気持ちがガロードの方が誰よりも強い。
 
「そうか、ティファ……ティファか……」

 ぼそりと呟いたパーラはガロードの首に自分の腕を回した。彼女なりの敬愛の印を示してみると、驚いたガロードは思わずチューブを強く握り締めてしまう。
 飲み口からまた水が排出され、大きな水の玉が宙に浮く。

「任しとけって、ガロード! そのティファって子、必ず見付けて助けてやるからよ!」

「あ……あぁ」

「今からアタシ達はチームだ! ガロードはまだ宇宙に慣れてないだろ? アタシが教えてやるよ」

 言うとパーラは1人で何処かへ行ってしまう。慌てて床を蹴るガロードはパーラの背中を追う。

「おい、どこ行くんだよ?」

「特訓だよ。実際にモビルスーツに触って宇宙空間に慣れるんだ」

「シミュレーターじゃダメなのか?」

「それじゃ感覚掴むのに時間が掛かる。体に受けるGや慣性を体で覚えるんだよ。ガンダムは整備中だから、ここで余ってる機体を使う。付いて来な!」

 食堂から移動する2人はモビルスーツデッキを目指す。
 一方収容されたシャトルのブリッジにはパッセンジャーボーディングブリッジが設置され、そこからジャミルとアムロが降りて来る。
 その先ではサテリコンの司令官であるロイザーが待っていた。

「ようこそ、サテリコンへ。私がここの指揮をしているロイザーだ」

「キャプテンのジャミル・ニートです。隣はモビルスーツパイロットのアムロ・レイ」

「良く来てくれた。私はキミ達の事を歓迎するよ」

「こちらこそ、モビルスーツの補給と整備をしてもらって助かります。我々は地球で活動するバルチャーなので、宇宙に当てがなくてね」

「モビルスーツの事はこちらに任せて下さい。それよりもこれからの事を話したい。付いて来て頂けるか?」

 頷くジャミルとアムロの反応を見てロイザーは歩を進める。向かう先には長い通路があり、更にその先にあるミーティングルームに辿り着く。
 中では巨大モニターに両軍の陣形が映し出されている。

「現在の我々はとても非力だ。今の革命軍と新連邦に渡り合えるだけの戦力などとてもない。更に奴らはコロニーレーザーまで用意して来た」

「コロニーレーザー? まだそんなモノを作るのか、革命軍は」

「照準はどうなっている? 狙われたらどうしようもないぞ?」

 アムロの問い掛けにロイザーは深く頷く。

「今は地球から上がって来た新連邦の部隊に向いている。だが、その先には地球がある。第1射が我々に向けられる事はないが、ようやく回復して来た地球にコロニーレーザーを撃ち込むなどと言う無法を見過ごす訳にもいかんだろ」

「そうかもしれないが、戦力の差は歴然としているんだぞ? サテライトキャノンを使うにしても、一斉砲撃を受ければひとたまりもない」

「サテライトキャノン!? 15年前のGXもあるのか?」

「あぁ、2機な。だが撃った後が問題だ。それに、ティファを助け出すまでサテライトキャノンは使えない」

 戦略級の威力を持つダブルエックスとGXのサテライトキャノンを使えば、長距離射撃でコロニーレーザーを一撃で破壊する事が可能だ。
 けれども何処に囚われているのかわからないティファを救い出す前に使えば巻き込まれる事も充分に考えられる。そうなれば宇宙まで来た意味が失くなってしまう。

「ティファ? 女の名前?」

「そうだ、俺達はティファを助ける為に宇宙まで来た。その前にサテライトキャノンを使うと言うのなら、アイツはガンダムに乗らないだろう」

「だったらどうする? そのティファの居所は掴めているのか?」

「そうだと楽に動けるんだがな。ジャミルはどう考える?」

 アムロに言われてジャミルは精神を集中してみる。15年前、ニュータイプとしてモビルスーツに乗り戦場を駆け巡っていた頃なら、ティファの声が聞こえたかもしれない。
 ルチル・リリアントとの再開、νガンダムのコクピットブロックから溢れ出す虹色の光を見た時に一瞬ではあるが感じ取れた。
 だがどれだけ試しても今はもう感じられない。
 自分の頭でこれからの事を考えるしか進むべき道は見付からないとわかっていた。

