ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回は2期第13話『叶え!みんなの夢』の回です。
至らない点も色々とありますが、自分なりに纏めてみました。
最後まで読んでもらえると嬉しいです。

それではどうぞ。


第124話 3年生の卒業式

みーちゃんの誕生日が終わって3日後……

今日は絵里さん達3年生の卒業式の日だ。

僕は今、生徒会室に向かっている……

理由は生徒会役員は卒業式の2時間前に生徒会室に集合しなきゃいけないからなんだ……

 

「ほのちゃん達、もう来てるのかなぁ……?」

 

早めに家を出たつもりなんだけどなぁ……

はぁ……夜遅くまで()()を作ってたせいかぁ?

一応、ことちゃんに誕生日に渡したネックレスを持って来てって昨日の夜にメールを送ったんだよね……

そう考えてる内に生徒会室に着いたのでドアを開ける。

 

「あ、ゆーくんおはよう♪」

「おはようございます。悠里君」

「おはよ……ゴメンちょっと遅れた……」

 

生徒会室には、ことちゃん、みーちゃんが既に来ていて卒業式で使う資料等を段ボールに纏めていた。

 

「あれ?みーちゃん、それ……」

 

僕が気になったのは、

みーちゃんの左手首に誕生日に僕が渡したブレスレットを身に付けていた事だった。

 

「せっかく悠里君から貰った物ですし学校でも身に付けたかったんです♪」

「海未ちゃん、さっきまでにやけてたもんね~?」

「こ、ことり!それはもういいでしょう!?///」

 

僕が生徒会室に着くまでに何があったんだろうか……?

女の子には色々あるんだよ……そうに違いない。

 

「ことちゃん、例のネックレス持って来てくれた?ちょっと今借りてもいい?」

「うん。でもどうしたの?急に……」

「まぁ、ちょっとね……」

 

ネックレスを僕に渡しながら尋ねることちゃん。

自分の鞄から超小型の工具箱を取り出す。

そしてネックレスのチェーンだけを外し、昨日作った()()()をネックレスの装飾品部分にパーツを合わせる……

パチッと音が鳴ったのを確認。これはお互いのパーツが上手くはまった証拠だ。

…やっと完成できたよ。

 

「はい。ことちゃん」

「えっ?」

 

当の渡された本人はキョトンとしていた。

まぁ、これだけじゃ分かんないよね……

 

「改めて僕からの誕生日プレゼント。ペンダントとリボンを合わせたやつだよ、日常生活とかでも付けても問題ないやつ。」

「あ、ありがとう……///、凄く嬉しい……」

「なんなら僕が付けてあげよっか?」

「ちゅん!?」

 

冗談をちょっとだけ言ってみる。

すると案の定、驚いていた……

自分で付けるからいいもん!って言うんじゃないかと期待した僕だったが……

 

「つ、付けて欲しい……な///」

 

…逆だった。

しかも上目づかいで。

結局、僕が付けてあげる事になった。

 

「に、似合うかな?」

「とっても似合ってますよ。ことり♪」

「ありがとう海未ちゃん♪」

 

良かった。渡すのに間に合って……

 

「そういえば、ほのちゃんはまだ来てないの?」

 

そういった瞬間、生徒会室の温度が下がった気がした……

その発信源は当然みーちゃんである。

表情は言わずもがな怒っていた。

ムスッとした感じで怒ってる。笑いながら怒ってないよりは多少マシかな?

 

「ごめ~ん!」

 

思ってた矢先、

我らが生徒会長ほのちゃんがやって来た。

 

「卒業式に遅刻ですか?」

「ほのちゃんおはよ。寝坊しちゃったの?」

「ち、違うよ!学校には来てたの!ちょっと色々あって……」

「「色々?」」

「海未ちゃん、ゆーくん。今日は卒業式なんだからあんまり怒っちゃダメだよ?」

 

みーちゃんはともかく、

僕は怒ってないよ?

