今回から最終章『高校3年生編』になります。
この章は完全に作者のオリジナルになっていますので
そういうのが苦手な方はブラウザバックを。
それでも大丈夫!という方のみ読んでください。
それではどうぞ。
第125話 4月1日
今日は4月1日、土曜日である。
本来ならば休日なんだけど今日だけは違う。
何故なら……
「ねぇ。ゆうちゃん、なんで今日は学校なの?」
「それ登校中も聞いてきたよね……入学式の準備があるからって先生が言ってたでしょ」
「ぶー……」
机にぐでーっとなりながら拗ねるほのちゃん。
今朝からこんな感じなんだよね……
「穂乃果いつまで拗ねてるんですか!」
「穂乃果ちゃん、今日は午前中で終わるらしいから元気出して?」
みーちゃんが叱って、ことちゃんが宥める。
この繰り返しである。
その様子を見て苦笑いしていると先生が教室に入ってきた。
そろそろ朝の
「え~今日は来週の月曜にある新入生の入学式に向けて色々と準備がある。まずは自分の荷物を3階にある3年生の教室に移動させるぞー」
先生が今日やる事を説明する。
次の学年に進級するとよく聞く教室移動である。
クラス替えとかは3年生になってもあるのかな?と疑問に思っていたが、
凛ちゃん達のクラスが1クラスな為かそういうのは無いと先週の金曜日に先生が帰りの
「それじゃ各自、荷物を持って移動なー。あとロッカーの中の荷物もだぞー終わったら3年生の教室で待機なー」
それだけを言うと先生は教室から出ていった……
クラスのみんなも自分の荷物を持ち移動を開始していた。
「僕達も移動しようか……」
「そうですね。ほら穂乃果いつまでも拗ねてないで行きますよ!」
「あはは……」
「ぶー……」
移動中でもほのちゃんは拗ねていた。
この様子じゃもしかすると帰りもなのかな……?
荷物を移動させ終わった僕達は先生の指示通り待機していた。
ちなみに席順は僕が転入した時と同じままである。
これも南先生の計らいなのかな?
「よーし今から帰りの
「え"っ……!?」
先生の言葉に絶句するほのちゃん。
そんな事をよそに先生は話を続ける……
「あとは特に連絡は……ないな。それじゃみんな気をつけて帰れるように。あと新入生の入学式は遅刻するなよー?」
みんなは帰りの支度を始めた。
途中、帰りにどこか行くー?等の会話が聞こえた。
「ほのちゃん。どしたの?」
「なんで……雪穂の入学式の日に穂乃果は早起きしなきゃいけないの?」
だから絶句した表情になってたんだね……
「それはあなたが生徒会長だからでしょう……」
ほのちゃんの問いかけに呆れながら答えるみーちゃん。
相変わらず早起き苦手だもんねぇ……
「早起きできそうにないなら僕がモーニングコールでもしようか?」
「ほんと!?」
「ダメです!、悠里君も穂乃果を甘やかさないでください!」
「海未ちゃんのケチ!!」
「なんですって~!」
気が付けば、
ほのちゃん、みーちゃんの喧嘩モドキが始まった。
どうしよう……?
「ゆーくん、私にもモーニングコールしてくれないかな……?」
「えっ、でもやらなくても起きれるでしょ?」
「ゆーくん……おねがぁい♡」
「はいはい………」
ことちゃんはちゃっかりしてる気がする。
で、結局は3人にモーニングコールをしてあげるという案で
収まった………
3人共、何故か嬉しそうだったけどそんなに嬉しいのかな?
帰り道。
僕は少し用事があるのでほのちゃん達とは
途中で別れた。
向かう先は月見屋である。
「…あ、悠里兄」
「あれ、心結?」
偶然にも心結と会った。
「今日は梨子ちゃんと一緒じゃないの?」
「…ん。今日は用事があるから一緒に帰れないって言ってた」
いつも……という程ではないが、
心結と梨子ちゃんはよく一緒に帰る仲だと前に未柚ちゃんから聞いた。
お互い通ってる学校は違うけどね。
「…悠里兄は今からどこかに出かけるの?」
「月見屋だよ、来週から新入生の入学式があるからルーちゃん達が集まろうって」
「瑠菜姉もって事はティア姉と花怜姉も?」
「うん。花怜ちゃんは先に来てると思うよ」
今頃、紅茶でも飲んでるんじゃないかな……
「そういえば心結。曜ちゃんに誕生日プレゼント何か送りたいのある?」
「…うん。決まったら悠里兄に連絡する」
4月17日は曜ちゃんの誕生日。
だから誕生日が来るときは花怜ちゃん達と相談したりして内浦に宅配便を頼んだりしている。心結の場合は小さい頃に内浦に行った時がある為、さりげなく曜ちゃんに誕生日プレゼントを送ってたりする。
最後に曜ちゃんに会ったのは小学生の時だと聞いた。
それだけじゃなく心結は千歌ちゃんとも交流がある。
けどそれは小さい頃の為、千歌ちゃん自身が心結の事を覚えてないのである……
「ティナさんは元気にしてる?」
「…うん、いつもと変わらずだよ。理事長も楽じゃないわって言ってた」
「そうなんだ……」
そんな話をしてる内に月見屋に着いた。
店内からは何故か花怜ちゃんとティアちゃんの言い争いが聞こえる……
「花怜ちゃんとティアちゃん、どうしたんだろ?」
「きっと花怜姉がティア姉を怒らせたんだよ、しょうもない理由とかで……」
何をやってんのさ2人共……
しかもルーちゃんの宥める声も聞こえてくるし……
これはエスカレートしない内に入って仲裁しないと……
「はぁ……心結、入ろうか……」
「そうだね、悠里兄……はぁ……」
溜息を吐きながらも僕と心結は、
店内に入る事にした………
(これから先、不安しかない……)
そう思った僕だった。
読んでいただきありがとうございます。
最後に注意事項がございます。
この最終章は明るい話もありますが、
話が進むごとに暗い話や『真相編』のように
暗い話や残虐な描写が入ります。
読んでて鬱になったりする読者の皆様もいるかもしれません。
その辺は、事前にご了承ください。
また以前のように内容が長かったり短くなったりと
色々とあるかと思いますが、
これからもよろしくお願いします。