ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
昨日シナリオを纏めた結果、
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第132話 水無月涼香

「涼香?、少し離れてくれると嬉しいんだけど……」

「やっ!!」

 

悠里です。

少し困った事になりました。

美柚樹さんに最近の様子を聞きたいと言われ、

孤児院の家に上がらせてもらった僕とことちゃん。

10時頃になったので、おやつを作ろうかかなと思った僕は、

キッチンに向かおうとしたら涼香が引っ付いてきた。

動こうにも足元を強くホールドされてるので動こうにも動けない……

 

「おやつ作りに行くだけだから……それとも要らないの?」

「いらない!!!」

 

こう言えば大抵の子供なら離してくれるんだけど……

まさかのおやつは要らない宣言か……

うちの妹は変なところで頑固だ。

それ以前に打開策を考えないと……

そんな時に携帯の着信音が鳴った。

メールかなと思い、携帯の画面を開くと、

みーちゃんからだった。

内容は……

 

 

件名:どこですか?

 

穂乃果と一緒に悠里君の家の前にいるんですが、

どこにいるんですか?

ことりにもメールを送ったんですが返事がないんです……

ねぇ……どこにいるんですか?

ねぇ……ねぇ……悠里君…ドコニイルンデスカ、ドコニイルンデスカ?

返信待ってます。ズットズットマッテマスカラ……

 

 

 

 

という心配している内容だった。

よく見たら同じ内容のメールが20件くらい来ていた。

全然気づかなかった……

それにしてもなんでカタカナで書いてあるんだろう?

少し悪い事しちゃかなと思ったので僕は、

みーちゃんに事情はちゃんと話すから家で待っててとメールで返信した。

 

「ことちゃん、僕ちょっと家に一旦戻るよ」

「えっ、どうして?」

「ほのちゃん、みーちゃんが家にいるらしいから迎えに行ってくるよ」

「私も一緒に行った方がいいかな?」

「あー……僕が戻るまでの間、涼香の面倒を見てもらってもいい?」

「うん。分かった」

 

ことちゃんの了承は貰えた。

後は未だに足元に引っ付いてる涼香を説得しなきゃなぁ……

 

「涼香、ちょっと僕30分くらい出かけちゃうけど……」

「…ちゃんと戻ってきてくれる?」

「すぐに戻るから。ことりお姉ちゃんと一緒にお留守番できる?」

「うん……いい子にして待ってる」

 

珍しい事に1発で説得できた。

ことちゃんが一緒だからかな?

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

ゆーくんが海未ちゃんと穂乃果ちゃんを迎えに行った後のを

見送った後、涼香ちゃんは絵本等がある本棚の方に行った。

 

「美柚樹さん、涼香ちゃんって本を読むのが好きなんですか?」

「それもあるけど……正確には気を紛らわしたいからなのよねぇ」

 

気を紛らわしたい理由……

ゆーくんの事だなと容易に想像がついた。

さっきまで涼香ちゃんは笑顔だったのに、

ゆーくんが出かけてしまった途端、寂しそうな表情になってしまった。

 

「私も最近気づいたけど、涼香ちゃんは読む本のジャンルが違うのよ」

「それってどういう……」

「ことりおねえちゃん~」

 

美柚樹さんに理由を聞こうとした時、

涼香ちゃんが1冊の本を持って私のところに駆け寄って来た。

 

「この本読んでー?」

「うん、いいよ♪」

「わーい♪」

 

そう言うと涼香ちゃんは、

私の膝に座ってきた。

わぁ~、お人形さんみたいで可愛いよぅ~///

 

()()()()()()()()()早く読んでー?」

 

しかも、ことりの事を()()()()()()って……

はっ!、まだそれは早いよ南ことり!!

色んな意味でまだ早いよ。ゆーくんと結婚とか結婚とか結婚とか……

 

「むぅー!」

「あ……ご、ゴメンね?、今から読んであげるからね?」

「はやくー!」

 

えっと……『ヤンデレに疎いあなたでもヤンデレ女になりきる方法!これで意中のあの人のハートもイチコロよ☆』

…って、これを涼香ちゃんに読んであげるの!?