「敵艦に潜入して情報を得るか。だがリスクが伴う上に時間が掛かる。どうにか自分から居場所を発信できれば……」

「俺達が宇宙に来た事を知らせれば、ティファは動くかもしれない。こちらの情報を彼女に伝えられれば」

「だったらガロードにやらせるしかないだろ」

「だな。サテライトキャノンのマイクロウェーブで牽制すれば少しは動きやすくなるだろ。後は俺の方で援護する。ロイザー司令、コロニーレーザー攻撃は2日後だ」

「それだけの時間でできるのだな?」

「間に合わせる」

「わかった、こちらも物資は支援する。本体への攻撃はキミ達の協力なくしては成功しない。頼むぞ」

///

 宇宙革命軍の艦艇内でニコラは悩んでいた。地球からティファを連れて来たは良いが総統であるザイデルは彼女の事を認めようとはしなかったからだ。
 ザイデルもニュータイプと言う言葉に囚われた人間。そんな彼に幾ら説明した所で、凝り固まった思想を変える事などできない。そしてニコラもまた、ニュータイプに囚われた人間の1人である。

「どうしてもザイデル総統は彼女をニュータイプに認定するつもりはないらしい。あくまでも革命軍の象徴としてしか使うつもりがない。ティファの能力は他のどの人間よりも高い水準なのに」

 室内で呟くニコラ、けれどもそこに居るのは彼だけではない。かつてニュータイプと呼ばれた人間、ランスロー・ダーウェルも居る。

「これ以上考えても無駄だ。ザイデル総統はティファを絶対に認めない。長年飼い慣らされて来たからわかる」

「ですが大佐、このままでは苦労してここまでやった意味が失くなります。彼女もどう扱われるか……」

「だとすればやる事は1つしかない」

「1つ?」

「ティファを開放する。このままここに居続けた所で彼女の為にもこちらの為にもならない。ニコラ、貴様の報告にあった地球のバルチャーもわざわざ近くに来てるのを確認できている。彼らにティファを返す」

「ですが大佐!? そんな事をしてもしもバレたら、最悪の場合極刑です! 本気ですか!」

「そんな事は承知している。だがな、このまま立ち止まっていても事態は進展しない。それに彼女も、このまま黙って待ち続けるような娘でもないだろ。君の言うニュータイプの能力が本物なら、この艦がら脱出する手段くらい企てる」

「そうかもしれませんが……」

「あの戦争が終わってから15年も時が経ってしまった。その間、飼い慣らされるだけで何もしてこなかった私に何をする権利がある? ニコラ、私はこう考えている――」




第26話 未来を作るのは今を生きる若者だ




 行動に移る2人、ニコラは脱出用のシャトルの準備の為にドックへ向かい、ランスローはティファの居る部屋へと向かった。道中で他のクルーと数回すれ違うが怪しまれる事などなく、ティファが幽閉されている場所へと辿り着く。
 壁に設置されたパネルを叩きエアロックを解除するランスローはそのまま部屋の中へ入って行った。

「ティファ・アディール、居るな?」

「アナタは……」

「君は地球から来たのだろ? だったらここに居るべきではない。勝手な事を言っているのは承知している。シャトルの準備を進めているからソレに乗るんだ」

「助けて頂けるのは感謝します。ですがこの事、革命軍の総統は知らないですね。もしも知られたら……」

「わかっているさ。だが私は、君達が作り出す未来を信じたくなった。それと、少し前にアムロ・レイと戦った」

「アムロと?」

「君の仲間達が宇宙に来ている。帰る場所があるのは素敵な事だ。ティファ、君はこんな所に居てはいけない」

 意思を持った目線を向けるティファは力強く頷いた。ランスローはそれを確認し、先導しながら部屋を出る。ティファはその後ろから付いて行き、幽閉された部屋から脱出した。
 事前に警備配置を調べておいたランスローは人通りの少なく安全なルートに沿って進み、ニコラが待つシャトルを目指す。
 不意にランスローの制服を背中から引っ張るティファは彼を立ち止まらさせた。

