今日は七夕ですね。
皆さんは短冊に何か願い事を書きましたか?
今回の内容ですが、とあるゲストさん視点にしてみました。
7月7日という記念日だし別にいいよね?
追伸:投稿時間が1日ズレてしまいました……(申し訳ありません)
「こんな奇跡、滅多にないんだから」
あれ?
なんか声がしたような……?
ってなんだ尻尾に青いリボンを付けた黒猫か。
それではどうぞ。
随分と賑やかそうな
くすくす…退屈しのぎにはなりそうね。
さて…今から何しようかしら?
「わー!? 遅刻しちゃうよー!?」
慌ただしい声が聞こえたので、
視線を向けると1人の女子高生が走って行くのが視えた。
なんだか面白そうだし後をつけて行こうかしら……
気づかれないのかって?
…ああ。あなた達には言ってなかったわね?
その理由は私が
先程の女子高生の後をつけて行くと、
同じ制服を着た2人の女子高生がいた。
この子の同級生かしら?
「穂乃果!! また寝坊ですか!!」
「寝坊じゃないもん!! ちゃんと起きたもん!!」
「怪しいですね……」
「海未ちゃん酷いよ!!」
どうやら私がつけて行った子は穂乃果というらしい。
海未と呼ばれた子は一言で表すなら大和撫子という言葉が合ってるわね。
「まぁまぁ海未ちゃん、穂乃果ちゃんも寝坊しないようにね?」
「ことりは甘過ぎです!!」
ことりと呼ばれた子が海未を宥める。
それにしてもあのトサカみたな髪型はどうなってんの?
最近の女子の流行りなのかしら?
「あれ? ゆうちゃんは一緒じゃないの?」
穂乃果がこの場に1人いない事に気づく。
てか誰よ、"ゆうちゃん"って……
「あ! ゆーくん来たよ」
ややこしいわね……
今度は"ゆーくん"って…まぁでも察したわ。
どうやらあだ名みたいね……
そして3人の元にやって来たのは首に黒のチョーカー型ペンダントを付けた男の子だった。
(雰囲気がなんとなく穹に似てるわね……)
どことなく私の好きな人に似ていた。
何故そう思ったのかは分からない……
「ゆ、悠里君…お、おはようございます///」
「おはよ……」
悠里と呼ばれた男の子は微笑みながら海未に挨拶を返す。
なんか海未の声が上ずってるわね……
心なしか顔も赤いし……
「「…むぅー」」
穂乃果とことりは頬を膨らませながら、
悠里と海未を見ていた。
もしかしてこの3人…悠里の事が好きなのかしら?
私の女の勘だけど……
そう思っていると何処からか視線を感じた。
「悠里君どうしたんですか? さっきから上を見てますけど……」
「おーい、ゆうちゃーん?」
「ゆーくん?」
その正体は悠里だった。
まさかと思うけど私の姿が視えてるのかしら……
普通ニンゲン如きが魔女の姿を視認できる訳がないと言いたいが、
現に悠里は私をジッと見つめていた……
少し興味がわいた私は姿を現す事にした。
「こんにちは……それともおはようと言った方が正しいかしら?」
「…後者の方が正しいかと」
「「「えっ……」」」
あら…私の姿を見ても驚かないのね。
後ろの3人は普通に驚いてるけど。
安心なさい? それが普通の反応だから。
「海未ちゃん…穂乃果、疲れてるのかな? 女の子が空中に浮いてるよ?」
「あ、あの…お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「穂乃果の意見ガン無視なの!? ゆうちゃーん、海未ちゃんが無視するー!!」
「よしよし……」
くすくす…見てて面白いわね。
海未と悠里の表情を見る限りだと
いつもの事だから話を進めて構わないようね……
「私の名はベルンカステル。奇跡の魔女よ」
「…空想上の存在かと思ってたけど、僕的には奇跡って解釈していいのかな?」
「そう思ってくれて構わないわ。貴方は姿が視えない筈の私を人の身でありながら見つけたんだもの……」
「大ベルンカステル卿に褒められるとは……」
「ベルンでいいわ。呼びにくいでしょ?」
「…僕より年上でしょう? 馴れ馴れしいとは思わないんですか?」
「私が許すわ。それにあんたみたいな男は嫌いじゃないもの」
「…それはどうも」
そういう謙虚なところも穹に似てるわね……
「あ! 思い出した!!」
さっきまで私を見ながら考え事をしていた
ことりが何かを思い出した表情になった。
「
涼香という単語には聞き覚えがあった。
彼女には兄がいて魔女になった理由が自分の兄に幸せになって欲しいと……
そしてある仮説が浮かぶ。
私は悠里に問いかける……
「貴方の名前を教えてもらってもいいかしら?」
「
点と点が繋がった。
「…そう。貴方が涼香の兄なのね」
「涼香ちゃんの事を知ってるんですか!?」
「知ってるも何も涼香は私達の間では大魔女よ」
なるほど……
この
…いや違うわね。
正しくは
涼香が死に物狂いで救ったという……
(とんでもない
散歩がてら気紛れで来た
まさか"時空の魔女"の故郷とは思わなかった。
…偶然かしら?