とてもじゃないけど8歳の女の子が読むジャンルの本じゃない……

さっき美柚樹さんが言おうとしていた理由が分かった気がする。

 

(でも……ことりもちょっと気になるかな……)

 

不謹慎と内心思いながらも、

読んでみたいと思う私がいました。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戻りましたー」

「あら、悠里くん。お帰りなさい♪、そっちの2人もいらっしゃい」

「「お、お邪魔します……」」

 

ほのちゃん、みーちゃんを迎えに行った後、

すぐに孤児院に戻ると美柚樹さんが出迎えてくれた。

 

「ゆうちゃん、このお姉さん誰?」

「まぁ♪、お姉さんだなんて。初めまして神無月美柚樹です」

「神無月?、あの失礼かもしれませんがもしかして……」

「ええ♪、未柚の母です」

「「えええぇぇぇ!!?」」

 

ことちゃんと同じリアクションをする2人。

未柚ちゃんのお母さんと聞けば驚くよね……

 

「お兄ちゃーん」

「…っと。ただいま涼香」

 

今のやり取りが聞こえたのか涼香がこっちに来て抱きついてきた。

おっと……危ない、危ない。

 

「あのねー、ことりおねえちゃんが本を読んでくれたのー」

「そっか。良かったね涼香」

「うん♪」

 

ぎゅーと抱きつきながら答える涼香。

 

「悠里君、その女の子は……?」

「それに、ゆうちゃんの事をお兄ちゃんって……」

「ほら涼香、ご挨拶は?」

「ぅにゅ……は、初めまして……水無月涼香です……8歳です……」

「ど、どうもご丁寧に……そ、園田海未です」

「こ、高坂穂乃果です……」

 

涼香が恥ずかしがりながら挨拶をすると、

ちょっと驚きながらも涼香に自己紹介をする、

ほのちゃん、みーちゃん。

 

「お兄ちゃんお腹空いた!」

「はいはい……」

 

この子さっきまで、

おやつは要らないとか言ってなかったかな……

急にお腹が空いたのかな?

ちなみに僕もみーちゃん達を待たせないように自宅まで走ってたから

僕までお腹が空いてきたよ。

 

「作ってくるからここで待ってて?」

「やっ!!、お兄ちゃんと一緒がいい!!!」

「おやつを作りに行くだけだから……」

「やー!!!、お兄ちゃんと一緒がいいー!!!」

 

このお嬢様は僕に対して色々と注文が多い気がする。

涼香を抱っこしまま片手で料理をしろと……?

正直に言うと僕はそこまで器用な事はできません。

そんな事をやってのけるのはルーちゃんぐらいである。

 

「ふっ……ふぇぇ……」

 

あ、涼香が半泣き状態になってる……

これは流石にマズい。

 

「すみません美柚樹さん、キッチン借ります……」

「あらあら♪、結局折れちゃったのね?」

「…はい。涼香も一緒に連れて行きます」

「冷蔵庫の中にある食材とかは勝手に使っていいからね?」

「ゆうちゃん、穂乃果も何か手伝おうか?」

「…あ、大丈夫だよ。ほのちゃん達は、ことちゃんを何とかしてあげて?」

 

さっきから気になってたんだけど、

ことちゃんは何故か顔が真っ赤になり頭から蒸気を出していた……

しかも……

 

「ちゅ…ちゅちゅーん……///」

 

正座をしながらショート状態になっていた。

あのさ、僕がいない間に何があったの……?

そう思いながらも僕は涼香を連れてキッチンに向かった……

 

(ホットケーキ……でも朝ご飯の時と同じなのもなぁ……パンケーキでも作ろうかな?)

 

どうでもいい事だけど、

ホットケーキとパンケーキの違いが未だに分からないので、

その辺は適当に作ろうかなと思う僕だった……

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

園田海未です。

穂乃果と一緒に悠里君に連れてこられたのは、

未柚ちゃんのお母様である美柚樹さんが経営してる孤児院でした。

悠里君は涼香ちゃんを連れてキッチンにいます。

 

「それにしてもまさか音ノ木坂の同期の娘さん3人に会えるは思ってなかったわ♪」

 

美柚樹さんが私達3人を見回しながら言いました。

でも少し気になった事が……

 

「どうして私達が母の娘だと分かったんですか?」

「うーん……面影と雰囲気かしら?、3人共お母さんに似てるところがあるし……」

「そんなに似てましたか?」

「ええ。特に、ことりちゃんは一目見て分かったわ♪、髪型とか」

 

確かに理事長は、ことりと同じトサカのような髪型をしてますしね……

前々から気になってたんですが、あの髪型は南家の遺伝か何かなんでしょうか……?

