機動戦士ガンダム Mirrors   作:ウルトラゼロNEO

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フェスティバル

 ひょんなことからミスターの提案によって開催されたバトルロワイヤル。始まったら始まったで大きな賑わいを見せていた。実力はそれこそ疎らではあるのだが、それでも参加者のファイター達は皆、楽しそうにバトルに熱中している。

 

「ちっきしょーっ!!」

「何かの間違いだぁっ!」

 

 負ければ悔しさは当然生まれるものだろう。それはそれだけのめり込んでいた証だ。

 それを表すようにタイガーとカマセが心底悔しそうに叫ぶ。二人もかつて一矢達とバトルをした時とは違い、新しく仕上げたガンプラを使用しており、今までよりも成長している。だがそれでも負けてしまったので本当に悔しかったのだろう。

 

「この辺りのファイターの実力って軒並み高水準だよな」

「やっぱり彩渡商店街チームに刺激を受けているのかもね」

 

 そのタイガーとカマセを撃破したのは新たにそれぞれ作成されたストライク・リバイブを駆る秀哉とフルアーマー・ガンキャノンを使用する一輝であった。バトルロワイヤルだけあって様々なファイターとバトルをするわけだが、やはりその実力は高く感じる。

 

 ・・・

 

「負けないっすよ」

「こちらこそっ!」

 

 また違う場所ではアプサラスを彷彿とさせるようなカスタマイズを施されたガンプラを使用するウルチとジム・キャノンⅡをベースにしたジム・キャノンⅡSBCを使用する皐月が戦闘を繰り広げる。普段は気だるげなウルチもガンプラバトルとなれば気合が入っているようで中々の気迫だ。

 

「あんた等確かジャパンカップにいたよなっ!」

「ああ、こっちも覚えてるよ!」

 

 近くではヴェスパーに四本のエクスカリバーを取り付け、エンファンスドデファンスを更にカスタマイズしたガンプラを使用するツキミがどことなくジムとG-セルフを掛け合わせたような陽太のGM‐セルフとの戦闘を行っており、見応えある近接戦が行われている。

 

「アナタの女性のお相手が出来るとは男冥利に尽きるね」

「その余裕、いつまで持つか見物やな」

 

 コズミックグラスプをカスタムし、新たにツインドライブを装備した新機体でバトルをするロクトに食いついているのは旦那作成のアサーシンを駆る珠湖だ。軽口を吐くロクトであるが、その実力はやはり一線を越えており、珠湖も全力で挑んでいる。

 

「流石、ミサのお父さんね!」

「マチオさんやミヤコさんもかなりの実力ですっ!」

 

 そして彩渡商店街の三人の大人とバトルをするのはフォボスを改良したガンダムフォボス・改を使用する文華と同様にルーツガンダムを改良したロードガンダムを操作する咲だ。彼らの高い実力を間近に触れ、苦戦はするもののそれでも楽しそうにバトルをしている。

 

「あんなバトルを見せられたんじゃ熱くなっちまうよなぁっ!」

「ふふっ、年甲斐もなく燥いじゃうわね」

「悪いけどもう少し付き合ってもらうよ!」

 

 やはり直前に行われた一矢とウィルのバトルが良い刺激となっているのだろう。

 興奮を隠さぬマチオに同意するようにミヤコも笑い、ユウイチはそのまま子供大人関係なく、ファイターとしてバトルを続行していく。

 

「やっとこの日が来たのォッ!」

「折角の機会だ! 勝たせてもらう……ッ!」

 

 様々なガンプラが入り混じるフィールドの上空では弧を描きながら激しくぶつかり合うのは更に近接戦闘能力を高めるためにクロス・フライルーを改良したクロス・ベイオネットとペイルライダーをベースに作り上げたダウンフォールであった。

 ファイターである厳也と影二はかつて約束したバトルがこうして現実となった為、喜びを表すように更なる激闘が繰り広げられる。

 

 ・・・

 

