第10話
凍て付く空気がどこまでも広がる。
高い城壁に囲まれた街で、市長であるノモア・ロングは壇上でマイクを片手に市民へ演説をおこなう。
「フォートセバーン市民の諸君、私は市長としてこの平和が永遠に続く事を約束したい。戦後の荒廃した世界に蔓るモビルスーツ乗りやバルチャー共が、例えどのような卑劣な手段を使って来ようとも、我々には大いなる力がある!! それは、我がフォートセバーン自衛部隊のリーダー。ニュータイプ、カリス・ノーティラスその人である」
ノモアの紹介により壇上に上がるのはまだ10代の少年だ。
市民達の拍手で包まれる舞台。
金髪に青い瞳。
その視線には強い意思が感じられる。
「かつて人類が宇宙で生活するようになった頃、人々の間にそれまでの人が持っていなかった新しい力を持つモノ達が現れました。高い判断力と認識力を持った彼らは、やがて全ての人類が変革すべき姿だとされ、ニュータイプと呼ばれるようになりました。しかし、15年前の戦争でニュータイプの力は戦いに利用され、その結果、人類は滅亡寸前の危機に晒されました。ニュータイプ達もまた、その殆どが死に絶えたと言われてます。けれども、私は彼らと同じ力を持って生まれて来ました。私は戦後の時代に産まれた新しいニュータイプなのです。私はこの力を平和の為に使います。それが、あの戦争で犠牲となって死んで行った同胞達の贖罪になると信じます」
「諸君、聞いての通りだ。カリス・ノーティラスが居る限り、平和な市民生活は永遠に続くのだ」
「新たな秩序と平和を作る。それこそが――」
第10話 ニュータイプ
ティファが書いた絵、その場所はフォートセバーン。
北米大陸北方に位置するこの都市は雪と山脈に覆われた大地に囲まれている。
白い雪の上を移動するフリーデンが向かうのは、ジャミルが求めるニュータイプが居る可能性があるからだ。
ブリッジのサラとトニヤは周囲の状況を確認しながらジャミルに報告した。
「艦は予定通りに進んでいます。2日後には目的地に到着します」
「そうか。慣れない降雪地帯だがミスのないようにな」
「心得てます」
「でもさぁ、ティファの絵すっごい上手だったよね。お陰で目的地もすぐにわかったし、画像と見比べても殆ど差がなかった。で、そこに居るニュータイプを見付けて……どうするの?」
素っ頓狂な声を上げるトニヤだが、ブリッジに居る他のクルーもジャミルの目的を正確に理解してる訳ではない。
以前にアムロと意見が対立したジャミル。
けれども本来の目的は変えずに、ティファの絵を頼りにここまで来た。
「状況次第、と言わざるを得ない。前回のアルタネイティブ社のようにニュータイプの力を利用しようと考える奴も居る。保護すべき対象だった場合、ティファと同様にフリーデンの乗組員になって貰う。だが、敵になるようなら戦う事もある」
「ちょっとキャプテン、洒落になりませんよぉ~」
「そこが1番の懸念だ。万が一、ニュータイプと戦う事になれば苦戦は避けられない」
ニュータイプの能力の1つに相手の思考を先読みする事ができる。
そうなれば普通のパイロットの技量で勝つ事は難しい。
けれども今のフリーデンにはジャミルでもティファでもない、ニュータイプよ呼ばれる存在がもう1人居る。
サラは彼について聞いてみた。
「ですが今までの戦闘を見ても、アムロの操縦技術は相当なモノです。モビルスーツには乗れない素人の私にもそれはわかります。キャプテンは以前に彼の事をニュータイプだと言ってましたが……」
「ニュータイプに限らず特殊能力を持った人間は居る。ニュータイプ能力を見極める方法の1つに、ガンダムに搭載されたシステムを起動できる事にある。それがサテライトシステムとフラッシュシステムだ」
「サテライトシステムはわかりますが、フラッシュシステムとは?」