口には絶対にしませんが……

 

「あの……涼香ちゃんって、ゆうちゃんとはどういう関係なんですか?」

 

気になってたのか穂乃果が美柚樹さんに聞いた。

私と穂乃果に自己紹介をしてくれた時に名字が悠里君と同じだったからです。

 

「涼香ちゃんは悠里くんの妹よ」

「妹という事は……義理の……でしょうか?」

「いいえ。正真正銘、れっきとした血縁関係の妹よ」

 

私が聞くと美柚樹さんが真剣な表情で返してきた。

それを聞いた私と穂乃果は驚いた……

ことりは悠里君から聞いてたのかそこまで驚いてはいませんでした。

 

「で、でも……ゆうちゃんは1人っ子じゃ……」

「表向きはそういう事になってるわ、家族構成とかもね……」

「ゆーくんの家の事情とかと何か関係があるんですか……?」

 

表向きという単語を聞いた私達は、

何か人には言えない事情があると確信しました。

実際、悠里君に血縁関係の妹がいるという事自体を初めて聞いた……

 

「ごめんなさい……それ以上の事は私でも詳しくは知らないの」

「あの……誰に聞けば分かるんですか?」

「そうねぇ……やっぱり悠里くんと涼香ちゃんの母親である藍里ちゃんくらいね……」

 

悠里君と涼香ちゃんの事情を知ってるのは藍里さんくらいだと美柚樹さんは言った。

確かに藍里さんだったら何か知ってるかもしれないと私達でも分かった。

 

「ですが藍里さんはもう……」

「それは私も知ってるわ。けど藍里ちゃんに聞けるチャンスならあるわよ?」

「「「えっ?………あっ!!」」」

「その様子だと3人は分かってるみたいね。そういう事よ」

 

藍里さんに聞くチャンス……確かにある。

それは去年のハロウィンイベントの時だった。

この時期に私達3人……というよりμ'sのメンバーは藍里さんに会った事があった。

 

「3人に良い事を教えてあげるわ。藍里ちゃん、今年は9()()に入ったらすぐに来るそうよ」

 

もし聞くならそこが狙い目ですね。

それにしても9月ですか……何か行事があったような気が……

 

「みんなーちょっと早いけどブランチが出来たよー」

「んしょ……んしょ……」

 

すると悠里君と涼香ちゃんが戻ってきました。

涼香ちゃんは慣れない手つきで料理が盛ってあるお皿を

こぼさないように一生懸命に運んでいました。

か、可愛いです……///

 

「…涼香、重いならやっぱり僕が持とうか?」

「重くないもん!!、おねえちゃん達のは私が運ぶの!!」

「「「お、お義姉ちゃん!!?」」」

 

お、お義姉ちゃん!?

それってもしかして私と穂乃果、ことりの事でしょうか!?

つまりそれって……

 

(ゆ、ゆゆゆ…悠里君のお嫁さ……///)

 

い、いけません!!

何を考えているんですか園田海未!!

そういうのはまだ早いです!!

で、でも……悠里君とそういう関係になれたら涼香ちゃんは義理の妹って事ですよね?

 

「ぅにゅ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、どうしたの……?」

「「「ぐはっ……!!!」」」

「みーちゃん達が倒れた!?、なんで!?」

「あらあら♪、若いっていいわね~♪」

 

お義姉ちゃんって響き……

イイかもしれません……///

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果だよー。

私達4人は涼香ちゃんと美柚樹さんも交えて、

少し早いお昼ご飯を食べる事になりました。

 

「はい♪、ほのかおねえちゃん」

「あ、ありがとう」

「ほのちゃん、鼻血が出ているけど大丈夫……?」

 

う、嘘ッ!?

さっき召されかけた時に拭いた筈なのに!?

 

「穂乃果……はしたないですよ?」

「そうだよ、穂乃果ちゃん~?」

「みーちゃん、ことちゃん。2人も鼻血が出てるよ?」

「「えっ!?///」」

 

ゆうちゃんの言う通り、

海未ちゃんとことりちゃんも鼻血が出ていた……

2人も穂乃果の事言えないじゃん……

 

「涼香、食べ終わったら何して遊びたい?」

「おねえちゃん達とお絵描きしたーい」

 

ど、どうしよう……

涼香ちゃんにお義姉ちゃんって呼ばれる度に、

また天に召されそうだよ……///

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん。涼香の面倒を見てもらってもいい?」

「「「はい、喜んで!!!」」」

「お願いします。涼香、お姉ちゃん達に迷惑かけないようにね?」

 

ゆうちゃん、穂乃果達は迷惑だなんて思ってないよ?

