ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
あ、暑い……(気温的な意味で)
前回の続きになります。
演奏の描写とか上手く表現できてればいいんですが……
自分なりに頑張ってみました。
楽しんでいただけると嬉しいです。
視点は花陽ちゃんになります。

それではどうぞ。



第142話 幻のアイドル再臨

こ、こんばんは……

小泉花陽です。

ライブハウスでバンドのライブを観に来たんですが、

そこでRoseliaの方々と会ったんです!!

その後に悠里さんが来てRoseliaの方々と知り合いという事が判明したんです!!

しかもボーカルの友希那さんとリサさんとは幼馴染みという事実!!

…って私は誰に向かって説明シテルノォォォ!!?

 

「ところで悠里くん。準備は終わったの?」

 

そう聞いてきたのは受付のお姉さんでした。

その言葉を聞いた悠里さんは涼香ちゃんを下ろすと……

 

「…はい♪」

 

あれ……?

悠里さんってこんなに明るかったかな……?

なんというか学校で見る時よりも明るいような……

 

「さてそろそろ開始時間だけど……ってその前にRoseliaのみんなを何とかしないと」

「「えっ?」」

 

私と悠里さんが疑問の声を上げると、

お姉さんはあれを見てみなさいと指をさしました。

そこには驚愕の表情をしたまま突っ立っているRoseliaの皆さんが……

 

「はいじゃあ悠里くん♪ お願いね?」

「なんで僕なんですか?」

「それはまぁ悠里くんがここにいるからじゃない?」

「…はいはい、分かりました……」

 

やれやれと溜息をしながらも

悠里さんが近くにいた友希那さんに近づき……

 

「友希那ちゃーん、そろそろ開始時間だってー」

「…………はっ!! そ、そうね…みんな。急ぐわよ」

 

友希那さんの掛け声で落ち着いたのか、

他の皆さんもステージに向かう通路に向かいました。

 

「頑張ってねー」

 

悠里さんがそう言った瞬間……

 

「って違うわよ!! 悠里も一緒に行くの!!」

「ぼ、僕も? いや…僕は後から行くから……」

「とりあえずアタシも友希那も悠里にいくつか聞きたい事があるから……ね?」

 

友希那さんとリサさんに両腕をガッチリ掴まれ、

一緒に連行されてしましました……

あ、あわわ……お二人の目が一瞬だけ怖かったです……

 

「かよちん、凛達も受付を済ませた方がいいんじゃないかにゃ?」

「あ、そ…そうだよね? すみません、この抽選券を使いたいんですが……」

 

凛ちゃんの一言で思い出しました!

そういえば私達も受付を済ませてませんでした……

元はと言えば凛ちゃんが燐子さんとぶつかったからなんじゃ……?

でもそのお陰でRoseliaのメンバーにも会えたんですけど。

 

 

 

 

ーーライブ開始15分前ーー

 

 

 

「わぁ~人がたくさんいるよぉ~」

 

受付を済ませライブ会場に入ると、

涼香ちゃんの言う通り人がたくさんいました。

しかも熱気が凄いです……

 

「それにしても人が随分と多いわね。ここにいる人達って燐子さん達のバンドのファンなの?」

「多分そうじゃないかな? 私も来るのは初めてだから詳しくは分からないけど……」

 

私達がいる場所はステージの1番前です。

先程の話になるんですが受付のお姉さんが確保してくれたようなんです。

なんでも悠里さんが私達の為に予約してくれたとか……

感謝感激です!!

 

『只今よりRoseliaのライブを開始したいと思います』

 

そう思った時アナウンスが鳴りました。

しかもこの声……受付のお姉さんみたいですね……

そのアナウンスを聴いた瞬間、会場の人達はまだかまだかという声が

聞こえてきました。

するとRoseliaの皆さんが入場してきました。

 

(うわぁ…近くで見るとやっぱり凄いなぁ……)

 

そう思ったのはここにいる会場の人達もでした。

現に盛り上がりが凄いです……

そして友希那さんがマイクを手に取り……

 

「それでは聴いてください『BLACK SHOUT』」

 

それを合図に演奏が始まりました。

聴いてて引き込まれる感覚になった……

凛ちゃんや真姫ちゃんも魅入ったように演奏を聴いてる。

そして気づけばあっという間に演奏は終わってしまいました……

 

「…ありがとうございました」

 

演奏が終わった後だというのにも関わらず、

観客の盛り上がりは凄かったです……

バンド初めて生で観たけどまた聴いてみたいなぁ……

 

「おい。Roseliaのメンバー全員がステージから降りたぞ?」

「退場口ってあっちの筈だよな?」

 

そう思ってた矢先、

Roseliaの皆さんが私達のいる場所まで降りてきたんです。

観客の人達も今の行動には疑問を抱いていました……

 

「…隣いいかしら?」

「は、はいぃぃ……」

 

な、なんという事でしょう!!?

