ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
そろそろ海未ちゃんの誕生日が近いですね…
あとはホワイトデーとか……
今月は色々と執筆が多くなりそうです。
少し違った感じで学校での泊まりに入ります。

それではどうぞ。


第122話 学校で過ごす夜

練習が終わった後、

僕達は校門前を歩いていた。

 

「じゃあ明日、時間を間違えないようにね?」

 

絵里さんが明日遅刻をしないように

みんなに言った。

流石に大事なライブの日に遅刻とかはしないと思うけど……

 

「ほのちゃんには僕が連絡でもしようか?」

「遅刻なんてしないもん!、……でも、ゆうちゃんに起こされるなら……///」

 

後半、ほのちゃんが何か言ってたような気が……

 

「穂乃果?、ちゃんと自分で起きてくださいね♪」

「そうだよ穂乃果ちゃん♪、ゆーくんに甘えちゃダメだよ?」

「は、はい……」

 

みーちゃん、ことちゃんが何か黒い笑みを浮かべていた。

ちょっと2人共怖い……

目の前の信号機を見る。ちょうど青に変わっていた。

横断歩道を渡ろうとした時、花陽ちゃんが急に立ち止まった。

 

「みんなで練習するのって……これが最後なんじゃ」

 

その言葉に他の8人も足を止める。

 

(…分かっていても、みんな同じ気持ち……か……)

 

「ダメよ!ラブライブに集中!」

 

にこさんが言うが他のみんなは歩こうとしなかった。

 

「…どうするの、このままじゃいつまでも帰れないよ?」

「そうよ!」

 

僕とにこさんが言っても他の8人は俯いたままだった。

この状況なんとかできないかな?

 

(あっ……そうだ……)

 

多分みんなはこの後、明日のライブに向けて

神田明神に寄る筈だ。でもその後も今みたいに帰るのが

惜しむのが容易に想像ができる。

なら……

 

「あっ僕、教室に忘れ物をしちゃったから取りに行くから先に帰っててー」

「えっ!?、ゆうちゃん!?」

 

ほのちゃんに呼び止められそうだったが

気にせず僕はある人に会いに行く為、学校に戻った。

まだいるかな……?

 

 

 

 

 

 

 

着いた場所は理事長室。

とりあえずノックするか……

南先生いてくればいいけど……いやいて欲しい。

 

 

 

 

ーーコンコンーー

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

やったー!

まだいてくれたよー

そう思った僕は中に入る。

 

「失礼します……すみません急に……」

「珍しいわね?、ことり達と帰ったんじゃなかったの?」

「帰ろうとしたんですがちょっと色々とあって……」

「詳しくは聞かないけど……もしかしてお願い事かしら?」

 

南先生は何で僕の言いたい事が分かるんだろうか……

もしかして意外と僕って顔に出やすいのかな?

 

「はい、実は学校で泊まる許可が欲しくて……」

「急な話ね、でも合宿申請は2週間前に申請しなきゃダメよ?」

「それは重々承知してます、でも…ことちゃん達がほっとけなくて……」

「本当に優しいのね……分かったわ、申請書はある?」

「あっ…はい。実はここに予備の申請書があったり……」

 

鞄に入ってるファイルから1枚の申請書の紙を南先生に渡す。

この申請書の紙には、ほのちゃん達μ's9人の名前が既に書いてある。

ちゃんと本人直筆だよ?

 

「随分と用意がいいのね……偶然かしら?」

「母さんがこういう申請書は予備に2枚書いて持っていた方が役に立つからって……」

「藍里ったら……もう……」

 

前にみーちゃんから聞いたのだが、

母さんが部室に迷い込んだ時に申請書を2枚見つけたらしく、

その2枚に名前を書いてもらい、内1枚を家で僕に渡してきたのだ。

最初は何でかと思ったけどね……?

 

「ただし、条件があります。」

 

すると南先生が条件があると言ってきた。

条件か……一体なんだろ?

