ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回の内容ですがコラボ回…といっていいのかな?
まぁ…なんというかそんな感じです。
花陽ちゃん視点も後半に入れてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


第141話 数年振りのライブと幼馴染み

朝の9時30分。

この日は花陽ちゃんが言ってたライブハウスで

各バンドがライブをする日だ。

 

「えっと…忘れ物はない筈……」

 

ライブ衣装と音楽プレーヤー、

財布、後は僕が使っている楽器のショルダーキーボード。

必要な物を確認し終えた僕は荷物を持って自宅を出た……

 

 

 

 

目的地に向かって歩いてる途中、

休日にも関わらず女子高生が制服姿で歩いてるのが見えた。

補習か何かかな……?

ちなみに今僕が歩いてる地域は女子高が多い。

さっきの女子高生は羽丘女子学園(はねおかじょしがくえん)の生徒のようだ。

小さい頃に璃夢ちゃんと何度か見た事があるので今でも覚えてる……

 

(あれ? 今日はやけに人が多いな……)

 

ライブハウスに近づくにつれ、

人混みができていた……

 

(毎度の事ながら混んでるなぁ……)

 

これも見慣れた光景だったりする。

平日でも混んでる時があるけど休日の場合はその倍混む。

 

「何か飲み物買って行こうかな……」

 

ライブハウスの隣がカフェなので、

中に入る前に飲み物を買っておこうと思った僕はカフェに立ち寄る事に……

 

「いらっしゃいませー♪」

「カフェラテ1つ、トッピングで"シナモン激増し"で……」

「かしこまりましたー♪」

 

ここのカフェは種類が豊富。

その中でも僕が頼んだのはカフェラテのシナモン激増しである。

僕が最後に来た時よりも種類がまた10種類増えてるのは気のせいかな?

なんだかこのカフェに来る度に新しいのが増えてるんだけど……

 

「はい、ご注文のカフェラテのシナモン激増しになります♪」

「…どうも。おいくらになりますか?」

「550円になります」

 

…600円は何故かいかない。

店員さんに550円を渡す。

 

「550円ちょうどで」

「はい550円ちょうどお預かりします♪ ところで君ってライブに出るの?」

「…はい。数年振りにライブするんです」

「数年振り? あら…でもどこかで見た事があるような……?」

「し、失礼しました!」

 

流石にマズいと直感的に思った僕は、

その場から逃げるようにライブハウス『CiRCLE』に入って行った。

 

 

 

ーーライブハウスCiRCLE内ーー

 

 

 

「あ、危なかった……」

 

何が危なかったのかって?

さっきのカフェの店員さんに僕の素性がバレるところだったからだよ……

さっさと受付を済ませちゃおっと……

 

「いらっしゃいま……って悠里くん!?」

 

はい詰みましたー!!

ここで僕は肝心な事を忘れていた。

それは受付のお姉さんが知り合いだったという事である……

SA☆IA☆KUだよ……

 

「ど、どうも……ご無沙汰しています」

「びっくりしたわよもぅ……それで? 今日はどうしたの?」

「練習しに来たのと……後ライブしに来ました」

 

僕がそう言った途端、

お姉さんは鳩が豆鉄砲を食ったような表情になった。

 

「ちょっと待って? 練習しに来たのは分かるけどライブするの?」

「します。後輩と妹が来るのでサプライズみたいにしようかなと……」

「今日ライブを観に来たお客さん……びっくりするんじゃないかしら?」

 

そう言いながらも受付表に書いてくれる。

相変わらず仕事が早いですね?

 

「そういえば歌う順番は前半と後半どっちがいい?」

「僕が前半に歌うと思いますか?」

「冗談よ♪ 最後の方に予約しておいたわ。開始の合図は私の方でやっておくから」

「…毎度お手数をおかけします」

「いいのいいの♪ はいこれが練習場所のスタジオの番号ね? といっても悠里くん専用の場所だから他の人は入れないけどね」

「…人前に出る柄じゃないですから」

 

渡されたスタジオの番号札は『0番』と記されていた。

普通の出演者はこの番号の存在を知らない……

知ってるのは、ここのライブハウスの関係者くらいだ。

あとは……ルーちゃんくらいかな?

