ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

128 / 187
ゆるポメラです。
お待たせしてしまって申し訳ありません……
今回は日付に合わせて
主人公である悠里の誕生日を執筆しました。
悠里のプロフィールの誕生日に合わせて投稿したかったもので…(苦笑)
時系列ですが、第95話『12月12日 夜』のラストからです。
これを機にもう1度『悠里の誕生日編』を読んでもらえたら
嬉しいです。
それから今回の視点ですが海未ちゃんになります。

それではどうぞ。



特別編 悠里の誕生日

悠里君を無事に見つけた後、

私達は神田明神の広場に戻って来た。

 

「ねぇ、みーちゃん」

「はい?」

「…ちょっと待っててもらっていい?」

「は、はい……」

 

そう言うと悠里君は、

先程、私達が入った場所に向かって

魔法使いがよくやる杖を振るような動作を

3回くらいやっていた。

 

「…()()1()()()良し」

「悠里君、今の動作は何ですか?」

「…()()()()みたいな物だよ。全部で2()()あるんだ」

「あの、2つ目は……?」

 

さっきの言い方だと

暗証番号は全部で2()()あり、

その内の1つ目を悠里君がロックしたという事。

あと1つが気になったので聞いてみると……

 

「2つ目は心結が持ってるよ」

「そうなんですか?」

「…僕が言えるのはこれだけだから」

 

そう言うと悠里君は黙ってしまった。

つまり、これ以上の事は出来れば聞かないでほしい

と私は感じました。

 

「…これからどうする?。みーちゃんが帰るなら送ってくけど……」

「そうですね…、ってそうじゃありません!!」

「…あの、なにが?」

 

悠里君に言われたので

どうしよかなと考えていましたが肝心な事を

忘れていました!!

今日は悠里君の誕生日で穂乃果達と一緒に

悠里君の事を祝おうと思ってたのに…

色々ありすぎて危うく家に帰ろうとしちゃったじゃないですか!!

 

「今から穂乃果達と合流しますよ!」

「…ほのちゃん達と?」

 

敢えてその後の内容を言わなかったのは

私の勘です。

何故か穂乃果達と合流してから内容を言えと

頭の中で言ってるんです。

 

「悠里君、早く行きますよ!!」

「…それ以前に何処に行くの?」

「穂乃果達には公園で待てと連絡しておきましたので」

「…みーちゃん、そのメールいつ打ったの?」

「ここに来る前ですよ♪」

 

実は万が一の時は、

公園で待っているという連絡を

ティアに経由してもらったんです。

我ながら策士ですね♪

 

「さぁ悠里君♪。行きますよ♪」

「……はい」

 

悠里君の手を繋ぎながら私達は

穂乃果達が待つ公園に向かう事にしました。

 

 

 

 

 

 

ーー移動中にてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ねぇ、みんな怒ってた?」

「少なくとも穂乃果と花怜は怒ってましたよ?」

「…て事は、ルーちゃんも怒ってるよなぁ」

「瑠菜がですか?」

「……うん」

 

そういえば電話で瑠菜が

いつもとは違った口調で喋ってたような……

そうじゃないような……

 

「ルーちゃんから腹パンされる事、覚悟しとこっと……」

「あの、瑠菜がそんな事をやるイメージがないんですが……」

「実は今日みたいな事を去年もやってさ……」

「それは悠里君が悪いです」

「…はい」

 

ここに来る途中にティアが言ってましたね。

中学時代の誕生日に悠里君は

毎回同じ事をしたと…

 

「…みーちゃん。僕、帰っちゃダメ?」

「ダメです」

 

この後も悠里君に見逃して?と

涙目でお願いされましたが

私は何度もダメと言いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー公園ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆーくん!。海未ちゃん!」

 

公園の広場に着くと

私達に気づいたのか

ことりが近づいて来ました。

 

「ゆーくんのバカッ!!!、心配したんだよ!?」

「…ご、ごめんなさ……」

 

悠里君がことりに

謝ろうとした次の瞬間……

 

 

ーードコッ!!!ーー

 

 

 

「「!?」」

 

悠里君が何かにふっ飛ばされ

砂場の方まで叩きつけられてしまいました。

一体誰がと思った私は後ろを振り向いた。

そこにいたのは……

 