「ニュータイプ能力者の脳波を介してビットモビルスーツを操るシステムだ。もっとも今はビットモビルスーツがどこにあるかわからん。15年前の泥沼で殆どが破壊された筈だ」
「そうですか。それで、アムロはシステムを使用する事ができるのですか?」
「GXに搭乗した時に試して貰った事がある。結果は失敗だ。フラッシュシステムも、サテライトシステムも全く反応がない。彼は卓越した操縦技術を持ってはいるが、ニュータイプではなかった」
「そうですか。そんな事が」
「あ~ぁ~、ニュータイプなら戦いももっと楽になると思ったのに」
確かにシステムは起動しなかった。
けれどもジャミルには、まだアムロに感じるモノがある。
時を同じくして、モビルスーツデッキではGXを改良する為のパーツが着々と組み立てられていた。
しかし機体を寒冷地仕様にする事を優先して進めており、GX本体にはまだ手を付けられてない。
収容するモビルスーツの数が増えた事で仕事も増えたキッドは、GXの改修に本格的に着手できない事をもどかしく感じる。
「お前ら!! チンタラしてたらレンチでぶん殴るぞ!! いつ戦闘になるかもわからないんだ。敵が来る前に機体の調整を仕上げないと、俺達だってやられるかもしれないんだぞ。気合入れて行け!!」
作業するクルーの返事が響き渡る。
檄を飛ばす事で作業時間にも遅れを出さずに機体調整を仕上げさせるが、どうやっても改修に着手できるのは明日になってしまう。
「サテライトキャノンを取っ払う事で戦略級としての機能は失くなるけど、代わりに対モビルスーツ用に仕える武器も増やしたんだ。後はガンダム坊やが使いこなせるかどうかだが……」
「俺の事がなんだって?」
気が付くとモビルスーツデッキにはガロードが降りて来ていた。
ガロードは必死に作業するクルーの姿を見て、その光景に感服する。
「いや、スゲェな。雪の中でも動かせるように調整してるのか」
「当たり前だ。もしかしたら戦闘になるかもしれないんだ。そうなった時に満足に戦えずにパイロットが死んだんじゃ後味が悪いだろ?」
「気に入らないからって俺の機体だけ手を抜くなよ」
「馬鹿言うな。お前の為にGXの強化パーツだって作ってるんだ」
「GXの強化パーツ?」
「お前にフリーデンを守って貰いたいんだよ!! わかったら降雪戦のシミュレーターでもやってろ!!」
「わ、わかったよ!!」
スパナを振り上げるキッドに責め立てられ走るガロードはGXの元へ走った。
作業中ではあるが予備電力でコクピットのコンピューターを起動させる事はできるし、機体を動かす心配のないシミュレーターなら作業の邪魔にもならない。
シートに飛び乗り、接続されたままのコントロールユニットと操縦桿を握るガロードは、もしもの時に備えた降雪戦のシミュレーターで訓練をする。
その様子を眺めるキッドは今になって、さっき言ったセリフを恥ずかしく感じ始めた。
「柄にもねぇ事言うもんじゃねぇな。さぁて、お仕事お仕事!!」
GXだけでなく、エアマスターとレオパルド、アムロのドートレスも寒冷地仕様の調整が進められて行く。
フリーデンが目的地に向かう中、アムロはティファの部屋に居た。
思えば、アムロは彼女とまともに会話をした事が未だにない。
「あれから体の方は大丈夫みたいだな。少しはフリーデンにも慣れたかい?」
「はい。でも、あのざわざわした感覚は嫌です」
「俺達が戦う以上、死者が出るのは避けられない。キミの敏感過ぎる才能が死んだモノの声を感じてるんだ。全てを無視しろとは言わない。だが受け流す術を身に付けなければ、ティファも死人の魂に引きずり込まれるぞ」
「わかっています。アムロは……」
「俺かい?」
「アムロは……怖くないのですか? 時々夢に見ます。ララァ・スンと言う女性の事を」
「ララァか……」
アムロは遠くを眺めながらぼそりと呟いた。
1年戦争時、偶然にもシャアと同時に出会った少女。
