『闇の魔術に対する防衛術』の教師に至っては授業をしている先生がほとんどいない。
授業内容を考えるのに苦労しました
「いた、彼がバーソロミュー・フラメルよ」
「随分と偉そうにしてるな」
「彼はそうできるだけの功績があるもの」
「でも本当に偉大な人は大抵、偉そうにしないぜ?校長もそうだし、さっき見て来たハリー・ポッターも謙虚だった」
「そうやって批判ばかりして、あなたも随分と
「どうかな。校長とあいつの祖父の仲の良さは有名だ。カエルチョコレートのおまけに乗る位な。そのよしみで手柄を譲っただけかもしれないぜ?それに、これまでの功績にしたって怪しいもんだ」
朝食を済ませ、ダンブルドアが話を終えた後大広間からでるとそんな声と共にバーソロミューに視線が集まった。
尤も、それは最初のうちだけだった。
ホグワーツの摩訶不思議な階段と廊下、扉やゴースト達のせいで一年生たちは教室に向かうだけで精いっぱいになった。
しかしバーソロミューは城の仕組みの大半を理解していたし、そもそもこの城を作ったレイブンクローがいたのであっという間に教室にたどり着いた
「おお、随分と早かったですねミスター・フラメル。大半の一年生は遅刻寸前で駆け込んでくるのですが。初日からこれだけ早くたどり着けたのは貴方が二人目ですよ」
バーソロミューが最初の授業である『妖精の魔法』の教室に行くと、レイブンクロー寮の寮監でもるフリットウィック教授がキーキー声で出迎えた。
非常に背の低い教授で、授業の際はいつもを本を積んだ上に立って教鞭をふるっている。
今はちょうど本を積む真っ最中のようで、無数の本を浮かして集めていた
「そしてこれで三人目と四人目だな」
一体いつからそこに居たのか。
彼が立っている場所から二歩程下がったあたりの位置に、いつの間にか二人の美しい女生徒が立っていた。
彼女達はニッコリ笑って一礼した
「ミス・フラメル達もいましたか、これは失敬」
「「構いません」」
アンとメアリーは口を揃えていった
「「それより教授、お手伝いさせていただいてもよろしいでしょうか?」」
「おお、ありがとう。ではこの羽根を各机に置いてもらえるかな?」
「「かしこまりました」」
二人はフリットウィックから生徒の数と同じだけの羽を受け取ると、一つ一つ丁寧に机に置いていった。フリットウィックは早速、二人の事が気に入った。
やがて兄や姉がホグワーツに通っている一部の生徒達が教室に到着し、その後フリットウィックの話通りほとんどの生徒達が遅刻ギリギリで駆け込んできた。中には遅刻してしまう者もいたが、恒例の様でフリットウィックは特に気に留めなかった。
流石レイブンクロー生というべきか、来た順から競うように授業の聞きやすい前の方の席に座っていった。
バーソロミューはというと、最前列のど真ん中でふんぞり返っていた。両脇にはアンとメアリーをはべらせている
「みなさん、今日は最初の授業ですので、『妖精の呪文学』及び『呪文学』とは何か?どうやって勉強すればいいのか。予習復習の仕方、授業の流れと受け方、卒業に向けて合格すべき試験。『妖精の呪文学』及び『呪文学』がどの職業に就くために必要なのかを話します」
その後、フリットウィックが丁寧に説明していき、生徒たちはひたすらフリットウィックの言葉を羊皮紙に書き込んだ。
まず一年次は、簡単で魔法使いとして生きるのに必要最低限必要だと魔法省が定めた呪文のみを扱う『妖精の呪文学』を教えるらしい。そして二年次から教える『呪文学』はフリットウィックが知っておくと便利だと思う呪文を中心に、『O.W.L』によく出る呪文を習う。