 

「わあ~、ことりちゃんそのリボンどうしたの?」

「ゆーくんに今貰ったの♪」

「ええ~!?、いいなぁ~ゆうちゃんー穂乃果には~?」

 

ほのちゃんは頬を膨らませ駄々っ子状態になりながら、

背中に抱きつきながら僕に訴えてくる。

 

「ちゃんとあるから……誕生日にあげたキーホルダーある?」

「ここにあるよ!、穂乃果の宝物だもん!」

 

内ポケットに入ってたんだ……

そして先程ことちゃんのネックレスと同じ仕上げをやった。

 

「はい。ほのちゃん」

「これってブローチ?」

「そうだよ。今まで通りキーホルダーとしても使えるし、どこか出かける時とかにブローチとして使えるようにしてあるからね」

 

そう説明すると、

ほのちゃんが嬉しそうな表情をしながら

今度は正面から抱きついてきた。

 

「嬉しい///、ゆうちゃんありがとう♪、大事にするね♪」

 

この後すぐに、みーちゃんとことちゃんに引きはがされた。

ほのちゃんは何故か不服そうに頬を膨らませてたけどね……

 

「それで送辞の方は完成したのですか?」

 

生徒会室を出て校舎から体育館へ向かう通路を歩いていると、

みーちゃんがほのちゃんに送辞の事を聞いた。

 

「うん!ポケットに入ってるから、3人共見てみてよ!」

 

ことちゃんがほのちゃんの制服のブレザーのポケットに手を入れて1つの紙を取り出した。みーちゃんと僕も混じって、ほのちゃんが書いた送辞を見る。

 

「ほのちゃんらしいね」

「えへへ~」

 

送辞は一言で表すならば、

ほのちゃんらしさが伝わっていた……

みーちゃん、ことちゃんも僕と同じ反応だった。

そして体育館に着くと、音ノ木坂の生徒達が卒業式の準備を着々と進めていた。

紅白幕が体育館の壁に貼り付けられていて、桜の花びらをイメージした紙が体育館中に貼り付けられていた。

なんか凄いや……

 

「あっ、穂乃果。去年の卒業式の記録ってある?」

「照明がどうもうまくいかなくて……」

 

飾り付けの準備をしていたヒデコさん、ミカさんから声をかけられた。

なんでも照明の機械を合わせるのが上手くいかないとの事……

 

「あると思う……」

「生徒会室に行けばあると思いますよ」

「去年どうだったかいいか分かればいいんだよね?」

「照明関連は黄色いファイルに僕が前に徹夜で纏めてあるやつだよ。」

「分かった。ちょっと見てくるよ」

 

ほのちゃんはそう言うと生徒会室に向かって行った。

さてと僕もなんか手伝おうかな……

 

「ところで悠里君?、先ほど『徹夜』という単語が聞こえたのですが……?」

「ゆーくん、どういう事かな?」

 

ほのちゃんが戻ってくるまでの間、

みーちゃんとことちゃんにお説教をくらう事になった。

卒業式なんだから怒らないんじゃなかったの……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして迎えた卒業式が始まった……

上級生の卒業式自体に参加するのは数年振りである。

と言っても嫌がらせとかもないという意味でだけど……

僕達2年生は在校生席の一番前に座っています。

 

(絵里さん達……本当に卒業しちゃうんだな……)

 

卒業証書授与が行われてる間、

僕はずっと考えていた。

そして卒業証書授与が終わり今度は南先生の理事長挨拶。

 

「音ノ木坂学院は皆さんのおかげで、来年度も新入生を迎えることが出来ます。心よりお礼と感謝を述べるとともに、卒業生の皆さんが輝く未来へ羽ばたくことを祝福し、挨拶とさせていただきます。卒業生の皆さん…おめでとう!」

 

南先生が挨拶を終えると卒業生、在校生、保護者の方から大きな拍手が起こった。

そして次の項目に入る……

 

「理事長、ありがとうございました!続きまして…送辞!在校生代表、高坂穂乃果」

「はい!」

 

ほのちゃんの返事と同時にスポットライトが当てられ席を立ち上がりゆっくりとした足取りでステージに上がって行った……

 

「送辞!在校生代表、高坂穂乃果!」

 

そして一度深呼吸をしたあとに

落ち着いた表情で話し始めた。

 

「先輩方、ご卒業おめでとうございます!実は昨日までここで何を話そうかずっと悩んでいました。どうしても…今思っている気持ちや届けたい感謝の気持ちが言葉にならなくて、何度書き直しても…うまく書けなくて…それで気づきました!私は…そういうのが苦手だったんだって!」

 

一区切り終えると体育館から少しの笑い声や小声で話している声が聞こえた。

ほのちゃんは送辞の続きを話す……

 

「子供の頃から、言葉より先に行動しちゃう方で、時々周りに迷惑を掛けることもあって、自分の想いもうまく表現することが本当に苦手で、不器用で……」

 

考えるよりまず行動。

それがほのちゃんだった。

 