「さあ、エレガントに参りますわよ!!」

≪ああ、正々堂々と勝負だッ!!≫

 

 さほど遠くない平原ではシオンのキマリスヴィダールとロボ太のバーサル騎士によるまさに騎士同士による決闘のようなバトルが行われている。

 バトルに対する姿勢は似ているのだろう、真っ向から己の実力でぶつかるシオンとロボ太のバトルは激しい中での美しさを感じる。

 

「結構、やるんだねっ!」

「でっしょー!」

 

 激しさで言えば、此方もだろう。ガンティライユを更に砲撃に特化させた機体とフルアーマーガンダムが激しい弾幕を張っている。バトルをしているミソラは素直に裕喜の実力を認めると、裕喜は楽しそうに更に砲撃の勢いを強めていた。

 

「さーて、次はっ!」

 

 基本コンセプトこそアザレアフルフォースと同じだが、これまでの経験で新たに組み上げたミサのアザレアリバイブが参加するファイターのガンプラを華麗に撃破すると、すぐさま別のファイターを探そうとするが、その前に縦横無尽に放たれるテイルブレードが襲いかかり、すぐに大型対艦刀を盾代わりに防ぐ。

 

「ミサ姉さん、アタシのことも構ってよ」

「良いよっ! 私も夕香ちゃんとバトルしたかったから!!」

 

 するとすぐさま襲いかかったのは夕香のバルバトスルプスレクスであった。

 咄嗟に回避したものの先程までいた場所には超大型メイスによってクレーターが出来上がり、すぐに避けたアザレアリバイブにそのまま地面から引き抜いて超大型メイスが放たれ、アザレアリバイブの大型対艦刀と鍔迫り合いとなる。

 激しく拮抗する力と力。だがファイターである夕香とミサにはこれから行われるであろうバトルに高揚感を隠しきれなかった。

 

 ・・・

 

「やるな……っ!」

 

 しかし中には並みのファイターでは立ち入る事の出来ないバトルがある。

 今まさに三つ巴のバトルが行われており、そのうちの一機はネオ・サザビーであった。シャアは己が相手をしているガンプラを見やりながらその実力を認める。

 

「勝たせてもらうぞっ!」

 

 そのうちの一機はアムロのHi-νであり、放たれたフィンファンネルの精度は恐ろしいまでに的確に襲いかかってくる。

 

「あっちも盛り上がってる頃か?」

 

 そして最後はバーニングゴッドブレイカーであった。

 他にも真実や風香達もバトルをしているが、襲いかかるフィンファンネルを回避しながら、シュウジは行われているであろうバトルについて考えるが、今は集中しなくては危ないと意識をバトルに切り替える。

 

 ・・・

 

 フィールドの最深部に到着したブレイカーとゲネシスを待ち構えるようにこの場にいたリックディアスをベースにカスタマイズが施されたブレイクディアスと百式ベースの白銀の百式イェーガーだ。この機体はそれぞれミスターとウィルが過去に使用していたガンプラである。

 

「やはり君達が来たかッ! ならば、ブレイクディアスが相手になろうッ!」

「いつぞやの手合わせ……。今ここで、このガンダムブレイカーで願おうか」

 

 襲いかかるブレイクディアスにガンダムブレイカーは素早い身のこなしと得意の狙撃でブレイクディアスとの戦闘を始める。

 

「成り行きとはいえ、また君と戦えるのは願ってもない事だ。この百式イェーガーで勝たせてもらうよ」

「今度もこのゲネシスガンダムで勝つさ」

 

 そして百式イェーガーにはゲネシスが相手となる。

 かつては止まって見えるとまで言った機体だが、今の一矢の実力と、こうして百式イェーガーがどこまで通用するかのか考えるウィルは楽しそうな言葉とは裏腹に鋭い視線をゲネシスにぶつけ、一矢も同様にGNソードを展開する。

 

「行けるな、ウィルっ!」

「誰に言っているんだい!」

 