そして再び再会できた時は宇宙の戦場だった。
ニュータイプとして覚醒しつつあるアムロとララァは互いに意思を感じ取り、そして殺し合いを初めてしまう。
アムロの高すぎる戦闘能力が原因なのか、彼女の迂闊さが招いた事なのか、今となってはもうわからない。
シャアとの激闘の最中、アムロは意図せず彼女を殺してしまう。
その瞬間、2人は時を見た。
「昔は怖かったさ。そのせいで引き篭もりみたいな事もした。だが現実を否定した所でどうにもならない。俺は過去ではなく今を生きてるんだから、その為にできる事をするだけだ」
「でも彼女の心は、永遠に時の中を彷徨う」
「ララァは良くも悪くも少女だったんだ。俺はそんな彼女を失った事で、あの時に青年になれたのかもしれない」
「青年……ですか?」
「何かを失う事で前に進めるのだとしたら、俺にとって彼女がそうだったのだろ。だがアイツにとっては違ったみたいだ」
「シャアは純粋な人なのですか?」
「まさか、俺はヤツを肯定などしない。他人を受け入れ、理解しようともしないような男だ」
アムロの言葉を聞くティファは、会った事もないシャアやララァの事がわかってしまう。
それが幸か不幸かまだわからない。
ティファが今1番に考えるのはガロードの事とフォートセバーンに居るであろうニュータイプの事だ。
「どうしてそんな事を聞く?」
「予知夢を見ました。このままではガロードは負けます」
「相手がニュータイプだからか?」
「そうかもしれません。ガロードにはもう、傷付いて欲しくない……」
「それは違うぞ、ティファ」
不安気に言う彼女にアムロは諭すように語り掛ける。
年長者だからと言って年下の、それも少女に教えられる事などたかが知れてるが、それでもアムロはできる事を言葉で伝えた。
「キミの感情を俺が肩代わりしてガロードに伝える事なんてできない。そこには必ず誤解が生まれる。そんな事はティファの思う所でもない筈だ。年上の戯言として今は聞いてくれれば良い。大人になれば言葉を交わして意思を伝えるのを面倒に感じるヤツもいる」
「言葉を……交わす……」
「どこまで行こうとも人間だって生命体だ。コミュニケーションができなければ他人と行動を共にする事も無理だし、触れ合う事でより深く相手を感じられる」
「ガロードとそれができる? ニュータイプだからではなく、私が私として」
「そうだな」
今までに会話したアムロの言葉の一端を理解するティファ。
けれども2人の会話も束の間、艦内に警告音が響き渡る。
瞬時に反応するアムロは戦闘が始まると予想して、ブリッジではなくモビルスーツデッキに向かおうと足を動かした。
「それとさっきの話だが、戦闘になれば状況は目まぐるしく変わる。俺もガロードだけを見てる訳にもいかない。後はアイツのセンスに任せるしかない」
言うとアムロは部屋から走り去って行く。
残されたティファはガロードの無事を信じて待つ事しかできない。
戦闘態勢に入るフリーデン。
ブリッジでは接近して来る敵機をレーダーとカメラで確認した。
「敵機16機を確認、早い!? このままでは砲撃の射程距離をすぐに抜かれてしまいます!!」
「ガンダム発進だ!! 正面にはアムロを付けろ」
ジャミルの指示を受けてモビルスーツデッキからガンダムが発進する。
ウィッツとロアビィは左右に別れ、ガロードとアムロはフリーデンの正面に出た。
降雪戦ではあるが、キッド達メカニックのお陰で機体は問題なくスムーズに動く。
パイロットでは年長者であるアムロは通信を繋げる。
「良し、ウィッツとロアビィはそのまま左右からの敵機を押さえるんだ。俺とガロードで正面を叩く」
「ジャミルなら兎も角、なんでアムロに指示されなきゃならねぇんだ?」
「別に良いじゃないの。動きとしては間違ってない」
「でもよ!!」
「報酬の分はキッチリ仕事しないとね。そら、敵さんのお出ましだ!!」