寧ろバッチ来いだよ!!

 

「は~い♪」

「「「か、可愛い……///」」」

 

笑顔で返事をした涼香ちゃん。

天使!、天使がここにいるよ!!

 

「ほのちゃん達……また鼻血が出てるよ?」

「「「あっ…………///」」」

 

貧血とか起こさないように気をつけなきゃ………

 

 

 

 

ーー13時30分ーー

 

 

 

 

 

お昼ご飯を食べ終えた後、

ゆうちゃんが食器を片付けている間に

私達は涼香ちゃんのリクエストで一緒にお絵描きをしていた。

お絵描きとかするのなんて小学生以来かも……

 

「ほのかおねえちゃん、うみおねえちゃん、ことりおねえちゃん描けたよ~」

 

涼香ちゃんが描いた絵を私達に見せにきた。

そこには3人の女の人が描かれていた。

この人達ってもしかして……

 

「これって穂乃果……?」

「もしかして私でしょうか……?」

「じゃあもう1人は私……?」

「うん♪、おねえちゃん達を描いたの~♪」

 

そう答える涼香ちゃん。

スケッチブックに描かれていたのは、

私達3人だった。

しかも私達の特徴もよく捉えていて凄くクオリティが高い綺麗な絵だった。

とても8歳の女の子が描いた絵には見えない……

 

「おねえちゃん達は、お兄ちゃんの事好きなのー?」

「「「ひゃい!!?」」」

「あーやっぱり好きなんだー♪」

 

突然の事を言われた私達は思わず変な声を上げてしまった……

そんな私達をよそにニコニコと笑っている涼香ちゃん。

 

「お兄ちゃんと結婚とかしないのー?」

「「「け、結婚!!?」」」

 

そ、それって穂乃果が奥さんで、

ゆうちゃんが旦那さんって意味だよね!?

イ、イヤじゃないよ!?、寧ろそういう関係に穂乃果はなりたいっていうか……///

 

「告白とかしないのー?」

「こ、ことりは告白……し、したいけど……///」

「なんでしないのー?」

「そ、それは悠里君が……その……///」

「お兄ちゃんの攻略が難しいからー?」

「た、確かに、ゆうちゃんは色んな意味で……だけど……///」

 

あれ?

穂乃果達はなんで8歳の女の子に対して、

こんな事を喋ってるんだろう……?

 

「僕がどうしたの?」

「あ。お兄ちゃん♪」

「ゆーくん!?」

「悠里君!?」

「ゆうちゃん!?」

 

いつの間にか、

ゆうちゃんが穂乃果達のところに来ていた。

片付けが終わったのかな……?

というかさっきの会話…き、聞かれてないよね……?

 

「あのねーお兄ちゃん、おねえちゃん達とお話してたの~♪」

「そうなんだ。どんな話をしてたの?」

「お兄ちゃんのお話~♪」

「僕の?」

 

ま、まさか……ね?

 

「おねえちゃん達がお兄ちゃんとけっko…………」

「「「涼香ちゃん本人の前でその話をするのはやめてー!!?」」」

「ぅにゅ……?」

 

 

 

私達3人は涼香ちゃんを止めようとしたところ、

ゆうちゃんをうっかり押し倒してしまった……

ど、どどどどうしよう……!?

 

「あらあら♪、お邪魔だったかしら?」

「ちちち違います!!、ゆーくんを押し倒してしまったんじゃなくて!?」

「ことり!!、自爆してどうするんです!?、まともな言い訳はないんですか!?」

「あら♪、という事は海未ちゃんもその気だったのかしら?」

「ち、違いまっ///、私のバカー!?」

 

その様子を美柚樹さんに見られてしまい、

私達は3人は恥ずかしい思いをしてしまったのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
そういえばゴールデンウイークに入りましたね?
自分の周りの友人は旅行に行くとか言ってましたね……(苦笑)
皆さんも出かける際は気をつけてくださいね。
次回もよろしくお願いします。

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