ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

47 / 187
ゆるポメラです。
今回で海未編は最終回です。
悠里とティアのやり取りを
執筆してみました。

それではどうぞ。


第44話 青の少女との別れ

今日も僕は多目的室に来ていた。

 

「・・・これで良かったのかな」

 

今朝の報道で流れたのは

アイツの死体が発見された。

遺族側はアイツの身勝手な行動には

気づいていたみたいで「もっと早く止めていれば」と

コメントをしていた。

口止め料を受け取っていた教師は解雇され

後輩達も無事に弓道部に復帰できたらしい。

 

「水族館も無事で良かった・・・」

 

水族館の方は被害が無かった。

あと少し遅ければ潰されていた。

結果的には良かったのかもしれない・・・

 

「ユーリ、入るわね?」

 

ティアちゃんが入ってきた。

 

「・・・おはよう?」

「もう昼よ?」

「・・・じゃあ、こんにちは」

 

何だろう、この会話。

ティアちゃんは僕の隣に座りはじめた。

しばらくして・・・。

 

「ユーリの事。謝ってたわよ」

「・・・誰が?」

「弓道部の後輩達」

「・・・謝られる理由が分からないんだけど?」

「『今まで酷い事言って、すみませんでした!!』って」

「・・・邪魔な先輩が消えて良かったって事?」

「違うわ。土下座して謝ってたわよ」

「・・・それで?」

「私が本当に悪いと思っているならユーリの分まで優勝しなさいって言ったの」

 

・・・なるほど。

最近、弓道部が忙しくなっているって花怜ちゃんから

聞いたけど本当みたいだね。

 

「・・・ねぇ。ティアちゃん」

「アイツを殺した事?」

「・・・うん」

「確かにユーリがやった事は間違っているわ」

「・・・。」

「だけどユーリがやった事で助けられた人だっている」

「・・・え?」

「弓道部の後輩達、思い出の水族館、そして何より・・・」

 

ティアちゃんは僕の目を見てハッキリ言った。

 

「ウミを守ったじゃない」

「・・・そうだといいね」

「私が保証するわ」

「・・・ありがと」

 

7月の夏だというのに涼しく感じる。

時刻は午後14時30分。

僕はティアちゃんに・・・

 

「・・・今から水族館に行かない?」

「ユーリ、急にどうしたの?」

「・・・何となくだよ」

「じゃあ、お言葉に甘えようかしら?」

「・・・パフェぐらいは奢るよ」

 

ティアちゃんと会話をしながら昇降口に向かった。

途中、弓道部が見えたので遠目からだが

みーちゃんが練習をしていた。

その表情は、楽しそうな笑顔だった・・・

 

(もう会えないし・・・)

 

僕は届かない声で・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バイバイ、みーちゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして僕が中学2年の13歳。

7月の夏休みに起きた惨劇は回避され幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで全部よ」

 

ティアが聞かせてくれた内容は

私にとっては残酷過ぎだった・・・

 

「そ、そんな・・・」

 

今の真実が本当なら疑問に思っていた事も

納得できる。

 

「お父様とお母様は知ってたんですか・・・?」

「ユーリが、あいつを殺した後にウミの両親に報告に行ったわよ」

「ゆ、悠里君は・・・」

「ずぶ濡れになりながら帰って来たわよ」

 

もうこれ以上は聞きたくない・・・

それぐらい私の心は悲鳴を上げていた・・・

 

「・・・ウミ。」

「えっ・・・?」

 

私は恐らく顔がグシャグシャになるくらい

泣いていると思う・・・

私だけじゃない。

 

「もぅ、こんなの聞きたくないよぉ・・・」

 

ことりは泣きながら耳を塞ぎ・・・

 

「嫌だ、もぅ聞きたくない・・・」

 

穂乃果は頭を両手で押さえ震えながら泣いていた・・・

 

「ユーリは人を殺してまでもウミの事を助けたかったのよ」

「ど、どうしてそこまで・・・」

 

そしてティアは私の目を見て言い切った。

 

()()()()3()()()()()()()()()()()()()()だからよ」

「・・・っ!!」

 

私は最低な人です。

なんで今まで忘れてたんだろう・・・

どんな真実でも聞くって覚悟していたのに

辛すぎてどうにもならなかった・・・

 

「ゆ、悠里君、ご、ゴメンなさい・・・」

 

私は泣き崩れる事しかできなかった。

 

「・・・最後の話ね。カレン、お願いね。」

『この状況で話すのは気が引けるけど・・・』

「私とルナも話したんだから、()()()を言わないと」

『そうだね・・・』

 

最後の話?

正直、瑠菜とティアの真実を聞いただけでも

辛いです・・・

 

『最後に私が話すのは穂乃果ちゃんに関係する事だよ』

「・・・えっ?」

 

穂乃果は泣きながらも

花怜の話を聞いていた。

 

『内容は私が今の姿になった理由も関係する話だよ』

「・・・花怜ちゃんが今の姿になった事?」

『そうだよ』

 

花怜が思念体になった理由?

 

「ウミ。中学3年の時の2月に謎の怪死事件があったの覚えてる?」

 

中学3年の時の2月・・・

確か穂乃果が高校受験で忙しかったのは覚えてる。

花怜も一緒にいた筈です。

 

『中学3年生の時、ゆうり君に・・・』

 

 

 

 

花怜は悲しい表情をしながら

話始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『穂乃果ちゃんと私を守る為に『友達殺し』の罪を着せてしまった話。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、『園田海未編』終了です。
海未ちゃん視点で終わらせてみました。
次回は最後の真相編『高坂穂乃果編』を開始します。
こちらも同様にサブタイが変わりますので
よろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。