ウィッツの疑問も晴れぬまま、雪の奥から敵は現れる。
地上戦専用機として新たに開発、生産されたその機体はスノーボード状のオプションパーツで雪上を素早く駆け抜けた。
ジェニスにも似た敵機『ジュラッグ』はマシンガンを構え、フリーデンを囲みこむようにして攻撃して来る。
「雪だろうと何だろうと、空を飛べるエアマスターの敵じゃねぇ!!」
両手にビームライフルを構えるエアマスターは迫り来る敵軍に目掛けてトリガーを引く。
雪上を如何に高速で移動できようとも、頭上を取るエアマスターは有利な立場にある。
弾丸の雨を掻い潜りながら敵機にビームを直撃させた。
「オラオラッ!! もっと来てみろ!!」
有利な状況を確保したまま、ビームライフルによる攻撃を続ける。
また1機、頭部を撃ち抜くと同時にダメ押しでコクピットにもビームを直撃させた。
ロアビィのレオパルドも地上を脚部ローラーで高速移動しながら、左腕のインナーアームガトリングで敵機を蜂の巣にする。
全身に施された武装からは絶え間なく薬莢が吐き出され、敵部隊の侵攻を許さない。
「悪いけど、こっから先はノーチャンスだ。近づくなら叩き潰す!!」
銃口が火を噴く。
2機、3機と弾丸が装甲を貫き、ミサイルが機体を吹き飛ばす。
敵機からもマシンガンの反撃を受けるが脚部ローラーを駆使して避けるレオパルド。
更に、固い装甲はこの程度の攻撃は簡単に弾き返す。
「イイ感じに仕上がってる。ソラソラッ!!」
雪上でも関係ないとロアビィはトリガーを引き続ける。
前方に位置したアムロとガロードも迫り来る敵軍を迎え撃つ。
GXで初めての雪上戦にまだ不安を覚えるガロード。
「早速敵のお出ましかよ。シミュレーターもまだ全部終わってないって言うのによ」
「心配するな、俺もだ。雪に足を取られないようにホバーリングで移動しろ。出力は合わせてある筈だ」
「ホバーリング? こうか」
リフレクターからエネルギーを放出するGXは地上を滑るようにして移動を開始し、ジュラッグに照準を合わせてトリガーを引く。
だがビームは無情にも機体が通り過ぎた後の雪へ直撃し、衝撃と水蒸気が広がる。
「早い!? 雪の上なのに!!」
「慌てるな、ガロード。相手の動きを見て柔軟に対処するんだ」
「そんな事言っても!!」
「お前のセンスならできる。もういつミノフスキー粒子が散布されてもおかしくない。後はお肌の触れ合い回線で伝える」
「と……みの……何だって?」
言うとアムロのドートレスもメインスラスターから青白い炎を噴射して前に出る。
装備しているのはいつもと変わらず標準的なビームライフルとビームサーベル、左腕にミサイル付きのシールドをマウントしただけだ。
銃口を向けるアムロは相手が旋回する瞬間を狙う。
「モビルスーツ程の重量が動けば減速は避けられない。それも重力のある雪上だ。そこッ!!」
アムロの狙いは正確だ。
狙い通りに、ボードに乗った機体が旋回するその時にビームライフルのトリガーを引く。
直線での移動は早いが機体本来の運動性能は発揮できない。
ビームは機体の胴体を貫く。
「ふたつ!!」
瞬時にターゲットを切り替えるとまたトリガーを引いた。
初めてのモビルスーツが相手でも基本的な部分は変わらない。
卓越した技能と先読みで次はコクピットを撃ち抜く。
倒れる機体は白い雪の中に埋もれて姿が見えなくなる。
けれども敵の数はまだ多い。
3機の編隊がドートレスの正面から迫るが、アムロは冷静に状況を読み取りシールド裏のミサイルを発射する。
4発あるミサイルは一直線に敵へ向かうが、装備したマシンガンがコレを撃ち落とす。
直撃する手前で弾丸に貫かれるミサイルは爆発を起こし炎が視界を遮る。
それでも1発だけ残ったミサイルは地面へと激突し爆発を起こす。
「しまっ!?」
「貰ったぞ」
1機のジュラッグが爆発により姿勢を崩し浮き上がってしまう。
