ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の予告通り、昼休みの内容になります。

それではどうぞ。


第153話 昼休み

職員室に戻った後、

僕はプリントの採点に取り掛かっていた。

 

(ここは○で、ここが×……)

 

採点を久しぶりにやってみて思ったけど、個人的にかなりの神経を使う。

こいつ何言ってんの?と思うかもしれないが、実際は脳をかなり酷使するからだ。単純な作業程、重労働な物はない……

 

「お、終わった……」

 

30人分のプリントの採点を終え、家から持って来たハチミツ飴を口に入れる。

本当はチョコレートかクッキーが良かったのだが、いかんせんバイト先。更に言うなら、学校……更に更に言うなら、女子校でそんなモノを食べる訳にはいかない。なので、万能糖分補給の飴にしました。

 

「次の授業クラスは……あれ? ないや……」

 

次の授業を担当するクラスを確認したところ、特になかった。

これには僕もちょっと意外……。まぁ…あくまでバイトでやらさせてもらってるので、その辺は気にしない事にした。

 

(宿題の続きでもやってようかな……)

 

このままボーっとして過ごすわけにもいかないので、先程の宿題の続きをやる事にした。えっと……次は数学か。

 

 

ーーー ーーー ーーー

 

 

そして、宿題を黙々とやっていると……

 

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

 

学校の予鈴が鳴った。

時刻を確認してみると、4時限目の終わりのお知らせだった。

もうそんな時間かと思ってると、授業を終えた先生方が続々と職員室に戻ってきた。

 

「水無月君、昼食はどうするんだい?」

「あの……昼食って事はいわゆるお昼休みなんですか?」

「そそ。今から1時間30分が、この学校のお昼休みだよ。購買で買う生徒もいれば、学食で食べる生徒もいるね」

 

購買かぁ……。シナモンロールあるかな?

あぁでも買い過ぎると、みーちゃんに注意されちゃうし……。

この学校の学食にも興味あるけど、バイト初日なので行く自信がない。というか、お弁当を持って来ているので、その心配はないんだけどね……

 

「水無月君~、君を呼んでる生徒が来てるよ~」

「えっ? あ、はい」

 

そう思ってると、数学担当の先生が僕を呼んだ。

誰なんだろうと思いながらも入口付近に向かうと……

 

「丸山さん?」

 

丸山彩(まるやまあや)ちゃんがいた。

何の用なんだろ……いや、だいたい予想はつくんだけど……

 

「悠里く、じゃなくて先生、今時間は空いてますか?」

「あ、はい。空いてますよ?」

「良かったら、一緒にお昼ご飯でもどうですか?」

 

予想通り、お昼ご飯のお誘いだった。

証拠に彩ちゃんは手にお弁当を持っている。

まぁ…後は、全校集会の時に僕が花咲川女子学園(ここ)に来た『説明』の意味も含まれてると思うけど……

 

「お弁当を持ってくるので、ちょっと待っててください」

 

それだけ言った後、急いで鞄から、お弁当を取り出す。

あんまり待たせるのも悪いからね……

 

 

ーーー ーーー ーーー

 

 

「ところで丸山さん? 今からどこに向かうんですか?」

「…その前に敬語禁止。後、ちゃんと名前で呼んでよ」

 

頬を膨らませながら訴えてくる彩ちゃん。

 

「はぁ……で? 彩ちゃん、今からどこに向かってるの?」

「中庭だよ♪ 千聖ちゃんと花音ちゃんも一緒なんだ」

 

呼び方を変えた途端、

さっきの表情から打って変わり、上機嫌で僕の質問に答えてくれた彩ちゃん。それにしても中庭かぁ……。ここに着いた時にちょっとだけ見たけど、音ノ木坂学院と同じくらいの広さだった。ただ違うのは、空気の美味しさかな。

 

そんなこんな考えていると、中庭に着いた。

てか、生徒がたくさんいるじゃん……。そりゃそうだ、生徒の憩いの場だし……

すると、レジャーシートに座っている千聖ちゃんと花音ちゃんを見つけた。

 

「千聖ちゃんー、連れてきたよー」

「彩ちゃん、お疲れ様。悠里、スーツ姿似合ってるわよ?」

「…からかわないでよ。まぁ…世辞でも受け取っておくよ」

 

靴を脱いでレジャーシートの上に座る。

 

「そ、そんな事ないよ? スーツ姿の悠里くん、凄く似合ってたよ」

 