友希那さんに隣いいですかと話しかけられてしまいましたぁ!?

つい反射的に返事をしてしまいましたけど……

 

『えーそれでは只今からミラクルライブを開始したいと思います♪』

 

アナウンスが鳴り会場はざわざわとなりました。

 

「ミラクルライブってなんだ?」

「Roseliaの演奏の後に誰かいたか?」

「いや…いない筈だぞ?」

 

後ろにいた観客の人が話していたのが気になった私は、

バンド出演者のパンフレットを取り出し確認しましたが、

確かにRoseliaの後には誰もいません……

 

『今日来た観客の皆さんは超ラッキー! 常連のお客さんやバンド出演者は存在を知っていても過言じゃないでしょう!! 何せ皆さんが今からお目にかかるのはアイドル界では幻のアイドル、そして音楽界では幻の歌姫(ファントムディーヴァ)、またの名を……ソプラノ二重奏(デュオ)の演奏が今から聴けるぞー!!!』

 

アナウンスの説明が終わると、

会場が驚きに包まれました。

 

「うぉおおお!! マジか!!?」

「12年振りに歌が聴けるぞー!!」

「奇跡、奇跡だー!!!」

「Roseliaの演奏だけでも最高なのにソプラノ二重奏(デュオ)の歌が聴けるなんて俺いつ死んでもいいー!!!」

 

す、凄いです……

噂には聞いていましたが悠里さんの人気ってここまで人気あるんですか?

そういえばμ'sがアメリカでライブをした時なんですが悠里さんのライブが密かに公演された事があったと真姫ちゃんから聞きました。

その時に悠里さんのライブを間近で観たのは真姫ちゃんだけのようです……

 

『それではー……どうぞ!!!』

 

ステージの足元から煙が一気に噴射され姿を現したのは、

黒い衣装に蒼い造花のヘッドドレスを付け、更に愛用の楽器と思われる

ショルダーキーボードを携えた悠里さんがそこにいました……

その姿を目の当たりにした観客の反応は……

 

「ほ、本物だー!!!」

「使い込んであるショルダーキーボードと一度見たら忘れない衣装!! 極めつけは左耳に着けてある三日月型のピアス!! やべぇ……本物のソプラノ二重奏(デュオ)だー!!!」

 

凄く興奮しています。

悠里さんが幻のアイドルだと判明した際に、

にこちゃんが……

 

『幻のアイドルの歌を間近で聴いた人は一生記憶に残るらしいわ』

 

って言ってたのを思い出しました。

しかもこれも噂なんですが純粋に音楽やアイドルが好きな人には、

悠里さんの秘密が分かるそうなんです……

 

「…では拙い歌ですが聴いてください『MOON ABYSS』」

 

一度深呼吸をしショルダーキーボードを構え、

悠里さんの演奏が始まりました。

 

(綺麗……)

 

その歌声は悠里さん本人の筈なのに()()()()が聴こえてくる……

キーボードの音も歌声に見事なくらいシンクロしていて何処かの世界に連れてかれるような感覚……

周りの反応も盛り上がるというよりは()()()()()()()()感じでした。

 

(あ、あれ……? 今…悠里さんの背後に何かが……)

 

一瞬、ほんの一瞬ですが悠里さんの背後に()()が視えました。

今のは気のせい…なんでしょうか?

 

「…ありがとうございました」

 

そう思ったのも束の間、

演奏が終わってしまいました……

 

「それではまた…いつの日か……ハバナイスデイ」

 

指を鳴らしながらその言葉を呟くと、

会場がこれほどかというほど暗くなり灯りが戻った時には、

ステージに悠里さんの姿はありませんでした……

 

 

『それでは本日のライブはこれにて終了になります』

 

 

受付のお姉さんのアナウンスだけが、

その場を支配していました……

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
すみません、あと1話だけ続きます……(土下座)
前回よりも文字数が短くなってしまったような……(お、おかしいなぁ?)
こんな調子ではありますが、
よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。



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