機動戦士ガンダム Mirrors   作:ウルトラゼロNEO

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火蓋を切って

 影二達の第一試合から始まったジャパンカップ本選は着火剤となったかのように熾烈にして苛烈を持ってまさに大熱戦を繰り広げられていた。

 

「こいつでっ!!」

 

 それはこの試合も例外なく当てはまる。

 コトの兄であるジン率いる北海道代表と裕喜(男)率いる愛知県代表が宇宙を舞台に戦闘を繰り広げていた。ビームジャベリンを突き出すレーゼンに対し、ジンのユニティーエースはGNソードⅤの切っ先で弾いて、そのまま近づいたレーゼンを蹴り飛ばす。

 

「ファンネル!!」

「なら……!」

 

 吹き飛ぶレーゼンは素早くファンネルラックからファンネルを射出すると、ユニティーエースも素早く対応し、自身のバックパックからスーパードラグーンを射出し縦横無尽に動き回るファンネルは無数の線を描きながら撃ちあいを始める。

 

 その近くではサヤのジョイントエースと春花のストライクレイス(チェイスパック)もまた激しい弾幕を張り、互いに被弾を与えない。

 

「射撃でダメなら……っ!!」

 

 このままではエネルギーを消耗するだけのジリ貧だと考えた春花はバックパックのエネルギービーム砲と大型レールキャノンをけん制で発射しながら近づくとビームサーベルを引き抜いてジョイントエースに接近戦を仕掛ける。

 

「私だって接近戦は出来るんです!!」

 

 すぐさま接近戦の為にビームサーベルを二本引き抜いて迎えうつ対応の速さを見せたジョイントエースはストライクレイスとそのまま剣劇を繰り広げ、その激しさを物語るように周囲にはスパークが起きる。

 

 だが、それも長くは続かない。

 鍔迫り合いへと発展したジョイントエースとストライクレイスだが、ジョイントエースの腰部のレールガンがすぐさま発射され、ここで初めてストライクレイスのコクピット部分が被弾する。

 

「うそっ!?」

「私の勝ちですっ!!」

 

 僅かに距離が空いたのも束の間、ジョイントエースはバックパックの高エネルギー長射程ビーム砲を被弾した箇所にバーニアを全開して勢いを持って突き刺し、そのままトリガーを引いてストライクレイスを撃破する。

 

「春花がやられた! ?クソッ!!」

 

 ストライクレイスの撃破を確認し、歯を食いしばる裕喜(男)。

 形勢はこれで2対1。誰がどう見た所で自分達が不利であることなぞ分かりきっていた。

 だがそれでも諦めるわけにはいかない。このまま無様に負けるわけにはいかないのだ。

 

「くっ!?」

 

 ピーコック・スマッシャーとディバイダーのハモニカ砲によってビームを一斉発射すると、すぐさま反応して避けるユニティーエース。だがその回避ルートを予想していたレーゼンはすぐさま2つの6連装ミサイルポットを発射する。

 

 これに関しては流石にジンも対応しきれなかったのだろう。

 苦虫を食い潰したような表情でシールドを構え、損傷を少なくするように努めると、直後、無数のミサイルはユニティーエースに直撃する。

 

「やれたか……?」

 

 ミサイルの直撃によって爆風が起きてユニティーエースを確認する事は出来ない。

 爆風の隙間からユニティーエースを確認しようとする裕喜(男)だが……。

 

「やるな……。だが勝つのは俺だ……ッ!」

 

 爆風からアンカーが飛び出すと、そのままレーゼンを拘束する。

 そのまま爆風から飛び出したユニティーエースはすれ違いざまにGNソードⅤで切り裂き、レーゼンを撃破する。これによって北海道代表の勝利が決定するのであった。

 

 ・・・

 

「くっそぉっ!!」

「……また頑張ろ? ね?」

 

 ガンプラバトルシミュレーターから出てきた裕喜(男)は悔しさから頭を抱えると、春花も悔しさを感じながらでもまた次の機会に賭けるために彼を励まし、対戦相手であるジン達に軽く会釈して二人で去っていく。