 ガンダムブレイカーとブレイクディアスが、ゲネシスと百式イェーガーがそれぞれ身を削る激しいバトルを行い、それぞれが弾かれるように分かれる。

 バトルロワイヤルとはいえ、ミスターは目の前の二機のガンダムを確実に仕留める為、並び立った百式イェーガーを操るウィルに声をかけると二機は同時にビームサーベルを構えて同時に飛び出す。

 

「やる……っ!」

「ああ、流石と言うべきか……」

 

 二機のガンダムに攻撃を仕掛けては跳ねるように左右に移動しながら刃を振るうブレイクディアスと百式イェーガー。下手な動きをすればそれこそ撃破される危険性がある。その為、ゲネシスとガンダムブレイカーは背中合わせのような形を取り、シールドを構えて鎌鼬のような攻撃を防ぐ。

 

「……だが、いつまでも通用すると思うな」

 

 しかし別に何も反抗をしないわけではない。

 スッと目を細めた翔は迫るブレイクディアスへ頭部バルカンを放ち、ブレイクディアスが咄嗟に避けながら更に接近したと同時に早撃ちで直撃させる。

 

「……師弟みたいで良いコンビだと思うよ」

 

 そしてゲネシスに迫る百式イェーガーにゲネシスは素早く身を屈め、瞬時にガンダムブレイカーが振り返ってビームライフルの引き金を引き、脚部に直撃させるとバランスを崩したところでゲネシスのタックルを浴びる。

 

「この……ッ!!」

 

 タックルを浴びた百式イェーガーはすぐにビームサーベルを逆手に持ってゲネシスに突き刺そうとするが、その直前にビームサーベルを待つマニビュレーターだけを狙った狙撃を受けて、攻撃はままならずゲネシスによって距離を取るように蹴り飛ばされる。

 

「させるか……ッ!」

 

 しかし百式イェーガーを狙撃したガンダムブレイカーにブレイクディアスのライフルの銃口が向けられ引き金が引かれそうになる。

 それに気づいたゲネシスは機体を反転させて、GNソードをライフルモードに切り替え素早く放つと引き金が引かれる直前に腕部に直撃し、その銃口がガンダムブレイカーから僅かに逸れる。

 

「確かに良いコンビだが……」

「俺達も悪くないだろう?」

 

 剃れた銃口から放たれたビームを振り返ることで避けながらビームライフルによる早撃ちを行い、ブレイクディアスのライフルを破壊する。

 ゲネシスとガンダムブレイカーが再度背中合わせになりながら、一矢と翔は口元に微笑を浮かべて再度古強者達のバトルは続いていくのであった。

 

 ・・・

 

「まったく……疲れる一日だったよ」

 

 バトルロワイヤルは大盛況となり、結局イラトゲームパークが閉店時間になるまで今回のイベントは盛り上がった。ベンチに座るウィルが疲れを表すように肩を解しているとミスターが歩み寄る。

 

「結構楽しそうに見えたが?」

「まあ……否定はしないよ」

 

 今日のイベントで、ウィルは少年のように純粋に楽しんでいるように見えた。

 その事に触れるミスターにウィルも自分自身で感じていたのか、微笑を浮かべながら頷く。

 

「ウィル、また昔みたいにガンプラバトルをしないのか」

「そうもいかない。今の僕には会社や従業員に対する責任がある。ガンプラバトルだけをしているわけにはいかないさ」

 

 今日のイベントを見て、ウィルも一人の誇り高きガンプラファイターである事を再確認したミスターは再びこの世界に戻ってこないか尋ねる。しかし今と昔では立場が違う。ウィルはミスターの問いに首を横に振る。

 

「残念だよ、君ほどのファイターが……」

「やりたいこととやるべきことが一致する人間なんてそうはいない。でも僕なりのバトルをしていくつもりだ」

 

 やはり昔のようにただバトルだけに、というわけにはいかない。

 ウィルの本格的なガンプラファイターへの復帰が叶わぬことを惜しむミスターにウィルは強く答える。例え昔のようにバトルが出来なくても、また別のバトルが自分を待っている。そこに今は誇りをぶつけていくだけだ。

