魔女の住む町
作者:

原作:ARIA
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「めっきり春だねぇ」

「そうよ、春なのよ!」

 パリダの町にもようやく春が訪れ、花々が我先にと花を咲かす頃…
とある昼下がりローゼ達4人はブルーベルの四阿(あずまや)でティータイムをしていた。

「そう言えば、ローゼ先輩。昨日寝坊したらしいですね」

「へっ、ななななんでセレンちゃんがそれを……?!」

「アリス先輩から聞きました」

「ルシアさんだあぁ」

 春はとにかく眠い……春のぽかぽか陽気に誘われて、二度寝をしてしまったローゼはすっかり寝坊をしてしまったのであった。

「んなこと言って、現在進行形で眠り姫してるのもいるけどね」
 
サフィニアは声量を落としつつ、隣で転寝をはじめたリリーを指さしながら、いたずらな笑みを浮かべた。

「気持ちよさそうだねぇ」
 
 その寝顔に和むローゼ……
 
「シャラープッ! 春は1年の始まりまのよ!気合を入れこそすれ、欠伸をしている暇なんてないのよ!」
 
「ふぁ~」 
 
「こりゃローゼ!言ってるそばから欠伸禁止!」

「えぇー、だって春は欠伸だって出ちゃうよぉ」

「そう言うサフィ先輩だって、さっき大あくびしてたじゃないですか」

「うなっ!なじぇそれを……」
 
 麗らかな太陽の光と、頬をなでるそよ風。それに揺れる草花のかすれる音。
 春はとにかく眠い。それもパリダの春を彩る一色なのかもしれない……

 ローゼは微睡ながら、思い出す……1年前、はじめてパリダの町に降り立った日のことを……


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