ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
皆さん、明けましておめでとうございます。
今日は『劇場版ラブライブ!』の放送日ですね。
自分が映画館で観たのは公開日最終日に友人に
連れて行ってもらいました。
友人は3回以上も観たそうです。
さて今回は海未ちゃん視点になります。
短いかもしれませんがよろしくお願いします。

それではどうぞ。


第115話 彼にとっての原動力

園田海未です。

A-RISEのリーダーである綺羅ツバサさん

が穂乃果と話がしたいと言って私達と別れた後、

私とことり、悠里君の3人で帰る事になりました。

 

「ねぇ、海未ちゃん」

「ことり?」

 

ことりが悠里君がいるのにも関わらず

私にしか聞こえない声で話しかけてきました。

一体どうしたんでしょうか……

 

「私達の前に歩いてるのって、ゆーくんだよね?」

「当たり前じゃないですか……」

 

急に何を言い出すのかと思ったら

私達の前に歩いているのは悠里君じゃないような

言い方に聞こえたので私は……

 

「ことり、あなた疲れているんじゃないんですか?」

「そうなのかな……?」

 

今日はキャッチフレーズを考えたり練習をしたりと

大変だったので、そのせいじゃないかと思いました。

ふと悠里君を見てみると……

 

「「……えっ」」

 

私とことりが見たのは()()()()()()()の姿でした。

正確には歩いている後ろ姿は悠里君なのですが、

それと同時に背丈は私達と同じくらいで腰まで伸ばした

漆黒の長髪の女の子の後ろ姿が視えた……

 

「…2人共、どうしたの?」

 

私達が黙ったままな事に

気づいたのか悠里君は、こっちを振り向いて

声をかけてきた。

 

「い、いえ。何でもないですよ……」

「う、うん。ゆーくん、気にしないで?」

 

私達が言うと悠里君は何も言わなかった。

さっきのは一体……

 

「穂乃果ちゃんとツバサさん、何の話をしてるんだろう?」

「…気になる?」

 

それは私も気になってました。

確かリーダー同士で話したい事があると……

悠里君は分かってたみたいですが……

 

「まぁμ'sがA-RISEに勝てた原動力が知りたいってところだと思う」

「「原動力?」」

「…そ。原動力」

「何故、そう思うのですか?」

 

私が問いかけると悠里君は……

 

「最終予選の時、お互い条件は一緒だったでしょ?

努力、練習、それにチームワーク。A-RISEはμ'sより強くなろうと

していた。この場合、プライドって言えば分かるかな……?

だけど負けてしまった。

ここである疑問が浮かぶんだ。

『何故?、どうして?、同じ条件だった』のに……

今頃ほのちゃん、何て答えていいか迷ってる筈だと思うしね……」

 

凄い……

あれだけのやり取りだけで

ここまで推測ができるなんて……

 

「ねぇ、ゆーくん……」

「…なに?」

「えっと…その……」

 

ことりは言いにくそうな表情をしながら

悠里君に何かを聞こうとしていました。

 

「ゆーくんって小さい頃アイドルだったんだよね?」

「…うん。それがどうかしたの?」

「その頃のゆーくんの原動力ってなんなの?」

 

A-RISEに宣戦布告をされた日に判明した

悠里君が『幻のアイドル』だったという事……

そしてアイドル活動期間が1週間だけという事実も。

ことりが言いにくそうだったのは恐らく悠里君を傷つけたら

どうしようという恐怖感からなのかもしれません……

 

「…その話なんだけど長くなりそうだけど平気?」

「うん…」

「みーちゃんは?」

「私も聞きたいです…」

「…分かった。そこの公園でいい?」

 

私達3人は近くの公園に向かう事に

なりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー公園ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はい。ことちゃん、飲み物」

「あ、ありがとう」

「…はい。みーちゃん、お茶で良かった?」

「あ、ありがとうございます」

 

悠里君は私達2人に飲み物を買ってくれました。

ことりには紅茶、私には緑茶を渡してくれました。

 

「…えっと僕がアイドルしてた時の原動力だったけ?」

 

私とことりが頷くと

悠里君は一度深呼吸をしながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()があったからかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大切な子との……」

「約束ですか……?」

「…うん、それがあったから頑張れたんだ」

 

その時の悠里君はどこか

寂しそうに笑いながらも後悔はない。

そんな表情をしていました。

 

「…それとアイドル活動期間が1週間だったのは、

その子の夢を叶えてあげたかったのと個人的なお願いをされたからかな…」

 

つまり悠里君のアイドル活動期間が

1週間だけだったという理由は……

 

「ゆーくん、お願いって何を言われたの?」

「僕が歌ってる姿を見てみたいって……」

 

悠里君が歌ってる姿?

そういえば月ノ丘高のハロウィン祭で悠里君が

ライブをしていた姿を思い出す。

今の話と関係があるのでしょうか……?

 

「それで1週間だけ歌ったんだけど、その次の日に

世間から反感を買っちゃってさ。男が歌うな、アイドルの概念を壊すな、

消えろクズ、とか言い出したらキリがない事を言われちゃって……」

 

悠里君は乾いた笑い声をしていた。

 

「「ひ、酷い……」」

「…それを言ってきたのが、その子の一部の過激なファンと国家の上層部

だったんだ。まぁ大方『気に入らない』って理由が大半だったけど……

それで僕は辞めたんだ。」

 

じゃあその頃から悠里君は……

 

「それで、その子もアイドルだったんだけど私も辞めるなんて

言い出してさ。何でって聞いたら僕がいないアイドル活動期間を

するくらいなら辞めた方がマシだって……

それで最小限の被害で済んだんだ。

だから僕にとっての原動力は『大切な人との約束』かな……」

 

今の話……

何処かで聞いた事があるんですが……

それも最近……

 

「…そろそろ帰ろっか。暗くなってきたし」

 

そう言うと悠里君は帰る支度を始めました。

携帯の時間を確認してみると17時30分になっていました。

 

「ゆーくん、嫌な事を聞いてゴメンね?」

「気にしてないよ。話すタイミングがなかったから寧ろ助かった」

「で、でも……」

 

ことりは自分が聞いた事をまだ気にしていたらしく

その様子を見かねた悠里君は……

 

「ことちゃん、気にしすぎ。」

「ゆ、ゆーくん、髪をわしゃわしゃしないで~///」

「…マイナス思考になる、ことちゃんが悪い」

 

あの、悠里君?

マイナス思考になるって

悠里君も人の事を言えないのでは……?

 

「もぅ~!、海未ちゃんも笑ってないで止めてよ~///」

 

えっ?

私、笑ってました…?

 

「悠里君?、それくらいにしてあげてください。」

「…そうだね、これ以上やったら、ことちゃんが拗ねるし」

「ことりを子ども扱いしないで~!」

 

この後、私と悠里君で

拗ねてしまったことりを宥めるのに苦労しました。

この場合、自業自得ですよね?

 

「ことちゃん、ゴメンね?」

「むぅ~!」

「…みーちゃん、どうしよう?」

「えっと…、ことり?、機嫌を直してください。」

「ふんっ!」

「…ダメだ。時間がかかる流れだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
次回は2期第10話、最後の回になります。
こんな作者ですが完結目指して頑張りたいと思いますので
今年もよろしくお願いします。

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