7月になりましたね…(暑い)
今月初の話は悠里の妹の涼香の視点にしました。
楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
こんにちは!
水無月涼香です、8歳です。
将来の夢は魔女になる事です!
「涼香ちゃーん、ちょっと来てー?」
美柚樹先生に呼ばれた……
ぅにゅ…何かいけない事しちゃったかなぁ?
「なんですかー?」
「あのね? 涼香ちゃんにお使いを頼みたいんだけど……」
「ぅにゅ……?」
ぅにゅ…お使い?
「音ノ木坂学院って知ってる?」
「しらなーい」
「簡単に言うと悠里くんが通ってる学校なの。それでね? この書類を悠里くんに渡して欲しいの」
美柚樹先生から渡されたのは、
B4サイズの封筒だった。
これをお兄ちゃんに渡せばいいのかなぁ?
「本当は先生も一緒に行ってあげたいけど外せない用事ができちゃって……悪いけどお願いしてもいいかしら?」
「はーい♪ 帰りはお兄ちゃんと一緒でいいのー?」
「ええ♪ お使いが終わったら連絡はしてね?」
「はーい」
美柚樹先生から預かった封筒をバックに入れ準備を終えた私は、
すぐに出発する事にしました。
上手にお使いできるかなぁ……?
「ふえーん! 地図が読めないよぉ……」
歩く事30分。
美柚樹先生から貰った地図がポンコツ過ぎて読めません……
うぅ…お兄ちゃん……
(お腹…空いたなぁ……)
この前ラムダデルタお姉ちゃんと羅奈お姉ちゃんから教わった
特製ポップコーンを持ってくればよかったよぉ……
甘いものを食べないと頭がパンクしちゃう……
「あ! 和菓子屋さんだ!」
ちょうどそんな時、
和菓子屋さんを見つけました。
えっと……ほ、"穂むら"って読めばいいのかなぁ~?
とりあえず入ろうと思った私は、お店ののれんをくぐる……
「いらっしゃいませ~」
入ってすぐ出迎えてくれたのは、
ママと同じくらいの綺麗なお姉さんでした。
「あら可愛い♪ もしかしてお使い?」
「はい。オススメを1つください!」
そう伝えると、
お饅頭を持って来てくれました。
真ん中に"ほ"の焼き印がありました。
「ここの名物の穂むら饅頭よ♪」
「おいくらですか?」
「それはサービスよ♪」
ででででーん♪
お饅頭をただで貰っちゃいました♪
ついでに聞いておかなきゃ!
「あの…音ノ木坂学院に行きたいんですけど場所ご存知でしょうか?」
「知ってるわよ♪ 誰かに会いに行くの?」
「お兄ちゃんに会いに行くんでーす♪」
「あらそう♪」
お姉さんは音ノ木坂学院までの道のりを親切に教えてくれました。
聞けばお姉さんは卒業生みたいです!
「教えてくれてありがとうございました」
「気をつけてね~」
よ~し! もうちょっとだけ頑張るもん!
意気込んだ私は、和菓子屋さんを後にしました。
ーー涼香が穂むらを出た直後ーー
「あの子……誰かに似てたような……」
「…………」
「あら? あなたもそう思う?」
「………!」
「えっ!? そんなまさか……」
「………」
「でも…うーん……」
涼香の姿を見て何かを思い出そうと悩んでいる
穂乃果母と穂乃果父の姿があったそうな……
ーー音ノ木坂学院ーー
和菓子屋の綺麗なお姉さんに教えてもらい、
無事に目的地の音ノ木坂学院に着きました♪
でもどうやって中に入ろう……?
『神は言っている。ここで立ち止まるべきではないと……』
あれー?
何か聞こえた気がする……
うーん…気のせいかな?
でも立ち止まっても仕方ないよね!
分からなかったら校舎内にいる人達に聞けばいいんだもん!
「涼香は大丈夫です!」
自分に言い聞かせた私は校舎内を目指して中に入りました。
あ、今のセリフはね?
穹お兄ちゃんとベルンカステルお姉ちゃんが最近ハマってるゲームの
キャラクターのセリフなんだー♪
無事に校舎内に入った私は、
お兄ちゃんを捜しています!
でも人がいません……
みんな…お勉強中なのかなぁ?
(あ、食堂がある!)
食堂を見つけたので、
お昼ご飯を食べる事にしました。
時刻は13時30分。
うん! 遅いお昼ご飯だね♪
「いたぁきます!」
へっへーん♪
今日のお弁当はキャラ弁なんだよ?
んー? なんのキャラクターかって?
"そんな装備で大丈夫か?"の人と"大丈夫だ! 問題ない"の人だよー♪
あっ!! 勘違いしないでよ?
