ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回の内容は今まで謎だった
悠里と花怜の家系
についての話です。
前回の話で悠里が鉛筆を使った理由と
海未の目の前で断罪してしまった事も
触れます。

それではどうぞ。


第69話 悠里と花怜の家系

僕を監視していた

殺し屋を退治したあと

僕達3人は宿に向かってた。

 

(みーちゃんの目の前で殺す事になるなんて)

 

正直、安全な場所に避難させてから

でもよかったんじゃないかと思ったが

実際は、そうはいかなかった。

 

『海未ちゃんと弾の距離が15㎝しか離れてなかったから危なかったね』

「銃を使ってる人と相手にするのは大変なんだよ・・・」

 

銃のメリットは種類にもよるけど

離れた場所から攻撃しやすいのが特徴だ。

今回、僕を襲ってきた男は、

スナイパーライフル系の物を所持していた為、

みーちゃんを安全な場所に避難させる事が

できなかった。

 

『離れれば離れる程、スナイパー系の銃は真価を発揮するからねぇ・・・』

「かと言ってショットガン系も嫌だし・・・」

『あっちは逆に、近ければ近い程だもんね・・・』

 

みーちゃんが隣にいるのに

僕達2人は物騒極まりない話をしていた・・・

僕と花怜ちゃんにとっては前々から狙われた事が

あったから

軽い冗談にしか聞こえないんだよね・・・

 

「部屋に着いたけど・・・」

『なんか入りにくいね』

「・・・あの事、話そうかな?」

『ゆうり君は平気なの?』

「・・・多分、言いにくい」

『そっか・・・』

 

部屋の入り口で立ち止まってる訳にも

いかないので・・・

 

「・・・みーちゃん、入ろうか?」

「はい・・・」

 

僕のせいだよね・・・

こんなふうに落ち込ませたのって・・・

 

(やっぱり僕なんて・・・)

 

そう思いつつも僕達は

部屋に入った・・・

 

「「3人共、大丈夫!?」」

 

部屋に入ると

ほのちゃん、ことちゃんが

心配した顔で出迎えてくれた。

 

「・・・みーちゃんをお願い」

「「「あっ・・・」」」

 

ほのちゃん達が何か言おうとしたけど

僕は聞かない事にし、部屋から出ようとすると・・・

 

『ゆうり君、無理だけはしないでね・・・』

「・・・。」

 

花怜ちゃんは

僕が考える事は、お見通しか。

僕は何も言わずに部屋から出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君が部屋から出て行ってしまいました・・・

 

「私のせいです・・・」

「海未ちゃん!?」

「私のせいで、悠里君にまたっ・・・‼」

『・・・』

 

 

あの時、私が叫ばなかったら

悠里君は・・・

そんな事を考えた瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・?」

『・・・』

「「花怜ちゃん!?」」

 

気づいたら左の頬が腫れていた・・・

何が起きたかは分かった。

花怜に平手打ちされたのだ・・・

私が花怜を見てみると、これまでにもない

冷たい目で私を見ていた・・・

 

『海未ちゃんさ、自分が代わりに死ねばいいって思ったでしょ・・・』

 

でも実際そうだった・・・

 

「私が、あの時代わりに死ねば・・・」

『誰が一番悲しむと思ってるの』

「海未ちゃん‼、冗談でも言わないでよ!!!」

「そうだよ!!!」

 

穂乃果とことりが私に怒鳴りますが

正直、聞き流してました・・・

それだけ精神が弱くなってた・・・

 

『何よりも、ゆうり君が一番悲しむんだよ・・・』

 

悠里君が・・・?

 

『ただでさえ精神が弱くなってるのに、海未ちゃんの

その一言は、ゆうり君に「死んで?」って言ってるようなものだからね・・・』

「わ、私は、そんなつもりじゃ・・・‼」

『ゆうり君が聞いた場合は、そう聞こえるの。

たとえ海未ちゃんが、そんなつもりじゃなくてもね』

 

今の花怜の表情は

氷のように冷たかった・・・

すると花怜は溜息を吐くと・・・

 

『3人は、ゆうり君と私の家系って知ってる?』

「分かりません・・・」

『今まで黙ってたけどね・・・』

「それって何なの・・・?」

 

ことりが聞くと

花怜は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゆうり君と私の家の家系は()()の家系なの』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「えっ・・・」」」

 

衝撃的な事実を聞いて

私達は言葉を失った・・・

花怜と悠里君が・・・?

 

『花怜の家系は三日月流ってのは知ってるよね?』

「名前だけは聞いた事はあります・・・」

 

私も、お父様から聞いた事だけですが

花怜の家系は、古流武術の家系だと・・・

そして花怜は、その後継者という事・・・

 

「じゃあ、ゆーくんは・・・」

 

ことりが何かに気づいたように

呟いた・・・

 

『そう。ゆうり君は、()()()()の後継者なの・・・』

 

でも何で・・・

 

「悠里君と花怜が殺しの家系なんですか・・・」

『花怜の場合は古流武術なのは分かったよね?』

「はい・・・」

『でも、ゆうり君の場合は違うの・・・』

「違うって・・・?」

 

花怜は真面目な顔をしながら・・・

 

()()()()を凶器に変える流派なの』

 

身近な物を凶器に変える・・・?