レイブンクロー生は研究家などの専門職を目指す人が多く、そういった人たちは『N.E.W.T』までの『呪文学』を取る必要がないのだそうだ。というより、『N.E.W.T』レベルの『呪文学』は大変難しいらしく、呪文学をメインに据えた人や闇祓い局や魔法省に勤めようとする人以外はほとんど取ることがないという。
その後40分ほどかけて、フリットウィックは予習復習と授業の受け方について話した。
といっても何も特別なことではなく、予習は呪文の練習はいいから教科書を読むようにとか、復習は習った呪文を普段の生活で使えば一年生の間はそれでいい(例えば手が届かない棚の上のモノを取る時台座を使うのではなく『浮遊呪文』を使うなど)とか、授業中疑問に思ったことはメモしておいて授業後聞いたりフクロウ便を送ってくれとか、言ってしまえば当たり前に事だ。
しかし、何事においても大事なのは基礎だ。それは魔法であっても変わらない
「それではみなさんおまちかね、いよいよ呪文を教えていこうと思います」
フリットウィックの言葉に生徒達が沸き立った。
他の寮と比べて座学が好きなレイブンクロー生だが、流石に文字を書くよりかは呪文を学ぶほうが好きなようだ
「先ずは『浮遊呪文』を教えます。呪文を知っている人はいますか?」
全ての生徒が手を挙げた。
『浮遊呪文』は教科書の最初に書いてある呪文だ。流石に、1ページ目すら開いてない生徒はレイブンクローにはいなかった。のだが……
『バーソロミュー、『浮遊呪文』とは何ですか?』
(おいおい、こいつマジでいってんのか?)
誰であろう、ロウェナ・レイブンクローその人だけが『浮遊呪文』を知らなかったのだ。
授業中なので声は出せないが、バーソロミューはすぐにでもレイブンクローを問い詰めたくなった
「それでは、ミス・フラメル……は二人いましたね。ではメアリー嬢答えてもらえますか?」
フリットウィックは早速、お気に入りの生徒を当てた様だ。
他の寮では授業で当てることは嫌がらせになるが、レイブンクローでは自分の知識をひけらかす良い機会となる
「『ウィンガーディアム レヴィオーサ 浮遊せよ』です」
「よろしいよろしい!ではアン嬢、杖の振り方はわかりますか?」
呪文を唱えるとき、その発音も大事なのだが杖の振り方も同じくらい大事なのだ
「“ビューン ヒョイ”!」
アンは口で言いながら、実際に杖を振って見せた
「結構結構!二人とも大変良くできています、一人二点ずつ上げます!それではみなさん、次の授業では理論を詳しく説明します。教科書を読んでおいてください」
フリットウィックがそういったちょうどのタイミングで、チャイムが鳴った。
生徒たちは『ビューン ヒョイ』と言いながら杖を振ったり、呪文の発音を確認しながら次の授業の教室へと向かっていった。
バーソロミューは人目に付かないよう注意しながら、手ごろな空き教室に入った
「さっき面白い事を言っていたな『浮遊呪文』を知らないだと?」
『ええ、言いました。『ウィンガーディアム レヴィオーサ 浮遊せよ』という呪文も初めて聞きました』
「……お前は何の呪文なら知ってるんだ」
一瞬冗談を言ってるのかと思ったが、どうも違うらしい。
しかしそうなると、最も初級な呪文である『浮遊呪文』を知らないことになる。これはつまり、レイブンクローが無知、ということではなく
『私が知っている呪文は7つですね』
(やはり、昔と今では魔術の体系が大きく違うようだな)
考えてみれば当然のことだ。人類はたった数年ですら大きな進歩を遂げる。
10年違えば常識が変わり、100年違えば時代が変わり、1000年違えば世界が変わる。