「そんな時、私は歌に出会いました!歌は気持ちを素直に伝えられます。歌うことでみんなと同じ気持ちになります。歌うことで心が通じ合えます。私は…そんな歌が好きです!歌うことが大好きです!!」

 

さて…そろそろかな……

ほのちゃんに目を合わせる。

そして合図が分かったかのように今度は1年生の席にいた真姫ちゃんに合図を送る。

ステージに置いてあるピアノの方に移動した真姫ちゃんは鍵盤に指を置き、ピアノを弾いた。そして奏でるピアノの旋律が体育館内に流れる。

ほのちゃんは演奏に合わせて歌い始めた。

歌ってる曲は真姫ちゃんと初めて会った時に歌ってた……

 

「愛してるばんざーい! ここでよかった 私たちの今がここにある♪愛してるばんざーい! 始まったばかり 明日もよろしくね まだゴールじゃない♪」

 

『愛してるばんざーい』だった。

それだけじゃなく真姫ちゃんの「さぁ!」を合図に……

 

「「「「「大好きだばんざーい!負けない勇気 私たちは今を楽しもう♪大好きだばんざーい!頑張れるから 昨日に手をふって ほら前向いて♪」」」」」

 

僕、みーちゃん、ことちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃんが続けて歌う。

絵里さん達3年生は驚きを隠せずにいた……

実はこれ、ほのちゃんからの提案で3年生に内緒でみんなで歌おうと卒業式前から計画していたんだ。最初に聞いた時はびっくりしたけどね……

 

「さぁ!みんなも一緒に歌おう!」

 

ほのちゃんの一声で会場にいる人達で

合唱になった……

歌っている途中、スクリーンには3年間での思い出の場所が映し出されていた。

歌を終えた後、閉会の挨拶になり卒業式は無事に成功した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業式を終え放課後になった僕達は

部室にいる。

 

「すごいにゃ……ほとんど空っぽだにゃ」

「ここにあるのもの全部、本当ににこちゃんの私物だったの?」

「違うわよ!私が特別に貸し出していたの!」

 

真姫ちゃんが尋ねると、

にこさんは部室にあったアイドルグッズを貸し出しと言い切った。

僕も転入してきて初めてここを訪れた時には凄いと思ったのが懐かしいレベル。

 

「貸し出しって……」

「物は言いようじゃないですか……」

「そうにゃ、そうにゃ……」

 

僕と真姫ちゃん、凛ちゃんが呆れてると

花陽ちゃんが……

 

「でも…ここにあった物がなくなっちゃうのは、なんかちょっと寂しくなるね……」

「アイドル研究部なんだから、次の部長が家にあるものを資料として持って来ればいいでしょ?」

 

ちょっと待って…今、大事な単語を聞いた気がする。

 

「にこさんが卒業した後って誰がアイドル研究部の部長なんですか?」

「「「そういえば……」」」

 

その質問を待っていたかのようなタイミングで

にこさんが立ち上がり……

 

「花陽!あとは頼んだわよ!」

「えっ…?えええええぇぇぇぇ!?」

 

花陽ちゃんは信じられないといった表情と、私が部長!?みたいな表情をして叫んでた。

しかも突然の部長指名である。

 

「無理無理無理~!ダレカタスケテェ~!!」

 

そしていつの間にか花陽ちゃんには王様の冠とマントが付けられ、黒板に部長と花の絵が描かれていた。

随分と用意がいいね……

 

「生徒会長を兼任させる訳にはいかないし、花陽以外でアイドルに詳しい人はいないんだから」

「で、でもだからって部長は……」

「凛だってμ'sのリーダーをやったんだにゃ!かよちんならできる!」

 

そういえば僕達2年生が修学旅行で不在だった時に

代わりに凛ちゃんがμ'sのリーダーをやってくれたもんね……

そしてみんなの後押しもあって次のアイドル研究部長は花陽ちゃんになった。

さてと……

 

「じゃあ僕は真姫ちゃんを副部長に指名しまーす」

「えぇ!?なんで私なんですか!?」

 

突然の僕の爆弾発言に驚く真姫ちゃん。

まさか自分が言われるとは思ってなかったのだろう……

 

「新部長の花陽ちゃん、新リーダーの凛ちゃんは何か異論ある?」

「異議なしだにゃ~!」

「うん!。私も悠里さんの提案がいいです!」

「待って!、私はまだ……」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん、絵里さん、希さん、にこさんを

見ると満場一致の拍手が鳴った。

これをやられたら真姫ちゃんは副部長をやるかやらないか決めなきゃならない。

 