「待って、誰か居る」

「良くわかるな」

 急いで壁の影に隠れる2人は通路の曲がり角の更に奥に意識を集中させた。ライトの光が照らす人影とかすかな話し声。

「このまま本当に戦争になるのか? コロニーレーザーまで準備してさ」

「敵はもう目の前なんだぞ。今更止めた所でこっちが死ぬだけだ。コロニーレーザーが正常に動けばこっちが圧倒的に有利なんだ。そう心配する必要もない」

「そう言うものかもしれないが……」

「ビビってたら死ぬだけだぞ? 今の内にやれる事をやっておけ。俺は飯食って来る。お前は?」

「俺も行くよ。白兵戦になったりしないだろうな?」

「知るか」

 会話を続ける2人は更に奥の通路へと歩いて行ってしまう。声が遠ざかるのを聞いてランスローは壁の影から出て再び進み始める。

「ティファ、それが君のニュータイプ能力か。こんな事が15年前にできていたのか、私は」

「急ぎましょう」

「そうだな」

 急かされるランスローはティファの右腕を掴み通路を進んで行く。その間、ティファは何を言う事もなく、しばらくしてシャトルの用意されたドックへと辿り着いた。

「ここから先、誰にも見られずにシャトルまで行くのは無理だ。パイロットスーツがある。ヘルメットのバイザーを下げてしまえばわかりにくい」

 言われてすぐ脇にある部屋に入る2人、壁に丈掛けられた白いノーマルスーツを手に取るランスローはそれを手渡した。けれども部屋を出て行こうとしないランスローに、ティファはしばらく無言で見つめる。

「どうした? あぁ、そうか。気が利かなかった。1人でもできるな?」

「大丈夫です」

「外で監視はしておく」

 扉が閉じ1人にされるティファ、受け取ったパイロットスーツを一旦は床に下ろすと来ていたピンク色のワンピースに手を掛けた。
 本来ノーマルスーツは服の上からでも装着できるが、ワンピースのままで着る事は流石にできない。
 裸になるティファ、肌寒さを感じながらも足をスーツにねじ込みそのまま全身に装着させた。最後にファスナーを首の位置にまで上げるとフルフェイスのヘルメットを被る。
 右耳の位置にあるスイッチを弄ると顔面のバイザーが降りるが、違和感を感じてすぐに元へ戻す。
 白いパイロットスーツを装着してゆっくり歩き出し、脱ぎ捨てたワンピースを空のロッカーに入れてから入り口の扉を開けてランスローと合流する。

「終わったな? 酸素が供給されてないぞ」

「すみません、慣れてなくて」

「気にするな。接続はちゃんとされている。背中のバックパックが酸素、後は右胸にある青いボタンを押せば良い。赤いのはヒーターだ」

 言われた通りに青と赤のボタンを押し込むとヘルメット内に酸素が供給され、じわじわと暖められるスーツがティファの肌に触れる。
 ヘルメットのバイザーを下ろせば、外からちょっと見たくらいではティファだと気付かれない。

「声を出さなければバレる事はない。何かあれば私が対処する。安心してくれて良い。では、行くぞ」

 頷くティファ、2人はドックのシャトルを目指して床を蹴った。居住区画とは違いドックともなれば疑似重力も作用していない。宙に浮くようにしてシャトルに接近する2人。
 けれども作業中にメカニックも多く、その内の1人がランスローの存在に気が付き、作業を中断して近づいて来た。