でも前に涼香は私が1度だけ訪れた事があるって言ってたわね……
そこで私が切っ掛けを与えて自分は魔女になれたのもあるって。
さっぱり分かんないわ……
(涼香には借りというか……助けてもらった事もあるし)
私は基本的に借りは作らない。
けど大切な一部の友人達は別だ……
涼香もその1人であり私にとっては大切な友人だ。
なら私がすべき事は1つ……
その前に悠里に聞いておかなければ……
「…悠里。正直に答えて? 貴方にとって涼香はどういう存在なの?」
彼は一度考える仕草をした後、
私の目を真っ直ぐ見ながら……
「大切な家族かな。…かと言って涼香が僕の家系を知ったら嫌われるのも覚悟してるし、
それ以前に涼香は悪くない。この世の真実なんて殆どが残酷な事なのは僕が一番知ってる。涼香には幸せになって欲しいんだ…普通の女の子としてね?
自分勝手かもしれないけど僕自身が決めた事だから」
涼香から聞いた通りだった。
彼は辛い事に関しては身内はおろか他人にも言わず、
たった1人で解決してしまう……
落ちこぼれで自分が死んでも誰も悲しんではくれないと思ってるからって……
「そう……それとそこの3人を少し借りてもいいかしら?」
「「「えっ?」」」
「…ご自由に」
そう言うと悠里は少し離れ電柱に寄りかかった。
そして鞄から音楽プレーヤーを取り出し、
イヤホンを耳に付け音楽を聴き始めた。
自分は音楽を聴いてるから気にせずにどうぞって意味ね。
「貴女達3人は彼の過去を知ってるのかしら?」
「「ど、どうしてそれを……」」
「穂乃果、ことり。落ち着いてください。この人の事は悠里君から聞いてますので」
海未は随分と冷静ね……
さしずめ纏め役ってところかしら?
この冷静さをラムダにも見習って欲しいわ。
…いや無理ね。あの子、超パーだし……
「先程の質問の答えですが私達は悠里君の過去の事は中学時代までしか知らないんです。去年3人の親友に聞かされたんですが……」
これも涼香から聞いた通りね。
なら説明する手間が省けるわ……
「これから先……というより7月に入ったら貴女達3人は未来予知に近い悪夢を見る事になるわ。それも何日もね。別に信じる信じないは自由だけど注意はしておきなさい……
悠里が大切な人だと想うなら尚更ね。私から言えるのはそれくらいよ」
3人の表情は真剣だった。
かつての私みたいに……
「それって教えてもらえないんですか……?」
「仮に知ってても教えないわ。私…意地悪だから」
「そう…ですよね」
私は涼香から結末を見せてもらったから、
答えは知っている……
ほんとうに奇跡と宣言してもいい物語だった。
「…3人共、手を出しなさい」
「「「は、はい……」」」
指を鳴らし3つの花びらのカケラを構築させる。
それぞれオレンジ、青、白の3色……
3色の花びらはそれぞれの手に渡る。
「…私からのささやかなプレゼント。貴女達3人が迷った時に効果を発揮する観覧席の招待状……"観劇者権限"よ。
"観劇者権限"まで渡すなんて私も甘くなったもんだわ。
アウアウに言われようが知った事じゃないわ……
私自身が決めた事だもの。
「…じゃ私は消えるとするわ。時間は巻き戻してあるから遅刻はしないと思うわよ」
「「「あ…あのっ」」」
この
穂乃果、海未、ことりに呼び止められた。
何か言いたそうだけど何かしらね。
「「「あ、ありがとうございます!!」」」
私の目を見ながらお礼を言われた……
未だに慣れないのよね…急に感謝されたり、
今みたいにお礼を言われたら何て返事をすればいいか戸惑うのよ。
だから私は去り際に……
「涼香が紡いだ物語……私も最後まで貴女達を見届けるわ」
……これを見てるあなた達とも少しの間お別れね
答え合わせは最終回が終わってから別の物語とも検証してみるといいわ
私は意地悪だからこれ以上は詳しくは教えないわよ?
だから奇跡の魔女として赤で宣言するわ……
これから先の物語は残虐だが最後まで読まないと結末は分からない
じゃあね
読んでいただきありがとうございます。
やっちゃったZE☆
偶には別作品のキャラも混ぜてみるのもいいかなと思い執筆してみました。
本編も頑張りますのでよろしくお願いします。