 

「悠里くんも泊まるのが条件よ」

「あっ僕もですか……まぁ言い出しっぺですからね」

「あら、珍しく素直ね?」

「…逆にいいんですか?、僕なんかが一緒に泊まっちゃて……」

「今更じゃない♪。つい最近まで学校で寝泊りしてた癖に」

 

ちょっと何で知ってるんですか南先生?

 

「悠里くんの行動なんてお見通しなのよ?」

「やっぱり南先生には勝てませんよ……あっ名前書き終わりました」

「はい。じゃあ承認しました。」

「ありがとうございます」

 

承認の判子を貰った僕は理事長室を後にした。

 

「さてと……ことちゃんに電話かけようかな」

 

この後、ことちゃんに事情を話したところ

ほのちゃん、みーちゃんに後で4人でお話しようね?

と低い声で宣告されたのは余談である。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー部室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「できた~」

 

ほのちゃんが言ってるのは部室に9人分の布団が敷かれているからだ。

ちなみに僕以外、全員パジャマ姿である。

 

「はいお待たせ~!、調理室の火力弱いんじゃないの?」

 

隣の部屋からにこさんが中華鍋を片手に持ちながら

愚痴りながら入って来た。

 

「火力が弱いのは安全の為だと思いますよ。花陽ちゃーん、ご飯は?」

「炊けました~♪」

 

花陽ちゃんが持ってる炊飯器の中には、

炊き立てのご飯が見えた。

 

「そして凛はラーメンを持って来たにゃ!」

「いつの間に持ってきたのよ!?」

「…そのラーメンの器、オーダーメイド?」

「そうにゃ♪」

「ラーメンの器のオーダーメイドなんて初めて見たわ」

 

真姫ちゃんが苦笑い気味に言う。

 

「それじゃあ夕食にしましょう」

 

絵里さんの合図で夕飯にする事になりました。

食器とか出しとかなきゃ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

こんばんは、園田海未です。

明日のライブに向けて今日は学校で

お泊まりと悠里君から聞いた時は驚きました。

しかも帰る際に理事長に学校の許可を貰いに行っていたと

ことりから電話で聞かされたので3人で悠里君に問い詰めました。

 

「なんか合宿の時みたいやね」

 

希の言う通り、夏に真姫の別荘に行った時を思い出します。

 

「合宿もいいけど学校でお泊まりだよ!」

「最高にゃ~♪」

 

穂乃果と凛がはしゃぐのも分かります。

学校でお泊まりなんて初めての事なので私も楽しんでいたりします。

流石にはしゃいだりはできませんが……

 

「そういえば今って夜だよね?」

「…まぁ19時過ぎだしね。」

 

穂乃果の疑問に悠里君が答えると、

椅子から立ち上がって、部室の窓を盛大に開けた。

 

「ちょっと!寒いじゃない!」

「…ほのちゃん寒い。お願いだから窓を閉めて」

 

にこと悠里君が不満を言いますが当の本人は聞く耳を持たず。

 

「夜の学校ってさ、いつもと違う雰囲気で新鮮だよね!」

「…そういうもんなの?、僕は慣れてるからあまり思わないかも」

「後で肝試しするにゃ~」

「えぇ!?」

 

うぅ…肝試しですか……

私は正直に言うと乗り気じゃないんですよね……

理由は夜の学校は怖いからなんです。

 

「あっ、いいね~。えりちは特に大好きやもんね~♪」

「希!?」

「絵里ちゃん、そうなの?」

「…なんか意外です。絵里さん苦手そうなイメージがあるのに」

「いや~…それは…」

 

穂乃果と悠里君の質問に答えず、

真姫が部室の電気を消した途端……

 

「きゃあ!?」

「痛い、絵里ちゃん痛いよ~」

「離さないで離さないで!!」

 

もしかして絵里……

 

「…なるほど。暗所恐怖症ですか」

「新たな発見やろー?」

「そうですね、真姫ちゃん電気点けてあげて。絵里さんが荒れそうだから」

「あ、はい……」

 

確かに電気を点けないと絵里が怒り狂いそうです……

すると悠里君が席を立ちました。

 

「ゆうちゃん、どこ行くの?」

「…教室に行くだけだよ、みんなは先に寝てて?」

 

そう言うと悠里君は部室から出ていきました。

私は少しだけ気になったので……

 

「私お手洗いに行ってきます」

「「じー……」」

「な、なんですか穂乃果、ことり……」

 

穂乃果とことりだけじゃなく、

1年生と3年生も見てきました……

むぅ…なんか癪に障りますね……

もしかして私の考えてる事が分かってるんでしょうか?

