ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回の内容ですが
第61話『未来から来た3人の少女達』のその後になっています。
更に言うと2期編が終えた後に執筆予定の
最終章、『高校3年生編』で重要な内容になっています。
尚、悠里、穂乃果、海未、ことり2年生組は今回は出てきません。
つまらない内容かもしれませんが、よろしくお願いします。

それではどうぞ。



第117話 3人の娘達の想い

「うっ……」

 

目を覚ますと見知らぬ天井……ではなかった。

 

()()()来たんだ私達……」

 

先に目が覚めたのは私だけなのかな?

そう思ってた矢先……

 

「「うぅ……」」

 

2()()も目を覚ましたようだ。

2人の元に行こうとしたら急に目まいが襲ってきた…

 

「大丈夫……?」

「あ、ティアお姉ちゃん…」

 

私の体を支えてくれたのは、

パパとママのお友達で私達3人にとっては、

お姉ちゃん的存在である、如月(きさらぎ)ティアさん……

 

「とりあえず座ってなさい。ミユに頼んで何か持ってきてもらうから」

「う、うん……」

 

そう言うとティアお姉ちゃんは、

私を座らせた後、一旦部屋から出ていった。

 

「ゆとり、大丈夫ですか……?」

「うん。里海(りう)ちゃんは?」

「わ、私は平気…です。少しだけふらつきますけど…」

 

あ、自己紹介が遅れました。

私の名前は水無月(みなづき)ゆとりって言います。

19歳です。

 

悠乃果(ゆのか)ちゃんは、まだ起きないの?」

「むにゃ…お饅頭…鶯団子は飽きたよぉ……」

「「…………」」

 

私と里海ちゃんは悠乃果ちゃんの寝言に

少し呆れてしまいました。

何でも悠乃果ちゃんは住んでる家が和菓子屋さんだそうです。

 

「…はれ?、里海ちゃん?、ゆとりちゃん……?」

 

目が覚めたばかりなのか悠乃果ちゃんは

少しボーっとしていました。

それを見た里海ちゃんは……

 

「悠乃果はだらしないです!」

「なんで悠乃果だけー!?」

 

里海ちゃんと悠乃果ちゃんが

言い争っているとティアお姉ちゃんが戻ってきた。

 

「……あなた達?」

「「「は、はい!?」」」

「喧嘩は止めなさいって言ったわよね?」

 

ど、どどうしよう……

ティアお姉ちゃん笑顔だけど目が笑ってないよぉ……

だ、誰か助けて~……

 

「ティアお姉様、それくらいにしておいた方が良いのでは?」

 

そう言いながら入って来たのは

もう1人のお姉ちゃんである神無月未柚(かんなづきみゆ)さんだった。

 

「そうね……、とりあえず3人に聞かなきゃいけない事とかもあるし」

 

そう言うとティアお姉ちゃんは、

映画館のスクリーン並みのコンピューターの前に

移動しキーボードの操作を始めた。

 

「悠乃果、里海、ゆとり。()()()()は渡せましたか?」

「悠乃果は渡したよー」

「正確には手紙を置いたら()()()()になったの間違いですよ悠乃果。」

「そうだよ悠乃果ちゃん……」

「ティアお姉様、第1段階は何とかなったみたいです」

 

未柚お姉ちゃんの言葉にティアお姉ちゃんは……

 

「ユトリ達3人の年齢を9()()に設定しないと()()に送れないってなった時はイチかバチかの賭けだったけど何とかなって安心してるわ……」

 

そう……

私達3人はティアお姉ちゃんが造った特殊な機械を使用して

ママが高校生だった時代に時間移動(タイムシフト)して来て

手紙を置いてきたんです。

でも過去に移動する際の条件として9()()()()()としてでないと

無理だった……

そこでティアお姉ちゃんが何とか目的だけでもと機械にプログラミングし、

こうして無事に元の時代に戻ってこれた。

 

「あ、あの。ティア姉様……」

「どうしたのリウ?」

「次の時間移動(タイムシフト)はいつ頃になるのですか?」

 

里海ちゃんが心配しそうな声でティアお姉ちゃんに聞いた。

 

「ウミ達が高校3年生になって少し経ったらよ、今度は()()()()でね」

「今の年齢で……?、何故なんですか?」

「悠乃果も分かんないよー……」

 

私も分からなかった。

次に過去に行く際は今の年齢…つまり19歳の姿でママに逢って来いと

ティアお姉ちゃんは言うのだ。

 

「あなた達3人が、この時代の事を話すのよ。ただし……」

 

ティアお姉ちゃんは真剣な表情になり私達に向かって……

 

「話したところで最悪の未来を変えられるかは、あなた達の母親自身よ。

特にコトリの場合は厄介な問題を抱えてるからユトリが何とかしてあげて」

「私が……?」

「娘であるユトリしかできない事よ」

 

私にしかできない事……?

