ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の予告通り、ことりちゃん誕生日回の続きになります。
あるキャラが出ます。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


第144話 知り合いが来店してきたんだけど?

どうも。

ことちゃんのバイト先で臨時バイトする事になった悠里です。

やー…去年も手伝ったけど大変だよ……主に精神的な意味で……

何故なら……

 

「すみませーん、注文いいですかー?」

「はい、ただいまー」

 

オーダーを受ける際にお客さんから何故か僕が指名されるからだ。

いや、別にイヤって訳じゃないよ? ただ1つだけ言わせてほしい……

ここってメイド喫茶の筈だよね!?

 

「確認させていただきます。カップルメニュー1つでお間違いないでしょうか?」

「あっ! 追加でコーラとアイスティーもお願いします」

「かしこまりました。 食前と食後どちらになさいますか?」

 

僕が今対応してるのは1組のカップルだ。

注文を受けたのは"カップルメニュー"だ…ていうかメイド喫茶ってこんなメニューもあるんだね……いや場所によってはあるのかもしれないが……

 

「ねぇ~、どっちにする~?」

「え~? 俺はどっちでもいいよ~♪」

 

そんな矢先イチャつき始めた目の前のカップル。

なんなの? この人達は見せつけたいの? リア充爆発しろ!!

あっ! ちなみに恋人的な意味でのリア充爆発しろって意味だからね?

 

「じゃあ食前でお願いします。」

「…かしこまりました。 少々お待ちください」

 

…さーて、とっとと厨房に行って頼まれた品を作ってもらわないと。

後ろでは再びイチャついてるカップルの声が聞こえた……

このゲロカスがっ!!

 

「注文入りました。"カップルメニュー"1つとコーラとアイスティーです」

「ゆーくん、怖い顔してるけどどうしたの?」

「なんでもないよ♪」

「え…で、でも……」

「なんでもないんだよ♪ なんでも♪」

 

ことちゃんに心配されたがそこはなんでもないと言い張った。

決して対応したカップルがウザかったからなんて口が裂けても言わない。

仮にもお客さんだからね?

 

(恋人かぁ……いいなぁ……)

 

ウザいと思いつつも反面は羨ましいと思ってたのも本音である。

でも僕は落ちこぼれだから彼女なんてできる訳ないし……どうせ高校を卒業したら死ぬ予定だから別に関係ないんだけどね?

あっ…違った……現在進行形で終活中だったわ僕。

 

「はぁ~……」

「ゆーくん? 疲れてるかもしれないけどあと少しがんばろ?」

「…ほんと、ことちゃんはいいお嫁さんになるよ」

「ぴぃ!? お、およ…お嫁さん!?」

 

ことちゃんの顔が突然真っ赤になった。

それはさておき、実際こうやって励ましてくれたりする女の子は将来いいお嫁さんになる……

ほのちゃん、みーちゃんだってそうだ。

彼女達が結婚するとしたら結婚祝いに何を送ろうかな?

 

「水無月君~、続けて悪いんだけど一番奥のテーブル席のお客様の注文に行ってもらってもいいかな?」

 

すると店長さんから頼まれた。

厨房にある各テーブル席の場所を確認する……随分と目立たない席だった……

 

「そこの席のオーダーが終わったら今日は上がって大丈夫だから」

「え…あ…はい……」

 

もしかして僕クビなの!?

いやそれ以前に僕は臨時バイトだから時間帯的にそんなんかな? かな?

まぁ店長さんが決める事なので僕はやるべき事をやる事にした……

 

 

 

 

指定された奥のテーブル席に向かうと話声が聞こえてきた。

 

「ここがメイド喫茶なんだ~…わ、私…こういう場所初めて…」

「思い切って入っちゃったけど……大丈夫かしら……?」

「儚い……」

 

声からして女子高生なんだろうか?

なんか儚いとか聞こえたんだけど……しかもなんか聞き覚えがのある声なんだけど……

まぁでも同じ声がする人間なんて数人くらいいるって話だし…僕も詳しく知らないけどさ?

そんな風に思ってました。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様。ご注文はうさgi……失礼。何になさいますか?」

 

その客の顔を見るまでは……

 

「おや? もしかして君…悠里じゃないか?」

 

某サーヴァント風に問わせていただきたい。

喫茶店の手伝いをしてる際に知り合いが来店したらどう対応するか?

『友達に頼まれて手伝ってる』と言えば問題ない……

だがもしメイド喫茶みたいな女の子が店員の店で尚且つそこに1人だけ場違いの執事服を着た男の子が手伝っていてそこに知り合いが来店したらどう対応するか?

僕が出した結論は……

 

「ゆ、ゆうり? WHAT!?ダレノコトデスカー?」

 

ことちゃんが以前やったように別キャラになって誤魔化す事だった。

だがしかし……

 

「えっと…悠里? 必死に誤魔化してるところ悪いけど……」

「バレバレ…だよ…?」

 

デスヨネー?