当然、魔術も大きくと異なるだろう
『サラザールが5つ。ヘルガとゴドリックは4つでしたね。7つもの呪文を使うことが出来たのは、歴史上でも私だけでした』
そうレイブンクローはドヤ顔で言った
『バーソロミューはいくつ扱えるのですか?私の時代から、一体いくつ位呪文が出来たのか興味ありますね』
「俺様が扱えるの呪文の数は1394だ。それと、今の魔法界には4385の呪文が存在してる」
『……は?』
* * *
『──というのが私たちの魔法でした』
「ふむ……。俺様の知る魔法より強力だが、扱いずらそうだな」
レイブンクローの時代の魔法はいわば、
まず『
そして恐らく、現存する4385すべての呪文がこの10つの『
例えば『
いや、逆か。
『攻撃魔法』を分解して『武装解除呪文』や『失神呪文』を作ったというべきか。
他にも『呼び寄せ呪文』や『浮遊呪文』は『操作魔法』と呼ばれていた『
『操作魔法』はその名の通り、あらゆるものを操作する魔法だ。浮かせることもできるし、飛ばすこともできるし、複雑な動きをさせることもできる。
ホグワーツの無駄に複雑な廊下や階段を動かしてたのは、たった1つの呪文だったわけだ
何故そんな強力な『
10つの魔法が分かれて4385つになったのだから、単純に考えて『
存在する魔法が『
「貴様、現代魔法にして3069,5つ分もの魔法を習得しているのか……」
歳がまったく違うとはいえ、1394つの俺様は『
『どうです、私の凄さが分かったでしょう!……あれ?』
とドヤ顔のレイブンクロー。しかし、いつもの
「……ああ、認めようレイブンクロー。俺様の技量は貴様に劣る、大きくな」
『あれ、え、ちょっと本当にどうしたんですか?本当に私に何もしないんですか、ねぇ』
普段と違うバーソロミューの様子に、レイブンクローはついにおたおたとしだした
「まったく、やっと錬金術師として
『バーソロミュー……?』
突如大笑いしだしたバーソロミューに、レイブンクローは怪訝な顔をした
「これは“未知”だ!感謝しよう、レイブンクロー。貴様のおかげで俺様が辿らなくてはならない道が増えた」
バーソロミューの紫色の瞳は、新たな“未知”への欲望に燃えていた
* * *
最初の今までは授業の日から実に3日が経った。それまでは錬金術に重点を置き学習をしていたが、その日からバーソロミューは新たな呪文を覚えることを重点に置いた。
具体的に言うと日に錬金術の学習16時間、呪文の学習4時間だったものを錬金術の学習6時間呪文の学習14時間とした
「『ウィンガーディアム アクシオ 本よ浮遊して来たれ』」
バーソロミューが杖が振るうと、本がバーソロミューの方へと飛んできた後空中で静止した。
何かに当たるまで呪文を唱えた者の方へと飛ぶ『呼び寄せ呪文』と、ただその場で浮くだけで横の動きのない『浮遊呪文』が見事に混ざり合っていた
「やっと成功か……」
「おめでとうございます」
メアリーはバーソロミューの額に浮かんだ大粒の汗をぬぐいながら労いの言葉をかけた。アンは30冊ほどあるバーソロミューの横に積まれた本を所定の場所に運んでいる。
この呪文を成功させるまでに、実に30回もの失敗をしたということだ
「次は『運搬呪文』を加えるか」
バーソロミューは一度覚えたことを忘れない。つまり、一度でも呪文を成功させてしまえば復習せずとも永遠にその呪文を使うことが可能だ。
一度でも成功すればすぐに次の呪文へ、このメリットは大きい。しかし、バーソロミューは中々次の呪文に移れないでいた
