ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

151 / 187
ゆるポメラです。
前回が穂乃果ちゃん視点だったので
今回は海未ちゃん視点になります。

それではどうぞ。


第128話 食堂での出来事

「新入生の校舎案内、無事に終わって良かったね~」

「ええ。そうですね」

 

園田海未です。

私とことりはたった今、新入生の校舎案内を終えて

昼食を食べようと食堂に向かっています。

 

「穂乃果はちゃんと新入生に校舎を案内できたのでしょうか……?」

「ゆーくんも一緒なんだし大丈夫なんじゃないかな?」

 

ことりは言いますが、

正直に言うと不安です。

穂乃果の事ですから色々と空回りするんじゃないかと……

 

「あ、海未ちゃんとことりちゃんだにゃ!」

 

聞き覚えのある声がしたので、

振り向くと凛と花陽、真姫の3人でした。

 

「2人も食堂でお昼ご飯?」

「うん。ゆーくんに偶には食堂で食べようって。ね、海未ちゃん?」

「はい。それにしても真姫が食堂で食べるって珍しいですね?」

「なんか新しいメニューが追加されてるって花陽に聞いたから気になっただけよ」

 

新しいメニュー?

私も音ノ木坂の食堂はあんまり利用した事がないんですが、

その話は少し気になりますね……

そんなこんなで凛達も一緒に食堂に行く事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー食堂ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

私達6人が食堂に着くと、

人がたくさん来ていました。

やっぱりお昼時だからでしょうか……?

 

「凄い人だにゃー」

「座る席もあんまりないね……」

 

凛と花陽の言う通り座れそうな席は殆どないですね……

ちょうどその時……

 

「みーちゃんー、こっち、こっち……」

 

悠里君が手を振っていました。

もしかして私達が座る席を確保してくれたのでしょうか?

そういえば穂乃果の姿が見当たりませんが……

 

「悠里君、穂乃果は?」

「ほのちゃんなら……ここ」

 

テーブルの下を指さす悠里君。

疑問に思った私はよく見ると……

 

「むにゃむにゃ……」

「悠里さん、穂乃果寝てるんですか?」

「うん。疲れてたのかな?」

 

真姫の説明通り穂乃果は寝ていました。

しかも悠里君に膝枕をされてる状態で……

 

「みーちゃん、ことちゃん。悪いけど起こしてあげてくれないかな……今から僕、食券とか買わないといけないから……」

「分かった。穂乃果ちゃんは私と海未ちゃんが起こしておくね?」

「お願いね?」

「じゃあ凛達は食券を買ってくるにゃー♪」

 

そう言うと悠里君は凛達と一緒に食券を買いに向かいました。

さて…この穂乃果(アホ)を叩き起こさなければ……

 

「んぅ…?、あれ……ゆうちゃんは?」

 

そう思った矢先に起きましたね。

 

「穂乃果?、随分と悠里君とお楽しみのようでしたね……?」

「ひっ!?、海未ちゃん……い、いつの間に……」

「穂乃果ちゃん~?、なんで1人で抜け駆けなんてしてるのかな~……」

 

ことりも随分と怒ってますね。

まぁ私もですが……

この後、悠里君達が戻るまでの間2人で説教をしました。

1人だけ抜け駆けなんてズルイです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15分くらいした後、

凛達が戻ってきました。

 

「ただいまにゃ」

「私、並ぶのは今日限りがいいわ……」

「お昼時だし仕方ないよ真姫ちゃん」

 

凛はラーメン、真姫はサンドイッチ、花陽は日替わり定食(ご飯大盛り)でした。

 

「あれ?、ゆーくんは?」

「悠里さんなら新メニューを頼んでたよ?」

「花陽。アレは流石に新メニューとは言いにくいでしょ……」

「「「???」」」

 

私達3人が疑問に思っていると悠里君が戻ってきました。

何やら料理が随分とありますが……

 

「ゆうちゃん、何を頼んだの?」

「ん?、新メニューの『自分で作る』だけど?」

 

そう言うと悠里君は私と穂乃果、ことりの前に

この音ノ木坂には似つかわしくない豪華な料理を並べました。

 

「こ、これ…全部ゆーくんが作ったの……?」

「うん、一応ね……」

「な、なんか豪華過ぎて穂乃果、食べれないかも……」

 

穂乃果とことりが言うのも分かります。

私も正直抵抗があるんですが……

 

「悠里さん、これってフランス料理ですよね?」

「そうだよ。真姫ちゃんよく分かったね?」

「私も食べた事があったので……」

 

フ、フランス料理!?