「ティ、ティア……?」

 

ティアだった。

表情は普段と変わってませんでしたが

付き合いの長い私には分かる。

完全に怒っていた。

 

「…()()()()()()()()()って酷くない?」

「あら。私は加減したつもりだけど?」

「…わぁー、ティアちゃん優しいー……」

「全く…。次はないからねユーリ?」

 

そう言うとティアは悠里君の傍に行き

手を差し伸べて悠里君を起こす。

 

「あ、そうだ。ユーリ?」

「…なにさ?」

()()。気をつけた方がいいわよ」

「…は?」

 

ティアに意味深な言葉を言われた

悠里君が後ろを振り向こうとした時……

 

「ゆうくん~♪」

「…ル、ルーちゃん……?」

 

そこには笑いながら仁王立ちしている瑠菜がいました。

ちょ、ちょっと待ってください!?

あれは本当に瑠菜なんですか!?

凄く怖いんですけど!!

 

「ねぇ~、ゆうくん~?」

「…は、はい」

「わたし去年も言ったよね~?」

「…あの、その、これは……」

 

なんですかアレは!?

温厚な人間が怒った時が一番怖いと聞いた事が

ありますが瑠菜の場合が正にソレです。

気のせいか背後に般若の顔が視えるのは私の気のせいだと

思いたいです……

 

「てな訳で~、え~い♪」

 

 

ーードッコーン!!!ーー

 

 

 

瑠菜が拳を振り上げた瞬間、

悠里君は私とことりがいる位置まで

吹っ飛んできました。

 

「ゆーくん大丈夫!?」

「コトリ、放っておきなさい」

「ティア、もしかしてまだ怒ってます?」

 

心配することりに対して

辛辣な事を言うティア。

私が見る限りだとまだ怒ってますね。

 

「…はぁ。生きてるだけまだマシか」

 

すると悠里君が起き始めました。

だ、大丈夫なんでしょうか……?

 

「ゆうくん~、あと1()()()残ってるからね~?」

「…ルーちゃん?。な、何を言って……」

「花怜ちゃん~、穂乃果ちゃん~」

 

すると何処からか……

 

「ゆうちゃんの……」

『ゆうり君の……』

「…おかしいなぁ?。僕の背後から聞き覚えのある声が……」

「『ばかぁー!!!』」

 

穂乃果と花怜がロケットのように

悠里君に向かって体当たりをしました。

 

「…………」

 

あの、悠里君から声がしないんですが

死んでませんよね!?

 

「ゆうちゃんのバカバカ!!!、おたんこナス!!!」

『ゆうり君のバカ!!、本当に心配したんだからね!!!』

「…ご、ごめんなさい………」

「『許す!!』」

 

穂乃果、花怜。

今のやり取り軽く感じたのは

私だけでしょうか……?

 

『ゆうり君も反省した事だし、それじゃあ……』

 

花怜が私達に合図を送ってきたので

その場に座り込んでいる悠里君に向かって……

 

 

「ゆうちゃん!」

 

 

『ゆうり君!』

 

 

「ゆーくん♪」

 

 

「ゆうくん♪」

 

 

「ユーリ」

 

 

「悠里君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「『お誕生日おめでとう!』」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ありがとう///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして12月31日の夜……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっ♪」

「海未ちゃん、どうしたの?」

「いえ。悠里君の誕生日パーティーの事を思い出して」

 

あの後みんなで

悠里君の家で誕生日パーティーをやったんです。

穂乃果と花怜がはしゃいだり、

ことりと瑠菜が作った料理を落としそうになり

私とティア、悠里君の3人で止めたりと

小さい頃のように7人で楽しく過ごしたように感じた。

 

「ゆーくん、楽しんでくれたかな?」

「ことりも見たでしょう?」

「うん♪」

 

 

 

あの日。

私達3人は見た……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君の……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嬉しそうな笑顔を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(来年も7()()で過ごしたいです。この先もずっと……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思いながら

私とことりは悠里君の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




この度は読んでいただいてありがとうございます。
こんな作者ですが次回も頑張って執筆しますので
これからもよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。