その隙を逃すアムロではない。
ビームはボードを貫通して胴体に直撃する。
機能不全に陥るジュラッグは着地もままならず地面ヘ落ちた。
高速で接近して来る残りの編隊。
1機は前衛に回り、もう1機は後方からマシンガンのトリガーを引く。
ペダルを踏み込むアムロはホバーリングで攻撃を回避しつつ、ビームサーベルを構えて突っ込んで来る敵機も見る。
「流石に早いな。だが当ててみせる」
「ガンダムタイプでもない相手に2機が落とされた!? ここから先は通さん!!」
「ここでは俺達の機体の方が有利な筈だろ!!」
後方の機体がスラスターを吹かし加速、同時に雪上からジャンプして上方からドートレスを狙う。
だが空中にジャンプしたその瞬間、機体は重力に引かれ物理法則に支配される。
地上用に開発された機体が空中で自由に動ける筈もなかった。
「迂闊過ぎる!!」
相手の攻撃が届くよりも早く、ビームはコクピット部に直撃した。
けれども立て続けにもう1機がビームサーベルを握り迫る。
「沈めェェェッ!!」
「やられるか!!」
ビームサーベルで袈裟斬り。
切っ先は装甲を捕らえる事はなく空を斬る。
アムロのドートレスは攻撃を回避する為に前方目掛けジャンプ、脚部は相手モビルスーツの頭部を踏みつけた。
重たい重量がのしかかり首の関節から配線のスパークが上がる。
「な、何をした!? メインカメラ!?」
砂嵐の走るモニター。
数秒ではあるが視界が効かなくなるジュラッグは動きが散漫になってしまう。
次の瞬間には背後からビームライフルで撃ち抜かれ、機体は力を失い雪上に転げ落ちる。
「機体を過信し過ぎればこうもなる。前方からまだもう1機来るのか? 早いぞ」
ジュラッグとは違う新たな機体がアムロ達の前に迫りつつある。
エネルギー残量を確認してペダルを踏み込もうとするが、GXのガロードから通信が入った。
「アムロ、こっちも2機倒した」
「通信だと? ミノフスキー粒子は撒かれてないのか? ガロード、もう1機来るぞ」
「えっ!? だったら俺が前に出る!!」
「待て、迂闊に前に出れば――」
「アムロにばっか頼ってられない、俺にだって!!」
アムロの静止も聞かずガロードはGXで前に出た。
急いで追い掛けようとするも、まだフリーデンを囲む敵は居る。
持ち場を離れる訳にもいかず、ガロードの先行を許してしまった。
「今のガロードでいけるか? それにしても、ミノフスキー粒子が撒かれない事が気になる。ジャミルは何をしてる」
感じていた違和感が心の中で膨れ上がる。
けれどもアムロがその事に気が付く事はまだなかった。
///
ティファはフリーデンのブリッジに走る。
口から大きく息を吸って、減速する事もままならないまま扉を押し開けた。
そこに居るクルーは突然現れた彼女に驚きを隠せない。
「ティファ!? どうしてこんな所に来てんの?」
「今は戦闘中です。危険だから部屋に戻って」
「あの子、あんな風な事もするのか」
トニヤとサラは彼女がブリッジに居る事を止めさせようとする中で、シンゴだけは聞こえないくらい小さな声で呟いた。
でも彼女はその言葉を聞き入れず、シートに座るジャミルの元へ駆け寄る。
「お願い、ガロードを呼び戻して!!」
「ガロードを?」
「はい、あの人が来ます」
「あの人……ニュータイプが敵になるか」
ブリッジに緊張が走る。
想定した中で最悪の状況に対面しジャミルの目付きが変わった。
「機体の性能差だけで覆せる程ニュータイプは甘くない。アムロはどうした?」
「他の機体が邪魔になってすぐには動けません。今離れられるとフリーデンの防御が手薄になります」
「ガロード1人でいけるか……」
Gレコをどう使えば良いのか未だに思い付かない。
活動報告でコメントしてくれたようにISしかないのか……
でもUC×閃ハサもやりたいからなぁ、悩みモノです。
ご意見、ご感想お待ちしております。