疑問に思いつつ私は部室から出ていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……やっぱり夜の学校の廊下を歩くのは怖いです」

 

灯りも点いてないので余計に恐怖感が襲ってくる……

やっぱり1人で行くんじゃなかったです……

 

「…何してるの?」

「ひゃああああ!?」

 

背後から声がしたので恐る恐る振り返ると、

悠里君がいました。

 

「…………」

「みーちゃん?」

「…………」

「おーい、みーちゃーん?」

「ふぇ……ふえぇぇぇん~!、悠里君~!」

「ど、どうしたの!?」

「怖かった、怖かったんです~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もぅ1人で歩きたくないです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いた?」

「はい……」

「でもどうしたの?、こんな1人で歩いて……」

「そ、それは……そ、そういう悠里君こそ!」

「さっきも言ったでしょ?、教室に行くだけだって……」

「むぅ……」

「そんな拗ねた顔しないでよ……じゃあ一緒に行く?、1人じゃ怖いでしょ?」

 

正直に言うと悠里君の言う通り

1人で部室に戻るだけでも怖いので一緒に行く事にしました。

 

 

 

 

 

 

 

ーー2年2組教室、廊下付近ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いた着いたっと……」

「あの……悠里君、何を取りに来たんですか?」

「寝袋だよ、ことちゃんから聞いたでしょ?」

 

電話で聞いたんですが悠里君は最近まで

学校に寝泊まりをしていたと聞きました。

 

「もぅ、あんまり無茶しないでください……」

「寝心地はいいよ?」

「そういう問題じゃないです……」

「これからは気を付けるから大目に見てよ……」

 

机の脇に引っかかっていた寝袋を取りながら

悠里君は苦笑い気味に言ってます。

全く……自分の体調とか本当に考えているんですか?

 

「じゃ寝袋も取ったし部室に戻ろっか?」

「そうですね」

 

そして部室に戻る途中……

 

「ねぇ、みーちゃん」

「なんですか?」

「もう少ししたら、みーちゃんの誕生日だけど何が欲しい?」

「へっ……?」

 

悠里君が唐突な事を聞いてきたので

つい変な声を出してしまいました……///

 

「ど、どうして急に!?」

「だって誕生日が近いでしょ?、みーちゃんって自分から欲しい物とか言わなさそうだから、この際直接聞いた方がいいかなと思ったんだ」

 

確かに私の誕生日は3月15日ですけど……

そんな急に聞かれても困りますよぉ…///

 

「な、何でもいいんですか?」

「とりあえず言ってみて?」

「じゃ、じゃあ……///」

 

小さい頃に一度だけ憧れた事があります。

それを好きな人の前で言うのは恥ずかしいのですが……

 

「そ、その……ゆ、悠里君……///」

「ん?、誕生日プレゼント何がいいか決まった?」

「は、はい……///」

 

少しくらいワガママを言ってもいいですよね?

 

「悠里君と……し、新婚さんごっこがしたいです!!///」

 

い、言ってしまいましたあぁぁぁ!!??

穴があったら入りたいですぅ……///

 

「うん、分かった」

「い、いいんですか…?」

「みーちゃんの誕生日プレゼントだもん。今は明日のライブ頑張ろ?」

「はい///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なんだか明日のライブ頑張れそうです♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださってありがとうございます。
後半に海未ちゃんの視点を入れてみました。
もうすぐ海未ちゃんの誕生日ですからね……
次回で2期12話は最後の予定ですので
よろしくお願いします。

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