 

「それじゃ時間が来たらお願いします」

「は~い♪ 悠里くんも楽しみにしててね~♪」

 

僕も楽しみにしとけとはどういう意味だろ……?

少し疑問に思いながらも僕は昔から使わせてもらっているスタジオに足を運んだ。

 

 

 

ーー0番スタジオーー

 

 

 

特定の通路を使い慣れた足取りでスタジオに着いた。

中は昔と変わらず薄暗く防音壁が貼ってある……

ドラム等バンドが使う楽器は一通り揃っているが僕は使わない。

使うのは昔から使っているショルダーキーボードだけだ。

 

(最初は基本の練習から……)

 

ショルダーキーボードを構えた僕は、

精神を集中する為に目を瞑り練習に入る事にした……

 

 

 

 

 

side花陽

 

 

 

 

 

こ、こんばんはでいいんでしょうか……?

小泉花陽です。

今日は待ちに待ったバンドのライブなんです。

 

「凛バンドを観るの楽しみだにゃー」

「凛……はしゃぎすぎよ」

「わーい♪」

 

実は私1人だけじゃなく、

凛ちゃんと真姫ちゃん、悠里さんの妹の涼香ちゃんの4人で観るんです。

待ち合わせ時間は念の為に1時間前にしといたんです!

そしたら案の定、目的地のライブハウスが近づくにつれ多くのお客さんがいました。

…くっ!! 花陽とした事がもう少し早めにすれば良かったです!!

 

「ところで花陽、何かお目当てのバンドでもいるの?」

「あ、凛も聞きたいにゃー!」

「よくぞ聞いてくれました! 実はこのバンドだよ!」

「はなよおねえちゃん、早く見せて見せて~♪」

 

真姫ちゃんに聞かれたので、

お目当てのバンドのポスターを見せる。

 

「これ…何て読むにゃ? ろ、ろ……ローメリャ?」

「りんおねえちゃん、Roselia(ロゼリア)って読むんだよ?」

「凛……あなたいい加減に英語できるようになりなさいよ」

 

うんうん!

真姫ちゃんの言う通り凛ちゃんはもう少し英語ができるようにならなきゃね?

というか涼香ちゃんが読める事に驚きなんだけど……

本当に8歳なんだよね?

 

「コホン! 説明を戻すと今から行くライブハウスでRoseliaのライブを間近で観れるんだよ! この抽選券はその為の特権なんだよ!!」

 

最初はダメ元で応募してみたけどまさか当選できるなんて思ってなかったよ~♪

Roseliaといえば本格派バンドで、しかも私達と同じ高校生で構成されたと聞いた事

があります。

有名なライブハウスでの演奏経験もあって音楽業界からもかなりの注目を受けているんです!!

 

「あ、あそこが目的地のライブハウスCiRCLEだよ?」

「人が多いわね……」

「じゃあ早く受付を済ませちゃうにゃー」

「あ、凛ちゃん!」

 

よっぽど楽しみだったのか凛ちゃんは、

ライブハウスの中に1人で走って行きました。

私達も慌てて凛ちゃんを追いかけました……

あ、涼香ちゃんは真姫ちゃんが抱っこしてるから大丈夫だよ?

 

 

 

 

ライブハウスの中に入ると凛ちゃんが誰かとぶつかって倒れていました。

……ってナニガアッタノォォォ!!?

 

「りんおねえちゃん大丈夫?」

「ちょっと凛!! あなた何やってるの!! すみませんごめんなさい!!」

「ご、ごめんなさい!!」

 

私と真姫ちゃんはぶつかった相手に謝る。

すると相手の方は顔を上げ……

 

 

「い、いえ……こちらこそすみません……って真姫ちゃん?」

「へっ…? なんで私の名前……って燐子さん!?」

「やっぱり真姫ちゃんだ♪ 久しぶりー♪」

 

なんと凛ちゃんがぶつかってしまった相手は、

Roseliaのキーボード担当の白金燐子(しろかねりんこ)さんでした……

ほ、本物だよね!?