「ランスロー大佐、如何なされました?」

「先に中へ入るんだ。後から行く」

 耳元で囁き、ランスローは近づいて来るクルーの対応、ティファはシャトルの内部へと行く。

「ランスロー大佐?」

「何でもない、只の偵察任務だ」

「でしたらモビルスーツで……」

「新連邦の大部隊は目の前なんだぞ。モビルスーツで出た事が知られれば、開戦の切っ掛けにも成りかねん」

「し、失礼しました。メカニックの目線でしか見えてませんでした」

「相手の数を確認するだけだ、そう時間は掛からない。上には報告してある」

「了解です、お気をつけて」

 敬礼するメカニッククルーを後にして、ランスローも準備されたシャトルの内部へと進む。通路を進みブリッジへ行くと、準備を進めていたニコラとティファが居る。

「大佐、ここまでは順調です」

「ご苦労。後はオートで動くようにしてくれ」

「既に完了しております」

「そうか。ティファ、ここに来てくれ」

 ランスローはティファを呼び寄せ、運転席へ座らせるとシートベルトを装着させた。

「私達にできるのはここまでだ。一緒に付いて行く事はできない。わかるな?」

「はい、ありがとうございます」

「元はと言えば君を地球から連れ出したのは我々だと言うのに、偉そうかな?」

「いいえ、宇宙に出ないと見えないモノもあります。世界が広がるのを感じられました」

「そうか。ジャミルに会ったら伝えて欲しい事がある。最後の勝負は私の方が勝っていた、と」

 15年前の戦争時、ジャミルとランスローは幾度となく激戦を繰り広げた。互いにニュータイプとして軍に使われる立場、生き残る為に敵を倒すしかなかった時代。
 当時は最新鋭のモビルスーツに乗り、無数のスペースコロニーが地球に落ちても尚、2人は戦った。
 最後の戦い、ジャミルのGXは左腕と頭部を破壊されると機能不全に陥り、そのまま地球へと降り、ランスローも機体を失い脱出装置で逃げるので精一杯。
 最後の勝負でも雌雄を決する事はできなかった。

「わかりました。ですが、そう遠くない未来で2人は出会うと思います。そうしたら、ご自分の言葉で伝えてください」

「フフッ、良くも言う。話はここまでだ。健闘を祈る」

「はい、短い間でしたが、ありがとうございました」

 お辞儀をするティファの姿を網膜に深く焼き付けて、2人はブリッジを後にした。ランスローはシャトルから出て行く姿が見られないようにデッキに置いてあるコンテナを目指して通路を進む。

「大佐、これで何か変わるのでしょうか?」

「どう変わるのかまではわからない。だが、動かなければ何も変わる事はない。私も動く時が来たかな」

「それは新連邦の……」

「開戦の時が近い。奴らが動くぞ」

 神妙な面持ちに変わるランスローを見て、ニコラも背中に冷たい汗が流れ息を呑む。地球と宇宙、2つの勢力が再び戦争を始めようとしている現実。
 この事態をたかが1人や2人の人間でどうにかできる筈もない。
 デッキに辿り着く2人は物資を運び込む為の巨大なコンテナの中へ入ると、扉を閉じ船外に排出させた。

///

 パイロットスーツを装着したガロードは、モビルスーツデッキでキッドとパーラに向かって嘆いていた。
 そこにあるのはGファルコンとドッキングしたダブルエックス。

「本当にこんなので行けるんだろうな?」

「大丈夫だって。マニュアルにもちゃんと記載されてたし、データだって組み込まれてた。これなら今までよりも早い速度で動き回れる」

「でも俺、モビルスーツを普通に動かすのがやっとなんだぞ? その上モビルアーマーなんて……」

「それも心配するなって。ドッキング状態の時は操縦系統が切り替わるようになってる。操縦はパーラに任せれば良い。後は近づいたら手当たり次第にライフルを撃て」」

 ダブルエックスの腰部にはビームライフルではなく、特殊な弾が装填されたライフルがマウントされていた。

「俺が即席で作ったスピーカーポッドだ。これで敵の艦内に声を響かせられる」

「使い方はライフルと一緒なんだな? 良し!」

「でも予備はないからな。弾も今装填されてるマガジン分しかない。無駄にはするなよ」

 キッドに説明を受けてガロードはダブルエックスのコクピットに向かい、パーラはGファルコンのコクピットに入った。ハッチを閉鎖し、エンジンを機動させ操縦桿を握り締める。

「良いか、ガロード。説明されたように操縦はアタシがやる。でも接近したらライフルを使う必要がある」

「そのタイミングになったら俺がやれば良いんだろ?」

「そうだ。でも敵軍のど真ん中に突っ込むんだ。気合い入れろよ!」

「わかってる!」

「ヨッシャッ! パーラ・シス、Gファルコンで出る!」

 ペダルを踏み込むパーラはメインスラスターを全開にして、ダブルエックスとドッキングしたGファルコンはカタパルトから飛び出す。
 加速するGファルコンは旋回し、戦闘準備を進める宇宙革命軍の部隊に向かって真っ直ぐに突き進んだ。



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