 

「勝てたね」

「俺がミサイルの海に飲まれた時は冷っとしたんじゃないか」

「ううん、絶対に勝つって信じてたから」

 

 自分達も会釈をしながら見送ると、サヤが勝利を喜ぶ。

 勝利を喜ぶのはジンも同じなのか微笑を浮かべながら軽口を言うと、サヤは本当に信じていたのだろう。微笑みを向け、ジンの腕に絡みつき、二人で去っていくのだった。

 

 ・・・

 

「うっぜ」

 

 その様子を控室のモニターから試合共々見ていた我らがボッチ、一矢は露骨に顔を顰めて舌打ちしていた。あぁやって無意識に見せつけられるのが嫌いなようだ。

 

「うっぜうっぜうっぜえぇぇぇぇ……!!! はああぁぁぁぁ……っっっ!!! ……ヤルゾボケガ」

「まあまあ愛があってわしは良いと思うがのぉ。そういう訳でお嬢さん、わしらも愛を深めてみないかの?」

「は?」

 

 今にも呪い殺すかのように体育座りの血走った凝瞳でモニターを見ている一矢を嗜めながら厳也は近くにたまたまいたシアルにナンパを始める。

 

「あだだだだだだぁっ!!?」

「アンタって本当に所構わずよね!! この駄犬也ぁっ!!」

 

 シアルが何か言う前に文華が抉るように厳也の耳たぶを掴みながらその耳元で怒鳴り声を張り上げる。

 どうやらここでナンパを始めたのはこれが初めてではないらしく、近くでは秋田県代表の小夜が怯えた目で厳也を見ていた。

 

「咲ちゃんも何か言ってやりなさいよ!」

 

 厳也を解放し、耳たぶを抑えて唸っている厳也に好意を寄せているのを知っている咲に文華が何か文句の一つでも言ってやれと勧めるのだが……。

 

「咲ちゃん……?」

 

 咲は何か考えるように厳也を見つめている。

 その様子を見て、文華は怪訝そうに咲の名を呼びながら覗き込む。

 

「あっ、いえ!? な、なんでもないです……」

 

 覗き込むように文華が見てきたことで我に返った咲は挙動不審になりながらでも何とか答えるが、あからさまなその様子に文華と厳也は不思議そうに顔を見合わせる。

 

≪間もなく彩渡商店街ガンプラチーム対土佐農高ガンプラ隊が始まります。各当チームは準備してください≫

「さっ、無駄話はそれまでや。目先の事に集中し」

 

 するとアナウンスが控室全体に響き渡る。

 

 いよいよだ。

 今までリア充絶対呪殺マンになっていた一矢や戯れていた厳也の表情も変わり、更に試合に意識を向けるように珠湖が手をポンポン叩きながら促す。

 

「ええか? 今の自分に出来る全てをぶつけるんや。気張ってな」

「「「はいっ」」」

 

 そのまま顧問として愛する生徒達に激励を送ると、厳也達もまた力強く応え、それぞれが準備を進める。

 

 出場口にそれぞれのチームが向かうなか、不意に一矢と厳也は目を合わせる。

 互いに何も言わない。だが既に両者の間にはバトルが始まっているのだろう。ただ全力で、互いにそう頷き合いながら向かっていく。

 

 ・・・

 

「雨宮君! 雨宮君っ!!」

「なにこのただのファン」

「ほっといてやれ」

 

 いよいよ一矢達が姿を現した。

 途端に真実が気付いて手を振って黄色い歓声を送って手を振る。

 

 流石一時期、病むほど一矢に執着していただけある。そんな真実の様子に頬を引き攣らせる勇に溜息をつきながら拓也は一矢達を見る。

 

「どれだけ強くなったのか見物だな」

「うん、期待してる」

「私達に勝ったんだからね!」

 

 また違う観客席ではユーリ、ヴェール、未来の姿もあった。

 リージョンカップからそれなりに経っている為、こうしてジャパンカップで全力を見せるであろう一矢達に期待の眼差しを送る。

 