知り合いの前ではほぼ無意味だという事が分かった。

…自分でも分かってたけど。

じゃあなんで無意味なのにやったのかって? 察してください……

 

 

 

簡単に事情を説明中……

 

 

 

「なるほど。臨時バイトという事か」

「簡単に言うとね?」

 

知り合いの3人の女の子……瀬田薫(せたかおる)ちゃん、白鷺千聖(しらさぎちさと)ちゃん、松原花音(まつばらかのん)ちゃんに説明した。

 

「…まぁ3人の注文を受ければ僕は上がりっぽいから」

「そうなの?」

「あくまで僕は臨時バイトだから。ところで注文は何にする?」

 

3人は"日替わりケーキ"と"紅茶"にすると言った。

ちなみに千聖ちゃんがバイトが終わるなら一緒にどう?と提案してきた。

せっかくなので終わったらまた戻るねと言っておいた。

 

「注文入りました。"日替わりケーキ"と紅茶が3つです」

「はい了解。じゃあ水無月君は上がっていいよ? 今日は手伝ってくれてありがとね?」

 

厨房に戻り注文の品を伝えると店長さんに上がっていいと言われた。

 

「いえ。さっきのお客様なんですが僕の知り合いだったので、お会計は僕の方で払っておきたいんですけど……」

 

それを聞いた店長さんは、

今日手伝ってくれたお礼の1つとして好きな品を頼んでいいと言った。

流石にそれは悪いと思い断ったが遠慮しなくていいと言われた……

なので"フルーツケーキ"と"紅茶"をお願いしました。

 

 

 

 

執事服から学校の制服に着替え終えた僕は、

千聖ちゃん達が待つテーブル席に戻る事にした。

 

「あぁ…儚い……」

「…ねぇ、()()()()()?…()()()()()、どしたの?」

「その前に…その呼び名は恥ずかしいから…その……や、やめてくれない?」

「私も恥ずかしいから…そのやめてくれないか?」

「ごめん、つい癖で」

 

さっきの呼び名は千聖ちゃんと薫ちゃんの事である。

簡単に説明すると2人とは幼馴染みである。

 

「うわぁ~…可愛い呼び名だね~♪」

 

花音ちゃんは相変わらずおっとりしてるなぁ……

ちなみに花音ちゃんとは小学3年くらいの夏に僕の行きつけの水族館で出会って、そこから仲良くなった。好きな生き物はクラゲだそうです。

ちなみに水族館で花音ちゃんは七不思議の1つ扱いされてる……理由は夏になると毎回クラゲコーナーにいるので常連客が『海の妖精だ!!』と崇めてたらしい。

当然、当の本人は知らない……

この事を知ってるのは僕とティアちゃんだけである。

 

「それにしても珍しいね? 3人がこういうところに来るなんて……」

「最初は私と花音で喫茶店に行く予定だったんだけど……ほら私と花音ってアレじゃない?」

「あー…なんとなくその後の展開が読めたよ」

 

つまり纏めるとこうだ。

実は千聖ちゃんと花音ちゃんは遠出に向かないのである。

何故なら千聖ちゃんは電車の乗り継ぎが苦手で花音ちゃんは方向音痴だからだ……

困っていたところに薫ちゃんが手助けしたという感じだろう……

 

(ちーちゃん…相変わらず電車の乗り継ぎ慣れてないんだね……)

 

「…あれ? というか薫ちゃんは元々どこか行く予定だったの?」

「いや? 私は元からここに来る予定だったが?」

「「は?」」

 

キリッとした表情をしながら何事もなかったように答える薫ちゃんに、

僕と千聖ちゃんは声がハモってしまった……

 

「おっと、付け加えるなら知り合いに一度行ってみるといいよと勧められたんだ。しかしまさか千聖や花音だけじゃなく悠里にも会えるとは思わなかったよ」

 

何だろう……かおちゃんにメイド喫茶を勧める人物なんて該当する人物が1人しか浮かばないんだけど……

 

「…その知り合いって"特大パフェ"がどうとか言ってた?」

「ん? あぁ。少し大きかったけど美味しくて2つも食べたと聞いたよ」

「薫? 念の為に確認するけどマイペースな知り合いかしら?」

「聞くまででもないだろう? 悠里と千聖なら察しがついてるんじゃないかい?」

 

はい大当たり……

つまりその人物とは……

 

「「ルーちゃん……」」

 

そう。ルーちゃんである。

千聖ちゃんもルーちゃんの特大パフェ伝説は知ってるので大方の予想はついていたようだ……

 

「そういえば悠里…瑠菜から聞いたぞ? ここ最近何も食べてないそうじゃないか」

「え、えーと…それは…その……」

「「ふーん……」」

 

薫ちゃんの思わぬ発言によって千聖ちゃんと花音ちゃんの目つきが変わった気がする……おかしいなぁ? あと背中辺りから氷のような視線を感じるんだけど……

何も食べてなかったんじゃない…ホントは食べてたんだよ!?

…たまにだけど……

 

「ゆーくん? ちなみに最近は何を食べてたの~?」

 

更に聞き覚えのある声……

おかしい…今ここには僕以外だと薫ちゃん、千聖ちゃん、花音ちゃんの3人の筈だ……

待て待て!? 彼女は厨房にいる筈だ……

 

「ちゃんと答えないと…おやつにしちゃうぞ~?」

 

メイド姿の黒い天使がいつの間にやら降臨されていた……

普段はニコニコしているが怒らせるとたまったもんじゃない……

 

「ご注文の品をお持ちしました~♪ ゆーくん? もう1回訊くね? 最近は何を食べてたのかな?」

 

もう流石に正直に言わないと説教喰らう流れになりそうだよ……

それは勘弁願いたいので……

 

 

「キャットフードだけど(ドヤッ!!)」

 

よし! これで説教という惨劇から回避できru……

 

 

「「「「ばかぁー!!!」」」」」

 

 

メイド喫茶に4つの怒号が響きました。

えっ…? 僕…悪くないよね?

この後4人にめちゃくちゃ怒られました……

げ、解せぬ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も投稿が遅れる事があると思いますがよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

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