 

「君ならミスターガンプラを……。このアフロを継ぐものになれただろうに」

 

 そうか……とウィルの返答に満足そうに頷きながらでも、ミスターは名残惜しそうに己が被っているアフロに触れる。

 

「……それは会社が無くてもお断りさせてもらうよ」

 

 大真面目に言っているようにしか見えないミスター。いや本当に真剣に言っているのかもしれない。だとしても流石にあのアフロを被るつもりはないウィルはため息交じりに答えるのであった。

 




<いただいた俺ガンダム>

トライデントさんよりいただきました。

ガンプラ名
フルアーマー・ガンキャノン

WEAPON1
ビーム・スマートガン(EX-S)
WEAPON2
ビームサーベル(Sガンダム)
HEAD
ガンキャノン
BODY
ガンキャノン
ARMS
デュエルガンダムアサルトシュラウド
LEGS
ガンダムヘビーアームズ
BACKPACK
ファッツ
SHIELD
シールド(ギラ・ドーガ)

拡張装備
レーザー対艦刀
BACKPACK BOTH SIDE:1

スラスターユニット
POSITION:X -42
POSITION:Y +82

新型MSジョイント
内部フレーム補強×2

OPINION EQUIPMENT
240mmキャノン砲
シヴァ+5連装ミサイルポッド
頭部バルカン
ホーミングミサイル
18連装2段階ミサイル・ランチャー
背部ビーム・カノン
レーザー対艦刀

カラーリング
元のガンキャノンと基本的に同じカラーリングで、ARMSのアサルトシュラウド部分とLEGSのミサイルポッド部分等を灰色に、他の火器部分はキャノン砲と同じ色に合わせます
機体ナンバーはカイ・シデン機と同じ108です

戦い方
火力が売りなのは変わらず、基本的にキャノン砲やミサイル、ビーム・スマートガンやハイパー・メガ・カノン等で遠距離攻撃、後方支援に徹する
近付かれても頭部バルカンやアサルトシュラウドのウェポンにシールドに装備されたシュツルム・ファウスト、ビームサーベルやレーザー対艦刀等で自衛は可能、だがあくまで自衛できるレベルなので近距離戦が長続きすると厳しい
「戦○の絆と似たようなのになっちゃったな」と一輝は語る

ガンプラ名
ストライク・リバイブ

WEAPON1
ビームライフルショーティー
WEAPON2
シュベールラケルタビームサーベル
HEAD
ストライクガンダム
BODY
ウイングガンダムゼロ(EW)
ARMS
スターゲイザー
LEGS
ガンダムダブルエックス
BACKPACK
デスティニーガンダム
SHIELD
ビームシールド(スターゲイザー)

拡張装備
ファンネルラック
BACKPACK BOTH SIDE:1

ダブルビームブーメラン
BOTH ARMS:3

スラスターユニット
BOTH LEGS:2

新型MSジョイント

OPINION EQUIPMENT
マシンキャノン
ファンネル
イーゲルシュテルン
高エネルギー長射程ビーム砲
アロンダイト
ダブルビームブーメラン
ハイパービームソード

カラーリング
WEAPON1とARMSとLEGSはエースホワイトで、BODYは胸部の紺色(?)を青に、BACKPACKはそのままでそこに装備されてるファンネルラックは翼の色に合わせます

戦い方
秀哉は弾幕を張ったり二刀流での戦闘スタイルを好むので、イーゲルシュテルンとマシンキャノンの同時発射、アロンダイトとハイパービームソードの二刀流で戦う、というのをよかったらいれてください
ファンネルは最後の切り札みたいなものにしてほしいです(翼でファンネルラックを隠してるのはそのため)
普段は別々に使いますが、本当にピンチの時は光の翼とゼロシステムを同時に使います(ゲームでは意味はないんですけど、実際だと効果ありそうだなと)

素敵な俺ガンダムありがとうございました!

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