なんで悠里君はそんな料理が作れるんですか!?

それ以前によくフランス料理を作れる材料を見つけましたね!?

 

「まぁ……冷めない内に食べて?」

「「「い、いただきます……」」」

 

せっかく悠里君が作ってくれたんですし

食べないと失礼ですもんね?

そう思いながらステーキのような物を口にした瞬間……

 

「「「お、美味しい……」」」

「それは良かった。元々この料理はティアちゃんから教わったやつだけど……」

 

あ、ティアから教わったんですか……

そういえばティアはフランス出身だから知ってても納得です。

ティアが日本になじみ過ぎて完全に忘れてましたけど……

 

「でもなんで新メニューが『自分で作る』なんですか?」

「前に学校で寝泊まりしていた時に食堂の人が新メニューを考えててさ、僕も何かないか考えてくれって頼まれてね?、それで2年前かな……静岡の内浦ってところに行った時に色々あってね、その時に何故かこのメニューを思いついたんだ」

 

2年前というと悠里君が中学を卒業したばかりの頃ですよね……

そういえば前にティアが内浦がどうとか言ってたような……?

 

「あ、あの……水無月先輩……」

 

すると3人の1年生が悠里君に声をかけてきました。

 

「えっと……僕に何か用かな?」

「私達、水無月先輩のファンです」

「一緒に写真撮ってください!」

 

えっ?、悠里君のファン?

これは一体どういう事なんですか?

私だけじゃなく穂乃果とことりも唖然としています。

 

「僕で良いなら……カメラとかで撮ればいいのかな?」

「あの…スマホで撮ってもらいたいんですけどいいですか?」

「うん、いいよ?。凛ちゃん悪いんだけど手伝ってもらっていい?」

「任せるにゃー♪」

 

正直、会話の内容が追いつかないのですが……

そんな私達をよそに……

 

「悠里さん表情がちょっと硬いにゃ。はい笑ってにゃ~、はいチーズ」

 

凛の合図でパシャ!とシャッター音が鳴り終わった後、

スマホを1年生の子に渡しました。

 

「「「ありがとうございましたー///」」」

「ど、どういたしまして……」

 

悠里君がそう言うと1年生の子達は嬉しそうに

食堂を後にしました。

 

「悠里さん大人気だにゃー」

「そういえば私達のクラスでも悠里さんのファンとかいたわよね……」

「あ……確かにいたね。ラストライブ前の時からだっけ?話題が出たのって……」

 

凛、真姫、花陽が話す。

2年生のクラスでも悠里君のファンはいるんですか……

当の悠里君はというと……

 

「…今朝も()()()()()()とか貰ったんだよ、普通僕の素性とか知らない人が多い筈なのに……」

「「「「「「ファ、ファンレター!!?」」」」」」

 

これには私達6人も驚きました。

だってファンレターですよ!?

ちなみに私達μ'sが活動している間の時は

そういった物は誰一人貰った事がありません……

 

「別に悪い気はしないけどさ……貰ったのなんて何年振りかだし……」

「ゆ、悠里さん!、貰ったファンレター見せてもらってもいいですか!?」

「凛も見たいにゃー!」

「えー……?」

 

凛と花陽が悠里君に詰め寄ってるのをよそに

真姫が小声で話しかけてきた。

 

「海未達って悠里さんに告白とかしないの?」

「「「あ…えっと……そ、それは……///」」」

「3人共ヘタレ過ぎ……そんなんだと他の子とかに取られちゃうわよ?」

 

と、取られる!?

一体誰にですか!?

私の思ってる事が分かったのか真姫は……

 

「そうね……私とか?」

「「「えっ!?」」」

 

ま、まさか真姫が悠里君を狙っているなんて……

 

「……………………冗談よ」

「真姫ちゃん、今の間は何なの?」

「……………………何でもないわよ」

「真姫ちゃん、ことり達の目を見て言って?怒らないから?」

「穂乃果とことりも考え過ぎよ、てゆーか海未もそんな目しないで」

 

凄く怪しいですね……

 

「べ、別に、お兄ちゃ……悠里さんは頼りになるなと思ってるだけよ!」

「穂乃果もそれは分かるよ。ね、ことりちゃん?」

「うん♪、ゆーくん優しいもん」

 

なんでしょう……

真姫の口から聞き捨てならないとても重要な事を聞いた気が……

私の気のせいでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので
よろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。