ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回で『ハッピーハロウィーン』の回
は最後になります。
自分なりに纏めてみました。

それではどうぞ。


第80話 ライブ開始、そして母との別れ・・・

善子ちゃんと別れて、

ライブ開始の時間は

あと1時間になった・・・

 

「えぇ!?、もう売り切れなんですか!?」

 

近くのクレープ屋台から

聞き覚えのある声がしたので

僕は行ってみる事にした。

すると・・・

 

「あ!、悠里にいちゃん‼」

「やっぱり曜ちゃんだ・・・」

 

この子は渡辺曜(わたなべよう)ちゃん。

高飛び込みが得意な女の子。

お父さんがフェリーの船長をやってるんだ。

僕達5人も船に乗せてもらった事がある。

それにしても今日は、知り合いに会うなぁ・・・

ダイヤちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃん、

更に曜ちゃんにも会うとは・・・

この流れだと・・・

 

「・・・千歌ちゃんは一緒じゃないの?」

「あ、千歌ちゃんなら・・・」

 

曜ちゃんが指差した方を

見てみると、確かに千歌ちゃんがいた。

リンゴ飴を買ってるみたいだね・・・

 

「曜ちゃんー!、お待たせー・・・、あっ‼」

「千歌ちゃん、久しぶり・・・」

「悠里おにーちゃん!」

 

この子が高海千歌(たかみちか)ちゃん。

3姉妹の末っ子で実家は、

旅館を経営しているんだ。

僕達5人が滞在した場所が

千歌ちゃんの旅館だったりする。

ほのちゃんみたいに明るくて、

人懐っこいところがある。

 

「悠里おにーちゃんは何してるの?」

「ライブまで、1時間あるから校内を回ってる・・・」

「じゃあ悠里にいちゃんの歌が観れるの!?」

「今年は5曲しかやらないけどね・・・」

「わぁ!、私楽しみ!」

「私も!」

 

千歌ちゃんと曜ちゃんは、

目を輝かせながら僕に詰め寄ってきた。

 

「・・・2人共、ライブやる場所は分かる?」

「「あっ・・・」」

 

ダイヤちゃんと同じパターンだね・・・

僕は、2人が迷わないように

校内案内図を千歌ちゃん達に渡した。

 

「・・・今年は、このエリアでやるからね?」

「目印みたいなのってあるの?」

 

千歌ちゃんが首を傾げながら聞いてきたので・・・

 

「・・・未柚ちゃんの描いたイラストが目印だよ」

「確かに未柚ねえちゃんの絵は・・・」

「独特のオーラがあるっていうか・・・」

 

僕の一言に曜ちゃんが苦笑いした。

それに同情する千歌ちゃん・・・

何故か千歌ちゃん、曜ちゃん。というか、

ダイヤちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃんも

そうなんだけど、未柚ちゃんの事を年上扱いする

傾向があるんだよね・・・

前に僕がダイヤちゃんに理由を聞いたら、

『何故か、姉様と呼んでしまうんですの・・・』

との事・・・。

未柚ちゃんは僕達の中でも年下だけど、

中学2年生とは思えない、

大人っぽい雰囲気があるからなぁ・・・

 

「・・・じゃあ僕は、そろそろ行くね?」

「悠里にいちゃん、頑張ってね?」

「私と曜ちゃんも楽しみにしてるから!」

「来るときは気をつけるんだよ・・・?」

「「はあーい♪」」

 

さて、校内を回れる場所は

時間的に、あと1ヶ所くらいかな・・・

僕はライブ会場の付近を回る事にした。

 

 

 

 

 

――ライブ会場付近――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気のせいか去年より、屋台が増えてる・・・」

 

去年は、初めてやった場所より

屋台が軽く10ヶ所は越えていた・・・

 

「悠里お兄ちゃん・・・?」

「えっ・・・?」

 

誰かに呼ばれたので

声がした方を振り返ってみると

梨子ちゃんだった。

 

「やっぱり悠里お兄ちゃんだ♪」

「よく僕だって分かったね・・・?」

「えへへ///、なんとなくかな?」

 

なんとなく、っていう理由だけで

分かっちゃうなんて

梨子ちゃん凄いな・・・

 

「あのね、瑠菜お姉ちゃんが

悠里お兄ちゃんを捜してたよ?」

「・・・ルーちゃんが?」

「うん。

それから、未柚お姉ちゃんが『ライブの準備ができました』って言ってたよ・・・」

 

未柚ちゃんの言い方から察するに、

ほのちゃん達、無事に着いたみたいだね・・・

 