一体なんだろう……

 

「次にリウ」

「は、はい…」

 

自分が呼ばれるとは思わなかったのか

里海ちゃんは少し緊張気味だった。

 

「次にウミに逢ったら剣の稽古をつけてあげなさい」

「わ、私がお母様にですか!?」

「大丈夫よ、ウミだって剣道とか古武術とかやってるんだから」

「そ、そういう問題じゃないですぅ…」

 

里海ちゃんが慌てる理由は私でも分かる。

自分の母親に剣の稽古をつけろと言われたからだ。

里海ちゃん自身が母親に剣術とかを習った為、

そんな恐れ多い事はできないからなの……

 

「最後にユノカ」

「はい!」

 

最後に呼ばれる事が分かっていたのか

悠乃果ちゃんは元気よく返事をした。

 

「あなたは自分が思った事をやればいいわ」

「ほえ?、それだけなの……?」

「ええ。それだけよ」

 

すると未柚お姉ちゃんが……

 

「ゆとり、里海、悠乃果。あなた達は次に備えて休んでなさい」

「「「は、はい……」」」

 

実際に今も疲れている為、

私達は素直に言う事を聞く事にした。

 

(パパ……私、また逢いたいよ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideティア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人がそれぞれの自室に戻ったのを確認した

私とミユはコンピューターの画面を見ていた……

 

「後はウミ達次第ね……」

「これを起動させるタイミングはいつなんですか?」

()()()()が決める事になってるわ」

「そうですか。ティアお姉様、個人的に聞きたい事があるんですが……」

 

いつになく真剣な顔をしてるわね……

 

「ことり先輩の場合は特に大変ってどういう事なんですか?」

「その質問ね……ミユ、ちょっとこの記録見てくれないかしら」

 

私は別の画面に切り替える。

それは別の世界の私が遺した秘蔵データ。

 

「これがどうかしたんですか?」

「昨日、解析したら()()1()()()()()()についてだったのよ」

()()1()()という事は瑠菜お姉様のような?」

 

ルナは特定の条件で怒ったりすると目の色が()()()()()()()()()

変色する事がある。それはコトリも例外じゃなかった……

いや、正確にはコトリの場合はラブライブに出場する際で最終予選で歌う曲を

μ'sのみんなで決めていた、その帰りにユーリが展望台から

飛び降り自殺をした際に発現したのが最初だった。

それ以降、私はルナと2人で秘密裏に調べた。

 

「ルナとコトリの人格は()()()()()に書かれた人物そのものだったの」

「つまり()()()()の2人だというのですか?」

「ええ。」

 

私の答えにミユは驚愕の表情をしていた。

最初は冗談だと思っていたがデータを解析してく内に

信じざるを得ない事まで記録していたからだ。

 

「その証拠に……これ」

「これは日記ですか?」

「そうね。別の世界の私がいた世界ではユーリは死んでるみたい」

「ちょっと待ってください!!、それはいつ頃なんですか!?」

「12歳の時みたい。しかも7月の半ばの時よ」

「そんな……」

 

7月の半ばというと

中学時代にユーリとコトリが最後に会った時という事が分かった。

しかも日付を確認してみたところ、ユーリが大怪我した日だ。

 

「ここである仮説が分かったの」

「仮説ですか…?」

「ユーリは護身術を使って怪我だけで済んだ。けどもしも……」

 

ミユは私が言ってる事が段々と分かってきたのか

顔が青ざめていた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()という事ですか……?」

「……そうよ」

「なんてこと……」

 

このデータによると私達3人だけじゃなく、

偶々、コトリ、ウミ、ホノカの3人もユーリが血塗れで

倒れてるのを目撃してしまったとの事。

しかもユーリは次の日に死んでしまったとの事……

その日以来コトリ達の人格が病んでしまったと記録されていた。

 

「悠里お兄様を助けるにはやはり……」

「それしか方法は無いわ……」

 

()()()()でのユーリは、

無事に音ノ木坂学院を卒業し1年間だけ自分の存在意義について

考えてた。そしてウミ達の支えもあって『生きたい』という結末になった。

そして結婚し、子供まで儲けた……

ところがある日を境にユーリは死んでしまった……

ユーリだけじゃない。ホノカとコトリそしてウミは行方不明になってしまった。

カレンはユーリが死んでしまった為、この世界には居ない……

ルナも音信不通の状態……

生き残っていたのは私とミユ、そして3()()()()だけだった……

 

(上手くいった筈なのに何処かで間違えたというの……?)

 

だから私はあらゆる手段を使って、

ユーリが生存しつつ幸せな未来を送れる事を模索している。

 

 

 

 

 

 

(ウミ、ホノカ、コトリ。後はあなた達次第よ。私もできるだけ頑張るから…)

 

 

 

 

 

 

 

昔、ユーリと約束した事……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんな時でも私はユーリの友達でいるって……

 

 

 

 

 

 

 




次回は今度こそ、2期第11話『私たちが決めたこと』の回を執筆します。
少し投稿が遅れるかもしれませんが
よろしくお願いします。
本日は読んでいただいてありがとうございます。

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