私は腐ってないんだから!!
このキャラ=腐ってる扱いするなんて片腹痛し傷つくんだよ!?
この養分共が!!!
「ごちとぉさま!」
食べ終わったお弁当箱をバックに入れ、
お兄ちゃんを捜しに校舎内を歩く事にしました。
(お兄ちゃんどこかなぁ~?)
そう思いながら廊下を歩いていると、
お兄ちゃんの声がしました!
んー? なんで分かったのかって?
だって私、魔女だもん!!
ーー体育館ーー
着いた場所はなんと体育館!!
体育館ってアレだよね?
みんなで購買の食べ物を誰が買いに行くかを決める"せんじょー"なんでしょ?
主に焼きそばパンとカツサンド!!
私は焼きそばパン派だよ~♪
(あっ♪ お兄ちゃんみっけ♪)
お兄ちゃんを見つけたであります!
ほのかおねえちゃん、うみおねえちゃん、ことりおねえちゃんも一緒みたいです。
なんのお話をしてるのかな~?
難しい話なのかな、かな?
お兄ちゃん達が今なにしているかというとバトミントンをやってたみたいです。
いいなぁー……
(うぅ~…私もお兄ちゃん達と遊びたいよぉ……)
ちょうどその時……
「こーら、1人で何してるの?」
「みぃ!?」
聞き覚えがあるなと思い後ろを振り返ると、
まきおねえちゃんがいました。
あ、あわわわ…見つかっちゃったよぉ……
「真姫ちゃんどうしたにゃ……って涼香ちゃん!?」
「凛ちゃんどうしたの……って涼香ちゃん!? なんでここにいるのぉ!?」
ど、どどど…どうしよう!?
りんおねえちゃん、はなよおねえちゃんにも見つかっちゃったよぉ!?
おかしい!! 絶対におかしいよ!!
私のステルス機能は53万級の筈なのに!?
「あ、あにょぉ…お兄ちゃんに会いに来たの……」
「もしかして1人で来たの?」
「うん…美柚樹先生にお使いを頼まれたの……」
「何やってるんですか美柚樹さん……」
まきおねえちゃんは美柚樹先生とは知り合いなの。
「ちょっと待ってて? お兄ちゃ……悠里さんを呼んでくるから」
「真姫ちゃん今何を言おうとしたにゃ?」
「何でもないわよ!!」
りんおねえちゃんにデコピンをした後、
まきおねえちゃんはお兄ちゃんを呼びに行きました。
ここだけの話なんだけどね?
まきおねえちゃんはお兄ちゃんの前では甘えんぼさんなの♪
私しか知らない秘密なんだよ?
「まさか涼香が来てる訳が……って涼香!?」
「あ♪ お兄ちゃーん♪」
「おっと……危ない、危ない」
にへ~♪
お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん♪
「…涼香? 急に抱きついたら危ないでしょ?」
「やっ!!、今はお兄ちゃんと一緒がいい!!!」
だって1人で怖かったんだもん!!
「ふっ……ふぇぇ……」
「分かった分かった…先生に何とか頼んでみるから泣かないの」
「ぅにゅ……? ほ、ほんと?」
「ほんとだよ。でも何で涼香がいるの? さっき真姫ちゃんから聞いたけど……」
「ぅにゅ……お兄ちゃんに渡してほしいってお使い頼まれた」
「そっか……偉いね涼香。1人で怖かったでしょ?」
「うん♪」
えへへ♪
お兄ちゃんに褒められた♪
もっと撫でて欲しいからくっついちゃおー♪
「全く…すぐに甘えんぼになるんだから」
「ぎゅー♪」
「ところで涼香? 降りてくれない?」
「やっ!! 今日はお兄ちゃんと一緒にいるの!! 異論は認めない!!」
この後すぐに美柚樹先生に、
お使いが終わりましたって連絡したよ?
それから連絡が終わった後なんだけどね?
ほのかおねえちゃん、うみおねえちゃん、ことりおねえちゃんが倒れちゃったの!!
お兄ちゃんに聞いたら……
「ほのちゃん達は強い子だから大丈夫だよ」
「この3人…貧血とか起こしてないといいけど……」
「穂乃果ちゃん達、鼻血を出しながら幸せそうに倒れてるにゃ……」
「海未ちゃん、ことりちゃんまで……」
ふぇ?
どういう事?
ねぇねぇ、誰か教えて教えて!? 教えてよぉ~!?
読んでいただきありがとうございます。
いくつか気になる単語がありましたが気になる方は、
自分が連載している作品『奇跡のなくパーティーに 』を読んでみてください。
次回は更新が遅れるかもしれませんが、
なるべく早めに投稿しますので、よろしくお願いします。