「うぅ……分かりました。副部長、やりますよ……」

 

ちょっと可哀想な事をしちゃったかな……

でも実際に真姫ちゃんが副部長に適してると思ったんだよなぁ。

凛ちゃんと花陽ちゃんができない事があったらフォローしてくれると思ったから。

 

「これで必要なことも全部終わったね。それじゃあ、うちらもそろそろ行こっか?」

「もう行っちゃうんですか?」

「せっかくだから校舎を見て回ろうかと思ってるの」

 

希さんに尋ねると絵里さんが校舎を回ってから行くと説明してくれた。

 

「それだったらみんなで回りませんか?…だってこのメンバーでいるのは……最後なんですし……」

 

僕がそう言った瞬間、みんな黙っていた。

えっ……何この空気……?

するとこの沈黙を破ったのは凛ちゃんだった。

 

「あ!、悠里さんが言ったにゃ!」

「え?、凛ちゃん言ったって何を?」

「ゆーくん、『最後』って言ったらジュース1本奢るって約束だよ?」

「あっ……」

 

ことちゃんの説明で思い出した。

そういえば初詣の時にそんな話を確かにしてた……

そして僕達は近くの自販機に行き9人分のジュースを僕は奢るはめになった。

…別にジュースくらい構わないけどね?

 

「悠里くんの奢りのジュースは、美味しいな~♪」

「それは良かったです……はぁ……」

 

絵里さん随分と機嫌がいいですね?

しかし合計990円の出費は地味に堪えるよ……

そしてふと思い出したのだが……

 

「そういえば、ほのちゃん最近までパンとか食べてるのを見てないけど?」

「うん、ラブライブがあったし我慢してたんだ」

「それでも結局、ダイエットをしたんですよ悠里君!」

「ほのちゃん……?」

「あはは……」

 

笑いながら目を逸らさないでこっちを見なよ。

全然知らなかったよ……その情報。

この後みんなでどこに回るか話したところアルパカ小屋に行く事になった。

誰が行きたいと言ったかはまぁ……お察しください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルパカ小屋に着くと、

ことちゃんはオスの白アルパカに抱きついた。

 

「久しぶり~!もふもふ~♪」

「メェ~」

 

するとメスの茶色アルパカが僕に擦り寄ってきた。

懐かれたもんだよ…本当に……

ところで気になったのが絵里さんが茶色アルパカに怯えていた。

茶色アルパカも絵里さんに何故か威嚇している。

 

「どうかしたのですか?」

「い、いや……別に……」

 

みーちゃんが絵里さんに質問したが当の本人は何でもないと質問をはぐらかしていた。

一体、何があったんだか……

 

「それにしても随分と太ったにゃ~」

「言われてみれば……」

 

凛ちゃん、みーちゃんは茶色アルパカが前より太ってた事に疑問に思っていたようだ。

他のみんなも同様だった。

しかし真姫ちゃんだけは違ってたみたい。

 

「待って!!」

「あ、真姫ちゃんは気づいた?」

「てことは悠里さんも?」

 

流石は医者の娘さんである。

茶色アルパカが太ってた理由、それは……

 

「赤ちゃんだね。確実に……」

「「「「「「「「えええー!?」」」」」」」」

「更に言うと新学期のちょっとくらいしたら産まれるよ」

「「「「「「「「えええー!?」」」」」」」」

 

僕の説明に驚くみんな。

しかも白アルパカが「フッフーン!」とドヤ顔をしていた。

 

「やった~!これでまた賑やかになるね!」

「「メェ~!」」

 

嬉しそうな花陽ちゃんに反応する白アルパカと茶色アルパカ。

賑やかになるのは良い事だよ……

この後は講堂やグラウンド、他にも色んな場所を回った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に僕達は屋上に寄る事にした。

 

「考えてみれば…練習場所がなくて、ここに集まったんですよね……」

 

みーちゃんの言葉は尤もだった。

最初は本当に大変だった。どこの場所も他の部活動が使っていて

唯一練習場所に使えた場所が屋上だった。

 

「毎日ここで集まって…」

「毎日練習した…」

「できないことをみんなで克服して…」

「ふざけたり……笑ったり……」

「全部ここだった……」

 

ことちゃん、真姫ちゃん、ほのちゃん、絵里さん、にこさんが言う。

 

「あっ、そうだ!」

 

ほのちゃんが何かを思いついたのか、

モップと水が汲んであるバケツを持って来た。

これからやる事に全然予想がつかない……

 