「『ウィンガーディアム アクシオ ロコモーター・ブック 本よ浮遊し移動して来たれ』」
本は30センチほどバーソロミューの元へと動いたものの、空中で止まってしまった。
これは『浮遊呪文』に使った魔力が他の呪文と比べて多すぎたため、『浮遊呪文』が他の呪文を追い出してしまったのだ。
上手く呪文を組み合わせるには、各呪文に均等に魔力を割り振らなければならない。
実はこれが非常に難しい。
分かり易く言うなら、これはパンチングマシーンを三つ並べて左右の拳と頭で同時に殴り、同じ値を出すようなものだ。その際どうしても利き腕の力が強くなってしまうように、『浮遊呪文』のような簡単な呪文につい多くの魔力を込めてしまう。
『
「久々に出来る気がしねえな」
四十二度目となる三つ同時呪文の失敗に、バーソロミューは初めて少し疲れたような顔をした
「お休みになりますか?」
メアリーが膝を叩きながら言った。『お望みなら、膝枕しますよ?』という意味だ。
バーソロミューはその魅力に少しグラついたが、すぐに気持ちを持ち直した
「いや、いい」
「かしこまりました」
メアリーは少し残念そうにしながらも、大人しく引き下がった。アンはそれを見て、クヒヒと笑っている
バーソロミューはそんな二人を見ながら昔のことを思い出していた。アンとメアリーを
(あの時に比べれば、今の方がいくらかマシ、か)
人は、一度地獄を経験すれば慣れるものだ。
結局この日、バーソロミューは5つまで同時に呪文を唱えることに成功した
* * *
「今日は『闇の魔術に対する防衛術』だ……」
「朝から最高のニュースをどうも」
バーソロミューがホグワーツに来て最初の金曜日の朝、そんな会話が聞こえてきた。
ハッフルパフ生とグリフィンドール生からのスネイプに対する評価は最悪の一言に尽きるが、実はレイブンクロー生からの評価はそこまで低くない。
スネイプは確かに嫌味な性格だし、授業は難しい。しかし知恵を求めるレイブンクロー生にとって教師の性格など二の次だし、授業が高難易度であればあるほど燃えるのが彼等だ。
そんなわけで、意味のない授業をするピンズなどと比べたら格段に評価が良かった。のだが、ここ最近のスネイプは授業を掛け持ちしているせいかなんなのか、兎角とてつもなく機嫌が悪かった。特にグリフィンドールの一年生の授業があった日からそれは顕著で、スリザリン生ですら近づかない程だった。
そして今日は新レイブンクロー生の最初の『闇の魔術に対する防衛術』の授業なのだ
そんなわけでレイブンクローの一年生が妙な緊張感に包まれながら朝食をとっていると、大量のフクロウがやってきた。
マグル生まれは勿論の事、これほど沢山のフクロウを見るのは魔法族の子供も初めてだったので唖然としていたが、流石にもう慣れたものだった。それどころか、好きな人のフクロウをこっそり盗み見ておき、次大広間に来た時にフクロウにパン屑をあげて話のきっかけを作る強者がいたくらいだ。
そしてバーソロミューはというと、毎日ひっきりなしにフクロウが来ていた。
共同研究の誘い、ボーバトン及びダームストラングからの編入の勧め、お見合いの誘い、日刊預言新聞からミニコラム掲載の依頼、新たな錬金術の教科書の作成依頼、錬金術の依頼、ニコラスへの面会の申し出、恨みが書かれた不幸の手紙、吠えメールなどが毎日計30通以上届けられていた。
バーソロミューはそれらの送り主だけ見ると、すぐに捨てていた。しかし今日は一通だけ手紙を開いた。
そこにはたどたどしい字で、こう書かれていた
『親愛なるバーソロミュー
金曜日の午後は授業がないはずだね。よかったら三時ごろお茶に来ませんか?