 

『海未ちゃんを助けた時、ゆうり君。鉛筆を使ったの覚えてる?』

「はい。銃弾を鉛筆で弾いたって悠里君が・・・」

『海未ちゃんは、鉛筆に見えたんだね?』

「は、はい・・・」

 

正直、冷静になって考えると

悠里君は、普通じゃ有り得ない事をしていたと

実感しました。

 

『でもね、殺し屋の人は鉛筆がクナイかナイフに見えた筈だよ』

「「「えっ!?」」」

 

花怜の一言に私達は唖然とするしかなかった。

 

「ですが悠里君は・・・」

『そう。対象となった相手に錯覚を起こすって

言えばいいのかな・・・?』

 

でも気になる事が、もうひとつ・・・

 

「他の物だった場合は?」

 

穂乃果が花怜に聞くと・・・

 

『花怜が知ってるのは、定規だったら鉈とか刀に見えて、消しゴムが銃弾に見えたりとかかな・・・』

「花怜は見たことがあるんですか?」

『小さい頃に、ゆうり君と模擬戦した事があるの』

 

でも何で・・・

 

「何で黙ってたんですか・・・」

 

私の言いたい事が分かったのか

花怜は・・・

 

()()()扱いにされるのが怖かったからだよ』

 

えっ・・・?

 

『噂なんて大抵、悪いのが大半でしょ?』

「それってどういう・・・」

『海未ちゃん達3人は噂とかを信じやすい傾向が強いからね・・・』

 

否定したいですが

実際、私達は噂とかを信じやすい方です・・・

悪い噂なら尚の事・・・

 

『ゆうり君が中学時代で、それを受けてたとしたら?』

「「「あっ・・・」」」

 

私達は花怜が言いたい事が分かりました。

悠里君の中学時代の真実を聞いた時と同じだと・・・

 

『海未ちゃん、ゆうり君は2階のフロアにいるよ』

「えっ・・・?」

『私が何を言いたいか分かるでしょ?』

 

気づけば私は、

部屋から出ていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――2階フロア――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ・・・」

 

気づいたら走っていたみたいです。

 

「あっ・・・」

 

2階のテラスで悠里君は寂しそうな表情を

しながら夜空を見上げていました。

 

「・・・あ、みーちゃん」

 

私の気配に気づいたのか

悠里君は声をかけてくれました。

私は悠里君の隣に行き・・・

 

「あ、あの・・・」

 

何か言わなきゃと思った時・・・

 

「僕の事、怖いよね・・・」

「えっ・・・?」

 

悠里君が自虐的に笑ってました。

そして続けるように・・・

 

「だって中学時代に人を合計6人も殺した人間だよ?」

「違います・・・」

 

それは私や穂乃果、ことり、花怜を

守る為だって・・・

 

「・・・みーちゃんの目の前でも人を殺した、

僕はもう生きる価値すらもないよ。

それ以前に既にないけどさ・・・」

 

悠里君を横目で見ると

生気のない目をしていました・・・

 

(違う‼。悠里君の辛い表情が見たいんじゃない‼)

 

私達が今まで悠里君の事を

思い出さなかったせいで彼を

こんなにしてしまった・・・

だから私は・・・

 

「笑ってください・・・!」

 

悠里君に声をかけてあげれる言葉がこれだけかと思うと

正直、情けないと思う・・・

 

「・・・僕に笑う権利なんてないよ」

「なら、私が悠里君を笑顔にしてみせます」

「えっ・・・?」

 

私と穂乃果、ことりの3人で決めたんです。

悠里君が昔みたいに笑ってもらえるように

3人で支えるって・・・

 

「だから寂しい事、言わないで・・・!」

 

身勝手な事かもしれない。

ワガママかもしれない。

それでも・・・

 

「私の側に居てくださいっ‼」

 

泣きながら伝えると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつまで居られるか分からないけど、高校を卒業するまでは、みーちゃん達の側にいるから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が大好きな優しい笑顔で言ってくれました。

 

「本当に悠里君はズルイです・・・///」

「え、と・・・、何が?」

 

私は悠里君に寄り添いながら・・・

 

「何でもないです♪」

 

 

 

 

だから今は・・・

 

 

 

 

 

 

 

(私、ずっと悠里君の味方ですからね・・・)

 

 

 

 

 

 

 

大好きな彼と

夜空を見上げていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修学旅行の1日目の夜空は

星が綺麗でした・・・

 

 

 

 

 

 

 




今回は悠里と花怜の家系について
ちょっとだけ触れさせました。
次回も暗い内容になりそうですが
よろしくお願いします。

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