「悠里お兄ちゃん。私、楽しみにしてるから・・・」

「・・・うん。じゃあ行ってくるね?」

「私、近くで観てるからね♪」

「こりゃ、いつも以上に頑張らないと・・・」

「えへへ・・・///」

 

いつも以上に楽しそうな

表情をしてる梨子ちゃんを見たのは

去年以来かな・・・

 

「・・・じゃあ行ってきます!」

「頑張ってね!、悠里お兄ちゃん!」

 

僕は、4人が待ってる

ステージ裏に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達9人は、

瑠菜ちゃん、ティアちゃんに校内を案内され

ライブ会場に着いた。

 

「ティア、人が凄いですね・・・」

「私個人も驚いてるわ。去年より多くなってるわ」

「去年は、どのくらいだったんですか?」

 

海未ちゃんの疑問の声に

ティアちゃんは・・・

 

「ざっと3万人くらいかしらね・・・」

「「「「「「「「「さ、3万人!?」」」」」」」」」

「あくまで、ざっとよ?」

 

でも3万人って・・・

 

「お、多いのかにゃ?」

「リン、それは私も分からないわ」

「未柚的には、多いかなと・・・」

「か、かよちん。どうなの?」

「悠里さん達のライブで3万人は凄く多いよ!」

 

アイドル好きの花陽ちゃんが

そこまで言うとなると相当なんだなぁ・・・

 

「あそこが穂乃果ちゃん達の席だよ~」

 

瑠菜ちゃんが指差した席を見ると

ライブ会場の一番前・・・

つまり最前列だった。

 

「ゆーくん達のライブが間近で観れるの!?」

「うん~。たまたま空いてたんだよ~」

「まあ♪、みんな楽しんでくれると嬉しいな♪」

 

ことりちゃんの問いかけに、

瑠菜ちゃんと花怜ちゃんは楽しそうに

答えてた・・・

 

「じゃあ私達はステージ裏に行くわね?」

「ほえ~!?、もう行くの~!?」

「瑠菜お姉様、打ち合わせとかもあるんですよ?」

「時間は有効に使おうね?」

「珍しいわね、カレンがそんな事言うなんて・・・」

「ティアちゃん!?、酷いよ!?」

「ふふ♪、冗談よ♪」

「もう・・・、じゃあ今日は楽しんでね?」

 

そう言うと、

花怜ちゃん、瑠菜ちゃん、

ティアちゃん、未柚ちゃんの4人は

ステージ裏に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――開演、10分前――

 

 

 

 

 

 

 

 

開演が10分前になった途端

ライブステージの幕が開くと

そこには・・・

 

「「「「「みなさん、こんにちは!」」」」」

 

花怜ちゃん、瑠菜ちゃん、

ティアちゃん、未柚ちゃん、

ゆうちゃんの5人が私達や他の観客に

挨拶をした。

 

「ゆーくん達の衣装、凄い・・・」

「格好いいです・・・」

 

ゆうちゃん達の衣装は

ハロウィンの時期に合うような衣装だった。

 

「まずは今日、一緒に歌うメンバーを紹介します」

 

ゆうちゃんの説明に

最初に出てきたのは・・・

 

「明美瑠菜で~す♪、ぴんきす~と♪」

「・・・ルーちゃん。大丈夫?」

「大丈夫だよ~!。問題な~い!」

 

瑠菜ちゃんの自己紹介に

観客のみんなは笑っていた・・・

 

「次は、この人だよ~♪」

 

瑠菜ちゃんの呼びかけに

出てきたのは・・・

 

「如月ティアよ。う~、う~、ばっきゅん♪」

「今年は、『原初の魔女』のネタなんだね・・・」

「あら。ユーリは分かっちゃう?」

「コミック版でやってたよね。確か・・・」

「『マジカル♪ごうだーシェフ♪』よね。」

「次は、この子です・・・」

 

ゆうちゃんが苦笑いしながらも

出てきたのは・・・

 

「神無月未柚です。にゃんぱすー」

 

すると、観客の人達も『にゃんぱすー』と

声を出し始めた・・・

穂乃果達もやった方がいいのかな・・・?