 

「りんりん、どうしたのー?」

「あこも走ると転ぶぞー」

 

すると紫髪の女の子と茶髪の女の人がやって来ました。

…ってえええ!?

あ、あの人達ってRoseliaのドラム担当の宇田川(うだがわ)あこさんとベース担当の今井(いまい)リサさんじゃないですかー!!?

 

「急いでたら知り合いの同級生の子とぶつかっちゃって……」

「燐子さん、ほんとうにすみません! ほら凛も!!」

「ご、ごめんなさいにゃ……」

「ううん…わたしもよそ見してたから……気にしないで?」

 

や、優しい……燐子さん優し過ぎです!

 

「そういえばりんりん、受付終わった?」

「あ……えと……ちょうど今からで……」

「ええ!? ど、どうしようリサ姉……」

「やばい……ただでさえアタシ達3人遅刻なのに友希那(ゆきな)紗夜(さよ)に怒られる……」

 

あこさんとリサさんが何やら慌てながら話していました。

燐子さんはオロオロしていますが……

 

「呼びました?」

「5分30秒の遅刻よ。3人共」

「「「ひぃぃ!?」」」

 

リサさん達の背後に現れたのは、

Roseliaのギター担当の氷川紗夜(ひかわさよ)さん、

そしてRoseliaを纏めているボーカルの湊友希那(みなとゆきな)さんでした!!

ど、どどど……どうしよう!?

まさかRoseliaのメンバー全員と会えるなんてぇ!!

 

「ゆ、友希那? それに紗夜もいつから来てたの……?」

「湊さんが先程言った通り、5分30秒前に私達は来てました。それから受付ですが念の為に私の方でしておきましたので」

「だいたいリサ? あなた自分で受付は任せとけって言ってたわよね?」

「い、いやぁ~……」

「まぁまぁ友希那ちゃんも紗夜ちゃんもそれくらいに…ね?」

 

遅刻云々のやり取りを止めたのは、

受付のお姉さんでした……

 

「今日はRoseliaのみんなにも観て欲しいスペシャルゲストが来てるから♪」

「「「「「スペシャルゲスト?」」」」」

 

スペシャルゲスト……?

お姉さんの表情を見る限りだとよっぽど凄い人だと伺えます……

いったいどんな方なんでしょう?

 

「あら♪ 噂をすれば何とやらね。友希那ちゃんは特に驚くんじゃないかしら?」

 

お姉さんがスペシャルゲストさんを見つけたようです。

という事は友希那さんの知り合いなんでしょうか?

するとショルダーキーボードを携えた人影がこっちにやってきました。

人影が近づくと涼香ちゃんが……

 

 

「あ♪ お兄ちゃーん♪」

 

…え? お兄ちゃん……?

涼香ちゃんがそんな風に呼ぶ人は私達が知ってる中では1人しかいない。

もしかしてスペシャルゲストって……

そして人影の正体は私の予想通り……

 

「もぅ……涼香? 急に抱きついたら危ないでしょ?」

「えへへ♪ お兄ちゃんー♪」

 

水無月悠里さんでした……

悠里さんは涼香ちゃんを抱きとめると、

いつものように頭を撫で始めました。

 

「「ゆ、悠里!?」」

 

次に真っ先に声を上げたのは、

友希那さんとリサさんでした。

紗夜さん、燐子さん、あこさんも驚愕の表情をしていました……

えっ!? ど、どういう事なんでしょうか!?

とりあえず私は悠里さんに近づき……

 

「あ、あの…悠里さん、友希那さんとリサさんと知り合いなんですか?」

 

少し小声で聞くと、

悠里さんの口から……

 

 

「うん。友希那ちゃんとリサちゃんとは幼馴染みだよ?」

 

 

とんでもない事を聞いてしまいました。

ナニガドウナッテルノォォォ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回に続きます。
バンドリの『Roselia』のキャラを出したのは、
この小説の話の内容を少し合わせるのと近いうちにバンドリの小説を連載しようと思ってたからです。
どうかこれからもよろしくお願いします。

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