君の最初の一週間がどんなだったか聞きたいです。それと、君がきっと見たこともないものを用意しています。
そのフクロウに返事を持たせてください
ハグリッド』
バーソロミューはアンに羽根ペンと羊皮紙を用意させ『参加、楽しみにしておく』とだけ書いてフクロウに手紙を渡した。
実は、バーソロミューにとってハグリッドは中々興味深い人物だった。まずその骨格が人間とは大きく異なることもそうだが、彼が手懐けている動物はまだその飼育方法が確立されていないモノが多かった。
尤も、そのせいで多くの生徒から恐れられているのだが
バーソロミューはハグリッドから以外の手紙を全て処理し終わると、早速『闇の魔術に対する防衛術』の教室へと向かった。
何故こんなに早くに行くかというと、そうしなければ最前列に座れないからだ。スネイプとマクゴナガルの時は早くに席が埋まってしまうのだ。
それは二人が慕われているから、ではなくスネイプとマクゴナガルは遅刻した者に容赦なく罰則を与えるからだ。まあスネイプはスリザリン生は見逃すことがあるが。何にせよ、スリザリン生ではないレイブンクロー生は、罰則を受けたくなければ早くに教室に行くしかない
事実、バーソロミューが最も早く教室に付いたことは変わらないが、次の生徒が入ってくるのが他の授業と比べて圧倒的に早かった。その後順調に生徒達は教室にたどり着き、授業が始まる前に全員が着席した。
しかし、肝心のスネイプが来なかった。やがてチャイムが鳴ると同時に、ギリギリでスネイプが滑り込んできた
「諸君。おでき薬を作る際は大鍋を火から降ろさないうちに、山嵐の針をいれてはならん。でないとロングボトムのように悲惨
なんだかよくわからないが、そのロングボトムという生徒のせいでスネイプが輪をかけて不機嫌になったという事だけはわかった。
おでき薬の調合に失敗し、悲惨
スネイプはレイブンクロー生が件のロングボトム少年に悪い印象を持ったことに少しだけ満足すると、ねっとりした黒髪をかきあげながら出席を取った。
バーソロミューのところで少し止まりかけたが、順調に出席名簿は埋まっていった。どうやら、きちんとレイブンクローの一年生全員が出席しているようだ
「『闇の魔術』は多種多様、千差万別、流動的にして永遠なるものだ。それと戦うということは、多くの頭を持つ怪物と戦うに等しい。首を一つ切り落としても別の首が、しかも前より獰猛で賢い首が生えてくる。諸君の戦いの相手は、固定できず、変化し、破壊不可能なものだ」
(ほう)
バーソロミューは感心した。
何分、『魔法薬学』と『闇の魔術に対する防衛術』の二教科を兼任しているスネイプが抱えているクラスの数は半端ではない。
4寮×7学年×2教科=56クラスもの授業を受け持っていることになる。にもかかわらず、さっさと黒板を写すだけの授業に入らずに、こうして生徒の気を惹くための前口上から入ることは中々に出来ることじゃない、とバーソロミューは思った
「諸君の防衛術はそれ故、諸君が破ろうとする相手の術と同じく、柔軟にして創意的でなければならぬ。これらの絵は──」
絵の前を速足で通り過ぎながら、何枚かの絵を指さしていく。
それが一体何の絵なのか理解した何人かの生徒達は、鋭い悲鳴をあげた
「左様。これらの絵は術にかかった者たちがどうなるかを正しく表している。『磔の呪い』、『亡者の攻撃を受けた者』、そして最後に──『吸魂鬼のキス』。もうすぐ、クィレルめが施行される予定の御業だ」
スネイプは愛撫するように言い、一枚の絵を指さした。
壁に寄りかかり、ぐったりとする魔法使いが描かれている。
その絵は一般的な魔法使いの絵と異なり、動いてはいないただの絵だったが、何か不気味な魔法がかかっているかの様だった
「安心したまえ。我輩の教えをキチンと学び、決められたルールさえ守ればこれらとは無縁の生活を送れるだろう。尤も、守れなかった者には保障しかねるが」
生徒達はゴクリと唾をのんだ
「では授業を始める。教科書第4ページを開き給え」
最初の3ページは目次と前書きであるため、実質1ページ目だ。
内容は初級の『盾呪文』についてだった。杖の振り方(突き出すようにではなく、窓を拭くようにと書かれている)と呪文の発音、それから初級の『盾呪文』で防げる呪文とそうでない呪文が書かれていた。
スネイプは『盾呪文』を実際にやって見せた後、理論を説明した。
生徒たちはそれを羊皮紙に書き写し、次回までに暗記してくるように言われた