 

「どんどんやるのん。次の人の紹介なん」

「未柚ちゃん、完全になりきってるね・・・」

「ミユの次は、ご存知の方もいると思うけど・・・」

 

そして花怜ちゃんが

前に出てきた。

 

「三日月花怜です♪、みんな乗ってるかーい?」

 

花怜ちゃんが叫んだ瞬間、

周りの歓声が大きくなった・・・

す、凄い・・・

 

「花怜の挨拶も終わったところで・・・」

「最後は~・・・」

「未柚達にとっては・・・」

「優しくて頼れる・・・」

 

ティアちゃん達4人の一言で

最後に出てきたのは・・・

 

「水無月悠里です。今日は楽しんでくださいね?」

 

ゆうちゃんが私達に自己紹介をした。

だけど、いつもと違うところがあった。

控えめだけど、思わず見惚れてしまいそうな

とても澄んだ綺麗な声をしていた・・・

 

「「「綺麗・・・///」」」

 

穂乃果だけじゃなく

海未ちゃん、ことりちゃんも

ゆうちゃんの姿に釘付けになっていた。

 

「「「「「それではミュージックスタート‼」」」」」

 

ゆうちゃん達5人の合図と共に

ライブが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃん達のダンスや歌は

凄く綺麗だった・・・

うぅん、本当は一言じゃ表せないくらい

輝いているように私達は見えた。

そして4曲目が終わり・・・

 

「・・・実は、もう1曲あります」

 

ゆうちゃん・・・?

 

「この曲は、僕が転入した高校で

活動しているアイドルグループの曲です・・・」

 

それって穂乃果達、μ′sの事だよね?

 

「初めは、3人だけで歌ってた彼女達ですが

その努力で今では9人になり人気のスクールアイドルになりました・・・」

 

急な事だったので、ゆうちゃんが

何を言ってるのか分からない。

 

「僕は、ファーストライブで歌った

()()3()()に、1つ目のお礼がしたいので

ここの4人と事前に相談をして練習をしました」

 

ゆうちゃんが言ってる

ファーストライブで歌った3人って

穂乃果と海未ちゃん、ことりちゃんの事だよね?

 

「本物とは、程遠いと思う方もいると思います。

だけど、僕のワガママかもしれなけれど

歌いたいと思います。」

 

すると聞き覚えのある

曲が流れ始めた。

それは・・・

 

「「「「「『START:DASH‼』、歌います・・・」」」」」

 

 

ファーストライブの時に

歌った曲だった・・・

あの時は、観客は誰もいなかったけど、

ゆうちゃんが穂乃果達3人の傍で観てくれた。

気づいたら穂乃果は涙を流していた・・・

 

「ゆ、うちゃんズルイよ・・・」

「本当に悠、里君は・・・」

「ゆー、くんったら・・・」

 

きっと私達3人は嬉しくて

泣いてるんだと思う・・・

曲が終わると、ゆうちゃんは・・・

 

「彼女達9人はイベント最後に秋葉でライブを

するので是非、観に来てください!」

「ちなみに、そのスクールアイドルは・・・」

 

花怜ちゃんが、

ゆうちゃん達4人に合図を送り・・・

声を揃えて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「音ノ木坂学院、『μ’s』の応援を

よろしくお願いします‼」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

本当に、ゆうちゃんは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロウィンイベント最後の日、

ほのちゃん達のライブは無事に成功。

僕はライブを観終えたあと、

神田明神に来ている。

その理由は・・・

 

『じゃあ、母さんは行くわね?』

「・・・本当に行っちゃうの?」

 

ハロウィンが終わってしまうので

母さんは天国に帰ってしまう・・・

 

『ほら♪、泣かないの。悠里は1人じゃないでしょ?』

「で、でも、僕は、本当は生きてる価値なんて・・・」

『そんなことないわ。卒業した後に()()()()()()()を見つけたいんでしょ?』

 

なんでそれを知ってるの・・・?

 

『私は悠里の母親よ?、悠里が考えそうな事

くらい分かるわよ・・・。』

 

だって、僕は・・・

 

『悠里、あなたは大切な人の為だったら自分がどうなろうと構わないと思ってるでしょ?。

あなたが中学の時に法を犯した行為をしても、

私は責めたりはしないわ。私だって同じ立場だったら

悠里と同じ事してたもの・・・』

 

僕の場合は違う・・・

どんなに頑張っても

結局は、『生きる価値すら無い』人間以下・・・

 

『最後に、1つだけ言っておくわね・・・』

「え・・・?」

 

母さんは、優しい笑顔で・・・

 

()()()()()()でいるのよ・・・』

 

辛くても・・・

 

「うん‼」

 

精一杯の笑顔で母さんに向けた・・・

 

『またね。悠里・・・。私は・・・』

 

そして母さんは、

涙を浮かべながらも

笑顔で・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ずっと、悠里の事を見守ってるわ・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を最後に

母さんは光の粒子となって

天へと旅立って行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぅ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・母さん、今はもう泣いていいよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう僕、辛くても、な、泣かないか、ら。

や、約束するからぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、2期第6話は終了です。
千歌ちゃん、曜ちゃんの2人を
上手く表現できたか不安ですが頑張って
みました・・・
次回は、2期第7話『なんとかしなきゃ』の回です。
頑張って執筆しますので、よろしくお願いします。

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