「果たして、この試合どう転ぶかな」

「誰が勝利の栄光を手にするか、私も気になっているよ」

 

 アムロやシャアもまた彩渡商店街と土佐農高ガンプラ隊のどちらが勝つのか、固唾を飲んで見守っている。

 どちらが勝つのか、分からないのがガンプラバトルだ。それが例え覚醒の力を秘めていたとしてもだ。

 

「……イッチ」

 

 隣の秀哉達が一矢達に声援を送る中、夕香はシミュレーターにのそのそと乗り込んでいく一矢を見て、手を組む。

 どこまで行くのか、自分は見届ける。心配などするつもりはない。自分は最後まで彼を、彼らを応援し見守るだけだ。

 

≪それでは彩渡商店街ガンプラチームVS土佐農高ガンプラ隊の試合を開始します! 各チーム出撃をお願いします!≫

 

 シミュレーターも起動し、立体映像にはフィールドの映像が映し出される。

 

 準備は整った。

 アナウンスによって出撃が促される。

 

「荒峰文華……ガンダムフォボス、出撃するわ」

「桜波咲、ルーツガンダム推して参ります!」

「アザレアパワード、行くよ!!」

 《いざ参る!!》

 

 文華、咲、ミサ、ロボ太がそれぞれ勢いよくカタパルトを飛び出して、バトルフィールドに飛び出していく。

 

「砂谷厳也、クロス・フライルーで出陣する!」

「ゲネシスアサルトバスターガンダム……雨宮一矢……出る……ッ!!」

 

 そして最後に厳也と一矢も出撃する。

 これから始まるであろう激闘に胸を躍らせながら……。





<いただいたキャラ&俺ガンダム>

裕喜さんよりいただきました。

キャラクター名 上代裕喜
ガンプラ名 ガンダムレーゼン

WEAPON ディファイアント改ビームジャベリン
WEAPON ピーコックスマッシャー
HEAD ガンダムバルバトス
BODY ガンダムG-セルフ
ARMS ガンダムAGE-3 フォートレス
LEGS ゴッドガンダム
BACKPACK アストレイゴールドフレーム天
SHIELD ディバイダー
拡張装備 ビームキャノン
     ファンネルラック
     6連装ミサイルポット×2


キャラクター名 一ノ瀬 春花
性別:女
年齢:主人公と同年代
口調は「~です」

ガンプラ名 ストライクレイス
元にしたガンプラ ストライクガンダム

WEAPON MA-M21KF 高エネルギービームライフル
WEAPON シュペールラケルタビームサーベル
HEAD ストライクガンダム
BODY ストライクフリーダムガンダム
ARMS ストライクノワール
LEGS ストライクフリーダムガンダム
BACKPACK ガンダムバルバトス
SHIELD 対ビームシールド(ストライク)
拡張装備 ダブルブーメラン
     スラスターユニット
     上のふたつはすべてのパックで共通
     ビームピストル

春花が最初でに作った機体で原作のストライクと同じようにバックパックの換装で機体性能ががらりと変わる
カラーリングは基本トリコロールでバックパックだけ黒主体で細部が赤

基本のチェイスパック(オオワシに大型レールキャノンを付けたもの)
近接用のレイジパック(サンドロックのバックパックにエクスカリバーを付けたもの)
遠距離用のガイスパック(ブラストインパルスのバックパック)
の三種類
上に書いてあるWEAPONはバックパックなしの状態のもの
それぞれのバックパックの装備は
チェイスパック
WEAPON 57mm高エネルギービームライフル
WEAPON ビームサーベル(ストライク)
拡張装備 大型レールキャノン

レイジパック
WEAPON 専用ショットガン
WEAPON グランドスラム
シールド シールド(サンドロック改)
拡張装備 レーザー対艦刀
     刀

ガイスパック
WEAPON ツインバスターライフル
WEAPON ハイパービームジャベリン
シールド ディバイダー
拡張装備 大型ビームランチャー
     角型センサー
です

素敵なキャラた俺ガンダムありがとうございました。

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