花音ちゃんも千聖ちゃんと同じ事を言う始末。

いやいや、ほんとに似合わないんだけどなぁ……。はぁ……

 

「そうだ。悠里くんって、どうして花咲川女子学園(ここ)に来たの?」

「えっと…まぁ…一言で説明するならバイトだよ」

「「バイト?」」

 

彩ちゃんの質問に僕が答えると、千聖ちゃんと花音ちゃんは疑問の声を上げる。もちろん、質問をしてきた彩ちゃんもだ。

 

「これからの資金源を少しでも貯めようと思って、6月の終わりまで働ける短期バイトはないですかって、僕が通ってる学校の理事長に相談したら、教師のバイトはどう?って言われて今に至るって訳」

「それを引き受けた悠里もどうかと思うけど……」

「…ちーちゃん、その辺は僕も自覚してるよ。だけど、理事長もその案件には困ってたんだよ?」

 

だって南先生もその案件には、かなり困ってたんだもん……。基本的に僕は、南先生の頼み事は聞く質だ。ただし内容にもよるけどね……?

 

「なるほどね。あと悠里? ちーちゃんって呼ぶの止めて……。恥ずかしい……///

「…え? 別にいいじゃん、こっちのほうが僕は呼びやすいんだけど……」

悠里が良くても、私が気にするのよ!

 

しょうがない。ちーちゃんの為にも、話題を変えてみるか。

花音ちゃんは僕ら2人のやり取りに気づいたみたい。現に今もニコニコしている……

 

「そういえば彩ちゃん、僕の個人的な見解なんだけど……昨日か一昨日辺りに寝不足したでしょ?」

「えっ!? なんで分かるの!?」

「やっぱり……。全校集会の時にあくびを噛み殺してたのが見えたから。それで僕は思った。彩ちゃん、また寝不足したんだなって……」

 

そう言うと彩ちゃんは目を逸らした。

しかも分かりやすいくらいに。本人は隠してるつもりなんだろうが……

 

「彩ちゃん? 悠里が言ってる事は本当かしら?」

「うっ……。き、昨日はちゃんと寝たよ……?」

「彩ちゃん、正直に言いなよ。僕、怒らないから」

「は、はい。一昨日は寝不足しました……」

「全く……。肌荒れするから気をつけなよって、僕言ったじゃんか……」

「で、でもちょっとくらいならいいかなーって……」

 

すると、花音ちゃんが疑問に思ったのか……

 

「あれ? 悠里くんと彩ちゃんって知り合いなの?」

 

僕と彩ちゃんを交互に見ながら訊いてきた。

 

「うん! 悠里君は、私のマネージャーなんだ♪ 」

「「ええええええっ!?」」

 

彩ちゃんの答えに驚く、千聖ちゃんと花音ちゃん。

 

「彩ちゃん、説明が足りないよ。2人共、正確には元・マネージャーだから。と言っても、もう2年前の話だけどね……」

「2年前っていうと……悠里と彩ちゃんが高校1年の時って事?」

「うん。まぁ…そんな感じ。マネージャーらしい事なんてしてあげられなかった気がするんだけど……」

「そんな事ないよ! 私の体調管理とか気にかけてくれたり、危ない人から守ってくれたりとかしてくれたでしょ!」

「そりゃ……まぁ…うん」

 

個人的な見解なんだけど、

マネージャーっていうよりボディーガードの仕事が多かった気がする。

主に彩ちゃんを狙う不審者の撃退とか………

 

「でも悠里? どうして、その流れになったの?」

「会長に電話で呼び出されて、直々に頼まれたのがきっかけなんだ。ほら…一時期、事務所が慌ただしかった期間があったでしょ?」

「あぁ……あの時ね。確かにスタッフさんが慌ただしかったわね」

 

千聖ちゃんに簡単に説明すると納得したと言わんばかりに頷いた。

結局、慌ただしかった理由は教えてくれなかったが……

 

「まぁ…そんな感じで、数ヶ月の間だけ、彩ちゃんのマネージャーになったって訳。積もる話は、お昼ご飯を食べながらにしよっか」

 

そんな感じで、お昼ご飯を食べる事になった。

この後、昔の話とかをする羽目になってしまった……

それから、明日は羽丘女子学園のバイトに行くと僕が話したら、3人の驚く声が中庭に響いたのは余談である。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は午後の授業の内容になります。
本日はありがとうございました。

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