「ほのちゃん、それどうする気?」

「まぁ見ててよ!」

 

すると、

ほのちゃんは何かを書き始めた。

見た感じ単語ぽいけど……

けど何を書いたのかはすぐに分かった。

みーちゃん、ことちゃんも気づいたようだ……

ほのちゃんが書いた字……それは水の文字で書いた『μ's』の文字だった……

 

「…ほのちゃん、この天気だとすぐに消えちゃうけどいいの?」

「うん……」

 

そう言うと全員、姿勢を正し『μ's』の文字に向かって……

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感謝の言葉を伝えた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やる事を終え部室に戻り鞄を持った僕達は校門前まで歩いていた。

歩いてる途中には両端に満開の桜が咲いていた……

卒業式という事もあってか一段と綺麗だった。

 

「じゃあ…行くわね?」

「ここを越えれば…本当に卒業やね……」

「えぇ……」

 

絵里さん、希さん、にこさんが言う。

 

「絵里ちゃん!」

「穂乃果?」

「また…会えるよね?」

 

きっとここに来るまで悩んでいたんだろう……

ほのちゃん送辞の時も少しだけ悩んでた表情をしてたから。

絵里さんは右手に顎をついてしばらく考える。そして僕達在校生に力強く答えた。

 

「えぇ!また会えるわ!」

 

それを聞いたほのちゃんは笑っていた。

そして絵里さん達が校門へ足を運んだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーピロリーン♪ー

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどその時、

誰かの携帯の着信音が鳴った。

その音に驚いた絵里さん達3年生も足を止めた……

まさにシリアスブレイカー着信音。

 

「あっ…私の携帯だ」

「何よこんな時に……」

「ご、ごめん……」

 

発信源は花陽ちゃんだった。

謝りながらも携帯をいじる花陽ちゃん。

すると徐々に驚きの表情になっていく……

 

「えっ!?嘘……えっ?ええええぇぇぇぇ!?た…たた…大変です~!!」

 

出ました。

花陽ちゃんの大変なお知らせ。

他のみんなも突然の事で驚いていた……

ま、とりあえず……

 

「花陽ちゃん。ここでは話せない事?」

「はい!悠里さん、この画面を見てください!」

「どれどれ……あーこれは確かにここでは話せないね」

「そういう事です!、今すぐ部室に戻りましょう!!」

 

花陽ちゃんがそう言うと近くにいた、

ほのちゃんの手を取って走って学校の方へ走って行ってしまった。

うわぁ、速ーい……

 

「なになに!うちにも教えて~!」

「大変です~!!」

「今度はなんですか!?」

「にゃ~!」

「まだ終わってないってこと!?」

「何それ!?意味わかんない!!」

「行って確認して見るしかなさそうね!」

「ちょっとー!、今日卒業式よー!?」

 

希さん、みーちゃん、凛ちゃん、ことちゃんも花陽ちゃんを後を追いかけて行った。更にその後を真姫ちゃん、にこさん、そして絵里さんが追いかけていく……

そして残ったのは僕だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(1年って……本当にあっという間だったなぁ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の1年……つまり高校2年生を終えた僕。

 

 

 

 

 

音ノ木坂(ここ)に転入して来て色々あったけど楽しかった……

 

 

 

 

 

 

そしてこうやって僕の楽しい時間はどんどん過ぎていく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の新学期はきっと僕にとって運命の分岐点になるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃん、未柚ちゃんには話してある……

4人には僕のワガママを聞いてもらってばかりだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんには何て言おうかな?

やっぱりゴメンナサイ……なのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう1人の()()()()()は気づいているかもしれない……

僕が転入してきた時点で考えが分かってたんだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心結。僕のせいで君の人生を台無しにしてゴメンね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父さん、母さん。

本当に最後まで親不孝でゴメンナサイ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから…………ちゃん。

約束……守れそうにないかもしれない。ゴメンね………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕に残された時間………残り………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年と3()()………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で2期編は完結です。
読んでいただいてありがとうございます。
ここまで頑張れたのも読者の皆様のおかげです。
次回からは最終章『高校3年生編』に入ります。
内容は明るい学生生活も入りますが話が進むごとに暗い話も入ります。
というか完全にオリジナルの話が主になりますが……
活動報告の方もでき次第、そちらの方もよろしくお願いします。
まだまだ未熟な駄作者ですが、完結を目指して頑張りますので
最後まで何卒よろしくお願いいたします。


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